JP3049336B2 - パルスアーク溶接方法 - Google Patents

パルスアーク溶接方法

Info

Publication number
JP3049336B2
JP3049336B2 JP2151118A JP15111890A JP3049336B2 JP 3049336 B2 JP3049336 B2 JP 3049336B2 JP 2151118 A JP2151118 A JP 2151118A JP 15111890 A JP15111890 A JP 15111890A JP 3049336 B2 JP3049336 B2 JP 3049336B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
welding
peak current
energization
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2151118A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0446675A (ja
Inventor
勉 湯場
猛 多井作
Original Assignee
大阪電気株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 大阪電気株式会社 filed Critical 大阪電気株式会社
Priority to JP2151118A priority Critical patent/JP3049336B2/ja
Publication of JPH0446675A publication Critical patent/JPH0446675A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3049336B2 publication Critical patent/JP3049336B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arc Welding Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規なパルスアーク溶接方法に関する。
[従来の技術] この種のパルスアーク溶接は、溶滴の移行に必要な臨
界電流Icよりも高いピーク電流Ipと、臨界電流Icよりも
低いベース電流Ibとを溶接ワイヤに交互に通電し、ピー
ク電流Ipの通電によって溶接ワイヤをピンチ効果で溶滴
離脱させて溶接を行うものであるが、設定すべきファク
ターが多いことから、一般には、溶接条件に応じて溶接
平均電流Ia(ワイヤ送給速度)、ピーク電流Ipとその通
電期間tp、ベース電流Ib、溶接平均電圧Eaを設定し、ベ
ース電流通電期間tbを可変制御することによって溶接平
均電圧Eaが規定レベルになるように自動制御を行ってい
るのが通例である。
しかしながら、このような方法では、ピーク電流Ipを
連続的に可変設定できないため、溶接ワイヤや溶接母材
による種々の溶接条件に応じて最適なきめの細かい制御
を行うことが難しく改善が望まれていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上記事情に鑑み発明者の鋭意検討を重ねた
結果到達し得たもので、ピーク電流を可変設定できるよ
うにし、溶接平均電圧が所定値になるように制御しなが
ら、設定されたピーク電流に応じて1パルス1溶滴移行
のための最適なピーク電流通電期間を自動制御するよう
にした新規なパルスアーク溶接方法を提供することを目
的としている。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため提案される請求項1に記載の
本発明は、臨界電流レベルを越えるピーク電流と、臨界
電流レベルよりも低いベース電流とを溶接ワイヤと溶接
母材との間に交互に通電して行うパルスアーク溶接方法
において、ピーク電流の通電時には検知したピーク電流
に所定の演算処理、つまりIpをA乗した算出値を積分
し、(ここに、Ipはピーク電流値、Aは任意の正数)、
その積分値が予め定められた所定レベルに達したときに
はピーク電流の通電を停止させてベース電流の通電に切
り換える一方、ベース電流の通電時には、溶接平均電圧
が予め定められた溶接平均電圧基準値に一致するように
ベース電流の通電を停止して、再びピーク電流の通電を
開始し、これらのピーク電流とベース電流の通電を交互
に繰り返し行うことを特徴としている。
また、請求項2において提案される本発明は、臨界電
流レベルを越えるピーク電流と、臨界電流レベルよりも
低いベース電流とを溶接ワイヤと溶接母材との間に交互
に通電して行うパルスアーク溶接方法において、ベース
電流通電時には検知したベース電流に所定の演算処理、
つまり、IbをB乗した算出値を積分し、(ここに、Ibは
ベース電流、Bは任意の正数)、かつ引き続くピーク電
流通電時には検知したピーク電流にも所定の演算処理、
つまり、IpをA乗した算出値を積分し、(ここに、Ipは
ピーク電流、Aは任意の正数)、それらの積分値の和が
予め定められた所定レベルに達したときにはピーク電流
の通電を停止させてベース電流の通電に切り換える一
方、ベース電流の通電時には、溶接平均電圧が予め定め
られた溶接平均電圧基準値に一致するようにベース電流
の通電を停止して、再びピーク電流の通電を開始し、こ
れらのピーク電流とベース電流の通電を交互に繰り返し
行うことを特徴としている。
[作用] 請求項1に記載の本発明では、ピーク電流通電時に
は、検知した溶接電流に所定の演算処理を施した後に積
分し、この積分レベルが予め定められた所定レベルに達
したときにはピーク電流の通電を停止させる一方、検知
した溶接電圧が予め定められた溶接平均電圧基準値と一
