JP3052694B2 - 肉盛り加工方法および肉盛り加工装置 - Google Patents
肉盛り加工方法および肉盛り加工装置Info
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- B23K26/00—Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
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- B23K26/03—Observing, e.g. monitoring, the workpiece
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
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- B23K35/22—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
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- B23K35/30—Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 1550 degrees C
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
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- C21D2251/04—Welded or brazed overlays
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ある金属材料上にこの
金属材料とは別の金属材料を肉盛り加工するのに利用さ
れる肉盛り加工方法および肉盛り加工装置に関するもの
である。
金属材料とは別の金属材料を肉盛り加工するのに利用さ
れる肉盛り加工方法および肉盛り加工装置に関するもの
である。
【０００２】
【従来の技術】製品，部品，部材等に要求される性能と
しては、剛性，軽量，耐摩耗性，耐食性など様々なもの
がある。一般に、これらの性能を全て満足する材料は存
在せず、仮に存在したとしても高価であり使用する対象
は限られている。
しては、剛性，軽量，耐摩耗性，耐食性など様々なもの
がある。一般に、これらの性能を全て満足する材料は存
在せず、仮に存在したとしても高価であり使用する対象
は限られている。
【０００３】そこで、上記のような性能を同時に満足で
きるようにするため、複数の材料を組み合わせてひとつ
の部材を構成することが行われている。例えば、できる
だけ軽量で耐摩耗性に優れる特性を持つ摺動部材を得よ
うとする場合、母材をアルミニウム合金とし表面のみを
耐摩耗性に優れた銅系材料とすることで、所望の特性を
持つ摺動部材を実現できる。
きるようにするため、複数の材料を組み合わせてひとつ
の部材を構成することが行われている。例えば、できる
だけ軽量で耐摩耗性に優れる特性を持つ摺動部材を得よ
うとする場合、母材をアルミニウム合金とし表面のみを
耐摩耗性に優れた銅系材料とすることで、所望の特性を
持つ摺動部材を実現できる。
【０００４】肉盛り加工は、ある金属材料の表面を異な
る特性を持つ金属材料で冶金的結合を介して被覆するこ
とにより、上記のような異なる特性を持つ金属材料の組
み合わせを実現する加工方法のひとつである。
る特性を持つ金属材料で冶金的結合を介して被覆するこ
とにより、上記のような異なる特性を持つ金属材料の組
み合わせを実現する加工方法のひとつである。
【０００５】健全な肉盛り加工を行うためには、肉盛り
材を溶融しつつ、母材表面をわずかに溶融させ、母材と
肉盛り材との界面での両材料の希釈率を最適にする必要
がある。例えば、アルミニウム合金よりなる母材に銅系
合金よりなる粉末を肉盛りした場合、母材が多く溶け過
ぎるとアルミニウムと銅とで極めて脆弱な化合物が形成
され、クラックが発生するなど、肉盛り品質の低下を招
