JP3049453B2 - 半導体冷却装置 - Google Patents

半導体冷却装置

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JP3049453B2
JP3049453B2 JP4001691A JP169192A JP3049453B2 JP 3049453 B2 JP3049453 B2 JP 3049453B2 JP 4001691 A JP4001691 A JP 4001691A JP 169192 A JP169192 A JP 169192A JP 3049453 B2 JP3049453 B2 JP 3049453B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体冷却装置及びその
組立て方法に係り、特に冷却装置内に冷媒液を封入し
て、その沸騰現象によって素子を冷却する半導体冷却装
置及びその組立て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体素子を冷却する装置の一例
は、例えば特公昭61−26226号公報に記されてい
るように、冷却装置と半導体素子がスタック状に積層さ
れ、それが沸騰する液体が封入された容器内に配置され
ている。沸騰した冷媒ガスを凝縮させるための装置は、
上記公知例のように容器外側に付いている場合、あるい
は特公昭61−38865号公報に記されているよう
に、沸騰部の容器と凝縮器が連絡管で連絡されている場
合とがある。
【0003】一方、実公昭61−30294号公報、実
公昭61−30295号公報、あるいは実公昭61−2
0778号公報、特公昭61−37793号公報等に記
されているように、半導体素子と、冷却フィンをその内
壁に有し冷媒液を封入した容器とがスタック状に積層さ
れ、それぞれの容器が凝縮器と連絡されている。上記4
つの公知例では、凝縮器はひとつであるが、特公昭63
−61780号公報、特公昭63−38864号公報に
記されている例では、凝縮器と冷却容器とは一対一の対
応になっている。後者の公知例のように、半導体素子と
沸騰部容器とを別々に構成した方が、半導体素子のメン
テナンスが楽になるなどというメリットがある。
【0004】図16に従来の大容量半導体素子の沸騰冷
却装置の代表例を示す。半導体素子1が複数個積層さ
れ、その間に冷却容器2がスタック状に積層され、複数
個の半導体素子1と冷却容器2が圧接されている。冷却
容器2は、凝縮器3と連絡管4を介して連絡されてい
る。凝縮器3は、伝熱管5と冷却フィン6、及び左右の
ヘッダ7、8により構成されている。連絡管4は2重管
になっており、外管9は、冷却容器2の上側と凝縮器3
のヘッダ7とを連絡する。内管10は、一方端はヘッダ
7内にまで挿入され、他方の端部は、冷却容器2の底部
近くまで挿入されている。冷却容器2の内壁には沸騰伝
熱に適した伝熱面が挿入されている。沸騰する冷媒液1
1が、冷却容器2内に封入されている。
【0005】半導体素子1が作動して発熱を開始する
と、熱は冷却容器2側へ伝わり、冷媒液11が沸騰を始
める。生成された気泡は、冷却容器2内を上昇し、連絡
管4の内管10と外管9の間を流れて凝縮器5側へ移動
する。凝縮器5では、この気泡は凝縮、液化する。液化
された冷媒液12は、最下部方向の伝熱管5内を流れ
て、ヘッダ7へ戻り、内管10内を通って、再び冷却容
器2の底部側へ導かれる。
【0006】このようにして、半導体素子1で発熱した
熱を、冷媒液11の沸騰によって凝縮器3側へ運び、最
終的には、凝縮器3に取り付けられた冷却フィン6の間
を流れる冷却空気(ファンを取り付けて強制的に空気を
流す場合と、ファンを取り付けずに空気が自然循環する
場合とがある)側へ伝熱され、半導体素子1を作動時に
所定の温度(例えば100℃)以下におさえるものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】電力用半導体素子で