致するように、ベース電流の通電期間を制御し、これに
よって、ピーク電流とベース電流とを交互に切換通電し
てパルスアーク溶接を行う。
請求項2に記載の本発明では、ベース電流通電時に
は、検知した溶接電流に所定の演算処理を施した後に積
分し、引き続くピーク電流通電時には、検知した溶接電
流に所定の演算処理を施した後に積分し、これらの積分
レベルの和が予め定められた所定レベルに達したときに
はピーク電流の通電を停止させる一方、検知した溶接電
圧が予め定められた溶接平均電圧基準値と一致するよう
に、ベース電流の通電期間を制御し、これによって、ピ
ーク電流とベース電流とを交互に切換通電してパルスア
ーク溶接を行う。
[実施例] 以下に、添付図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。
第1図は、第1の発明(請求項1に対応)のパルスア
ーク溶接方法を実施する溶接装置の要部構成をブロック
図をもって示したものである。
第1の発明は、ピーク電流Ipを手動で可変設定できる
ようになっており、同時に溶接平均電流、ベース電流お
よび溶接平均電圧の各基準値を各々手動設定すれば、溶
接平均電圧Eaを溶接平均電圧基準値Erに一致させるよう
に通電周期を制御しながら、1パルス1溶滴移行を行わ
せるための最適なピーク電流通電期間tpを自動制御する
ものである。
第1図において、1はピーク電流通電期間制御手段、
2はピーク電流通電期間tpとベース電流通電tbとの和で
ある通電周期Tを制御する通電周期制御手段、3はベー
ス電流通電信号あるいはピーク電流通電信号を切り換え
て保持出力する通電切換部、4は溶接平均電圧基準値Er
を設定する溶接電圧設定部である。
尚、図では、通電切換部3から出力されるピーク電流
通電信号あるいはベース電流通電信号に応じて溶接電流
の通電制御を行う電流制御手段を省略しており(後述す
る)、この電流制御手段によって設定されたピーク電流
Ipあるいはベース電流Ibが安定して通電されるように負
帰還制御が行われる。
ピーク電流通電期間制御手段1はピーク電流Ipの通電
を終了させるタイミング信号を出力するものであり、こ
のために、溶接電流Iに所定の演算処理(溶接電流Iを
A乗する演算)を施す演算回路10と、演算回路10から出
力される演算処理結果を積分する電流積分回路11と、電
流積分回路11の積分値が予め定められた所定レベルL1に
達したときにピーク電流通電終了信号を出力するととも
に電流積分回路11をリセットして積分レベルをクリアす
る積分レベル判別部12と、通電切換部3から出力される
ピーク電流通電信号を受けている期間だけ閉成して演算
回路10で演算処理された電流信号を電流積分回路11へ出
力するアナログスイッチSW10とを備えている。
通電周期制御手段2、はピーク電流通電期間tpとベー
ス電流通電期間tbとの和である通電周期Tを制御するこ
とによってピーク電流の通電を開始するタイミング信号
(ベース電流の通電を終了させる信号)を出力するもの
であり、このために、溶接ワイヤと溶接母材との間の溶
接電圧Eを溶接電圧設定部4で設定された溶接平均電圧
基準値Erと比較してその誤差信号を求める溶接電圧誤差
増幅回路20と、溶接電圧誤差増幅回路20から出力される
誤差信号レベルに応じて、溶接電圧平均値Eaを溶接平均
電圧基準値Erに一致させるように周期T毎にピーク電流
通電開始信号を出力するV/F変換回路21とを備えてい
る。
このような構成において実施される第1の発明の溶接
方法を、第2図(a)〜(j)に示した各部の波形を参
照して以下に説明する。尚、第1図の対応した部分には
対応した(a)〜(j)の符号を付している。
溶接条件に応じて、溶接平均電流Ia、ピーク電流Ip、
ベース電流Ibおよび溶接平均電圧Eaを設定する。
通電切換部3からピーク電流通電信号が出力される
と、ピーク電流通電期間制御手段1のアナログスイッチ
SW10が閉成する。
演算回路10では、検知した溶接電流I(ピーク電流I
p)に所定の演算処理(ピーク電流IpをA乗する演算)
を施して電流積分回路11に出力し、電流積分回路11で
は、この演算処理された信号を積分する。
積分レベル判別部12では電流積分回路11の積分レベル
を監視しており、積分レベルが予め定められた所定値L1
に達したときには、通電切換部3にピーク電流通電終了
信号を出力するとともに、電流積分回路11をリセットし
て積分レベルをクリアする。
通電切換部3ではピーク電流通電終了信号を受けて、
ピーク電流通電信号の出力を停止し、代わってベース電
流通電信号を保持出力する。これによってアナログスイ
ッチSW10が開成し、演算回路10から電流積分回路11への
信号出力が遮断される。
一方、通電周期制御手段2の溶接電圧誤差増幅回路20
では、検知された溶接電圧Eを溶接電圧設定部4で設定
された溶接平均電圧基準値Erと比較してその誤差信号を
出力する。
V/F変換回路21では、電圧誤差増幅回路20から出力さ
れる誤差信号レベルに応じて溶接平均電圧Eaが溶接平均
電圧基準値Erに一致するように周期T毎にピーク電流通
電開始信号を通電切換部3に出力する。
通電切換部3では、通電周期制御手段2から出力され
たピーク電流通電開始信号を受けてピーク電流通電信号
を保持出力する。このピーク電流通電信号によってピー
ク電流通電期間制御手段1のアナログスイッチSW10が再
び閉成する。そして、これら〜の動作を繰り返すこ
とによってピーク電流Ipとベース電流Ibとを交互に通電
する。
このように第1の発明では、ピーク電流通電期間制御
手段1において、ピーク電流Ipを演算処理したものを積
分することによって溶接ワイヤに加わる熱エネルギーを
等価的に求め、このエネルギー量が溶接ワイヤの1パル
ス1溶滴移行のための最適値になった時点でピーク電流
