JP3051848U - オイルクーラ内蔵のドローンカップ型ラジエータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立工数の少ないドローンカップ型のラジエ
ータにおいて、その内部にオイルクーラを装着するこ
と。 【解決手段】 積層方向の最端に位置するエレメント４
において、その流路３の断面の短径方向の空間高さを他
のエレメントのそれより充分高く形成する。そして、そ
の高さの高いエレメント４内にオイルクーラ７を配置す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、プレス成形体よりなる細長いプレートを積層したドローンカップ型 のラジエータにおいて、オイルクーラを内装したものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のオイルクーラ内蔵のラジエータは、チューブとフィンからなるコアの上 下両端に入口側タンクと出口側タンクとを配置し、その出口側タンクにオイルク ーラを内装していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の多数のチューブとフィンとで構成されたコアの両端にタンクを配置する エンジン冷却水冷却用ラジエータは、その組立工数が極めて多くなり、生産コス トが高くならざるを得なかった。 また、皿状に形成された一対のプレス成形体よりなる細長いプレートを積層し てオイルクーラ等を構成したものを、エンジン冷却水冷却用ラジエータに転用す ることも考えられる。しかしながら、そのラジエータ内部にはオイルクーラを収 納するスペースが存在しなかった。そのためオイルクーラを別個独立に配置せざ るを得なかった。 そこで本考案は、いわゆるドローンカップ型ラジエータにおいて、その内部に オイルクーラを収納し、効率良くオイルを冷却できるものを提供することを課題 とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案のオイルクーラ内蔵のドローンカップ型ラジエータは、両端部に一対の 連通孔１が形成されると共に、外周が互いに整合し且つ、少なくとも一方が皿状 に形成された一対のプレス成形体よりなる細長いプレート２を有し、両プレート ２の周縁を液密に重ね合わせて内部に偏平なエンジン冷却水の流路３を有するエ レメント４が構成され、 互いに整合する複数の前記エレメント４が厚み方向に重ね合わされると共に、 前記連通孔１を互いに液密に接合して、その接合部内に冷却水の入口側マニホー ルド５と出口側マニホールド５ａとを有するエンジン冷却水冷却用のラジエータ ６が構成され、 積層方向の最端に位置する前記エレメント４において、その流路３の断面の短 径方向の空間高さを他のエレメントのそれより充分高く形成し、その高さの高い エレメント４内に、オイルクーラ７を配置したことを特徴とするものである。

【０００５】 本考案のラジエータは、夫々細長い皿状に形成された一対のプレートからなる エレメント４を積層して冷却水冷却用のラジエータ６を構成したものにおいて、 その積層方向の最端に位置するエレメント４の流路３の高さを他のそれより高く し、そこにオイルクーラ７を配置したものであるから、組立て易いドローンカッ プ型ラジエータ内にオイルクーラ７の配置スペースを確保することができると共 に、エンジン冷却水の一部を利用してオイルを効果的に冷却することが可能とな る。

【０００６】

【考案の実施の形態】

次に、図面に基づいて本考案の実施の形態を説明する。 図１は本考案のオイルクーラ内蔵のドローンカップ型ラジエータの一部破断正 面図であり、図２は図１のII部拡大図である。 この実施の形態には、エンジン冷却水を冷却するためにドローンカップ型のラ ジエータ６が設けられている。このラジエータ６は多数のエレメント４を積層す ると共に、それらの間にアウターフィン14を配置したものである。そして最下段 のエレメント４に、オイルクーラ７が内装されている。 夫々のエレメント４は、プレス成形体よりなる皿状に形成された一対の細長い プレート２からなる。このプレート２は両端部に一対の連通孔１が形成されると 共に、その連通孔１の孔縁部が外方に膨出している。そしてそれらプレート２の 外周が互いに整合し、一対のプレートが逆向きに重ね合わされて夫々の周縁を液 密に固定し、内部に偏平なエンジン冷却水の流路３を形成したものである。