は、騒音の低減を図るため、あるいはコンピュータなど
のLSI素子では演算速度の向上を図るため、半導体素
子への電気入力が増大する傾向がある。そのため素子の
発熱量が増加する。この対策として、半導体冷却装置の
冷却効率向上を図る必要がある。
【0008】本発明は、冷媒液の沸騰によって熱を伝え
るわけであるが、沸騰すべき冷媒液が凝縮器3側から冷
却容器2側へ戻らないと、伝熱性能が低下してしまう。
冷媒液が戻る原理は次の通りである。つまり、ヘッダ7
内にたまる凝縮液12と、気泡が冷却容器2から凝縮器
3へ流れる流動抵抗とがバランスするわけであるから、
この流動抵抗が大きすぎると、冷媒液が戻りにくくな
る。又、沸騰性能の向上を図るためには、伝熱面の面積
を大きくしなければならない。更に、冷却容器内の沸騰
伝熱面を、冷媒気泡の流動抵抗が小さくなる構造としな
ければならない。このためには、蒸気管14を大きくす
ればよいわけであるが、むやみに大きくすればよいとい
うものではなく、冷却容器2の幅寸法に制限があるた
め、冷却性能が大幅に低下しない範囲で最適な寸法にし
なければならない。
【0009】一方、内管10についても、外径を大きく
して液流動の圧力損失を小さくすれば、液戻りが良くな
るわけであるが、これについてもむやみに大きくできな
い。内管のみを大きくすると、蒸気管14と内管10と
の間で構成される蒸気通路部面積が狭くなってしまう。
内管10の大きさも最適な値に設定する必要がある。更
に、内管10を通って冷却容器2側へ液が戻るわけであ
るが、冷却容器内の液が不足しやすいところへ、内管1
0の冷却容器側端を配置しないと、冷媒液が蒸発部の全
域に均等に導かれないので、伝熱性能が低下する。
【0010】本発明の目的は、上記問題点に鑑みなされ
たもので、冷媒液の流れを良好にして冷却容器内へ冷媒
液が十分に供給され、冷媒ガスの流動断面積を大きくす
るとともに気液流動抵抗を最小にして伝熱促進を図り、
装置全体を小型化して冷却性能の向上した半導体冷却装
置を提供することである。
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため
に本発明は 、半導体素子に積層された冷却容器と凝縮器
とが連絡管によって連絡され、該冷却容器内部に冷却素
子を配置して冷媒液を封入し、該冷媒液の沸騰によって
前記半導体素子を冷却する半導体冷却装置であって、前
記冷却容器の上方部に蒸気室を設けるとともに、該冷却
容器と前記半導体素子とがそれぞれ複数個積層され、該
冷却容器と前記凝縮器との間に蒸気分離管を配置し、該
蒸気分離管と該冷却容器とが内管と外管とから成る2重
管構造の連絡管で連絡され、かつ該蒸気分離管と前記凝
縮器とが蒸気通路管と液通路管とによって連絡されてい
る半導体冷却装置において、前記内管の先端を連絡管と
遠くなる方向の冷却素子内に取り付けたことを特徴とす
るものである。
【0013】
【0014】
【作用】上記の構成によれば、冷却容器内の冷媒液及び
冷媒ガスの流動し、液戻り管内を通って冷媒液が冷却容
器内へ戻るとき、冷却容器内に、ある一定の冷媒液が保
持されて、伝熱面において沸騰する場合、発生気泡の上
昇に伴って、冷媒液が上に運ばれる。そして、蒸気泡は
内管側へ流れるため、冷媒液も内管側へ導かれる傾向に
ある。したがって、冷却容器の上方部が狭くて、沸騰伝
熱面の上側に冷媒が占める体積部が少ないと、冷却容器
内上方においては、蒸気管が取り付けてある側には冷媒
液が多くあるが、その反対側には冷媒液が少なくなる。
この場合、冷却容器内に蒸気室を設けると、冷媒液が急
に内管側へ曲げられることがなく、内管が取り付けられ
る側と反対側にも冷媒液が導かれやすくなる。
【0015】一方、液戻り管の冷却容器側端を液戻り管
から遠ざかる方向に取り付けると、液戻り管側に冷媒液
が多くなるため内管が取り付けられる側と反対側にも冷
媒液が導かれやすくなる。
【0016】又、内管及び蒸気管が狭すぎると、それぞ
れ流動抵抗が大きくなるため、内管側の冷媒液、及び蒸
気管側の気液2相流が流れにくくなる。結果として、冷