Ipの通電を終了させてベース電流Ibに切り換えているの
で、ピーク電流Ipを可変選定しても、溶滴離脱がピーク
電流通電期間tp内で発生することを有効に防止すること
が可能となり、溶接平均電圧Eaが低く溶滴離脱時に短絡
が発生する場合でもスパッタの発生量を低減した良好な
パルスアーク溶接を行うことが可能になる。
また、ピーク電流Ipを低く設定した場合には、アーク
音がソフトになり、作業者の負担が軽減する。
更に、ピーク電流通電期間tpがピーク電流Ipによる溶
接ワイヤへの供給エネルギー量によって制御されている
ので、1次側の電源電圧が低下した場合や2次側溶接ケ
ーブルが長くケーブルインダクタンスによって通電電流
波形がなまるような場合でも、一定量のエネルギーが溶
接ワイヤに加えられるように自動的にピーク電流通電期
間tpが長くなるように制御されるので、安定したパルス
アーク溶接を行うことが可能となる。
次に、第2の発明(請求項2に対応)を説明する。
第3図は、第2の発明のパルスアーク溶接方法を実施
する溶接装置の要部構成をブロック図をもって示したも
のであり、上述した請求項1に記載の方法とはピーク電
流通電期間制御手段1′の構成が異なっており、他の部
分は同一であるので同一の符号を付して説明を省略す
る。
ピーク電流通電期間制御手段1′の演算回路10′は、
通電切換部3からベース電流通電信号を受けている期間
には溶接電流I(ベース電流Ib)に所定の演算処理(溶
接電流IをB乗する演算)を施す一方、通電切換部3か
らピーク電流通電信号を受けている期間にはベース電流
通電信号を受けている期間とは異なった所定の演算処理
(溶接電流IをA乗する演算)を溶接電流I(ピーク電
流Ip)に施すものであり、また、積分レベル判別部12は
電流積分回路11から出力される積分出力レベルが所定レ
ベルL2(電流積分回路11における積分定数を同一とすれ
ば、ベース電流Ibに対する演算処理、積分による積分出
力レベルを勘案して第1の発明における所定レベルL1よ
りも高く設定される)を越えたときにピーク電流通電終
了信号を出力する動作を行っており、電流積分回路11の
動作は第1図の場合と同一である。尚、電流積分回路11
における積分定数(積分時定数)は第1の発明と同一と
しているが、積分定数を変える場合には対応して所定レ
ベルL2を変化させても良い。
このような構成において実施される第2の発明の溶接
方法を第4図(a)〜(i)の波形図を参照して説明す
る。尚、第3図には対応した符号(a)〜(i)を付し
ている。
通電切換部3からベース電流通電信号が出力される
と、演算回路10′の演算乗数がBに切り換えられ、検知
した溶接電流Iに所定の演算処理(ベース電流IbをB乗
する演算)を施して電流積分回路11で積分する。
一方、通電周期制御手段2からピーク電流通電開始信
号が出力されると、通電切換部3からピーク電流通電信
号が保持出力され、演算回路10′の演算乗数がAに切り
換えられる。これによって、演算回路10′では引き続い
て検知した溶接電流Iに所定の演算(ピーク電流IpをA
乗する演算)を施して電流積分回路11で積分する。
このようにして、電流積分回路11においてベース電流
通電期間tbからピーク電流通電期間tpに渡って積分され
た積分レベルが所定レベルL2に達すると、積分レベル判
別部12からピーク電流通電終了信号が出力されて通電切
換部3からベース電流通電信号を保持出力するととも
に、電流積分回路11の積分量をリセットして再びの動
作に戻る。
上記〜の動作を繰り返して行うことによって、ピ
ーク電流Ipとベース電流Ibとを交互に通電する。
このように第2の発明では、ピーク電流通電期間制御
手段1′では、ベース電流Ibによって溶接ワイヤに加え
られるエネルギーと、ピーク電流Ipによって溶接ワイヤ
に加えられるエネルギーとを、各々の電流を演算処理し
た後に積分することによって等価的に求め、このエネル
ギー量が溶接ワイヤの1パルス1溶滴移行のための最適
値になった時点でピーク電流Ipの通電を終了させてベー
ス電流Ibに切り換えているので、上述した第1の発明と
同様に、溶滴離脱がピーク電流通電期間tp内で発生する
ことを有効に防止することが可能となり、また、溶接電
圧Eが低く溶滴離脱時に短絡が発生する場合でもスパッ
タの発生量を低減した良好な溶接を行うことが可能にな
る。
また、第1の発明と同様に、ピーク電流Ipを低く設定
した場合には、アーク音がソフトになり作業者の負担が
軽減するとともに、1次側電源電圧の低下や2次側ケー
ブルのインダクタンスによる影響を加味した制御によっ
て安定した溶接を行うことが可能となる。
次に、本発明の技術的背景を説明する。
第5図は、1.2mmφの軟鋼溶接ワイヤを使用し、シー
ルドガスとしてアルゴンガスを用いた場合において、1
パルス1溶滴移行を生じさせるために必要なピーク電流
通電期間tpの値をピーク電流Ipを変化させて実測したグ
ラフであり、ベース電流Ibを50Aに固定して溶接平均電
流Iaを変化させた場合のデータと、溶接平均電流Iaを20
0Aに固定してベース電流Ibを変化させた場合のデータと
をプロットしている。このグラフによれば、溶接平均電
流Iaが同一のときには、ベース電流Ibが大きいほど1パ
ルス1溶滴移行を生じさせるために必要なピーク電流通
電期間tpが減少し、また、ベース電流Ibが同一のときに
は、溶接平均電流Iaが大きいほど溶滴離脱を生じさせる
ために必要なピーク電流通電期間tpが増大することが分
かる。
本発明者は、このグラフにおいて、1パルス1溶滴移
行に必要なピーク電流通電期間tpが、ベース電流通電期
間tbとピーク電流通電期間tpとにおける通電エネルギー
の和に依存して変動していることと、その通電エネルギ
ーがベース電流およびピーク電流を各々所定乗数でべき
乗したものを積分することによってほぼ等価的に求めら
