JPH09192861A - 肉盛り品の品質保証方法および品質保証装置 - Google Patents
肉盛り品の品質保証方法および品質保証装置Info
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- JPH09192861A JPH09192861A JP8003295A JP329596A JPH09192861A JP H09192861 A JPH09192861 A JP H09192861A JP 8003295 A JP8003295 A JP 8003295A JP 329596 A JP329596 A JP 329596A JP H09192861 A JPH09192861 A JP H09192861A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 レーザビーム等の局所的加熱源を用いた肉盛
り加工の際の異常の発生をオンラインで検出することが
でき、安価でかつ精度が高く、生産性に優れたものとし
て、肉盛り品の品質保証が行えるようにする。 【解決手段】 部材2の表面にレーザビーム等の局所的
加熱源3を照射しつつ、肉盛り材料供給ノズル4から局
所的加熱部位に金属粉末,金属板,金属ワイヤなどの肉
盛り材料を供給して、部材2の表面および肉盛り材料を
同時に溶融させ、部材2の表面の一部ないしは全部に肉
盛り層を形成する肉盛り加工において肉盛り加工の異常
の有無を判定するに際し、局所的加熱源3の照射中に部
材2の表面および肉盛り材料が溶融して照射点に形成さ
れる溶融池5から発生する光6を溶融池5の大きさ以下
に絞る集光光学系7を備えた複数の光センサ8により光
強度を観察することによって、肉盛り加工における異常
の有無を異常判定手段11により判定する。
り加工の際の異常の発生をオンラインで検出することが
でき、安価でかつ精度が高く、生産性に優れたものとし
て、肉盛り品の品質保証が行えるようにする。 【解決手段】 部材2の表面にレーザビーム等の局所的
加熱源3を照射しつつ、肉盛り材料供給ノズル4から局
所的加熱部位に金属粉末,金属板,金属ワイヤなどの肉
盛り材料を供給して、部材2の表面および肉盛り材料を
同時に溶融させ、部材2の表面の一部ないしは全部に肉
盛り層を形成する肉盛り加工において肉盛り加工の異常
の有無を判定するに際し、局所的加熱源3の照射中に部
材2の表面および肉盛り材料が溶融して照射点に形成さ
れる溶融池5から発生する光6を溶融池5の大きさ以下
に絞る集光光学系7を備えた複数の光センサ8により光
強度を観察することによって、肉盛り加工における異常
の有無を異常判定手段11により判定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材表面にレーザ
ビーム等の局所的加熱源を照射しつつ、局所的加熱部位
に金属粉末,金属板,金属ワイヤなどの肉盛り材料を供
給して、部材表面および肉盛り材料を同時に溶融させ、
部材表面の一部ないしは全部に肉盛り層を形成する肉盛
り加工において肉盛り加工の異常の有無を判定して肉盛
り品の品質を保証するのに適した肉盛り品の品質保証方
法および品質保証装置に関するものである。
ビーム等の局所的加熱源を照射しつつ、局所的加熱部位
に金属粉末,金属板,金属ワイヤなどの肉盛り材料を供
給して、部材表面および肉盛り材料を同時に溶融させ、
部材表面の一部ないしは全部に肉盛り層を形成する肉盛
り加工において肉盛り加工の異常の有無を判定して肉盛
り品の品質を保証するのに適した肉盛り品の品質保証方
法および品質保証装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】部材表面に局所的加熱源としてレーザビ
ームを用いて肉盛り加工を行うレーザ肉盛り加工は、例
えば、図4に示すように、金属部材41の表面の被肉盛
り部42に、粉末供給ノズル43から金属粉末,金属
板,金属ワイヤなどの肉盛り材料44を供給しながら、
レーザビーム45を照射し、被肉盛り部42および肉盛
り材料44を同時に溶融して肉盛り層46を形成し、金
属部材41の表面の一部ないしは全部に金属部材41と
は異なった性質を付与するのに利用される。
ームを用いて肉盛り加工を行うレーザ肉盛り加工は、例
えば、図4に示すように、金属部材41の表面の被肉盛
り部42に、粉末供給ノズル43から金属粉末,金属
板,金属ワイヤなどの肉盛り材料44を供給しながら、
レーザビーム45を照射し、被肉盛り部42および肉盛
り材料44を同時に溶融して肉盛り層46を形成し、金
属部材41の表面の一部ないしは全部に金属部材41と
は異なった性質を付与するのに利用される。
【0003】この種の肉盛り加工は、例えば、自動車エ
ンジンのアルミニウム合金シリンダーヘッドの製造にお
いて、バルブシート部の耐熱性,耐摩耗性,耐食性など
の向上を図るために行われている。
ンジンのアルミニウム合金シリンダーヘッドの製造にお
いて、バルブシート部の耐熱性,耐摩耗性,耐食性など
の向上を図るために行われている。
【0004】従来のレーザ肉盛り品の品質保証技術とし
ては、レーザ照射に伴ってその照射点近傍に発生する物
体のうちプラズマと溶融池はもっとも温度が高くなるの
で、その照射点を含む2値画像において高輝度部分とな
ることを利用したものがある。そして、その肉盛り加工
時の加工点をCCDカメラ等により観察し、その画像を
パソコンおよび画像解析装置により2値画像に変換し、
その2値画像のうち高輝度部分の面積に基づいて異常判
定装置によりレーザ肉盛り加工の異常判定を行うものが
あった。
ては、レーザ照射に伴ってその照射点近傍に発生する物
体のうちプラズマと溶融池はもっとも温度が高くなるの
で、その照射点を含む2値画像において高輝度部分とな
ることを利用したものがある。そして、その肉盛り加工
時の加工点をCCDカメラ等により観察し、その画像を
パソコンおよび画像解析装置により2値画像に変換し、
その2値画像のうち高輝度部分の面積に基づいて異常判
定装置によりレーザ肉盛り加工の異常判定を行うものが
あった。
【0005】より具体的には、例えば、図5に示すよう
