JP3048877B2 - 熱風炉の壁レンガ積み構造 - Google Patents
熱風炉の壁レンガ積み構造Info
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- JP3048877B2 JP3048877B2 JP7073865A JP7386595A JP3048877B2 JP 3048877 B2 JP3048877 B2 JP 3048877B2 JP 7073865 A JP7073865 A JP 7073865A JP 7386595 A JP7386595 A JP 7386595A JP 3048877 B2 JP3048877 B2 JP 3048877B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱風炉の壁レンガ積み
構造に関するものである。
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、一般に高炉に熱風を
供給する外燃式の熱風炉10は、蓄熱室11と燃焼室12を備
えており、蓄熱室11の上部に設けたドーム11aと燃焼室
12の上部に設けたドーム12aが連結管13によって連結し
てある。そして蓄熱室11の鉄皮1aの内面には壁レンガ
積み9aが構築されており、壁レンガ積み9aの内部に
は蓄熱用ギッタレンガ14を積み上げてある。また燃焼室
12の鉄皮1bの内面にも壁レンガ積み9bが構築されて
いる。
供給する外燃式の熱風炉10は、蓄熱室11と燃焼室12を備
えており、蓄熱室11の上部に設けたドーム11aと燃焼室
12の上部に設けたドーム12aが連結管13によって連結し
てある。そして蓄熱室11の鉄皮1aの内面には壁レンガ
積み9aが構築されており、壁レンガ積み9aの内部に
は蓄熱用ギッタレンガ14を積み上げてある。また燃焼室
12の鉄皮1bの内面にも壁レンガ積み9bが構築されて
いる。
【0003】ところで熱風炉等において鉄皮と壁レンガ
積みとの間には断熱すると共に壁レンガ積みの膨張応力
を吸収するため隙間を設けてそこに充填材を充填してい
る。たとえば特公昭57−16308 号公報には、熱風炉等の
鉄皮と、壁レンガ積みあるいは壁レンガ積みの隙間内に
充填材として発泡性水和珪酸アルカリガラスを封入し、
加熱し、発泡せしめて該隙間内を閉塞するものが開示さ
れている。
積みとの間には断熱すると共に壁レンガ積みの膨張応力
を吸収するため隙間を設けてそこに充填材を充填してい
る。たとえば特公昭57−16308 号公報には、熱風炉等の
鉄皮と、壁レンガ積みあるいは壁レンガ積みの隙間内に
充填材として発泡性水和珪酸アルカリガラスを封入し、
加熱し、発泡せしめて該隙間内を閉塞するものが開示さ
れている。
【0004】すなわち図6に示すように鉄皮1aの炉内
側に内張りした壁レンガ積みbは、最炉内側の耐火レン
ガcとその内側の耐火断熱レンガdとからなり、鉄皮a
と壁レンガ積みbが収縮して形成された間隙に発泡性水
和珪酸アルカリガラスeを装入し加熱するものである。
加熱された発泡性水和珪酸アルカリガラスeは、発泡し
ながら膨張し間隙を充填してこれを閉塞する。
側に内張りした壁レンガ積みbは、最炉内側の耐火レン
ガcとその内側の耐火断熱レンガdとからなり、鉄皮a
と壁レンガ積みbが収縮して形成された間隙に発泡性水
和珪酸アルカリガラスeを装入し加熱するものである。
加熱された発泡性水和珪酸アルカリガラスeは、発泡し
ながら膨張し間隙を充填してこれを閉塞する。
【0005】この種の従来手段としては、図4に熱風炉
の蓄熱室における壁レンガ積み9の水平断面構造(図5