れることに着目し、この通電エネルギーを、第1の発明
ではピーク電流通電期間tpにおいて溶接電流Iに演算処
理を施した後に積分することによって等価的に求め、第
2の発明ではベース電流通電期間tbからピーク電流通電
期間tpに渡って溶接電流Iに各々所定の演算処理を施し
た後に積分することによって等価的に求め、求めた積分
値(エネルギー量)によって最適なピーク電流通電期間
tpの制御を行うことに成功したもので、ピーク電流通電
期間tpを通電エネルギーによって制御した点に本発明の
特徴がある。
第6図は、本発明のパルスアーク溶接方法において、
溶接電流Iの時間変化に対する溶滴離脱の進行状況を示
したもので、ピーク電流通電期間tpでは溶接ワイヤWに
ピーク電流Ipを通電することによって溶接ワイヤW先端
部を通電電流によるピンチ効果によってくびれさせた溶
滴Waを離脱直前状態にし、ピーク電流通電期間tpからベ
ース電流通電期間tbに切り換わってから溶滴Waを母材M
側に移行させており、このように制御することによって
溶接平均電圧Eaが低く溶滴離脱時に短絡が発生する場合
でもスパッタの発生量を軽減した良好な溶接を行うこと
が可能となる。
第7図(a),(b)は、パルスアーク溶接におい
て、ピーク電流Ip、ピーク電流通電期間tp、ベース電流
Ibの大小に応じて、溶滴の離脱周期の変化する様子を示
したものである。すなわち、第5図より溶接平均電流Ia
=200A(溶接ワイヤ送給速度=7.3m/min)のときに、1.
2mmφの軟鋼ワイヤにピーク電流Ip1=450A、ベース電流
Ib=50Aを通電すると、1パルス1溶滴移行に要する最
少のピーク電流通電期間tP1は約1.7msになることが分か
る(このとき、通電周期T1=4.53msとなる。第7図
(a)参照)。また、ピーク電流Ip2=350A、ベース電
流Ib=50Aを通電すると、1パルス1溶滴移行に要する
最少のピーク電流通電期間tP2は約3.25msになることが
分かる(このとき、通電周期T1=6.5msとなる。第7図
(b)参照)。つまり、溶接平均電流Ia、ベース電流Ib
が一定のときには、ピーク電流Ipが増加すれば1パルス
によって離脱する溶滴量が減少して通電周期Tが短くな
り、逆に、ピーク電流Ipが減少すれば1パルスによって
離脱する溶滴量が増加して通電周期Tが長くなることが
分かる。
第1の発明では、ピーク電流Ipを演算処理したものを
積分しているが、上記データによれば、 Ip1A×tp1=Ip2A×tp2 を満足するように乗数Aを定めれば、ピーク電流Ipを変
化させても溶接ワイヤへのエネルギー量を一定にするこ
とができ、ピーク電流通電期間tpを1パルス1溶滴移行
に要する最適値に自動制御することが可能となる。すな
わち、第1の発明では、溶接平均電流基準値Irの設定に
応じてベース電流Ibを補償すれば(溶接平均電流基準値
Irの増減に応じてベース電流Ibも同時に増減させる)、
ピーク電流Ipについて演算処理、積分を行うだけでも溶
接ワイヤに加えられるエネルギー量を等価的に求めるこ
とが可能である。
また、第2の発明では、ピーク電流Ipに加えてベース
電流Ibをも演算処理した後に積分しているが、同時に、 (Ip1A×tp1)+(Ib1B×tb1) =(Ip2A×tp2)+(Ib2B×tb2) を満足するように乗数Bを定めれば、ピーク電流Ip、ベ
ース電流Ibの双方を変化させた場合でも溶接ワイヤへの
エネルギー量を等価的に求めることができるので、第1
の発明に比べて溶接ワイヤに加えられる等価的なエネル
ギーを一層正確に求めることが可能となりピーク電流通
電期間tpを同様に最適値に自動制御することができる。
第8図(a),(b)は、本発明において、溶接平均
電流Ia、ピーク電流Ipが一定のときに、ベース電流Ibの
大小に応じて1パルス1溶滴移行のためのピーク電流通
電期間tpの最適値(溶滴離脱直前状態になるまでの期
間)が変化する様子を示したものである。すなわち、ベ
ース電流Ibが低い場合には、同図(a)に示したよう
に、ベース電流Ib1によって溶滴離脱に寄与するエネル
ギーが低いので、溶接ワイヤに充分なくびれを生じさせ
るためにピーク電流通電期間tp3を長くする必要があ
り、逆に、ベース電流Ibが高い場合には、同図(b)に
示したようにベース電流Ib2による溶接ワイヤへの通電
エネルギーが大きいために、ピーク電流通電期間tp4中
に溶滴が離脱しないようにピーク電流通電期間tpを短く
しなければならない。
第9図は、上述し第1の発明のパルスアーク溶接方法
を実施するパルスアーク溶接装置の一構成例をブロック
図をもって示したものである。
図において、1はピーク電流通電期間制御手段、2は
通電周期制御手段、3は通電切換部、4は溶接電圧基準
設定部であり、これらは第1図と同一であるので同一の
符号を付している。5は通電切換部3の切換信号に応じ
てピーク電流Ip及びベース電流Ibを切り換えて通電する
ための通電制御信号を出力する電流制御手段、6は溶接
装置の起動時にアークの発生及び伸張を促すための補償
信号を出力する起動制御部である。AMPは溶接電流を増
幅する溶接電流増幅回路、ATTは溶接電圧を減衰させる
アッテネータ回路であり、7は電流制御手段5から出力
される通電制御信号に応じて、インバータINVから出力
するスイッチング電圧のデューティーを制御するパルス
幅制御部、8は溶接ワイヤWの送給制御を行うワイヤ送
給制御部である。また、RECは三相交流電圧を整流する
整流回路部、TはインバータINVから出力されるスイッ
チング電圧を絶縁変圧するトランス、D1,D2はトランス
Tから出力される電源を全波整流するダイオード、Sは
溶接電流を電圧レベルとして取り出すためのシャント抵
抗。Lはリアクトル、Mは溶接母材を示している。
ピーク電流通電期間制御手段1は、演算回路10、電流
積分回路11およびアナログスイッチSW10は第1図と同一