に、エンジンのバルブシート部47に肉盛り用粉末を供
給しつつレーザビーム45を照射し、照射位置をテレビ
カメラ48により撮影し、その映像を画像処理装置49
により2値画像に変換し、その2値画像のうち高輝度部
分の面積からレーザ肉盛り加工の異常を異常判定装置1
0によりオンラインで判定するようにしていた(特開平
6−126475号公報)。
に、エンジンのバルブシート部47に肉盛り用粉末を供
給しつつレーザビーム45を照射し、照射位置をテレビ
カメラ48により撮影し、その映像を画像処理装置49
により2値画像に変換し、その2値画像のうち高輝度部
分の面積からレーザ肉盛り加工の異常を異常判定装置1
0によりオンラインで判定するようにしていた(特開平
6−126475号公報)。
【0006】その他、肉盛り加工終了後に肉盛り品の品
質をオフラインでCCDカメラにより観察し、形状の異
常,クラックの発生を検出する方法や、カラーチェッ
ク,蛍光探傷等によりオフラインで品質を検査する方法
があった。
質をオフラインでCCDカメラにより観察し、形状の異
常,クラックの発生を検出する方法や、カラーチェッ
ク,蛍光探傷等によりオフラインで品質を検査する方法
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、溝への肉盛り,隅肉の肉盛り等、肉盛り部の両側ま
たは片側にレーザビーム照射面に対して垂直な母材の壁
が存在する場合に、従来のレーザ肉盛り品の品質保証方
法のように、肉盛り用粉末を供給しつつレーザビームを
照射し、照射位置をテレビカメラにより撮影し、その映
像を画像処理装置により2値画像に変換し、その2値画
像のうち高輝度部分の面積からレーザ肉盛り加工の異常
を判定する方法では、レーザ照射位置の溶融池から発生
する光およびプラズマがレーザビーム照射面に対して垂
直な母材の壁で反射するので、照射位置をテレビカメラ
により撮影した場合に、その映像を画像処理装置により
2値画像に変換した際にその2値画像のうち高輝度部分
の面積が実際に溶融池から発生した光とレーザビーム照
射面に対して垂直な母材の壁で反射した光との和となる
ことから、レーザ肉盛り加工の異常を正確に判定できな
くなるという問題点があった。
ば、溝への肉盛り,隅肉の肉盛り等、肉盛り部の両側ま
たは片側にレーザビーム照射面に対して垂直な母材の壁
が存在する場合に、従来のレーザ肉盛り品の品質保証方
法のように、肉盛り用粉末を供給しつつレーザビームを
照射し、照射位置をテレビカメラにより撮影し、その映
像を画像処理装置により2値画像に変換し、その2値画
像のうち高輝度部分の面積からレーザ肉盛り加工の異常
を判定する方法では、レーザ照射位置の溶融池から発生
する光およびプラズマがレーザビーム照射面に対して垂
直な母材の壁で反射するので、照射位置をテレビカメラ
により撮影した場合に、その映像を画像処理装置により
2値画像に変換した際にその2値画像のうち高輝度部分
の面積が実際に溶融池から発生した光とレーザビーム照
射面に対して垂直な母材の壁で反射した光との和となる
ことから、レーザ肉盛り加工の異常を正確に判定できな
くなるという問題点があった。
【0008】また、テレビカメラ,画像処理装置等の高
価な装置を使用する必要があることから、設備投資額が
高くなるという問題点があった。
価な装置を使用する必要があることから、設備投資額が
高くなるという問題点があった。
【0009】さらに、画像処理を行うためには、テレビ
カメラからの大きな情報を画像処理装置によって処理す
る必要があり、オンラインでレーザ肉盛り加工の異常判
定を行うためには高性能な画像処理装置が必要となるこ
とから、設備投資額がさらに高くなるという問題点があ
り、処理速度が遅い画像処理装置を使用した場合には、
生産上のタクトタイム内に収まらずオンラインでの検出
が困難となるという問題点があった。
カメラからの大きな情報を画像処理装置によって処理す
る必要があり、オンラインでレーザ肉盛り加工の異常判
定を行うためには高性能な画像処理装置が必要となるこ
とから、設備投資額がさらに高くなるという問題点があ
り、処理速度が遅い画像処理装置を使用した場合には、
生産上のタクトタイム内に収まらずオンラインでの検出
が困難となるという問題点があった。
【0010】さらにまた、肉盛り加工終了後に肉盛り品
の品質をオフラインでCCDカメラにより観察し、形状
の異常,クラックの発生を検出する方法では、生産性の
向上が望めず、また、カラーチェック,蛍光探傷等によ
りオフラインで品質を検査する方法では、生産性が低下
し、さらに、人的工数が増加するというデメリットが発
生するという問題点があった。
の品質をオフラインでCCDカメラにより観察し、形状
の異常,クラックの発生を検出する方法では、生産性の
向上が望めず、また、カラーチェック,蛍光探傷等によ
りオフラインで品質を検査する方法では、生産性が低下
し、さらに、人的工数が増加するというデメリットが発
生するという問題点があった。
【0011】従来の方法では、上記のような問題点があ
り、レーザ肉盛り加工の異常には、例えば、母材から肉
盛り層への希釈により発生するクラック,肉盛り粉末の
供給位置とレーザビームの照射位置とのずれにより発生
する肉盛り層の形状異常などがあるが、このような異常
は肉盛り品の品質を向上させるためにはあってはならな
いものであり、生産中にこれらレーザ肉盛り加工の異常
をオンラインで検出できずに連続生産した場合には、そ
れらの生産品はすべて廃却しなければならなくなって生
産性が著しく低下することになるといった問題点がある
ので、これらの問題点を解決することが課題であった。
り、レーザ肉盛り加工の異常には、例えば、母材から肉
盛り層への希釈により発生するクラック,肉盛り粉末の
供給位置とレーザビームの照射位置とのずれにより発生
する肉盛り層の形状異常などがあるが、このような異常
は肉盛り品の品質を向上させるためにはあってはならな
いものであり、生産中にこれらレーザ肉盛り加工の異常
をオンラインで検出できずに連続生産した場合には、そ
れらの生産品はすべて廃却しなければならなくなって生
産性が著しく低下することになるといった問題点がある
ので、これらの問題点を解決することが課題であった。