におけるA−A矢視断面部位)を示しているように、鉄
皮(厚み40.0mm)1の内面には、鉄皮1の応力腐食割れ
防止のためのキャスター2が厚み70.0mmに施工してあ
る。その内側には全てのレンガ膨張代を受け持つ断熱材
として隙間65.0mmにブランケット3が施工されており、
さらにその内側には順次に耐火断熱レンガ4(厚み 17
5.0mm)、珪石断熱レンガ5(厚み 120.0mm)および珪
石レンガ6(厚み 300.0mm)が施工してある。そして耐
火断熱レンガ4と珪石断熱レンガ5との間および珪石断
熱レンガ5と珪石レンガ6との間にはそれぞれ目地7a
および目地8aが設けてあり、これら目地7aおよび目
地8aはいずれも 5.0mmとなっている。なお、珪石断熱
レンガ5の内側幅は 320mmであり、両側面にはそれを炉
心まで延長して形成される角度が 2.8°となるテーパを
付与してある。
の蓄熱室における壁レンガ積み9の水平断面構造(図5
におけるA−A矢視断面部位)を示しているように、鉄
皮(厚み40.0mm)1の内面には、鉄皮1の応力腐食割れ
防止のためのキャスター2が厚み70.0mmに施工してあ
る。その内側には全てのレンガ膨張代を受け持つ断熱材
として隙間65.0mmにブランケット3が施工されており、
さらにその内側には順次に耐火断熱レンガ4(厚み 17
5.0mm)、珪石断熱レンガ5(厚み 120.0mm)および珪
石レンガ6(厚み 300.0mm)が施工してある。そして耐
火断熱レンガ4と珪石断熱レンガ5との間および珪石断
熱レンガ5と珪石レンガ6との間にはそれぞれ目地7a
および目地8aが設けてあり、これら目地7aおよび目
地8aはいずれも 5.0mmとなっている。なお、珪石断熱
レンガ5の内側幅は 320mmであり、両側面にはそれを炉
心まで延長して形成される角度が 2.8°となるテーパを
付与してある。
【0006】このようにして構築された図5に示す熱風
炉10における蓄熱室11の壁レンガ積み9aは、冷間状態
から燃焼室12内で燃焼した燃焼ガスを蓄熱室11に導いて
加熱を行う操業を開始すると、蓄熱室11の炉内温度が上
昇することにより、壁レンガ積み9aは炉周方向および
炉半径方向に膨張する。この炉周方向および炉半径方向
の膨張のうち、炉周方向の膨張分を各々の片目地 2.5mm
によって約20%程度が吸収できる。炉周方向の吸収でき
ない膨張量については、壁レンガ積み9aのレンガが鉄
皮1の側に移動するのを図4に示すブランケット3が許
容することにより緩和され、これによって珪石レンガ6
等に発生する炉周方向への圧縮応力は減少することにな
る。
炉10における蓄熱室11の壁レンガ積み9aは、冷間状態
から燃焼室12内で燃焼した燃焼ガスを蓄熱室11に導いて
加熱を行う操業を開始すると、蓄熱室11の炉内温度が上
昇することにより、壁レンガ積み9aは炉周方向および
炉半径方向に膨張する。この炉周方向および炉半径方向
の膨張のうち、炉周方向の膨張分を各々の片目地 2.5mm
によって約20%程度が吸収できる。炉周方向の吸収でき
ない膨張量については、壁レンガ積み9aのレンガが鉄
皮1の側に移動するのを図4に示すブランケット3が許
容することにより緩和され、これによって珪石レンガ6
等に発生する炉周方向への圧縮応力は減少することにな
る。
【0007】しかしながら前述のような熱風炉の従来構
造であると目地7a、8aが小さいため珪石断熱レンガ
5および珪石レンガ6が熱膨張により鉄皮1側に移動し
にくいばかりでなく、耐火断熱レンガ4および珪石断熱
レンガ5がブランケット3の厚みが大きいため鉄皮1側
に移動する移動量が大きくなり過ぎ炉周方向の目地が開