であるので同一の符号を付して説明を省略する。また、
積分レベル判別部12は、電流積分回路11の積分値が予め
定められた所定レベルL1に達したときにピーク電流通電
終了信号を出力するコンパレータ12aと、ピーク電流通
電期間終了信号を受けて所定のパルス幅Tmを有したパル
スを出力するワンショットマルチバイブレータ(以下、
ワンショットMVと記載)12bとを有している。尚、電流
積分回路11はワンショットMV12bから出力されるピーク
電流通電終了信号を受けて積分レベルがリセットされて
ゼロレベルに戻るようになっている。
通電周期制御手段2は、溶接電圧誤差増幅回路20とV/
F変換回路21とは第1図と同一であるので同一の符号を
付して説明を省略する。アナログスイッチSW20は、アー
クが発生するまでの期間はアッテネータ回路ATTを介し
て伝送される溶接電圧Eが溶接電圧誤差増幅回路20に加
わることを禁止するためのものであり、アーク発生まで
の無負荷電圧(アーク発生後の溶接電圧よりも高い)に
よってV/F変換回路21から出力されるピーク電流通電開
始信号の周期(通電周期)が長くなることを防止し、通
電周期Tを最少にしてアークの伸張を促している。
電流制御手段5は、溶接平均電流基準値Irを設定する
溶接電流設定部50と、ピーク電流基準値Iprを設定する
ピーク電流設定部51と、ベース電流基準値Ibrを設定す
るベース電流設定部52と、これらの各設定部で設定され
た基準レベルを通電切換部3から出力されるピーク電流
通電信号あるいはベース電流通電信号に応じて切換選択
するアナログスイッチSW50,SW51と、ピーク電流基準値I
prあるいはベース電流基準値Ibrと溶接電流増幅回路AMP
から出力される溶接電流Iとの誤差を出力する溶接電流
誤差増幅回路53とを備えている。尚、ピーク電流設定部
51は溶接電流設定部50と連動するようになっており、ピ
ーク電流基準値Iprを最少に設定した場合であっても溶
接平均電流基準値Irよりも低い値にならないようにされ
ている。また、溶接電流設定部50で設定された溶接平均
電流基準値Irは、ワイヤ送給制御部8に出力されて、溶
接平均電流基準値Irに比例した速度で溶接ワイヤの送給
が行われる。
電流制御手段5の溶接電流誤差増幅回路53から出力さ
れた誤差信号は、パルス幅制御部7のPWM制御回路71に
伝送され、誤差信号に応じたパルス幅制御信号がドライ
ブ回路70を通じてインバータINVに伝送されてスイッチ
ング電圧のデューティーを変化させ、これによって溶接
電流I(ピーク電流Ip及びベース電流Ib)が常に電流制
御手段5の設定レベルに一致するように帰還制御が行わ
れる。
起動制御部6は、アークが発生してから所定の時間t1
だけ、電流制御手段5の誤差増幅回路53に起動電流基準
信号Isを送出するとともに、アークが発生するまでの期
間は通電周期制御手段2のアナログスイッチングSW20を
開成する動作を行う。
次に、このような構成のパルスアーク溶接装置の動作
を第10図(a)〜(m)の波形図を参照して説明する。
尚、第9図には対応した(a)〜(m)の符号を付して
いる。
1.溶接開始時の動作。
トーチスイッチ(不図示)を操作すると、溶接ワイヤ
Wと母材Mとの間に無負荷電圧が加えられる。
無負荷電圧が加えられてからアークが発生するまでの
期間は、起動制御部6によって通電周期制御手段2のア
ナログスイッチSW20が開成しているので、溶接電圧E
(無負荷電圧)が溶接電圧誤差増幅回路20に入力されな
い。従って、溶接電圧誤差増幅回路20からは溶接平均電
圧基準値Erに相当する誤差信号がV/F変換回路21に入力
され、V/F変換回路21は溶接平均電圧を増加させるべく
通電周期Tを最少にするようにピーク電流通電開始信号
を出力する。
溶接ワイヤWが母材Mに接触するとアークが発生し、
アークが発生してから所定の時間t1が経過するまでの期
間は、起動制御部6から電流制御手段5の誤差増幅回路
53に駆動電流基準信号Isを送出して溶接電流Iを最大値
に制御し、アーク長の増加を促進させる。尚、時間t1が
経過するまでは、起動制御部6によって通電切換部3の
通電信号の出力を遮断している。
一方、ピーク電流通電期間制御部1では、時間t1が経
過するまでは通電切換部3から通電信号が出力されてい
ないので電流積分動作は行われない。しかし、時間t1が
経過すると起動制御部6から電流制御手段5に出力され
ている起動電流基準信号Isが停止するとともに、通電切
換部3からピーク電流通電信号が保持出力される。これ
によって、アナログスイッチSW10が閉成し、溶接電流増
幅回路AMPで検知された溶接電流Iを演算回路10におい
て演算処理(溶接電流IをA乗する演算)し、演算処理
された信号を電流積分回路11で積分する。
電流積分回路11の積分値が積分レベル判別部12のコン
パレータ12aで予め定められた所定レベルL1に達する
と、ワンショットMV12bにピーク電流通電終了信号を出
力し、ワンショットMV12bはこのピーク電流通電終了信
号を受けて所定のパルス幅tmの信号を通電切換部3に出
力するとともに、電流積分回路11をリセットする(パル
ス幅tmは、電流積分回路11をリセットさせるために必要
な時間に設定される)。
通電切換部3では、ワンショットMV12bから出力され
るピーク電流通電終了信号を受けてベース電流通電信号
を保持出力し、これによってアナログスイッチSW10を開
成するとともに、溶接電流制御手段5のアナログスイッ
チSW51を閉成して溶接電流Iをベース電流Ibに切り換え
る。
一方、アークが発生するまでは、通電周期制御手段2
では起動制御部6から出力される制御信号によってアナ
ログスイッチSW20が開成したままであり、通電周期Tが
最少に制御され、通電切換部3では通電周期制御手段2
からピーク電流通電開始信号が連続して入力されている