【0012】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題に対し
てなされたもので、レーザビーム等の局所的加熱源を用
いた肉盛り加工の際の異常の発生をオンラインで検出す
ることができ、安価でかつ精度が高く、生産性に優れた
肉盛り品の品質保証方法および品質保証装置を提供する
ことを目的としている。
てなされたもので、レーザビーム等の局所的加熱源を用
いた肉盛り加工の際の異常の発生をオンラインで検出す
ることができ、安価でかつ精度が高く、生産性に優れた
肉盛り品の品質保証方法および品質保証装置を提供する
ことを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる肉盛り品
の品質保証方法は、請求項1に記載しているように、部
材表面にレーザビーム等の局所的加熱源を照射しつつ、
局所的加熱部位に金属粉末,金属板,金属ワイヤなどの
肉盛り材料を供給して、部材表面および肉盛り材料を同
時に溶融させ、部材表面の一部ないしは全部に肉盛り層
を形成する肉盛り加工において肉盛り加工の異常の有無
を判定するに際し、局所的加熱源の照射中に部材表面お
よび肉盛り材料が溶融して照射点に形成される溶融池か
ら発生する光を溶融池の大きさ以下に絞る集光光学系を
備えた複数の光センサにより光強度を観察することによ
って、肉盛り加工における異常の有無を判定するように
したことを特徴としている。
の品質保証方法は、請求項1に記載しているように、部
材表面にレーザビーム等の局所的加熱源を照射しつつ、
局所的加熱部位に金属粉末,金属板,金属ワイヤなどの
肉盛り材料を供給して、部材表面および肉盛り材料を同
時に溶融させ、部材表面の一部ないしは全部に肉盛り層
を形成する肉盛り加工において肉盛り加工の異常の有無
を判定するに際し、局所的加熱源の照射中に部材表面お
よび肉盛り材料が溶融して照射点に形成される溶融池か
ら発生する光を溶融池の大きさ以下に絞る集光光学系を
備えた複数の光センサにより光強度を観察することによ
って、肉盛り加工における異常の有無を判定するように
したことを特徴としている。
【0014】そして、本発明に係わる肉盛り品の品質保
証方法の実施態様においては、請求項2に記載している
ように、溶融池の肉盛り方向に対して垂直な肉盛り幅方
向の両端部を観察する複数の光センサから得られる光強
度の変化を測定し、あらかじめ測定した正常な肉盛り加
工の光強度から正常な肉盛り加工を行える光強度の範囲
を設定し、正常な肉盛り加工の光強度の範囲を上回る光
強度が肉盛り加工時に発生した場合には肉盛り層と母材
との界面が形成されていないと判定し、正常な肉盛り加
工の光強度の範囲を下回る光強度が肉盛り加工時に発生
した場合には母材の肉盛り層への希釈が発生したと判定
し、溶融池の両端部から発生する光強度のうち片側が正
常な肉盛り加工を行える光強度の範囲を下回った場合に
は粉末供給位置と局所的加熱源の照射位置との間でずれ
が発生したと判定して、肉盛り品の品質保証をオンライ
ンで行うようにしたことを特徴としている。
証方法の実施態様においては、請求項2に記載している
ように、溶融池の肉盛り方向に対して垂直な肉盛り幅方
向の両端部を観察する複数の光センサから得られる光強
度の変化を測定し、あらかじめ測定した正常な肉盛り加
工の光強度から正常な肉盛り加工を行える光強度の範囲
を設定し、正常な肉盛り加工の光強度の範囲を上回る光
強度が肉盛り加工時に発生した場合には肉盛り層と母材
との界面が形成されていないと判定し、正常な肉盛り加
工の光強度の範囲を下回る光強度が肉盛り加工時に発生
した場合には母材の肉盛り層への希釈が発生したと判定
し、溶融池の両端部から発生する光強度のうち片側が正
常な肉盛り加工を行える光強度の範囲を下回った場合に
は粉末供給位置と局所的加熱源の照射位置との間でずれ
が発生したと判定して、肉盛り品の品質保証をオンライ
ンで行うようにしたことを特徴としている。
【0015】そして、必要に応じて、請求項3に記載し
ているように、異常が発生したと判定した際に警告を発
するようにしたことを特徴としている。
ているように、異常が発生したと判定した際に警告を発
するようにしたことを特徴としている。
【0016】また、本発明に係わる肉盛り品の品質保証
装置は、請求項4に記載しているように、部材表面にレ
ーザビーム等の局所的加熱源を照射しつつ、局所的加熱
部位に金属粉末,金属板,金属ワイヤなどの肉盛り材料
を供給して、部材表面および肉盛り材料を同時に溶融さ
せ、部材表面の一部ないしは全部に肉盛り層を形成する
肉盛り加工装置に付設される肉盛り品の品質保証装置に
おいて、局所的加熱源の照射中に部材表面および肉盛り
材料が溶融して照射点に形成される溶融池から発生する
光を溶融池の大きさ以下に絞る集光光学系を備えた複数
の光センサと、光センサにより光強度を観察することに
よって肉盛り加工における異常の有無を判定する異常判
定手段を具備した構成としたことを特徴としている。
装置は、請求項4に記載しているように、部材表面にレ
ーザビーム等の局所的加熱源を照射しつつ、局所的加熱
部位に金属粉末,金属板,金属ワイヤなどの肉盛り材料
を供給して、部材表面および肉盛り材料を同時に溶融さ
せ、部材表面の一部ないしは全部に肉盛り層を形成する
肉盛り加工装置に付設される肉盛り品の品質保証装置に
おいて、局所的加熱源の照射中に部材表面および肉盛り
材料が溶融して照射点に形成される溶融池から発生する
光を溶融池の大きさ以下に絞る集光光学系を備えた複数
の光センサと、光センサにより光強度を観察することに
よって肉盛り加工における異常の有無を判定する異常判
定手段を具備した構成としたことを特徴としている。
【0017】そして、本発明に係わる肉盛り品の品質保
証装置の実施態様においては、請求項5に記載している
ように、光センサは溶融池の肉盛り方向に対して垂直な
肉盛り幅方向の両端部を観察し、異常判定手段は光セン
サから得られる光強度の変化を測定してあらかじめ測定
した正常な肉盛り加工の光強度から正常な肉盛り加工が
行える光強度の範囲を設定し、正常な肉盛り加工の光強
度の範囲を上回る光強度が肉盛り加工時に発生した場合