き、壁レンガ積み9が不安定になるという問題点があっ
た。
造であると目地7a、8aが小さいため珪石断熱レンガ
5および珪石レンガ6が熱膨張により鉄皮1側に移動し
にくいばかりでなく、耐火断熱レンガ4および珪石断熱
レンガ5がブランケット3の厚みが大きいため鉄皮1側
に移動する移動量が大きくなり過ぎ炉周方向の目地が開
き、壁レンガ積み9が不安定になるという問題点があっ
た。
【0008】本発明は、前記従来技術の問題点を解消す
ることができる熱風炉の壁レンガ積み構造を提供するこ
とを目的とするものである。
ることができる熱風炉の壁レンガ積み構造を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱風炉に構築
された壁レンガ積みにおいて、耐火断熱レンガと珪石断
熱レンガとの間および耐火断熱レンガと鉄皮の内側に配
置されるキャスターとの間にそれぞれ適当な隙間を設
け、これによって珪石断熱レンガおよび珪石レンガを鉄
皮側に移動し易くすると共に、耐火断熱レンガおよび珪
石レンガが鉄皮側に移動するのを抑制することについて
種々実験を重ねた結果、本発明を想到するに至った。
された壁レンガ積みにおいて、耐火断熱レンガと珪石断
熱レンガとの間および耐火断熱レンガと鉄皮の内側に配
置されるキャスターとの間にそれぞれ適当な隙間を設
け、これによって珪石断熱レンガおよび珪石レンガを鉄
皮側に移動し易くすると共に、耐火断熱レンガおよび珪
石レンガが鉄皮側に移動するのを抑制することについて
種々実験を重ねた結果、本発明を想到するに至った。
【0010】前記目的を達成するための請求項1記載の
本発明は、鉄皮内面に炉心方向に向けて構築される壁レ
ンガ積みのうち、温度負荷の大きい最炉内側に配置され
る珪石レンガの内側に配置される珪石断熱レンガと耐火
断熱レンガとの間に長さBの隙間を設け、前記耐火断熱
レンガと鉄皮の内側に配置されるキャスターとの間に長
さAの隙間を設けると共に、前記の隙間の長さA+Bに
対する隙間の長さBの隙間比B/A+Bを 0.5〜0.7 の
範囲にすることを特徴とする熱風炉の壁レンガ積み構造
である。
本発明は、鉄皮内面に炉心方向に向けて構築される壁レ
ンガ積みのうち、温度負荷の大きい最炉内側に配置され
る珪石レンガの内側に配置される珪石断熱レンガと耐火
断熱レンガとの間に長さBの隙間を設け、前記耐火断熱
レンガと鉄皮の内側に配置されるキャスターとの間に長
さAの隙間を設けると共に、前記の隙間の長さA+Bに
対する隙間の長さBの隙間比B/A+Bを 0.5〜0.7 の
範囲にすることを特徴とする熱風炉の壁レンガ積み構造
である。
【0011】請求項2記載の本発明は前記長さAの隙間
および前記長さBの隙間を断熱すると共に膨張応力を吸
収するブランケットを充填したことを特徴とする請求項
1記載の熱風炉の壁レンガ積み構造である。請求項3記
載の本発明は、壁レンガ積みの炉心方向に向く総長さが
約 700〜800mm であることを特徴とする請求項1又は2
記載の熱風炉の壁レンガ積み構造である。
および前記長さBの隙間を断熱すると共に膨張応力を吸
収するブランケットを充填したことを特徴とする請求項
1記載の熱風炉の壁レンガ積み構造である。請求項3記
載の本発明は、壁レンガ積みの炉心方向に向く総長さが
約 700〜800mm であることを特徴とする請求項1又は2
記載の熱風炉の壁レンガ積み構造である。
【0012】請求項4記載の本発明は、炉心方向に向く
珪石レンガの長さと珪石断熱レンガの長さを加えた総長
さが 400〜500mm であることを特徴とする請求項1、2
又は3記載の熱風炉の壁レンガ積み構造である。請求項