ので、通電周期制御手段1のワンショットMV12bから出
力されるパルス幅tmのピーク電流通電期間終了信号が停
止すると同時に再びピーク電流通電期間tpに復帰する。
このようにして、溶接初期では、アークが発生するま
での期間は起動制御部6によって通電周期制御手段2の
アナログスイッチSW20を開成し、これによって通電周期
Tを短くして溶接ワイヤの溶融、アーク長の増加を促進
する制御が行われる。
2.次に、定常溶接状態の動作を説明する。
アークが発生してからは、起動制御部6によって通電
周期制御手段2のアナログスイッチSW20が閉成し、溶接
電圧誤差増幅回路20はアッテネータ回路ATTを介して伝
送される溶接電圧Eを溶接電圧基準設定部4で設定され
た溶接平均電圧基準レベルErと比較してその誤差信号を
出力する。そして、誤差信号レベルに応じた通電周期T
毎にV/F変換回路21からピーク電流通電開始信号を通電
切換部3に出力し、通電切換部3はピーク電流通電信号
を保持出力する。
ピーク電流通電期間制御手段1では、通電切換部3か
ら出力されるピーク電流通電信号を受けてアナログスイ
ッチSW10を閉成し、演算処理の施された溶接電流I(ピ
ーク電流Ip)を電流積分回路11で積分し、積分値が所定
レベルL1に達すると積分レベル判別部12からピーク電流
通電終了信号を通電切換部3に出力してベース電流通電
信号を保持出力する。
上記の動作を繰り返して行うことによって、通電
切換部3からベース電流通電信号とピーク電流通電信号
とが交互に切換出力され、電流制御手段5では、この切
換信号を受けてアナログスイッチSW51,50を交互に閉成
してベース電流Ib、ピーク電流Ipの電流制御を行う。
このように、第1の発明のパルスアーク溶接方法を実
施する溶接装置では、ピーク電流Ipを可変設定すると、
ピーク電流Ipによる溶接ワイヤへの通電エネルギー量に
基づいてピーク電流通電期間tpが自動制御されるので、
1パルス1溶滴移行に必要な最適時間だけピーク電流Ip
を通電することができ、また、溶接平均電圧Eaが低く溶
滴離脱時に短絡が発生する場合でもスパッタの発生量を
低減させた溶接を行うことが可能となる。
第11図は、第1の発明を実施するパルスアーク溶接装
置の具体的な回路例を示したもので、第9図と対応した
部分には対応した符号を付している。
図において、ピーク電流通電期間制御手段1の演算回
路10は、自乗演算回路10aと反転増幅回路10bとを並列接
続して構成され、溶接電流I(ピーク電流Ip)をA乗す
る演算処理を行っている。電流積分回路11は演算増幅器
11bを使用した積分回路によって構成されており、ワン
ショットMV12bから伝送されるピーク電流通電終了信号
を受けてアナログスイッチ11aを閉成してコンデンサ11c
の電荷を強制的に放電(リセット動作)するようになっ
ている。
通電周期制御手段2の溶接電圧誤差増幅回路20は、演
算増幅器を使用した誤差増幅器20aの反転入力端子側に
アッテネータ回路ATTで減衰させた溶接電圧Eを加える
一方、非反転入力端子側には溶接電圧設定部4で設定さ
れた溶接平均電圧基準値Erを加え、これによって、溶接
電圧Eが増加すれば出力誤差信号レベルが低下し、逆
に、溶接電圧Eが低下すれば出力誤差信号レベルが増加
するようになっており、この出力誤差信号をV/F変換回
路21に加えて誤差信号に対応した周期毎にピーク電流通
電開始信号を出力するようにされている。通電切換部3
はNANDゲート3a、RSフリップフロップ3b、NOTゲート3c,
3dおよびANDゲート3eを組み合わせた構成とされ、ピー
ク電流通電終了信号がリセット端子Rに加えられたとき
には、NOTゲート3cを介してNANDゲート3aに加えられる
ピーク電流通電開始信号に優先してピーク電流通電終了
信号を受けてベース電流通電信号を出力する動作を行わ
せている。尚、NOTゲート3dとANDゲート3eとは、アーク
が発生してから所定時間t1が経過するまでの期間起動制
御部6からの制御信号を受けてピーク電流通電信号の出
力を禁止させるものである。
第12図は、上述した第2の発明を実施するパルスアー
ク溶接装置の一構成例をブロック図をもって示したもの
であり、第9図に示した第1の発明の溶接方法を実施す
る溶接装置において、ピーク電流通電期間制御手段1′
の構成を第3図に示した構成に置き換えたもので、動作
については同一であるので説明を省略する。
第13図(a)〜(m)は第12図の各部の波形を示した
もので、第12図の対応した部分には対応した(a)〜
(m)の符号を付して説明を省略する。
第14図は、第2の発明を実施するために第12図に示し
た溶接装置の詳細な回路例を示したものである。図にお
いて、ピーク電流通電期間制御手段1′の演算回路10′
には自乗演算回路10a、反転増幅回路10bおよびアナログ
スイッチ10c,10dを有しており、通電切換部3からベー
ス電流通電信号を受けている期間は、アナログスイッチ
10cを閉成して溶接電流IをB乗する演算処理を行い、
通電切換部3からピーク電流通電信号を受けている期間
は、アナログスイッチ10dを閉成して溶接電流IをA乗
する演算処理を行っている。また、通電切換部3はNAND
ゲート3a、RSフリップフロップ3bおよびNOTゲート3cを
備えており、この構成例では起動制御部6からの制御信
号によってピーク電流通電信号の禁止を行わせない構成
としている。尚、他の部分については、第11図に示した
構成と同一であるので同一の符号を付して説明を省略す
る。
第15図は、第1の発明を実施するために第9図、第11
図で示した溶接装置、あるいは第2の発明を実施するた
めに第12図、第13図で示した溶接装置において、ピーク
電流通電期間制御手段1(1′)、通電周期制御手段
2、通電切換部3及び起動制御部6をCPUで成る信号処