には肉盛り層と母材との界面が形成されていないと判定
し、正常な肉盛り加工の光強度の範囲を下回る光強度が
肉盛り加工時に発生した場合には母材の肉盛り層への希
釈が発生したと判定し、溶融池の両端部から発生する光
強度のうち片側が正常な肉盛り加工が行える光強度の範
囲を下回った場合には粉末供給位置と局所的加熱源の照
射位置との間でずれが発生したと判定する構成としたこ
とを特徴としている。
証装置の実施態様においては、請求項5に記載している
ように、光センサは溶融池の肉盛り方向に対して垂直な
肉盛り幅方向の両端部を観察し、異常判定手段は光セン
サから得られる光強度の変化を測定してあらかじめ測定
した正常な肉盛り加工の光強度から正常な肉盛り加工が
行える光強度の範囲を設定し、正常な肉盛り加工の光強
度の範囲を上回る光強度が肉盛り加工時に発生した場合
には肉盛り層と母材との界面が形成されていないと判定
し、正常な肉盛り加工の光強度の範囲を下回る光強度が
肉盛り加工時に発生した場合には母材の肉盛り層への希
釈が発生したと判定し、溶融池の両端部から発生する光
強度のうち片側が正常な肉盛り加工が行える光強度の範
囲を下回った場合には粉末供給位置と局所的加熱源の照
射位置との間でずれが発生したと判定する構成としたこ
とを特徴としている。
【0018】そして、必要に応じて、請求項6に記載し
ているように、異常判定手段により異常が発生したと判
定された際に警告を発する警告手段を具備した構成とし
たことを特徴としている。
ているように、異常判定手段により異常が発生したと判
定された際に警告を発する警告手段を具備した構成とし
たことを特徴としている。
【0019】
【発明の作用】本発明に係わる肉盛り品の品質保証方法
では、前述した請求項1に記載の構成としたから、局所
的加熱源の照射中に部材表面および肉盛り材料が溶融し
て照射点に形成される溶融池から発生する光を溶融池の
大きさ以下に絞る集光光学系を備えた複数の光センサに
より光輝度を観察することによって、肉盛り加工の際の
異常の有無がオンラインで判定されることとなる。
では、前述した請求項1に記載の構成としたから、局所
的加熱源の照射中に部材表面および肉盛り材料が溶融し
て照射点に形成される溶融池から発生する光を溶融池の
大きさ以下に絞る集光光学系を備えた複数の光センサに
より光輝度を観察することによって、肉盛り加工の際の
異常の有無がオンラインで判定されることとなる。
【0020】そして、請求項2の構成とすることによっ
て、正常な肉盛り加工の光強度の範囲を上回る光強度が
肉盛り加工時に発生した場合には肉盛り層と母材との界
面が形成されていない異常が発生したと判定され、正常
な肉盛り加工の光強度の範囲を下回る光強度が肉盛り加
工時に発生した場合には母材の肉盛り層への希釈が生じ
た異常が発生したと判定され、溶融池の両端部から発生
する光強度のうち片側が正常な肉盛り加工が行える光強
度の範囲を下回った場合には粉末供給位置と局所的加熱
源の照射位置との間でずれを生じた異常が発生したと判
定されるので、肉盛り加工の際における異常の発生がオ
ンラインで検出されることとなり、異常の発生時に生産
を中断することにより連続生産において不良品の多発が
未然に防がれることとなる。
て、正常な肉盛り加工の光強度の範囲を上回る光強度が
肉盛り加工時に発生した場合には肉盛り層と母材との界
面が形成されていない異常が発生したと判定され、正常
な肉盛り加工の光強度の範囲を下回る光強度が肉盛り加
工時に発生した場合には母材の肉盛り層への希釈が生じ
た異常が発生したと判定され、溶融池の両端部から発生
する光強度のうち片側が正常な肉盛り加工が行える光強
度の範囲を下回った場合には粉末供給位置と局所的加熱
源の照射位置との間でずれを生じた異常が発生したと判
定されるので、肉盛り加工の際における異常の発生がオ
ンラインで検出されることとなり、異常の発生時に生産
を中断することにより連続生産において不良品の多発が
未然に防がれることとなる。
【0021】また、請求項3に記載の構成とすることに
よって、肉盛り加工の際における異常の発生が作業者に
素早く認知されることとなる。
よって、肉盛り加工の際における異常の発生が作業者に
素早く認知されることとなる。
【0022】そして、請求項4に記載の肉盛り品の品質
保証装置の構成とすることによって、請求項1に記載の
肉盛り品の品質保証方法の実施がなされることとなり、
請求項5に記載の装置とすることによって請求項2に記
載の方法が実施されることとなり、請求項6に記載の装
置とすることによって請求項3に記載の方法が実施され
ることとなる。
保証装置の構成とすることによって、請求項1に記載の
肉盛り品の品質保証方法の実施がなされることとなり、
請求項5に記載の装置とすることによって請求項2に記
載の方法が実施されることとなり、請求項6に記載の装
置とすることによって請求項3に記載の方法が実施され
ることとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係わる肉盛り品
の品質保証方法の実施に使用される肉盛り品の品質保証
装置の一実施形態を示すものであって、図に示す肉盛り
品の品質保証装置1は、部材2の表面にレーザビーム等
の局所的加熱源3を照射しつつ、局所的加熱部位に肉盛
り材料供給ノズル4より金属粉末,金属板,金属ワイヤ
などの肉盛り材料を供給して、部材2の表面および肉盛
り材料を同時に溶融させ、部材2の表面の一部ないしは
全部に肉盛り層を形成する肉盛り加工装置に付設される
ものであって、レーザビーム等の局所的加熱源3の照射
中に部材2の表面および肉盛り材料が溶融して照射点に
形成される溶融池5から発生する光6を溶融池5の大き
さ以下に絞る集光光学系7を備えた複数(この実施形態
では2つ)の光センサ8を具備し、この2つの光センサ
8により光強度(光輝度)を観察してこの光強度をリー
ド線9および入出力ボード(I/Oボード)10を介し
て異常判定手段(パソコン)11に入力し、この異常判
定手段11で肉盛り加工における異常の有無を判定し、
異常が有った場合に警告を発する警告手段12を具備し
た構成を有するものである。
の品質保証方法の実施に使用される肉盛り品の品質保証