却容器側に冷媒液が戻りにくくなるが、内管及び蒸気管
の大きさを最適な値にすることにより、管径を無理やり
に大きくさせずに、冷媒液の冷却容器側への戻りを容易
にすることができる。
【0017】沸騰熱伝達においても、一般の伝熱現象と
同様に、伝熱面積が増加するほど伝熱量は増加する。し
たがって、矩形状の冷却容器内に沸騰伝熱面を設ける場
合には、伝熱面積も矩形状にして無駄な領域を減らし、
有効にスペースを使う。伝熱面構造として、チムニ構造
を使用する場合にはチムニ内の壁面で沸騰した冷媒ガス
が、チムニ内を上昇するため、冷媒液が上部側へ運ばれ
る。したがって、矩形状伝熱面ではチムニ長さが等しく
なるため、伝熱面上方側へは冷媒液が均等に持ち運ばれ
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例を、図面を
参照して説明する。
【0019】図1に本発明の一実施例を示す。半導体素
子1と、冷媒液11(本実施例ではパーフロロカーボン
液を使用)を中に封入した冷却容器2とが交互に積層さ
れている。半導体素子1の両面及び冷却容器の両面は平
滑に仕上げられており、図1には示してないが、交互に
積層された両端側(矢印15の方向)から相当の力で押
えられて、半導体素子1と冷却容器2とが密着してい
る。冷却容器2は直方体の形状をしており、内部には冷
却素子16が配置されている。冷却素子16も直方体の
形状をしており、冷却素子16の加圧されている矢印1
5の方向の2面は冷却容器2と一体、もしくは半田、溶
接などで接合された構造となっている。
【0020】冷却素子16は、図2に示すように、断面
が矩形状をしたチムニ17を垂直方向に何本か並べた構
造である。各チムニ17は冷却素子16の上下方向に開
口17aを設けている。
【0021】冷却容器2は冷却素子16の上方側に蒸気
室18が設けられている。蒸気室18から凝縮器3側に
むかって、連絡管4が取り付けられている。連絡管4は
外管9と内管10で成り立っている。冷却容器2と凝縮
器3との間には蒸気分離管19が配置され、複数個の連
絡管4(図1では4個)が、蒸気分離管19の側面側
(図1では左面側)へ連絡している。一方、蒸気分離管
19の上方側からは、凝縮器ヘッダ7の上方側へ複数個
の蒸気通路管19aが連絡している。図1の例では連絡
管4と蒸気通路管19aの数が同数になっているがこの
限りではない。又、蒸気分離管19の他の側面側(図1
では右面側)へは凝縮器ヘッダ7の下方側から液通路管
20が複数個設けられている。
【0022】図3に凝縮器3の断面を示す。凝縮器3の
左右にはヘッダ7、8が取り付けられ、伝熱管5が多段
(図3では4段)に配置されている。そして垂直方向に
冷却フィン6が多数枚並べられており、伝熱管5とは半
田あるいは圧着などによって接合されている。図3には
示してないが、図3の手前側にファンが備えられ、フィ
ン6の間を空気流が流れるようになっており、強制空冷
によって凝縮器が冷却される。ファンがない場合は自然
空冷によってファン6の間を空気が流れて同様に凝縮器
が冷却される。
【0023】図4に蒸気分離管19の構造を示す。蒸気
分離管19は、しきり板23によってふたつの左右の室
に分けられている。内管10は、しきり板23に挿入さ
れている。しきり板で分けられた左側の室へは蒸気通路
管19aが連絡し、右側の室へは液通路管20が連絡し
ている。又、しきり板23の下方には連絡孔24が設け
られ、一部分、しきり板23でしきられた左右の室が連
絡されている。
【0024】次に動作について説明する。半導体素子1
が作動して発熱すると、その熱は先ず冷却容器2に伝え
られ、続いて冷却素子16を介して冷却容器2内の冷媒
液11が沸騰する。発生した冷媒ガス21は、冷却素子
を構成する多数のチムニ17内を流れて上昇し、蒸気室
18へ導かれる。このとき冷媒液の一部分も同時に運ぶ
場合もある。更に、外管9と内管10で構成される蒸気
管14を流れて、蒸気分離管19において、気相と液相