理部9に置き換えた場合の構成例を示したもので、信号
処理部9には処理プログラム、データなどの格納された
ROM9aと、一時的に処理データなどを記憶するRAM9bとが
接続されている。
このような構成の溶接装置では、ピーク電流通電期間
制御手段1(1′)で行われていた演算処理、積分処理
及び積分レベル判別処理をROM9aに格納されたプログラ
ムに従って信号処理部9で集中して行っており、また、
通電周期制御手段2で行われていた溶接電圧誤差増幅処
理及びV/F変換処理をも同様にして信号処理部9で集中
して行うようになっており、部品点数を削減することが
できるとともに、ROM9aに格納されたプログラムを修正
するだけで処理内容を容易に変更することが可能とな
り、設計が容易で信頼性を向上させることができる。
尚、図では、ピーク電流通電期間制御手段1
(1′)、通電周期制御手段2及び起動制御部6の機能
を信号処理部9で行わせる構成としているが、これ以外
の機能を信号処理部9で集中して行わせる構成とするこ
とも可能である。
[発明の効果] 請求項1に記載した本発明によれば、ピーク電流を可
変させることができるので、溶接条件に応じたきめの細
かい制御を行うことができる。また、ピーク電流の通電
による溶接ワイヤに加えられるエネルギー量を等価的に
求め、これによって1パルス1溶滴移行のための最適な
ピーク電流通電期間を自動的に制御しているので、1次
側電源電圧が低下した場合や2次側ケーブル長が増大し
て溶接電流波形がなまったような場合でも、溶接ワイヤ
へ供給されるエネルギー量が一定に制御され安定した溶
接を行うことが可能となる。更に、ピーク電流を低く設
定した場合にはアーク音がソフトになるために作業者の
負担が軽減し、溶接平均電圧が低く溶滴離脱時に短絡が
発生する場合でもスパッタの発生量を低減できるパルス
アーク溶接方法を提供できる。
請求項2に記載した本発明によれば、ピーク電流およ
びベース電流の通電による溶接ワイヤに加えられるエネ
ルギー量を等価的に求め、これによってピーク電流通電
期間を自動的に制御しているので、請求項1に記載の効
果に加えて、ベース電流によるエネルギーをも考慮した
一層きめの細かい制御を行うことができるパルスアーク
溶接方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は請求項1に記載のパルスアーク溶接方法を実施
する溶接装置の要部構成図、第2図(a)〜(j)はそ
の各部の波形図、第3図は請求項2に記載のパルスアー
ク溶接方法を実施する溶接装置の要部構成図、第4図
(a)〜(i)はその各部の波形図、第5図は1パルス
1溶滴移行に要するピーク電流通電期間の最小値を示し
たグラフ、第6図は溶接電流に対して溶滴離脱の進行状
況を示した説明図、第7図(a),(b)はピーク電流
の変化による溶滴移行周期の変化する様子を示した説明
図、第8図(a),(b)はベース電流の変化によるピ
ーク電流通電期間の変化する様子を示した説明図、第9
図は請求項1に記載の本発明の溶接方法を実施する溶接
装置のブロック構成例図、第10図(a)〜(m)はその
各部の波形図、第11図はその詳細な回路例図、第12図は
請求項2に記載の本発明の溶接方法を実施する溶接装置
のブロック構成例図、第13図(a)〜(m)はその各部
の波形図、第14図はその詳細な回路例図、第15図は請求
項1、2に記載の本発明のパルスアーク溶接方法を実施
する溶接装置をCPUを用いて構成した場合の構成例図で
ある。 [符号の説明] 1,1′……ピーク電流通電期間制御手段 10,10′……演算回路 11……電流積分回路 12……積分レベル判別部 2……通電周期制御手段 20……溶接電圧誤差増幅回路 21……V/F変換回路 3……通電切換部 4……溶接電圧設定部 E……溶接電圧 Er……溶接平均電圧基準値 Ic……臨界電流 Ip……ピーク電流 Ib……ベース電流 tb……ベース電流通電期間 tp……ピーク電流通電期間 M……溶接母材 W……溶接ワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−190776(JP,A) 特開 昭63−20172(JP,A) 特開 昭58−20377(JP,A) 特開 昭64−40178(JP,A) 特開 昭58−23571(JP,A) 実開 昭63−184671(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/09

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】臨界電流レベルを越えるピーク電流と、臨
    界電流レベルよりも低いベース電流とを溶接ワイヤと溶
    接母材との間に交互に通電して行うパルスアーク溶接方
    法において、 ピーク電流の通電時には検知したピーク電流に所定の演
    算処理:IpA (ここに、Ipはピーク電流値、Aは任意の正数)を行っ
    て、その算出値を積分し、その積分値が予め定められた
    所定レベルに達したときにはピーク電流の通電を停止さ
    せてベース電流の通電に切り換える一方、ベース電流の
    通電時には、溶接平均電圧が予め定められた溶接平均電
    圧基準値に一致するようにベース電流の通電を停止し
    て、再びピーク電流の通電を開始し、これらのピーク電
    流とベース電流の通電を交互に繰り返し行うことを特徴
    とするパルスアーク溶接方法。
  2. 【請求項2】臨界電流レベルを越えるピーク電流と、臨
    界電流レベルよりも低いベース電流とを溶接ワイヤと溶
    接母材との間に交互に通電して行うパルスアーク溶接方
    法において、 ベース電流通電時には検知したベース電流に所定の演算
    処理:IbB (ここに、Ibはベース電流、Bは任意の正数)を行っ