装置の一実施形態を示すものであって、図に示す肉盛り
品の品質保証装置1は、部材2の表面にレーザビーム等
の局所的加熱源3を照射しつつ、局所的加熱部位に肉盛
り材料供給ノズル4より金属粉末,金属板,金属ワイヤ
などの肉盛り材料を供給して、部材2の表面および肉盛
り材料を同時に溶融させ、部材2の表面の一部ないしは
全部に肉盛り層を形成する肉盛り加工装置に付設される
ものであって、レーザビーム等の局所的加熱源3の照射
中に部材2の表面および肉盛り材料が溶融して照射点に
形成される溶融池5から発生する光6を溶融池5の大き
さ以下に絞る集光光学系7を備えた複数(この実施形態
では2つ)の光センサ8を具備し、この2つの光センサ
8により光強度(光輝度)を観察してこの光強度をリー
ド線9および入出力ボード(I/Oボード)10を介し
て異常判定手段(パソコン)11に入力し、この異常判
定手段11で肉盛り加工における異常の有無を判定し、
異常が有った場合に警告を発する警告手段12を具備し
た構成を有するものである。
【0024】図2は、局所的加熱源3として使用される
レーザビーム(3)の照射機構を示すものであって、発
振機15より発振された非集光レーザビーム16をシリ
ンドリカルミラー17とセグメントミラー18により所
定の形状に集光し、この集光されたレーザビーム3を部
材2の表面に照射する。
レーザビーム(3)の照射機構を示すものであって、発
振機15より発振された非集光レーザビーム16をシリ
ンドリカルミラー17とセグメントミラー18により所
定の形状に集光し、この集光されたレーザビーム3を部
材2の表面に照射する。
【0025】この実施形態における光センサ8は、溶融
池5の肉盛り方向に対して垂直な肉盛り幅方向の両端部
を観察するものとしてあると共に異常判定手段(パソコ
ン)11は、光センサ8から得られる光強度の変化を測
定してあらかじめ測定した正常な肉盛り加工の光強度か
ら正常な肉盛り加工が行える光強度の範囲を設定し、正
常な肉盛り加工の光強度の範囲を上回る光強度が肉盛り
加工時に発生した場合には肉盛り層と母材との界面が形
成されていないと判定し、正常な肉盛り加工の光強度の
範囲を下回る光強度が肉盛り加工時に発生した場合には
母材の肉盛り層への希釈が発生したと判定し、溶融池の
両端部から発生する光強度のうち片側が正常な肉盛り加
工が行える光強度の範囲を下回った場合には粉末供給位
置と局所的加熱源の照射位置との間でずれが発生したと
判定するものとしてある。
池5の肉盛り方向に対して垂直な肉盛り幅方向の両端部
を観察するものとしてあると共に異常判定手段(パソコ
ン)11は、光センサ8から得られる光強度の変化を測
定してあらかじめ測定した正常な肉盛り加工の光強度か
ら正常な肉盛り加工が行える光強度の範囲を設定し、正
常な肉盛り加工の光強度の範囲を上回る光強度が肉盛り
加工時に発生した場合には肉盛り層と母材との界面が形
成されていないと判定し、正常な肉盛り加工の光強度の
範囲を下回る光強度が肉盛り加工時に発生した場合には
母材の肉盛り層への希釈が発生したと判定し、溶融池の
両端部から発生する光強度のうち片側が正常な肉盛り加
工が行える光強度の範囲を下回った場合には粉末供給位
置と局所的加熱源の照射位置との間でずれが発生したと
判定するものとしてある。
【0026】そして、部材2の表面にレーザビーム等の
局所的加熱源3を照射しつつ、局所的加熱部位に金属粉
末,金属板,金属ワイヤなどの肉盛り材料を肉盛り材料
供給ノズル4から供給して、部材2の表面および肉盛り
材料を同時に溶融させ、部材2の表面の一部ないしは全
部に肉盛り層を形成する肉盛り加工において肉盛り加工
の異常の有無を判定するに際し、局所的加熱源3の照射
中に部材2の表面および肉盛り材料が溶融して照射点に
形成される溶融池5から発生する光6を溶融池5の大き
さ以下に絞る集光光学系7を備えた2つの光センサ8に
より光強度を観察することによって、肉盛り加工におけ
る異常の有無を判定する。
局所的加熱源3を照射しつつ、局所的加熱部位に金属粉
末,金属板,金属ワイヤなどの肉盛り材料を肉盛り材料
供給ノズル4から供給して、部材2の表面および肉盛り
材料を同時に溶融させ、部材2の表面の一部ないしは全
部に肉盛り層を形成する肉盛り加工において肉盛り加工
の異常の有無を判定するに際し、局所的加熱源3の照射
中に部材2の表面および肉盛り材料が溶融して照射点に
形成される溶融池5から発生する光6を溶融池5の大き
さ以下に絞る集光光学系7を備えた2つの光センサ8に
より光強度を観察することによって、肉盛り加工におけ
る異常の有無を判定する。
【0027】
【実施例】図1に示した部材2として、アルミニウム系
材料からなるエンジン用のピストンを選択し、このピス
トン2のピストンリング設置部に深さ:5mm,幅:6
mmの溝2aの加工を施したものとして、この溝2aの
底面に肉盛り材料供給ノズル4から肉盛り材料である銅
系合金粉末をレーザビーム照射位置に60g/minの
供給量で供給しつつ、発振機15からの非集光レーザビ
ーム16をシリンドリカルミラー17とセグメントミラ
ー18により1×6mmの形状に集光したレーザビーム
3をレーザ照射位置の接線に対して垂直に照射し、その
際、シールドガスとしてArガスを5 l/minの供
給量でレーザ照射位置に向けて流して肉盛り加工を行っ
た。
材料からなるエンジン用のピストンを選択し、このピス
トン2のピストンリング設置部に深さ:5mm,幅:6
mmの溝2aの加工を施したものとして、この溝2aの
底面に肉盛り材料供給ノズル4から肉盛り材料である銅
系合金粉末をレーザビーム照射位置に60g/minの
供給量で供給しつつ、発振機15からの非集光レーザビ
ーム16をシリンドリカルミラー17とセグメントミラ
ー18により1×6mmの形状に集光したレーザビーム
3をレーザ照射位置の接線に対して垂直に照射し、その
際、シールドガスとしてArガスを5 l/minの供
給量でレーザ照射位置に向けて流して肉盛り加工を行っ
た。
【0028】このようにしてレーザビーム3を照射した
際には、照射位置においてピストン2の表面および肉盛
り材料である銅系合金粉末が溶融して溶融池5が形成さ