が分離され、冷媒ガスのみが、蒸気通路管19aへ流入
し、凝縮器3のヘッダ7へと導かれる。更にこの冷媒ガ
スは、多数の伝熱管5へと流入する。
【0025】一方、伝熱管5及び冷却フィン6が凝縮器
3の外側の空気流によって冷却されているため、伝熱管
5内の冷媒ガスも冷却され、液化して凝縮液となる。伝
熱管5内の凝縮液はヘッダ7あるいは8へ流れ落ちるわ
けであるが、冷媒ガスの流動の影響をうけて、そのほと
んどは、図3の場合、ヘッダ8側へ流れ、ヘッダ8の下
側に凝縮液12としてたまる。したがって、多段に配置
された伝熱管5のうち一番下方に位置する伝熱管は、冷
媒液をヘッダ8側からヘッダ7側へ流す役割をする(矢
印22)。
【0026】さらにこの冷媒液は、液通路管20を通っ
て蒸気分離管19へと導かれて、蒸気分離管からは内管
10を通って冷却容器2内へ流れ、内管10の一方の先
端側である冷却素子16の下方側へ冷媒液が放出され、
冷媒液と冷媒ガスの循環サイクルが形成される。
【0027】つまり、半導体素子1で発熱した熱は、冷
媒の液とガスの流動によって凝縮器3側へ導かれ、最終
的には凝縮器の冷却フィン6間を流れる空気側へと伝わ
るわけである。
【0028】冷媒液の駆動は次の原理によって引き起こ
される。つまり、凝縮器3のヘッダ7、8内の下方に流
れてきた冷媒液12の垂直方向の高さは、冷却容器2の
位置よりも高いため、その高さの差(ヘッド差)によっ
て、ヘッダ7側から冷却容器2側へ流れるわけである。
冷却容器2内においては冷媒ガスが生成されて加圧され
るため、これが駆動力になって、冷媒液の一部分を含む
場合もあるが、蒸気管14を通って、逆に冷却容器2側
から凝縮器3側へ駆動する。
【0029】図5に本発明の他の実施例を示す。これは
内管10を冷却素子16を構成するチムニ17内に挿入
するわけであるが、内管10を挿入するチムニの位置を
できるかぎり連絡管4が配置されている側から遠ざける
ようにしたものである。これによって、冷却素子16の
上方部分の乾きを少なくして、半導体素子1の冷却性能
の向上を図れる。
【0030】図6に本発明の他の実施例を示す。これ
は、内管10を傾斜させて取り付けたものである。内管
10は外管9の内部に配置されるわけであるが、冷却容
器2側から蒸気分離管19の方向に高さが高くなるよう
に配置する。これは、蒸気分離管19内のしきり板23
に内管10を挿入する位置を高めにすれば構成すること
ができる。これは内管10内に冷媒ガスがトラップする
のをふせぎ、冷却性能の向上を図るものである。
【0031】図7に本発明の他の実施例を示す。これは
外管9の形状を楕円形状あるいは長方形状にしたもので
ある。冷却容器2は半導体素子1と交互に積層されるわ
けであるが、できるかぎりその厚さを小さくして、装置
全体を小形にしたい。ところが、外管9を小さくしすぎ
ると、冷却容器2側から凝縮器3側へ冷媒ガスが流れる
流動抵抗が大きくなり、冷媒の循環サイクルがさまたげ
られ、冷却性能の低下をまねく。そこで、外管9をだ円
形状、あるいは長方形状にすることにより、冷却容器2
の厚さを大きくしないで、冷媒ガスが流動する外管9の
断面積を広くとれるようにしたものである。
【0032】図8に本発明の他の実施例を示す。これは
冷却容器2と冷却素子16の組み立て方法に関するもの
である。冷却容器2の両面に開口25を設けて、多数の
チムニ17を列状に設けた冷却素子16を一方の開口側
から挿入して、他方の開口側へ突き出し、冷却容器2内
にチムニ17の列が形成されるように構成する。そして
次に2つの開口25の部分を銀ロウ等で溶接して、冷媒
を封入してももれない密封構造の冷却容器2を提供する
ものである。
【0033】図9、図10に本発明の他の実施例を示
す。これらの図は、外管9、内管10の内径寸法と最大
放熱量との関係を示したものである。つまり前述の如
く、内管あるいは外管が小さすぎると冷媒液及び冷媒ガ
スの循環サイクルがさまたげられ、冷却容器2内に冷媒
液が戻されなくなり、ついには冷却素子16の上方側に