5記載の本発明は、壁レンガ積みの炉心方向に向けて設
ける前記隙間の長さA+Bが71〜79mmであることを特徴
とする請求項1、2、3又は4記載の熱風炉の壁レンガ
積み構造である。
珪石レンガの長さと珪石断熱レンガの長さを加えた総長
さが 400〜500mm であることを特徴とする請求項1、2
又は3記載の熱風炉の壁レンガ積み構造である。請求項
5記載の本発明は、壁レンガ積みの炉心方向に向けて設
ける前記隙間の長さA+Bが71〜79mmであることを特徴
とする請求項1、2、3又は4記載の熱風炉の壁レンガ
積み構造である。
【0013】
【作用】本発明では、珪石断熱レンガと耐火断熱レンガ
との間に長さBの隙間を設け、耐火断熱レンガと鉄皮の
内側に配置されるキャスターとの間に長さAの隙間を設
けると共に、隙間比B/A+Bを 0.5〜0.7 の範囲にし
てあるので、珪石断熱レンガおよび珪石レンガが鉄皮側
に移動し易くすると共に耐火断熱レンガが鉄皮側に移動
するのを抑制することにより炉周方向の目地開きを防止
することができる。また、隙間の長さA+Bは従来より
大として71〜79mmとすることが好ましい。
との間に長さBの隙間を設け、耐火断熱レンガと鉄皮の
内側に配置されるキャスターとの間に長さAの隙間を設
けると共に、隙間比B/A+Bを 0.5〜0.7 の範囲にし
てあるので、珪石断熱レンガおよび珪石レンガが鉄皮側
に移動し易くすると共に耐火断熱レンガが鉄皮側に移動
するのを抑制することにより炉周方向の目地開きを防止
することができる。また、隙間の長さA+Bは従来より
大として71〜79mmとすることが好ましい。
【0014】なお、壁レンガ積みの炉心方向に向く総長
さを約 700〜800mm 、珪石レンガの長さと珪石断熱レン
ガの長さを加えた総長さを 400〜500mm とすることは、
従来熱風炉における半径約5000mmの寸法を有する蓄熱室
の実績に従った本発明の補足要件である。
さを約 700〜800mm 、珪石レンガの長さと珪石断熱レン
ガの長さを加えた総長さを 400〜500mm とすることは、
従来熱風炉における半径約5000mmの寸法を有する蓄熱室
の実績に従った本発明の補足要件である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。熱風炉10における蓄熱室11(図5参照)の本発明
に係わる壁レンガ積みの水平断面を図1に示している。
図1において、鉄皮(板厚40mm)1の内面には、鉄皮1
の応力腐食割れ防止のためキャスター2が図4に示す従
来例と同様に厚み70mmに施工してある。その内側には全
てのレンガ膨張代を受け持つため長さAの隙間を設け、
ここに断熱と膨張応力を吸収するためのブランケット3
が後述する理由から厚み30mmに充填してあり、従来の6
5.0mmに比較して35.0mm薄い厚みとして施工してある。
する。熱風炉10における蓄熱室11(図5参照)の本発明
に係わる壁レンガ積みの水平断面を図1に示している。
図1において、鉄皮(板厚40mm)1の内面には、鉄皮1
の応力腐食割れ防止のためキャスター2が図4に示す従
来例と同様に厚み70mmに施工してある。その内側には全
てのレンガ膨張代を受け持つため長さAの隙間を設け、
ここに断熱と膨張応力を吸収するためのブランケット3
が後述する理由から厚み30mmに充填してあり、従来の6
5.0mmに比較して35.0mm薄い厚みとして施工してある。
【0016】また、その内側には耐火断熱レンガ4が、
さらに耐火断熱レンガ4の内側には本発明による長さB
=41〜49mmの隙間を隔てて従来例と同じ厚み120.0mm を