れる。この場合に形成される溶融池5の大きさは、ほぼ
集光されたレーザビーム3の大きさと同じである。そし
て、レーザビーム3の照射位置は、ポインティングレー
ザであるHe−Neレーザの位置と一致していた。
際には、照射位置においてピストン2の表面および肉盛
り材料である銅系合金粉末が溶融して溶融池5が形成さ
れる。この場合に形成される溶融池5の大きさは、ほぼ
集光されたレーザビーム3の大きさと同じである。そし
て、レーザビーム3の照射位置は、ポインティングレー
ザであるHe−Neレーザの位置と一致していた。
【0029】溶融池5から発生する光6の観察は、光セ
ンサ8であるフォトダイオードの先端に観察範囲を絞る
ことができる集光光学系7を取り付け、この集光光学系
7によって観察範囲を直径1mmφとして、He−Ne
レーザの加工位置でのビームの大きさである1×6mm
の大きさを6等分した範囲の両端部に1づつ観察範囲を
直径1mmφとした集光光学系7を取り付けた2つのフ
ォトダイオード8により行った。
ンサ8であるフォトダイオードの先端に観察範囲を絞る
ことができる集光光学系7を取り付け、この集光光学系
7によって観察範囲を直径1mmφとして、He−Ne
レーザの加工位置でのビームの大きさである1×6mm
の大きさを6等分した範囲の両端部に1づつ観察範囲を
直径1mmφとした集光光学系7を取り付けた2つのフ
ォトダイオード8により行った。
【0030】その際、レーザビーム3の出力は3.5k
Wから6.5kWの範囲で変化させ、レーザビーム3を
固定し、ピストン2を支持したロータリーテーブルを
0.6m/minの速度で回転させて加工点を移動させ
ながら肉盛り加工を行った。
Wから6.5kWの範囲で変化させ、レーザビーム3を
固定し、ピストン2を支持したロータリーテーブルを
0.6m/minの速度で回転させて加工点を移動させ
ながら肉盛り加工を行った。
【0031】この肉盛り加工の際に溶融池5から発生し
た光6を集光光学系7を経てフォトダイオード8により
観察し、光強度の変化を電圧の変化に変換し、さらに電
圧の変化を入出力ボード(I/Oボード)10により電
気信号に変換し、異常判定手段(パソコン)11に取り
込んでデータ化した。
た光6を集光光学系7を経てフォトダイオード8により
観察し、光強度の変化を電圧の変化に変換し、さらに電
圧の変化を入出力ボード(I/Oボード)10により電
気信号に変換し、異常判定手段(パソコン)11に取り
込んでデータ化した。
【0032】図3に、肉盛り方向に垂直な肉盛り幅方向
の溶融池5の両端を観察するフォトダイオード8の光強
度とレーザビーム3の出力との関係を調べた結果を示
す。
の溶融池5の両端を観察するフォトダイオード8の光強
度とレーザビーム3の出力との関係を調べた結果を示
す。
【0033】図3に示すように、正常な肉盛り加工を行
えるレーザビーム出力の範囲は5kWから6kWの範囲
であり、この範囲未満では肉盛り層と母材との界面が形
成されず、この範囲超過では母材の肉盛り層への希釈を
生じてクラックが発生するため、正常な肉盛り加工を行
えるレーザビーム出力の範囲外では異常発生を警告する
警告手段12に異常判定手段(パソコン)11から異常
発生信号が送られて異常発生を知らせる。
えるレーザビーム出力の範囲は5kWから6kWの範囲
であり、この範囲未満では肉盛り層と母材との界面が形
成されず、この範囲超過では母材の肉盛り層への希釈を
生じてクラックが発生するため、正常な肉盛り加工を行
えるレーザビーム出力の範囲外では異常発生を警告する
警告手段12に異常判定手段(パソコン)11から異常
発生信号が送られて異常発生を知らせる。
【0034】また、粉末供給位置とレーザビーム照射位
置との間にずれが発生した場合、片側には粉末が供給さ
れないため観察範囲では溶融池5が形成されず、光強度
が極端に低下し、もう一方では通常の溶融池5が形成さ
れるため光強度は正常な加工範囲に収まっているので、
このような溶融池5の両端での観察における光強度の違
いから粉末供給位置とレーザビーム照射位置との間での
ずれを検出することができ、異常判定手段(パソコン)
11から警告手段12に異常発生信号が送り込まれる。
置との間にずれが発生した場合、片側には粉末が供給さ
れないため観察範囲では溶融池5が形成されず、光強度
が極端に低下し、もう一方では通常の溶融池5が形成さ
れるため光強度は正常な加工範囲に収まっているので、
このような溶融池5の両端での観察における光強度の違
いから粉末供給位置とレーザビーム照射位置との間での
ずれを検出することができ、異常判定手段(パソコン)
11から警告手段12に異常発生信号が送り込まれる。
【0035】したがって、この実施例に示した肉盛り品
の品質保証方法および品質保証装置を用いることによっ
て、ピストン2のトップリング溝2aのレーザ肉盛り加
工時に発生する異常をオンラインで容易に検出すること
ができ、その結果、従来の技術ではオンラインでの検出
が困難であった母材の肉盛り層への希釈を検出すること
もでき、不良品の多発を未然に防ぐことができた。
の品質保証方法および品質保証装置を用いることによっ
て、ピストン2のトップリング溝2aのレーザ肉盛り加
工時に発生する異常をオンラインで容易に検出すること
ができ、その結果、従来の技術ではオンラインでの検出
が困難であった母材の肉盛り層への希釈を検出すること
もでき、不良品の多発を未然に防ぐことができた。
【0036】
【発明の効果】本発明に係わる肉盛り品の品質保証方法
では、前述した請求項1に記載の構成としたから、局所
的加熱源の照射中に部材表面および肉盛り材料が溶融し
て照射点に形成される溶融池から発生する光を溶融池の
大きさ以下に絞る集光光学系を備えた複数の光センサに
より光強度を観察することによって、肉盛り加工の際の
異常の有無をオンラインで判定することが可能であり、
連続生産において不良品の多発を未然に防ぐことがで
き、生産性の向上を実現することが可能であると共に歩
留りを大幅に向上させることが可能であるという著しく
優れた効果がもたらされる。
では、前述した請求項1に記載の構成としたから、局所
的加熱源の照射中に部材表面および肉盛り材料が溶融し
