JP3052611B2 - 石油給湯器の着火方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は石油給湯器の着火方法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】第３図に従来の石油給湯器の着火方法の
一例を示す。この従来の石油給湯器では、水量センサが
最低作動水量以上を検出すると（Ｓ１）、先ず、ファン
モータの駆動が開始される（Ｓ２）。そしてファンモー
タの回転数が一定以上になると（Ｓ３）、イグナイタを
オンしてプリイグニッションを開始する（Ｓ４）。そし
て更に一定時間のプリイグニッション時間が経過するま
で待って（Ｓ５）、石油供給ポンプをオンする（Ｓ
６）。これにより石油が供給され、前記イグナイタによ
る着火がなされる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の石油給湯器においては、石油が供給されて着火がな
されるまでに、ファンモータが一定回転数になるまでの
時間を待機し、更に加えてプリイグニッション時間の経
過を待機しなければならず、結果として最低作動水量検
出から着火までに時間がかかるという問題があった。

【０００４】そこで本発明は、上記従来技術の欠点を解
消し、石油給湯器の着火までの時間を短くし、初期立ち
上がり特性のよい石油給湯器の着火方法の提供を目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の石油給湯器の着火方法は、水量センサが最
低作動水量を検出することによりファンモータの駆動を
開始し、回転数センサが前記ファンモータの回転を検出
すればイグナイタによるプリイグニッションを開始する
ようにし、そして前記プリイグニッションの一定時間が
経過し且つ前記回転数センサが一定以上のファン回転数
以上を検出することを条件に石油供給ポンプを駆動して
着火態勢に入ることを特徴としている。

【０００６】

【作用】図示しない給湯カランが使用者等によって開放
されると、給湯器内に水が流れ、これによって水量セン
サが最低作動水量を検出すると、ファンモータの駆動が
開始される。そして、前記ファンモータの駆動による現
実の回転が回転数センサによって検出されると、イグナ
イタがオンされ、プリイグニッションが開始される。そ
の後プリイグニッションの一定時間が経過し且つ回転数
センサが一定以上のファン回転数を検出すると石油供給
ポンプが駆動される。これにより石油が供給され、イグ
ナイタによる火花によって着火がなされる。プリイグニ
ッションの一定時間が経過するまでの待機時間とファン
が一定回転数以上になるまでの待機時間とを、同時的に
並行して進行させることができるので、最低作動水量検
出から着火までの時間を従来の１／２程度に短縮するこ
とができ、非常に初期立ち上がり特性のよい石油給湯器
とすることができた。

【０００７】

【実施例】図１は本発明方法を実施した噴霧カットバー
ナ付の石油給湯器の構成図、図２は本発明方法の１実施
例を示すフローチャートである。噴霧カットバーナ１は
燃料噴霧ノズル２と噴霧カット板３を有し、燃料噴霧ノ
ズル２はステッピングモータ４により進退移動される。
燃料噴霧ノズル２はオイル導管５を介して密閉式の石油
溜まり６に連通しており、オイル導管５には石油供給ポ
ンプである電磁ポンプ７が介装されている。電磁ポンプ
７によりオイル導管５を通ってノズル２に供給される石
油等の燃料油は、燃料噴霧ノズル２から噴霧され、一部
が噴霧カット板３により遮断されて、リターンパイプ８
を通って石油溜まり６に戻る。石油溜まり６はエア抜き
パイプ９を介して燃料噴霧ノズル２の周囲の空間に連通
している。すなわちステッピングモータ４によって進退
される燃料噴霧ノズル２の位置によって、噴霧カット板
３により噴霧カットされる燃料油の量が調整され、噴霧
カット板３の開口３ａを通過するバーナ入力としての燃
料油の量が決まる。このバーナ入力に応じて燃焼室10で
の燃焼熱量も変化するのである。