【０００７】 そして夫々のエレメント４は厚み方向に重ね合わされると共に、連通孔１を互 いに液密に整合し、その接合部内に冷却水の入口側マニホールド５と出口側マニ ホールド５ａとを構成する。そして各エレメント４間には、アウターフィン14が 配置される。 積層方向の最下端に位置するエレメント４は、その流路３の断面の短径方向の 空間高さを他のエレメントのそれより十分高く形成し、その高さの高いエレメン ト４内にオイルクーラ７を配置している。そしてそのオイルクーラ７の長手方向 両端に突設されたオイルパイプ８を、最下端に位置するプレート２に液密に貫通 している。なお、エレメント４の積層方向最上端には、その入口側マニホールド ５側に入口パイプ９が、出口側マニホールド５ａ側にフィラーネック12が配置さ れ、フィラーネック12には給水キャップ13が着脱自在に被着される。また、最下 段に位置するエレメント４の出口側マニホールド５ａには、出口パイプ10が設け られる。

【０００８】 次に、オイルクーラ７は一例としてドローンカップ型（多板型）を用いている 。即ち、両端部に一つの連通孔が形成されると共に、外周が互いに整合した一対 の皿状のプレートによりオイルクーラのエレメントを構成し、それを複数段積層 し、積層方向端部にオイルパイプ８を突設固定したものである。そしてオイルは 、一方のオイルパイプ８から他方のオイルパイプ８に流通する。そしてエンジン 冷却水は、冷却水の入口パイプ９から夫々のエレメント４の入口側マニホールド ５に導かれ、各エレメント４の流路３内を流通して出口側マニホールド５ａに導 かれる。そしてエレメント４及びアウターフィン14の外面には、冷却風が送風さ れる。それによりエンジン冷却水は冷却され、出口パイプ10よりエンジンのウォ ータージャケットに還流する。また、最下段に位置したエレメント４内では冷却 水の流通に伴いオイルクーラ７内を流通するオイルが冷却され、その冷却水が出 口パイプ10より外部に導かれる。 上記実施の形態におけるオイルクーラ７はいわゆる多板型のものであるが、そ れに代えて二重管型の公知のオイルクーラを用いても良い。

【０００９】

【考案の作用・効果】

本考案のオイルクーラ内蔵のドローンカップ型ラジエータは、夫々細長い皿状 に形成された一対のプレートからなるエレメント４を積層して冷却水冷却用ラジ エータ６を構成したものにおいて、その積層方向の最端に位置するエレメント４ の流路３の高さを他のそれより高くし、そこにオイルクーラ７を配置したもので あるから、組立て易いドローンカップ型ラジエータ内にオイルクーラ７の配置ス ペースを確保することができると共に、エンジン冷却水の一部を利用してオイル を効果的に冷却することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のオイルクーラ内蔵のドローンカップ型
ラジエータの一部破断正面図。

【図２】図２は図１のII部拡大図。

【符号の説明】

１ 連通孔 ２ プレート ３ 流路 ４ エレメント ５ 入口側マニホールド ５ａ 出口側マニホールド ６ ラジエータ ７ オイルクーラ ８ オイルパイプ ９ 入口パイプ 10 出口パイプ 12 フィラーネック 13 給水キャップ 14 アウターフィン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端部に一対の連通孔１が形成されると
   共に、外周が互いに整合し且つ、少なくとも一方が皿状
   に形成された一対のプレス成形体よりなる細長いプレー
   ト２を有し、両プレート２の周縁を液密に重ね合わせて
   内部に偏平なエンジン冷却水の流路３を有するエレメン
   ト４が構成され、 互いに整合する複数の前記エレメント４が厚み方向に重
   ね合わされると共に、前記連通孔１を互いに液密に接合
   して、その接合部内に冷却水の入口側マニホールド５と
   出口側マニホールド５ａとを有するエンジン冷却水冷却
   用のラジエータ６が構成され、 積層方向の最端に位置する前記エレメント４において、
   その流路３の断面の短径方向の空間高さを他のエレメン
   トのそれより充分高く形成し、その高さの高いエレメン
   ト４内に、オイルクーラ７を配置したことを特徴とする
   オイルクーラ内蔵のドローンカップ型ラジエータ。