て照射点に形成される溶融池から発生する光を溶融池の
大きさ以下に絞る集光光学系を備えた複数の光センサに
より光強度を観察することによって、肉盛り加工の際の
異常の有無をオンラインで判定することが可能であり、
連続生産において不良品の多発を未然に防ぐことがで
き、生産性の向上を実現することが可能であると共に歩
留りを大幅に向上させることが可能であるという著しく
優れた効果がもたらされる。
【0037】そして、請求項2の構成とすることによっ
て、正常な肉盛り加工の光強度の範囲を上回る光強度が
肉盛り加工時に発生した場合には肉盛り層と母材との界
面が形成されていない異常が発生したと判定され、正常
な肉盛り加工の光強度の範囲を下回る光強度が肉盛り加
工時に発生した場合には母材の肉盛り層への希釈が生じ
た異常が発生したと判定され、溶融池の両端部から発生
する光強度のうち片側が正常な肉盛り加工が行える光強
度の範囲を下回った場合には粉末供給位置と局所的加熱
源の照射位置との間でずれを生じた異常が発生したと判
定されるので、肉盛り加工の際に肉盛り層と母材との界
面が形成されない異常が発生したり、母材の肉盛り層へ
の希釈が生じた異常が発生したり、粉末供給位置と局所
的加熱源の照射位置との間でずれを生じた異常が発生し
たりしたときには、これらの異常の発生をオンラインで
検出することが可能となり、異常の発生時に生産を中断
することが可能となることにより連続生産において不良
品の多発を未然に防ぐことが可能になるという著しく優
れた効果がもたらされる。
て、正常な肉盛り加工の光強度の範囲を上回る光強度が
肉盛り加工時に発生した場合には肉盛り層と母材との界
面が形成されていない異常が発生したと判定され、正常
な肉盛り加工の光強度の範囲を下回る光強度が肉盛り加
工時に発生した場合には母材の肉盛り層への希釈が生じ
た異常が発生したと判定され、溶融池の両端部から発生
する光強度のうち片側が正常な肉盛り加工が行える光強
度の範囲を下回った場合には粉末供給位置と局所的加熱
源の照射位置との間でずれを生じた異常が発生したと判
定されるので、肉盛り加工の際に肉盛り層と母材との界
面が形成されない異常が発生したり、母材の肉盛り層へ
の希釈が生じた異常が発生したり、粉末供給位置と局所
的加熱源の照射位置との間でずれを生じた異常が発生し
たりしたときには、これらの異常の発生をオンラインで
検出することが可能となり、異常の発生時に生産を中断
することが可能となることにより連続生産において不良
品の多発を未然に防ぐことが可能になるという著しく優
れた効果がもたらされる。
【0038】また、請求項3に記載の構成とすることに
よって、肉盛り加工の際における異常の発生を作業者に
素早く認知させることが可能であるという著しく優れた
効果がもたらされる。
よって、肉盛り加工の際における異常の発生を作業者に
素早く認知させることが可能であるという著しく優れた
効果がもたらされる。
【0039】そして、請求項4に記載の肉盛り品の品質
保証装置の構成とすることによって、請求項1に記載の
肉盛り品の品質保証方法を実施することができ、請求項
5に記載の装置とすることによって請求項2に記載の方
法を実施することができ、請求項6に記載の装置とする
ことによって請求項3に記載の方法を実施することがで
きるという著しく優れた効果がもたらされる。
保証装置の構成とすることによって、請求項1に記載の
肉盛り品の品質保証方法を実施することができ、請求項
5に記載の装置とすることによって請求項2に記載の方
法を実施することができ、請求項6に記載の装置とする
ことによって請求項3に記載の方法を実施することがで
きるという著しく優れた効果がもたらされる。
【図1】本発明に係わる肉盛り品の品質保証方法の実施
に使用される肉盛り品の品質保証装置の一実施例を示す
基本構成説明図である。
に使用される肉盛り品の品質保証装置の一実施例を示す
基本構成説明図である。
【図2】図1に示した局所的加熱源としてのレーザビー
ム照射系を示す説明図である。
ム照射系を示す説明図である。
【図3】本発明に係わる肉盛り品の品質保証方法の実施
結果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
【図4】従来のレーザ肉盛り方法を示す説明図である。
【図5】従来のレーザ肉盛り品の品質保証方法を示す説
明図である。
明図である。
1 肉盛り品の品質保証装置 2 部材(ピストン) 3 局所的加熱源(レーザビーム) 4 肉盛り材料供給ノズル 5 溶融池 6 光 8 光センサ 11 異常判定手段(パソコン) 12 警告手段
Claims (6)
- 【請求項1】 部材表面にレーザビーム等の局所的加熱
源を照射しつつ、局所的加熱部位に金属粉末,金属板,
金属ワイヤなどの肉盛り材料を供給して、部材表面およ
び肉盛り材料を同時に溶融させ、部材表面の一部ないし
は全部に肉盛り層を形成する肉盛り加工において肉盛り
加工の異常の有無を判定するに際し、局所的加熱源の照
射中に部材表面および肉盛り材料が溶融して照射点に形
成される溶融池から発生する光を溶融池の大きさ以下に
絞る集光光学系を備えた複数の光センサにより光強度を
観察することによって、肉盛り加工における異常の有無
を判定することを特徴とする肉盛り品の品質保証方法。 - 【請求項2】 溶融池の肉盛り方向に対して垂直な肉盛
り幅方向の両端部を観察する複数の光センサから得られ
る光強度の変化を測定し、あらかじめ測定した正常な肉
盛り加工の光強度から正常な肉盛り加工を行える光強度
の範囲を設定し、正常な肉盛り加工の光強度の範囲を上
回る光強度が肉盛り加工時に発生した場合には肉盛り層
と母材との界面が形成されていないと判定し、正常な肉
盛り加工の光強度の範囲を下回る光強度が肉盛り加工時
に発生した場合には母材の肉盛り層への希釈が発生した
と判定し、溶融池の両端部から発生する光強度のうち片
側が正常な肉盛り加工を行える光強度の範囲を下回った
場合には粉末供給位置と局所的加熱源の照射位置との間
でずれが発生したと判定して、肉盛り品の品質保証をオ
ンラインで行うことを特徴とする請求項1に記載の肉盛
り品の品質保証方法。 - 【請求項3】 異常が発生したと判定した際に警告を発