有する珪石断熱レンガ5が配置されており、この珪石断
熱レンガ5の内側には従来例と同様に目地8として5.0m
m を隔てて従来例と同じ厚み300.0mm を有する珪石レン
ガ6が配置され、壁レンガ積み9を構成している。な
お、耐火断熱レンガ4は厚み 170mmとしているが、従来
と同じ厚みの 175mmであっても構わない。
さらに耐火断熱レンガ4の内側には本発明による長さB
=41〜49mmの隙間を隔てて従来例と同じ厚み120.0mm を
有する珪石断熱レンガ5が配置されており、この珪石断
熱レンガ5の内側には従来例と同様に目地8として5.0m
m を隔てて従来例と同じ厚み300.0mm を有する珪石レン
ガ6が配置され、壁レンガ積み9を構成している。な
お、耐火断熱レンガ4は厚み 170mmとしているが、従来
と同じ厚みの 175mmであっても構わない。
【0017】蓄熱室11に構築された壁レンガ積み9は、
燃焼期に燃焼室12内での燃料の燃焼によって生じた高温
の燃焼ガスをドーム12a、連結管13およびドーム11aを
介して蓄熱室11内に導いてギッタレンガ14を加熱する際
に温度が上昇する(図5参照)。蓄熱室11に積み上げた
ギッタレンガ14の蓄熱が終了する直近の燃焼末期におけ
る壁レンガ積み9の炉半径方向の温度を炉上端部、炉直
胴部(上下方向中間部)および炉下端部につき下記の各
測定点を測定した。
燃焼期に燃焼室12内での燃料の燃焼によって生じた高温
の燃焼ガスをドーム12a、連結管13およびドーム11aを
介して蓄熱室11内に導いてギッタレンガ14を加熱する際
に温度が上昇する(図5参照)。蓄熱室11に積み上げた
ギッタレンガ14の蓄熱が終了する直近の燃焼末期におけ
る壁レンガ積み9の炉半径方向の温度を炉上端部、炉直
胴部(上下方向中間部)および炉下端部につき下記の各
測定点を測定した。
【0018】すなわち、図1における鉄皮1の外側面の
A点、ブランケット3と耐火断熱レンガ4との炉周方向
中央部における境界面のB点、耐火断熱レンガ4と長さ
Bの隙間に充填したブラッケット7の炉周方向中央部に
おける境界面のC点、珪石断熱レンガ5の炉周方向中央
部における炉内側面のD点および珪石レンガ6の内側面
中央部のE点に相当する部位の温度を、蓄熱室11の炉上
端部、炉直胴部および炉下端部について測定を行った。
その結果を表1に示す。
A点、ブランケット3と耐火断熱レンガ4との炉周方向
中央部における境界面のB点、耐火断熱レンガ4と長さ
Bの隙間に充填したブラッケット7の炉周方向中央部に
おける境界面のC点、珪石断熱レンガ5の炉周方向中央
部における炉内側面のD点および珪石レンガ6の内側面
中央部のE点に相当する部位の温度を、蓄熱室11の炉上
端部、炉直胴部および炉下端部について測定を行った。
その結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1に示すように壁レンガ積み9の炉半径
方向の温度は、炉内側が温度が高く炉外側にかけて順次
温度が低くなる温度分布となっているのは当然である
が、蓄熱室11の炉上端部が炉下端部に比較して高くなっ
ており高さ方向にも温度分布を持っている。熱風炉10が
燃焼期に入ると蓄熱室11の壁レンガ積み9の炉内側が昇
温され、定常状態に近付くと全てのレンガは膨張し炉周
方向の圧縮応力が支配的となる。特に珪石レンガ6が最
も温度が高くなり圧縮応力も大きい。これに対し珪石断
熱レンガ5はそれよりも温度は低いが珪石レンガ6の圧
縮強度に比べ1桁低いオーダしか持っていない。そのた
め壁レンガ積み9の強度は、強度の低い珪石断熱レンガ
5の強度によって決まることになる。また壁レンガ積み
9は高さ方向に温度分布を持つため炉上端部と炉下端部
での温度条件の差により圧縮応力も変わってくる。この
圧縮応力を所定の長さB、Aを有する隙間で緩和し解決
するものである。
方向の温度は、炉内側が温度が高く炉外側にかけて順次
温度が低くなる温度分布となっているのは当然である
が、蓄熱室11の炉上端部が炉下端部に比較して高くなっ
ており高さ方向にも温度分布を持っている。熱風炉10が
燃焼期に入ると蓄熱室11の壁レンガ積み9の炉内側が昇
温され、定常状態に近付くと全てのレンガは膨張し炉周
方向の圧縮応力が支配的となる。特に珪石レンガ6が最
も温度が高くなり圧縮応力も大きい。これに対し珪石断
熱レンガ5はそれよりも温度は低いが珪石レンガ6の圧
縮強度に比べ1桁低いオーダしか持っていない。そのた
め壁レンガ積み9の強度は、強度の低い珪石断熱レンガ
5の強度によって決まることになる。また壁レンガ積み
9は高さ方向に温度分布を持つため炉上端部と炉下端部
での温度条件の差により圧縮応力も変わってくる。この
圧縮応力を所定の長さB、Aを有する隙間で緩和し解決
するものである。
【0021】まず、耐火断熱レンガ4と珪石断熱レンガ
5との間に形成する長さBの隙間と耐火断熱レンガ4と
キャスター2間の長さAの隙間の合計長さA+Bを71〜
79mmとした根拠について説明する。図5に示す熱風炉10
において、蓄熱室11内に積み上げたギッタレンガ14の蓄
熱完了後に、送風を開始したとき、図1における隙間B
の変化すなわちここに充填するブランケット7の厚み
(mm)の変化に対応する珪石レンガ6の炉下端部および
炉直胴部における圧縮応力(kg/cm2 )の関係、並び珪
石断熱レンガ限界圧縮応力、炉周方向の目地開き発生と
の関係を図2に示す。
5との間に形成する長さBの隙間と耐火断熱レンガ4と
キャスター2間の長さAの隙間の合計長さA+Bを71〜
79mmとした根拠について説明する。図5に示す熱風炉10
において、蓄熱室11内に積み上げたギッタレンガ14の蓄
熱完了後に、送風を開始したとき、図1における隙間B
の変化すなわちここに充填するブランケット7の厚み
(mm)の変化に対応する珪石レンガ6の炉下端部および
炉直胴部における圧縮応力(kg/cm2 )の関係、並び珪
石断熱レンガ限界圧縮応力、炉周方向の目地開き発生と
の関係を図2に示す。
【0022】図2において○印が存在する実線Aと実線
Bは、送風温度1100℃(ドーム11aの温度1400℃)での
B部ブランケット7の厚み(mm)変化に対応する炉上端
部および炉直胴部の珪石レンガに作用する圧縮応力(kg
/mm2 )を示している。また実線Aの上側近傍に示す点
線Cは、送風温度1000℃における珪石レンガ下端部の関
係を、実線Bの下側近傍に示す点線Dは送風温度1150℃
における珪石レンガ下端部の関係を示している。
Bは、送風温度1100℃(ドーム11aの温度1400℃)での
B部ブランケット7の厚み(mm)変化に対応する炉上端
部および炉直胴部の珪石レンガに作用する圧縮応力(kg
/mm2 )を示している。また実線Aの上側近傍に示す点
線Cは、送風温度1000℃における珪石レンガ下端部の関
係を、実線Bの下側近傍に示す点線Dは送風温度1150℃
における珪石レンガ下端部の関係を示している。
【0023】図2に示すように長さAの隙間および長さ
Bの隙間に充填するブランケット7の厚みが71mm未満で
あると炉直胴部における珪石レンガ6の圧縮応力が大き
く50kg/cm2を超えることになり、珪石断熱レンガ5の限
界圧縮応力を超えるので、珪石レンガ6の膨張による圧
縮応力を受けて珪石断熱レンガ5がスポーリングする危
険性が大きくなる。このため隙間の長さA+Bを71mm以
上としてここに充填する膨張による圧縮応力を吸収する
ブランケット3、7の厚みを71mm以上とすることが必要
である。
Bの隙間に充填するブランケット7の厚みが71mm未満で
あると炉直胴部における珪石レンガ6の圧縮応力が大き
く50kg/cm2を超えることになり、珪石断熱レンガ5の限
界圧縮応力を超えるので、珪石レンガ6の膨張による圧
縮応力を受けて珪石断熱レンガ5がスポーリングする危
険性が大きくなる。このため隙間の長さA+Bを71mm以
上としてここに充填する膨張による圧縮応力を吸収する
ブランケット3、7の厚みを71mm以上とすることが必要
である。
【0024】また隙間の長さA+Bを79mm超える大きさ
として、ここに充填するブランケット3、7の厚みが79
mmを超えると炉下端部珪石レンガ6の圧縮応力が減少
し、レンガ拘束力が低下し、この圧縮応力の開放に伴っ
て珪石レンガ6が鉄皮1側に移動し易くなり、移動発生
の際は炉周方向の目地開きが発生する。このため壁レン
ガ積み9が不安定となり崩壊し易くなる。以上の結果か
ら隙間の長さA+Bを71〜79mmとすることが必要になる
のである。
として、ここに充填するブランケット3、7の厚みが79
mmを超えると炉下端部珪石レンガ6の圧縮応力が減少
し、レンガ拘束力が低下し、この圧縮応力の開放に伴っ
て珪石レンガ6が鉄皮1側に移動し易くなり、移動発生
の際は炉周方向の目地開きが発生する。このため壁レン
ガ積み9が不安定となり崩壊し易くなる。以上の結果か
ら隙間の長さA+Bを71〜79mmとすることが必要になる
のである。
【0025】本発明の前記事項では珪石断熱レンガ5側
が主体となる圧縮応力と周方向目地開き量に着目したも
のであるが、実際には耐火断熱レンガの圧縮応力、周方
向目地開きについても検討をしなくてはならない。図3
に耐火断熱レンガ4の鉄皮側面のブランケット3量(A
部)と周方向変位量について示す。A部ブランケットの
厚みを増すと、周方向変位量が大きくなり耐火断熱レン
ガの目地開き量は耐火断熱レンガの周方向伸び量を差引
するとA=30mmで周方向目地開量は 0.1mm/個程度、同
様にA=40mmで0.16mm/個程度となる。この周方向目地
開量は少なくとも0.16mm/個に抑えてレンガ移動の発生
を防止する必要があり、好ましくは 0.1mm/個程度以下
が良い。
が主体となる圧縮応力と周方向目地開き量に着目したも
のであるが、実際には耐火断熱レンガの圧縮応力、周方
向目地開きについても検討をしなくてはならない。図3
に耐火断熱レンガ4の鉄皮側面のブランケット3量(A
部)と周方向変位量について示す。A部ブランケットの
厚みを増すと、周方向変位量が大きくなり耐火断熱レン
ガの目地開き量は耐火断熱レンガの周方向伸び量を差引
するとA=30mmで周方向目地開量は 0.1mm/個程度、同
様にA=40mmで0.16mm/個程度となる。この周方向目地
開量は少なくとも0.16mm/個に抑えてレンガ移動の発生
を防止する必要があり、好ましくは 0.1mm/個程度以下
が良い。
【0026】一方、長さA、Bの隙間の各ブランケット
は均等に配置する方が望ましく、いずれか一方に片寄る
と珪石断熱レンガ又は耐火断熱レンガ側での前記問題が
局部的に発生する。従って、圧縮許容応力の低い珪石断
熱レンガ側に配されるB部ブランケット側を総隙間の
0.5〜0.7 として施工する。 0.7を超えての配分は片寄
りが大きくなり好ましくない。図1に示す実施例は隙間
の長さA+Bを71〜79mmの中央値である75mmとして、長
さAを好適な 0.1mm/個程度に目地開き量を抑える30mm