冷媒液が供給されない乾き部分が発生するようになり、
冷却性能が低下してしまう。図9、図10に示すよう
に、内管径が約6mm以下、外管径が約20mm以下に
なると上記の原理によって最大放熱量が急激に低下す
る。これをふせぐには内管径を6mm以上、外管径を2
0mm以上にしなければならない。
【0034】図11、図12は蒸気室18を設けること
の効果を示す作用説明図である。冷却容器2内の冷媒液
及び冷媒ガスの作動状況を示している。図11が蒸気室
がない場合、図12が蒸気室がある場合である。
【0035】先ず図11の場合を説明する。ここでは円
形状の冷却素子を例として描いてある。半導体素子が作
動して発熱すると冷却素子が加熱され、チムニ17内の
冷媒液26が沸騰をはじめ、気泡27を形成する。この
気泡は多数におよぶわけであるが、冷却容器2の上方に
いくにしたがって合体して、冷媒ガスの気相28の占め
る体積がふえてくる。
【0036】そして、流動の方向として連絡管4の方向
へ曲げられる。したがって、図11では左側、つまり連
絡管の取り付けてある方向とは反対側に気相部分がふえ
てくる。蒸気室がない場合は図11で示されるように冷
却素子の左上方部にまで気相域が広がり、冷却素子は上
方の一部分が乾いてしまい、著しい冷却性能の低下をま
ねく。
【0037】一方、図12は蒸気室18を設けた場合を
示してあるが、気相域が相当部分を占めても、冷却素子
はぬれている状況になり、高い冷却性能を保てる。実際
の例では蒸気室の高さは3〜4cmにすると高い冷却性
能を保つことができる。
【0038】図13は、ひとつのチムニ17内の気液の
流動状況を示したものである。図13(a)は熱負荷が
小さい場合で、図13(b)、(c)になるにしたがっ
て熱負荷が大きくなる。図13(a)の場合は、気泡2
7が発生するがその数は比較的少ない。図13(b)に
なると気泡27の数も多くなり、上方では複数の気泡が
合体する。図13(c)ではチムニ17内の相当部分を
気相が占め、チムニ内表面には液膜29が形成され、こ
の液膜の蒸発によって熱が伝えられる。つまり、チムニ
内を気泡が上昇する駆動力によって、チムニ内の液は上
方へ運ばれる。そのため特に図13(c)の場合のよう
に、熱負荷が大きくなると蒸発が激しいため、チムニ内
表面に冷媒液を供給する必要があるが、このチムニ効果
により気泡の上昇運動が駆動力となってチムニ内表面へ
の液の供給を促進している。
【0039】冷却素子16を矩形状にする効果は、この
チムニ効果を最大限に発揮していることである。冷却素
子16が円形状であると、中央部分のチムニは長いが、
端へいくにしたがってチムニ長が短くなってチムニ効果
がなくなる。そこで矩形状にして全てのチムニ長を長く
してやり、全域でチムニ内表面への冷媒液の供給がすみ
やかに行われるようにして冷却性能を高められる。もち
ろん、前述のように、同じ大きさの冷却容器内へ冷却素
子を挿入する場合には、丸形状よりも矩形状にした方
が、伝熱面積をより大きくとれるようになり、一層冷却
性能が向上する。
【0040】図14、図15は、内管10を傾斜させて
配置した場合の動作を示す作用説明図である。図14が
内管を水平においた場合、図15は傾斜させた場合であ
る。
【0041】図14に示すように、内管10がひとつの
チムニ17に挿入されているが、内管内に気泡30が発
生した場合、それが上昇していって内管10の水平部に
とまってしまう。それが加えあわされて大きくなり、水
平部にトラップされて気相部31を形成する。一旦気相
部31が形成されると、除去されないため、内管内を冷
媒液が流れにくくなり、冷却容器2内が液ガレをおこし
て冷却性能の低下をまねく。
【0042】図15に示すように、内管10を傾斜させ
て配置しておくと、内管10に気泡30が発生しても、
蒸気分離管19まで気泡30が流れていくので(矢印3
2)、内管10内の冷媒液の流動はスムーズに行われる
(矢印33)。
【0043】
【発明の効果】上述のとおり本発明によれば、次のよう
な効果がある。冷却容器の上方部に蒸気室を設けること