することを特徴とする請求項1または2に記載の肉盛り
品の品質保証方法。 - 【請求項4】 部材表面にレーザビーム等の局所的加熱
源を照射しつつ、局所的加熱部位に金属粉末,金属板,
金属ワイヤなどの肉盛り材料を供給して、部材表面およ
び肉盛り材料を同時に溶融させ、部材表面の一部ないし
は全部に肉盛り層を形成する肉盛り加工装置に付設され
る肉盛り品の品質保証装置において、局所的加熱源の照
射中に部材表面および肉盛り材料が溶融して照射点に形
成される溶融池から発生する光を溶融池の大きさ以下に
絞る集光光学系を備えた複数の光センサと、光センサに
より光強度を観察することによって肉盛り加工における
異常の有無を判定する異常判定手段を具備したことを特
徴とする肉盛り品の品質保証装置。 - 【請求項5】 光センサは溶融池の肉盛り方向に対して
垂直な肉盛り幅方向の両端部を観察し、異常判定手段は
光センサから得られる光強度の変化を測定してあらかじ
め測定した正常な肉盛り加工の光強度から正常な肉盛り
加工が行える光強度の範囲を設定し、正常な肉盛り加工
の光強度の範囲を上回る光強度が肉盛り加工時に発生し
た場合には肉盛り層と母材との界面が形成されていない
と判定し、正常な肉盛り加工の光強度の範囲を下回る光
強度が肉盛り加工時に発生した場合には母材の肉盛り層
への希釈が発生したと判定し、溶融池の両端部から発生
する光強度のうち片側が正常な肉盛り加工が行える光強
度の範囲を下回った場合には粉末供給位置と局所的加熱
源の照射位置との間でずれが発生したと判定することを
特徴とする請求項4に記載の肉盛り品の品質保証装置。 - 【請求項6】 異常判定手段により異常が発生したと判
定された際に警告を発する警告手段を具備したことを特
徴とする請求項4または5に記載の肉盛り品の品質保証
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8003295A JPH09192861A (ja) | 1996-01-11 | 1996-01-11 | 肉盛り品の品質保証方法および品質保証装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8003295A JPH09192861A (ja) | 1996-01-11 | 1996-01-11 | 肉盛り品の品質保証方法および品質保証装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09192861A true JPH09192861A (ja) | 1997-07-29 |
Family
ID=11553397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8003295A Pending JPH09192861A (ja) | 1996-01-11 | 1996-01-11 | 肉盛り品の品質保証方法および品質保証装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09192861A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6329630B1 (en) | 1998-05-25 | 2001-12-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Process of cladding by welding |
JP2002048718A (ja) * | 2000-07-31 | 2002-02-15 | Nissan Motor Co Ltd | レーザクラッド加工におけるクラッド層の品質判定方法 |
CN102049613A (zh) * | 2010-11-18 | 2011-05-11 | 湖南大学 | 基于特征元素等离子体光信号的镀锌钢激光添粉焊接过程中焊接缺陷的在线诊断方法 |
EP3117947A1 (en) | 2015-07-14 | 2017-01-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method of determining quality of cladding layer and laser build-up apparatus |
-
1996
- 1996-01-11 JP JP8003295A patent/JPH09192861A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6329630B1 (en) | 1998-05-25 | 2001-12-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Process of cladding by welding |
JP2002048718A (ja) * | 2000-07-31 | 2002-02-15 | Nissan Motor Co Ltd | レーザクラッド加工におけるクラッド層の品質判定方法 |
CN102049613A (zh) * | 2010-11-18 | 2011-05-11 | 湖南大学 | 基于特征元素等离子体光信号的镀锌钢激光添粉焊接过程中焊接缺陷的在线诊断方法 |
EP3117947A1 (en) | 2015-07-14 | 2017-01-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method of determining quality of cladding layer and laser build-up apparatus |
US10286495B2 (en) | 2015-07-14 | 2019-05-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method of determining quality of cladding layer and laser build-up apparatus |
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