    て、その算出値を積分し、かつ引き続くピーク電流通電
    時には検知したピーク電流にも所定の演算処理:IpA(こ
    こに、Ipはピーク電流、Aは任意の正数)を行って、そ
    の算出値を積分して、それらの積分値の和が予め定めら
    れた所定レベルに達したときにはピーク電流の通電を停
    止させてベース電流の通電に切り換える一方、ベース電
    流の通電時には、溶接平均電圧が予め定められた溶接平
    均電圧基準値に一致するようにベース電流の通電を停止
    して、再びピーク電流の通電を開始し、これらのピーク
    電流とベース電流の通電を交互に繰り返し行うことを特
    徴とするパルスアーク溶接方法。
JP2151118A 1990-06-08 1990-06-08 パルスアーク溶接方法 Expired - Fee Related JP3049336B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2151118A JP3049336B2 (ja) 1990-06-08 1990-06-08 パルスアーク溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2151118A JP3049336B2 (ja) 1990-06-08 1990-06-08 パルスアーク溶接方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0446675A JPH0446675A (ja) 1992-02-17
JP3049336B2 true JP3049336B2 (ja) 2000-06-05

Family

ID=15511759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2151118A Expired - Fee Related JP3049336B2 (ja) 1990-06-08 1990-06-08 パルスアーク溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3049336B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0446675A (ja) 1992-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8592720B2 (en) Polarity switching method in consumable electrode AC pulse arc welding
EP1464432B1 (en) Method and apparatus for welding with constant current and constant voltage power supply
US5225660A (en) Consumable-electrode ac gas shield arc welding method and apparatus therefor
EP0607819B1 (en) Pulsed arc welding apparatus having a consumable electrode wire
CA2266717C (en) Method and apparatus for initiating a welding arc
JPS59206159A (ja) 溶接電源の制御方法および装置
US6075224A (en) Method of and apparatus for initiating a welding arc
JPS6352993B2 (ja)
US11958141B2 (en) Systems and methods to provide welding-type arc starting and stabilization with reduced open circuit voltage
JP4181384B2 (ja) パルスアーク溶接の溶接電流制御方法
JP3049336B2 (ja) パルスアーク溶接方法
EP0819494A1 (en) Welding power supply
JP2004001033A (ja) 2電極パルスアーク溶接制御方法
JP3049337B2 (ja) パルスアーク溶接方法およびこの方法を用いたパルスアーク溶接装置
JPS6316868A (ja) 小電流溶接方法
EP0474031A2 (en) Inverter type power control unit for stud welding
JP2022185997A (ja) パルスアーク溶接電源
CN111069734A (zh) 用于在焊接过程中控制焊弧引燃和终止的系统和方法
WO2022209432A1 (ja) 溶接制御方法、溶接電源、溶接システム、溶接方法及び積層造形方法
JP4759233B2 (ja) 非消耗電極式のガスシールドアーク溶接電源
US20220134462A1 (en) Systems and methods to mitigate fusion between a wire electrode and a welding torch
US20220324049A1 (en) Overvoltage protection for current braking switch
JP2024090326A (ja) 亜鉛メッキ鋼板のパルスアーク溶接方法
JP2985552B2 (ja) 消耗電極式パルスアーク溶接装置
JP2024013700A (ja) パルスアーク溶接のアークスタート制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees