JP3052234U - プラスチック廃材の粉砕装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のスクリュ型カッタを備えた粉砕装置で
は、プラスチック廃材が滑らかに刃に喰い込まないこと
があり、刃の上方にスプル・ランナが堆積・滞留して粉
砕されない事態が惹起された。 【解決手段】 プラスチック廃材をスリーブの刃と協働
して粉砕する回転刃を備えた粉砕装置の前記スリーブの
開口部へ進退してプラスチック廃材を回転刃に押圧する
押板を設け、さらには前記回転刃を嵌挿した前記スリー
ブと、前記押板と、ホッパとを一体に取り付けるハウジ
ングを射出成形機の原料供給口に設置するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は成形中に生ずるプラスチック廃材を粉砕して再利用するための装置に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

プラスチック原料を射出成形した際に発生するスプル、ランナ等のプラスチッ ク廃材は産業廃棄物として処理される一方、粉砕機により粉砕して再生材料とし てバージン材料に混合して利用していた。しかしながら該粉砕機による粉砕には 、騒音、粉砕材のバージン材との混合比率、粉砕材の運搬、粉砕機と粉砕材の置 き場所、異物・異材の混入等の課題を有していた。それらの課題を解決する技術 として、粉砕機能を射出成形機の原料供給部に併設せしめたものがあり、実公昭 ５２−３８６２０、実公昭５２−４５６６５および特公平７−２０６３９に開示 される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記プラスチック廃材であるスプル、ランナは細い棒状の三次元形 状であり、極めて嵩高・軽量である。したがって、前記先行技術のいずれにおい てもスプル・ランナがスクリュ型カッタに滑らかに喰い込まないことがあり、カ ッタ上方にスプル・ランナが堆積・滞留して粉砕されない事態が惹起される。さ らに、特公平７−２０６３９によれば、射出成形機の原料供給部にカッタを内蔵 し、その駆動源をスクリュ軸から得ているので、射出成形機自体の大きな改造を 要し、コストと機械保守に問題が残る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで、プラスチック廃材をスリーブの刃と協働して粉砕する回転刃を備えた 粉砕装置の前記スリーブの開口部へ進退してプラスチック廃材を回転刃に押圧す る押板を設け、さらには前記回転刃を嵌挿した前記スリーブと、前記押板と、ホ ッパとを一体に取り付けるハウジングを射出成形機の原料供給口に設置するよう にしたのである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図１に基づいて本考案の実施の形態を詳細に説明する。２はスクリュ１を回転 往復動自在に嵌挿した加熱筒であり、取付材４によりフレーム３にボルトで固着 されている。加熱筒２のフレーム３に嵌挿した後部の上面には、フレーム３の原 料供給口１６と連通する開口を有し、本考案を適用しないときには、フレーム３ の原料供給口１６の開口端面にホッパ１５を取り付ける。本考案に係る粉砕装置 ２２は、すべてハウジング６に装着されており、原料供給口１６とホッパ１５と の通路を連通する原料通路１７と、該原料通路１７に直交して穿孔した粉砕材供 給口１８に挿通固定したスリーブ７と、該スリーブ７に嵌挿したスクリュ形状の 回転刃８と、該回転刃８を回転駆動するモータ９と、前記スリーブ７の上面に設 けた開口部２１およびハウジング６に設けた投入口２０に連通する下部開口を有 し押板１４を備えた投入部１０とからなる。該押板１４は、投入部１０の垂直部 に固定したシリンダ１３により上下移動可能であって、投入口２０に緩嵌するよ うになっている。

【０００６】 スリーブ７は、本実施例ではハウジング６に挿通固定して、開口部２１のホッ パ１５側に設けた刃１９の摩耗に備えて交換容易なるようにハウジング６とは別 部材で構成しているが、両者を一体に構成してもよいことは言うまでもない。ま た、いずれの場合でも刃１９を別部材とすることもある。