いてしまう。逆に、母材の溶融が十分でないと肉盛り材
と母材との冶金的結合が得られない。
材を溶融しつつ、母材表面をわずかに溶融させ、母材と
肉盛り材との界面での両材料の希釈率を最適にする必要
がある。例えば、アルミニウム合金よりなる母材に銅系
合金よりなる粉末を肉盛りした場合、母材が多く溶け過
ぎるとアルミニウムと銅とで極めて脆弱な化合物が形成
され、クラックが発生するなど、肉盛り品質の低下を招
いてしまう。逆に、母材の溶融が十分でないと肉盛り材
と母材との冶金的結合が得られない。
【０００６】母材の溶融状態は、肉盛り品質に大きく影
響を及ぼすにもかかわらず、これまで、溶融状態をモニ
タする方法はなく、目視あるいは浸透探傷などの方法
で、形状の不良，クラックの有無などをチェックするこ
とにより肉盛りの品質管理を行っていた。
響を及ぼすにもかかわらず、これまで、溶融状態をモニ
タする方法はなく、目視あるいは浸透探傷などの方法
で、形状の不良，クラックの有無などをチェックするこ
とにより肉盛りの品質管理を行っていた。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は、肉盛り加工後に検査する方法であるため、原
理的に肉盛り加工中にオンラインでのモニタリングは不
可能であった。また、加工時間に比べて相対的に長い検
査時間を必要とするため、全数検査には不適当で、全数
検査をするためには多くの検査ラインを持たねばならな
いという問題点があり、このような問題点を解決するこ
とが課題であった。
の方法は、肉盛り加工後に検査する方法であるため、原
理的に肉盛り加工中にオンラインでのモニタリングは不
可能であった。また、加工時間に比べて相対的に長い検
査時間を必要とするため、全数検査には不適当で、全数
検査をするためには多くの検査ラインを持たねばならな
いという問題点があり、このような問題点を解決するこ
とが課題であった。
【０００８】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、肉盛りビードを形成する
際の肉盛り品質の良否を肉盛り加工中にオンラインでモ
ニタリングすることが可能であって、全数検査を行うこ
とも可能であり、安定した肉盛り加工を行うことができ
るようにすることを目的としている。
がみてなされたものであって、肉盛りビードを形成する
際の肉盛り品質の良否を肉盛り加工中にオンラインでモ
ニタリングすることが可能であって、全数検査を行うこ
とも可能であり、安定した肉盛り加工を行うことができ
るようにすることを目的としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる肉盛り加
工方法は、高エネルギ密度熱源を用い、ある金属材料上
に別の金属材料を肉盛り加工するに際し、加工部溶融点
より発生する輻射光に含まれる波長のうち各々の材料に
特徴的に含まれる元素に起因する少なくともひとつずつ
の波長の強度を測定する構成としたことを特徴としてお
り、実施態様においては、輻射光に含まれる波長の強度
変化を加工機にフィードバックし、ビームの強度，走査
速度，肉盛り材料供給速度などの肉盛り品質に影響を及
ぼす因子を制御する構成としたことを特徴としている。
工方法は、高エネルギ密度熱源を用い、ある金属材料上
に別の金属材料を肉盛り加工するに際し、加工部溶融点
より発生する輻射光に含まれる波長のうち各々の材料に
特徴的に含まれる元素に起因する少なくともひとつずつ
の波長の強度を測定する構成としたことを特徴としてお
り、実施態様においては、輻射光に含まれる波長の強度
変化を加工機にフィードバックし、ビームの強度，走査
速度，肉盛り材料供給速度などの肉盛り品質に影響を及
ぼす因子を制御する構成としたことを特徴としている。
【００１０】また、本発明に係わる肉盛り加工装置は、
高エネルギ密度熱源を肉盛り加工部に照射する加工ヘッ
ドをそなえた加工機と、加工部溶融点より発生する輻射
光に含まれる波長のうち各々の材料に特徴的に含まれる
元素に起因する少なくともひとつずつの波長の強度を測