により、冷却素子部に乾きを生じさせないので、冷却性
能の向上を図ることができる。
【0044】冷却素子の形状を矩形状にすることによ
り、チムニ効果を全域で有効に働くようにしたので、チ
ムニ内面側への冷媒液の供給の促進を図ることができ、
同時に冷却容器内で冷却素子の占める面積を最大にして
伝熱促進を図ることができる。
【0045】チムニ内に内管を挿入するわけであるが、
そのチムニ位置を連絡管から遠ざかる方向にすることに
より、冷却容器内で気相部が占めやすい領域にできるだ
け冷媒液が流れやすくすることができる。
【0046】内管を傾斜させて配置することにより、内
管内に気相がトラップしない構造とする。これにより内
管内の冷媒液の流れを良好にして、冷却容器内へ冷媒液
が十分に供給される。
【0047】冷却容器に2つの開口を設けて、その部分
に冷却素子を挿入して溶接する密封構造とする。これに
よって、冷却容器内にチムニ列で構成される冷却素子の
配置が可能になる。
【0048】外管の形状を、だ円形状または長方形状と
したので、冷却容器を厚くしないで装置全体を小型に
し、冷媒ガスの流れる流動断面積を大きくとることがで
きる。
【0049】内管及び外管の寸法を6mm及び20mm
以上にすることにより、冷媒の気液流動抵抗を最小にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す斜視断面図である。
【図3】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施例を示すグラフである。
【図10】本発明の他の実施例を示すグラフである。
【図11】本発明の動作原理を示す説明図である。
【図12】本発明の動作原理を示す説明図である。
【図13】本発明の動作原理を示す説明図である。
【図14】本発明の動作原理を示す説明図である。
【図15】本発明の動作原理を示す説明図である。
【図16】従来技術を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 半導体素子 2 冷却容器 3 凝縮器 4 連絡管 5 伝熱管 6 冷却フィン 7,8 凝縮器ヘッダ 9 外管 10 内管 11 冷媒液 12 凝縮液 14 蒸気管 15 両端方向 16 冷却素子 17 チムニ 17a 開口 18 蒸気室 19 蒸気分離管 19a 蒸気通路管 20 液通路管 21 冷媒ガス 22 矢印 23 しきり板 24 連絡孔 25 開口 26 冷媒液 27 気泡 28 気相 29 液膜 30 気泡 31 気相部 32,33 矢印
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−140276(JP,A) 特開 平3−283454(JP,A) 実公 昭44−5571(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/427

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子に積層された冷却容器と凝縮
    器とが連絡管によって連絡され、該冷却容器内部に冷却
    素子を配置して冷媒液を封入し、該冷媒液の沸騰によっ
    て前記半導体素子を冷却する半導体冷却装置であって、
    前記冷却容器の上方部に蒸気室を設けるとともに、該冷
    却容器と前記半導体素子とがそれぞれ複数個積層され、
    該冷却容器と前記凝縮器との間に蒸気分離管を配置し、
    該蒸気分離管と該冷却容器とが内管と外管とから成る2
    重管構造の連絡管で連絡され、かつ該蒸気分離管と前記
    凝縮器とが蒸気通路管と液通路管とによって連絡されて
    いる半導体冷却装置において、前記内管の先端を連絡管
    と遠くなる方向の冷却素子内に取り付けたことを特徴と
    する半導体冷却装置。
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