【０００７】 フレーム３の原料供給口１６の開口端面とハウジング６の間に設けたスペーサ ５は、粉砕装置２２を様々な射出成形機に設置する場合に、原料供給口１６と原 料通路１７との寸法差を調整したり、粉砕装置２２のフレーム３への固定方法を 調整するための部材であって、省略することも出来る。また、支持具１１はハウ ジング６の張り出し部分に設けて、ハウジング６の重量を加熱筒２で支持せしめ るための部材である。

【０００８】 次に粉砕装置２２の作動について説明する。射出成形機で成形し取り出された スプル・ランナ等のプラスチック廃材１２は取出機等によって投入部１０に移送 され投入される。プラスチック廃材１２は、投入部１０の斜面を落下して開口部 ２１に至り、モータ９から見て時計回転する回転刃８によってホッパ１５側に搬 送される。プラスチック廃材１２は、開口部２１のホッパ１５側端部にある刃１ ９に到達すると、回転刃８と協動して剪断され粉砕される。このときプラスチッ ク廃材１２は押板１４によって回転刃８に押圧されるので、良好に回転刃８に喰 い込み、効率良く粉砕されるのである。粉砕された材料は、回転刃８によりさら に前方に搬送され、原料通路１７に到達後、ホッパ１５内のバージン原料と適度 に混合され原料供給口１６に落下してゆく。

【０００９】 押板１４を上下駆動するシリンダ１３は、空圧または油圧で制御され、プラス チック廃材１２が投入されるまでは押板１４を図示の最上部に位置せしめ、プラ スチック廃材１２を感知するセンサもしくはタイマの設定時間による信号に基づ き下降開始する。シリンダのロッド長さは押板１４が開口部２１に達するまでの 距離に相当するものとしておき、その下降限度をリミットスイッチが検出したと きかあるいは下降開始から所定時間後押板１４を上昇させるようにする。シリン ダ１３の空圧源または油圧源にはその圧力を制限するリリーフ弁を備え、適度な 押圧力でプラスチック廃材１２を押すようにしている。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は上記のように構成したので、細い棒状の三次元形状であって極めて嵩 高・軽量なスプル、ランナであっても容易に回転刃に滑らかに喰い込み、回転刃 上方にスプル・ランナが堆積・滞留して粉砕されない事態を回避するとともに、 射出成形機の種類に関係なく容易に粉砕装置を設置することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の粉砕装置を射出成形機に設置した状態
を示す断面図である。

【符号の説明】

１ ‥‥‥ スクリュ ２ ‥‥‥ 加熱筒 ３ ‥‥‥ フレーム ４ ‥‥‥ 取付材 ５ ‥‥‥ スペーサ ６ ‥‥‥ ハウジング ７ ‥‥‥ スリーブ ８ ‥‥‥ 回転刃 ９ ‥‥‥ モータ １０ ‥‥ 投入部 １１ ‥‥ 支持具 １２ ‥‥ プラスチック廃材 １３ ‥‥ シリンダ １４ ‥‥ 押板 １５ ‥‥ ホッパ １６ ‥‥ 原料供給口 １７ ‥‥ 原料通路 １８ ‥‥ 粉砕材供給口 １９ ‥‥ 刃 ２０ ‥‥ 投入口 ２１ ‥‥ 開口部 ２２ ‥‥ 粉砕装置

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ // Ｂ２９Ｋ 105:26

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラスチック廃材をスリーブの刃と協働
   して粉砕する回転刃を備えた粉砕装置において、 前記スリーブの開口部へ進退してプラスチック廃材を回
   転刃に押圧する押板を設けたことを特徴とするプラスチ
   ック廃材の粉砕装置。
2. 【請求項２】 請求項１のプラスチック廃材の粉砕装置
   において、回転刃を嵌挿したスリーブと、前記押板と、
   ホッパとを一体に取り付けるハウジングを射出成形機の
   原料供給口に設置するようにしたことを特徴とするプラ
   スチック廃材の粉砕装置。