定する輻射光波長センサをそなえた構成としたことを特
徴としており、実施態様においては、輻射光に含まれる
波長の強度変化を加工機にフィードバックしてビームの
強度，走査速度，肉盛り材料供給速度などの肉盛り品質
に影響を及ぼす因子を制御する加工機制御部をそなえた
構成としたことを特徴としている。
高エネルギ密度熱源を肉盛り加工部に照射する加工ヘッ
ドをそなえた加工機と、加工部溶融点より発生する輻射
光に含まれる波長のうち各々の材料に特徴的に含まれる
元素に起因する少なくともひとつずつの波長の強度を測
定する輻射光波長センサをそなえた構成としたことを特
徴としており、実施態様においては、輻射光に含まれる
波長の強度変化を加工機にフィードバックしてビームの
強度，走査速度，肉盛り材料供給速度などの肉盛り品質
に影響を及ぼす因子を制御する加工機制御部をそなえた
構成としたことを特徴としている。
【００１１】
【発明の作用】本発明に係わる肉盛り加工方法および肉
盛り加工装置は、上述した構成としたから、高エネルギ
密度熱源が肉盛り加工部に照射されて、肉盛り加工部分
が局部加熱されて溶融した際に、加工部溶融部より発生
する輻射光に含まれる波長のうち各々の金属材料に特徴
的に含まれる元素に起因する少なくともひとつずつの波
長の強度が測定されることとなり、これによって、肉盛
り加工部の良否が肉盛り加工中にオンラインでかつ高精
度でモニタリングされることとなる。
盛り加工装置は、上述した構成としたから、高エネルギ
密度熱源が肉盛り加工部に照射されて、肉盛り加工部分
が局部加熱されて溶融した際に、加工部溶融部より発生
する輻射光に含まれる波長のうち各々の金属材料に特徴
的に含まれる元素に起因する少なくともひとつずつの波
長の強度が測定されることとなり、これによって、肉盛
り加工部の良否が肉盛り加工中にオンラインでかつ高精
度でモニタリングされることとなる。
【００１２】
【実施例】図１および図２は、本発明に係わる肉盛り加
工方法の実施に使用される肉盛り加工装置の一実施例を
示すものであって、ここに示す肉盛り加工装置１は、金
属材料よりなる被肉盛り加工部材（この実施例ではアル
ミニウム合金板）２の肉盛り加工部３に高エネルギ密度
熱源としてのレーザビーム４を照射する加工ヘッド５を
そなえたレーザ加工機６と、前記レーザビーム４により
局部加熱された加工点溶融部７に金属材料よりなる肉盛
り粉末（この実施例では銅合金粉末）８を供給する肉盛
り粉末供給ノズル９と、前記加工点溶融部７より発生す
る輻射光に含まれる波長のうち被肉盛り加工部材２およ
び肉盛り粉末８に特徴的に含まれる元素（つまり、この
実施例では、それぞれＡｌおよびＣｕ）に起因するひと
つずつの波長の強さを測定するＡｌ用輻射光波長センサ
１１およびＣｕ用輻射光波長センサ１２と、前記輻射光
波長センサ１１，１２により測定された波長の強度変化
から肉盛り加工部３の寸法，形状をデータ処理により求
めるデータ処理部１５と、前記肉盛り加工部３の寸法，
形状データをレーザ加工機６にフィードバックして加工
条件を制御する加工機制御部１６を具備してなる構成を
有するものとなっている。
工方法の実施に使用される肉盛り加工装置の一実施例を
示すものであって、ここに示す肉盛り加工装置１は、金
属材料よりなる被肉盛り加工部材（この実施例ではアル
ミニウム合金板）２の肉盛り加工部３に高エネルギ密度
熱源としてのレーザビーム４を照射する加工ヘッド５を
そなえたレーザ加工機６と、前記レーザビーム４により
局部加熱された加工点溶融部７に金属材料よりなる肉盛
り粉末（この実施例では銅合金粉末）８を供給する肉盛
り粉末供給ノズル９と、前記加工点溶融部７より発生す
る輻射光に含まれる波長のうち被肉盛り加工部材２およ
び肉盛り粉末８に特徴的に含まれる元素（つまり、この
実施例では、それぞれＡｌおよびＣｕ）に起因するひと
つずつの波長の強さを測定するＡｌ用輻射光波長センサ
１１およびＣｕ用輻射光波長センサ１２と、前記輻射光
波長センサ１１，１２により測定された波長の強度変化
から肉盛り加工部３の寸法，形状をデータ処理により求
めるデータ処理部１５と、前記肉盛り加工部３の寸法，
形状データをレーザ加工機６にフィードバックして加工
条件を制御する加工機制御部１６を具備してなる構成を
有するものとなっている。
【００１３】さらに、図２にも示すように、レーザ加工
機６の加工ヘッド５より出射されるレーザビーム４は、
レーザ発振器１７において発射したレーザビームがビー
ム伝送光学系１８を介して伝送されて加工ヘッド５に至
るものとしてあり、また、肉盛り粉末供給ノズル９より
肉盛り粉末８を供給するための肉盛り粉末供給装置１９
および粉末供給装置制御部２０をそなえ、さらにまた、
局部加熱源であるレーザビーム４を出射する加工ヘッド
５の位置を変化させる加工ヘッド駆動手段として加工ヘ
ッド５を矢印Ａ方向に移動させる肉盛り加工位置調整方
向駆動部２１をそなえていると共に、加工ヘッド５を矢
印Ｂ方向に移動させる肉盛り加工方向駆動部２２をそな
えている。
機６の加工ヘッド５より出射されるレーザビーム４は、
レーザ発振器１７において発射したレーザビームがビー
ム伝送光学系１８を介して伝送されて加工ヘッド５に至
るものとしてあり、また、肉盛り粉末供給ノズル９より
肉盛り粉末８を供給するための肉盛り粉末供給装置１９
および粉末供給装置制御部２０をそなえ、さらにまた、
局部加熱源であるレーザビーム４を出射する加工ヘッド
５の位置を変化させる加工ヘッド駆動手段として加工ヘ
ッド５を矢印Ａ方向に移動させる肉盛り加工位置調整方
向駆動部２１をそなえていると共に、加工ヘッド５を矢
印Ｂ方向に移動させる肉盛り加工方向駆動部２２をそな
えている。
【００１４】次に、このような構造を有する肉盛り加工
装置１を用いて、アルミニウム合金板よりなる被肉盛り
加工部材２の上に銅合金粉末よりなる肉盛り粉末８を肉
盛りする場合には、レーザ発振器１７においてレーザビ
ームを発生させ、ビーム伝送工学系１８により伝送した
レーザビーム４を加工ヘッド５から出射して、レーザビ
ーム４を被肉盛り加工部材２の肉盛り加工部３に照射す
ると共に、肉盛り粉末供給装置１９から肉盛り粉末供給
ノズル９を通して肉盛り粉末８を肉盛り加工部３に供給
する。
装置１を用いて、アルミニウム合金板よりなる被肉盛り
加工部材２の上に銅合金粉末よりなる肉盛り粉末８を肉
盛りする場合には、レーザ発振器１７においてレーザビ
ームを発生させ、ビーム伝送工学系１８により伝送した
レーザビーム４を加工ヘッド５から出射して、レーザビ
ーム４を被肉盛り加工部材２の肉盛り加工部３に照射す
ると共に、肉盛り粉末供給装置１９から肉盛り粉末供給
ノズル９を通して肉盛り粉末８を肉盛り加工部３に供給
する。
【００１５】そして、加工ヘッド５から出射したレーザ
ビーム４は、被肉盛り加工部材２の肉盛り加工部３を照
射して加熱する結果、レーザビーム４が照射された位置
では局部加熱されることによって加工点溶融部７が形成
され、肉盛り粉末８も溶融する。
ビーム４は、被肉盛り加工部材２の肉盛り加工部３を照
射して加熱する結果、レーザビーム４が照射された位置
では局部加熱されることによって加工点溶融部７が形成
され、肉盛り粉末８も溶融する。
【００１６】これと共に、レーザビーム４と肉盛り粉末
供給ノズル９は相対的な位置関係を一定に保った状態で
所定の速度で移動し、輻射光波長センサ１１，１２は加
工点溶融部７との相対的位置関係を一定に保った状態で
輻射光を検知する。
供給ノズル９は相対的な位置関係を一定に保った状態で
所定の速度で移動し、輻射光波長センサ１１，１２は加
工点溶融部７との相対的位置関係を一定に保った状態で
輻射光を検知する。
【００１７】本実施例における輻射光中に含まれる波長
は、ＡｌおよびＣｕに起因するものが主である。そし
て、Ａｌ用輻射光波長センサ１１およびＣｕ用輻射光波
長センサ１２はそれぞれＡｌおよびＣｕの波長を選択的
に検知し、それぞれの強度を測定する。ここで測定され
た信号はデータ処理部１５に送られ、各々の波長の時間
的な強度変化が連続的に記録される。
は、ＡｌおよびＣｕに起因するものが主である。そし
て、Ａｌ用輻射光波長センサ１１およびＣｕ用輻射光波
長センサ１２はそれぞれＡｌおよびＣｕの波長を選択的
に検知し、それぞれの強度を測定する。ここで測定され
た信号はデータ処理部１５に送られ、各々の波長の時間
的な強度変化が連続的に記録される。
【００１８】図３は、良好な肉盛り加工が行われたとき
において、加工点溶融部７からの輻射光に含まれる波長
の分布および肉盛りビード２５の断面形状を示したもの
である。図３より明らかなように、良好な肉盛り加工が
行われたときには母材溶融部２４および肉盛りビード２
５の量が適当で、ＡｌおよびＣｕに起因する波長がある
比率で検出される。
において、加工点溶融部７からの輻射光に含まれる波長
の分布および肉盛りビード２５の断面形状を示したもの
である。図３より明らかなように、良好な肉盛り加工が
行われたときには母材溶融部２４および肉盛りビード２
５の量が適当で、ＡｌおよびＣｕに起因する波長がある
比率で検出される。
【００１９】一方、肉盛り不良発生のパターンとして
は、以下に述べる３種類が代表的なものである。
は、以下に述べる３種類が代表的なものである。
【００２０】（１）レーザ出力の上昇，加工速度の低下
等の理由で入熱過多になった場合、図４に示すように、
母材である被肉盛り加工部材２のＡｌ溶融量が多くな
り、母材溶融部２４が大きくなって、脆弱な銅−アルミ
ニウム合金が生成してしまう。この様な場合は、Ａｌに
起因する波長の強度が相対的に高くなる。
等の理由で入熱過多になった場合、図４に示すように、
母材である被肉盛り加工部材２のＡｌ溶融量が多くな
り、母材溶融部２４が大きくなって、脆弱な銅−アルミ
ニウム合金が生成してしまう。この様な場合は、Ａｌに
起因する波長の強度が相対的に高くなる。
【００２１】（２）レーザ出力の低下等の理由で入熱が
過小になった場合、図５に示すように、母材である被肉
盛加工部材２の溶融量が減少し、肉盛りビード２５が冶
金的に結合しないため、Ａｌに起因する波長の強度が相
対的に弱くなる。
過小になった場合、図５に示すように、母材である被肉
盛加工部材２の溶融量が減少し、肉盛りビード２５が冶
金的に結合しないため、Ａｌに起因する波長の強度が相
対的に弱くなる。
【００２２】（３）粉末供給量の減少が発生した場合、
図６に示すように、母材溶融部２４が大きくなると共に
肉盛りビード２５が小さくなり、Ｃｕに起因する波長の
強度が低下する。
図６に示すように、母材溶融部２４が大きくなると共に
肉盛りビード２５が小さくなり、Ｃｕに起因する波長の
強度が低下する。
【００２３】以上のように、ＡｌおよびＣｕに起因する
波長の強度から、アルミニウムよりなる被肉盛り加工部
材２および銅よりなる肉盛り粉末８の溶融状態を示すこ
とができる。そして、両元素に起因する波長の相対的な
強度をモニタリングすることにより、肉盛り加工部位に
おける品質の良否が肉盛り加工中にオンラインで管理で
きる。
波長の強度から、アルミニウムよりなる被肉盛り加工部
材２および銅よりなる肉盛り粉末８の溶融状態を示すこ
とができる。そして、両元素に起因する波長の相対的な
強度をモニタリングすることにより、肉盛り加工部位に
おける品質の良否が肉盛り加工中にオンラインで管理で
きる。
【００２４】さらには、この情報を加工機制御部１６を
介してレーザ加工機６にフィードバックし、Ａｌおよび
Ｃｕに起因する波長の強度比がある一定の範囲内となる
ように、レーザ出力，加工速度，粉末供給速度等、肉盛
り品質に影響をおよぼす因子を制御することにより、不
良のない安定な肉盛り加工を実現することが可能とな
る。
介してレーザ加工機６にフィードバックし、Ａｌおよび
Ｃｕに起因する波長の強度比がある一定の範囲内となる
ように、レーザ出力，加工速度，粉末供給速度等、肉盛
り品質に影響をおよぼす因子を制御することにより、不
良のない安定な肉盛り加工を実現することが可能とな
る。
【００２５】本発明は、母材と肉盛り材のそれぞれが、
他に対して相対的に含有量の多い元素を有していれば、
材料の種類およびその組み合わせに制限されるものでは
ない。そして、最適な肉盛り加工の条件は、材料の種
類，適用部材等によって異なるため、各々の実施状況に
応じて、最適な条件とそのときの輻射光強度および条件
の許容範囲等を求めておく必要がある。
他に対して相対的に含有量の多い元素を有していれば、
材料の種類およびその組み合わせに制限されるものでは
ない。そして、最適な肉盛り加工の条件は、材料の種
類，適用部材等によって異なるため、各々の実施状況に
応じて、最適な条件とそのときの輻射光強度および条件
の許容範囲等を求めておく必要がある。
【００２６】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、高エネルギ密度熱源を用い、ある金属材料上に別の
金属材料を肉盛り加工するに際し、加工部溶融点より発
生する輻射光に含まれる波長のうち各々の材料に特徴的
に含まれる元素に起因する少なくともひとつずつの波長
の強度を測定する肉盛り加工方法の構成とし、また、こ
の肉盛り加工方法を実施するために、高エネルギ密度熱
源を肉盛り加工部に照射する加工ヘッドをそなえた加工
機と、加工部溶融点より発生する輻射光に含まれる波長
のうち各々の材料に特徴的に含まれる元素に起因する少
なくともひとつずつの波長の強度を測定する輻射光波長
センサをそなえた肉盛り加工装置の構成としたから、肉
盛りビードを形成する際の肉盛り品質の良否を肉盛り加
工中にオンラインで知ることが可能となり、また、全数
検査が可能であって信頼性のある品質保証技術を提供す
ることができるとともに、安定した肉盛り加工を実現す
ることが可能になるという著しく優れた効果がもたらさ
れる。
ば、高エネルギ密度熱源を用い、ある金属材料上に別の
金属材料を肉盛り加工するに際し、加工部溶融点より発
生する輻射光に含まれる波長のうち各々の材料に特徴的
に含まれる元素に起因する少なくともひとつずつの波長
の強度を測定する肉盛り加工方法の構成とし、また、こ
の肉盛り加工方法を実施するために、高エネルギ密度熱
源を肉盛り加工部に照射する加工ヘッドをそなえた加工
機と、加工部溶融点より発生する輻射光に含まれる波長
のうち各々の材料に特徴的に含まれる元素に起因する少
なくともひとつずつの波長の強度を測定する輻射光波長
センサをそなえた肉盛り加工装置の構成としたから、肉
盛りビードを形成する際の肉盛り品質の良否を肉盛り加
工中にオンラインで知ることが可能となり、また、全数
検査が可能であって信頼性のある品質保証技術を提供す
ることができるとともに、安定した肉盛り加工を実現す
ることが可能になるという著しく優れた効果がもたらさ
れる。
【図１】本発明の一実施例による肉盛り加工装置のとく
に加工ヘッドおよび肉盛り粉末供給ノズル部分を示す斜
面説明図である。
に加工ヘッドおよび肉盛り粉末供給ノズル部分を示す斜
面説明図である。
【図２】本発明の一実施例による肉盛り加工装置の全体
的基本構成を示す斜面説明図である。
的基本構成を示す斜面説明図である。
【図３】良好な肉盛り加工が行われているときのＡｌお
よびＣｕに起因する波長の強度を示すグラフ（図３の
（ａ））および肉盛りビードの断面図（図３の（ｂ））
である。
よびＣｕに起因する波長の強度を示すグラフ（図３の
（ａ））および肉盛りビードの断面図（図３の（ｂ））
である。
【図４】入熱過多になったときのＡｌおよびＣｕに起因
する波長の強度を示すグラフ（図４の（ａ））および肉
盛りビードの断面図（図４の（ｂ））である。
する波長の強度を示すグラフ（図４の（ａ））および肉
盛りビードの断面図（図４の（ｂ））である。
【図５】入熱不足になったときのＡｌおよびＣｕに起因
する波長の強度を示すグラフ（図５の（ａ））および肉
盛りビードの断面図（図５の（ｂ））である。
する波長の強度を示すグラフ（図５の（ａ））および肉
盛りビードの断面図（図５の（ｂ））である。
【図６】粉末の供給不足を生じているときのＡｌおよび
Ｃｕに起因する波長の強度を示すグラフ（図６の
（ａ））および肉盛りビードの断面図（図６の（ｂ））
である。
Ｃｕに起因する波長の強度を示すグラフ（図６の
（ａ））および肉盛りビードの断面図（図６の（ｂ））
である。
１ 肉盛り加工装置 ２ 被肉盛り加工部材（金属部材） ３ 肉盛り加工部 ４ レーザビーム（高エネルギ密度熱源） ５ 加工ヘッド ６ レーザ加工機（加工機） ７ 加工点溶融部 ８ 肉盛り粉末（金属材料） ９ 肉盛り粉末供給ノズル １１ Ａｌ用輻射光波長センサ １２ Ｃｕ用輻射光波長センサ １５ データ処理部 １６ 加工機制御部 １７ レーザ発振器 １９ 肉盛り粉末供給装置 ２５ 肉盛りビード
Claims (4)
- 【請求項１】 高エネルギ密度熱源を用い、ある金属材
料上に別の金属材料を肉盛り加工するに際し、加工部溶
融点より発生する輻射光に含まれる波長のうち各々の材
料に特徴的に含まれる元素に起因する少なくともひとつ
ずつの波長の強度を測定することを特徴とする肉盛り加
工方法。 - 【請求項２】 輻射光に含まれる波長の強度変化を加工
機にフィードバックし、ビームの強度，走査速度，肉盛
り材料供給速度などの肉盛り品質に影響を及ぼす因子を
制御することを特徴とする請求項１に記載の肉盛り加工
方法。 - 【請求項３】 高エネルギ密度熱源を肉盛り加工部に照
射する加工ヘッドをそなえた加工機と、加工部溶融点よ
り発生する輻射光に含まれる波長のうち各々の材料に特
徴的に含まれる元素に起因する少なくともひとつずつの
波長の強度を測定する輻射光波長センサをそなえたこと
を特徴とする肉盛り加工装置。 - 【請求項４】 輻射光に含まれる波長の強度変化を加工
機にフィードバックしてビームの強度，走査速度，肉盛
り材料供給速度などの肉盛り品質に影響を及ぼす因子を
制御する加工機制御部をそなえたことを特徴とする請求
項３に記載の肉盛り加工装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5253339A JP3052694B2 (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | 肉盛り加工方法および肉盛り加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5253339A JP3052694B2 (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | 肉盛り加工方法および肉盛り加工装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07108389A JPH07108389A (ja) | 1995-04-25 |
| JP3052694B2 true JP3052694B2 (ja) | 2000-06-19 |
Family
ID=17249950
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5253339A Expired - Fee Related JP3052694B2 (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | 肉盛り加工方法および肉盛り加工装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3052694B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6122564A (en) * | 1998-06-30 | 2000-09-19 | Koch; Justin | Apparatus and methods for monitoring and controlling multi-layer laser cladding |
| KR102291751B1 (ko) * | 2019-11-29 | 2021-08-24 | 한국전자기술연구원 | 금속 3d프린터 모니터링 방법 및 모니터링 장치 |
-
1993
- 1993-10-08 JP JP5253339A patent/JP3052694B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07108389A (ja) | 1995-04-25 |
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