【０００８】燃料噴霧ノズル２から噴霧されて噴霧カッ
ト板３の開口３ａを通過し、イグナイタ30によって着火
された燃料油が燃焼する燃焼室10には、ファンモータ11
により燃焼用空気が供給され、この燃焼用空気の供給量
は風量制御ダンパー12により制御される。前記ファンモ
ータ11にはその回転数を検出する回転数センサ31が設け
られている。また前記ダンパー12はステッピングモータ
13で駆動される。前記燃焼室10には熱交換器15が配設さ
れ、これに入水管16と出湯管17が接続されている。入水
管16には入水温度センサ18と水量センサ19とが設けら
れ、出湯管17には給湯温度センサ20と過流出防止機構21
が設けられている。14はマイクロコンピュータを備えた
コントローラで、前記入水温度センサ18、水量センサ1
9、給湯温度センサ20、回転数センサ31による検出値を
入力し、また内部にファンタイマ、プリイグニッション
タイマを備えており、所定のプログラムにそって、燃料
噴霧ノズル２のステッピングモータ４、電磁ポンプ７、
ファンモータ11、ダンパー12のステッピングモータ13、
イグナイタ30等に所定の命令を出力する。

【０００９】次に、前記コントローラ14による着火のた
めの動作制御について図２も参照して説明する。今、図
示しない給湯カランが開放されると、入水管16に水が流
れ、水量センサ19が最低作動水量以上を検出すると（Ｓ
11）、その情報を入力したコントローラ14はファンモー
タ11に駆動指令を出力すると共に内蔵のファンタイマを
スタートさせる（Ｓ12）。そして、回転数センサ31がフ
ァンモータ11の回転を検出すると（Ｓ13）、その情報を
入力したコントローラ14はイグナイタ30をオンしてプリ
イグニッションを開始すると共に内蔵のプリイグニッシ
ョンタイマをスタートさせる（Ｓ14）。そしてその後、
コントローラ14は、前記プリイグニッションタイマによ
る一定のプリイグニッション時間が経過（ＵＰ）し（Ｓ
15）、且つ前記回転数センサ31がファンモータ11の一定
回転数以上の回転数を検出する（Ｓ16）という２つの条
件の充足をもって、電磁ポンプ７をオンし駆動を開始す
る（Ｓ17）。これにより着火態勢に入り、石油が供給さ
れ、ノズル２から噴霧されて、イグナイタ30からの火花
によって着火する。

【００１０】前記プリイグニッションは実際の点火動作
の際に円滑な着火ができるように、実際の点火動作に先
立つ準備動作であり、石油が未だ流れてこない状態で開
始するものである。イグナイタ30のオンは着火まで継続
される。がプリイクニッションタイマがアップすること
で一旦オフし、電磁ポンプ７のオンと同時に再度オンす
るようすることもできる。

【００１１】前記ステップＳ13において回転数センサ31
がファンモータ11の回転を検出しない場合（ノーの場
合）、及びステップＳ16で回転数センサ31が一定回転数
以上のファンモータ11の回転を検出しない場合（ノーの
場合）には、一定時間の設定がなされたファンタイマの
アップをもって（Ｓ18、Ｓ19）、着火のための動作を停
止する安全動作を行う（ステップ20）。

【００１２】

【発明の効果】本発明は以上の構成よりなり、請求項１
に記載の石油給湯器の着火方法によれば、水量センサが
最低作動水量を検出することによりファンモータの駆動
を開始し、回転数センサが前記ファンモータの回転を検
出すればイグナイタによるプリイグニッションを開始す
るようにし、そして前記プリイグニッションの一定時間
が経過し且つ前記回転数センサが一定以上のファン回転
数を検出することを条件に石油供給ポンプを駆動して着
火態勢に入るようにしたので、プリイグニッションのた
めの待機時間とファンが一定回転数以上になるまでの待
機時間とを、同時的に並行して進行させることができ、
よって、最低作動水量検出から着火までの時間を十分に
短縮することができる。よってまた非常に初期立ち上が
り特性のよい石油給湯器を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法を実施した噴霧カットバーナ付の石
油給湯器の構成図である。

【図２】本発明方法の１実施例を示すフローチャートで
ある。

【図３】従来方法の例を示すフローチャートである。

【符号の説明】

７ 電磁ポンプ 11 ファンモータ 12 風量制御ダンパー 14 コントローラ 19 水量センサ 30 イグナイタ 31 回転数センサ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水量センサが最低作動水量を検出するこ
   とによりファンモータの駆動を開始し、回転数センサが
   前記ファンモータの回転を検出すればイグナイタによる
   プリイグニッションを開始するようにし、そして前記プ
   リイグニッションの一定時間が経過し且つ前記回転数セ
   ンサが一定以上のファン回転数を検出することを条件に
   石油供給ポンプを駆動して着火態勢に入ることを特徴と
   する石油給湯器の着火方法。