としたもので、従って長さBは45mm、本発明で述べてい
るB/A+Bは0.6としている。
は均等に配置する方が望ましく、いずれか一方に片寄る
と珪石断熱レンガ又は耐火断熱レンガ側での前記問題が
局部的に発生する。従って、圧縮許容応力の低い珪石断
熱レンガ側に配されるB部ブランケット側を総隙間の
0.5〜0.7 として施工する。 0.7を超えての配分は片寄
りが大きくなり好ましくない。図1に示す実施例は隙間
の長さA+Bを71〜79mmの中央値である75mmとして、長
さAを好適な 0.1mm/個程度に目地開き量を抑える30mm
としたもので、従って長さBは45mm、本発明で述べてい
るB/A+Bは0.6としている。
【0027】本実施例では壁レンガ積み9の炉心方向に
向く総長さは 740mmであり図4に示す従来例と同じ総長
さである。炉心方向に向く珪石断熱レンガ5の長さと珪
石レンガ6の長さを加えた総長さは 420mmであり、その
間に 5.0mmの目地を設けてあるのも従来例と同様であ
る。さらに壁レンガ積み9の炉心方向に向けて設ける隙
間の総長さは80mmであり、従来例の75mmより5mm長くな
っている。蓄熱室の炉内半径が4800mmであるのも従来例
と同様である。
向く総長さは 740mmであり図4に示す従来例と同じ総長
さである。炉心方向に向く珪石断熱レンガ5の長さと珪
石レンガ6の長さを加えた総長さは 420mmであり、その
間に 5.0mmの目地を設けてあるのも従来例と同様であ
る。さらに壁レンガ積み9の炉心方向に向けて設ける隙
間の総長さは80mmであり、従来例の75mmより5mm長くな
っている。蓄熱室の炉内半径が4800mmであるのも従来例
と同様である。
【0028】前記実施例では熱風炉の蓄熱室に本発明を
適用した場合について説明したが燃焼室の壁レンガ積み
にも同様にして適用可能である。
適用した場合について説明したが燃焼室の壁レンガ積み
にも同様にして適用可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、珪石断
熱レンガと耐火断熱レンガとの間および耐火断熱レンガ
とキャスターとの間に71〜79mmの隙間の長さA+Bを設
けると共に耐火断熱レンガと鉄皮内面のキャスターとの
間に約30mmの長さAの隙間を設け、隙間比B/A+Bを
0.5〜0.7 の範囲にしてある。隙間の長さA+Bを71〜
79mmにしたことにより最も高温になる珪石レンガの圧縮
応力を珪石断熱レンガの限界圧縮応力以下にすることが
できるため強度の小さい珪石断熱レンガのスポーリング
を防止することができると共に、炉周方向の目地開きを
低減できる。また長さAの隙間を約30mmとすることによ
り、珪石断熱レンガの鉄皮側への移動を抑制できるので
炉周方向の目地開き発生により壁レンガ積みが不安定に
なるのを防止できる。その結果、熱風炉の壁レンガ積み
のスポーリングや目地開きが軽減され、寿命延長が達成
できる。
熱レンガと耐火断熱レンガとの間および耐火断熱レンガ
とキャスターとの間に71〜79mmの隙間の長さA+Bを設
けると共に耐火断熱レンガと鉄皮内面のキャスターとの
間に約30mmの長さAの隙間を設け、隙間比B/A+Bを
0.5〜0.7 の範囲にしてある。隙間の長さA+Bを71〜
79mmにしたことにより最も高温になる珪石レンガの圧縮
応力を珪石断熱レンガの限界圧縮応力以下にすることが
できるため強度の小さい珪石断熱レンガのスポーリング
を防止することができると共に、炉周方向の目地開きを
低減できる。また長さAの隙間を約30mmとすることによ
り、珪石断熱レンガの鉄皮側への移動を抑制できるので
炉周方向の目地開き発生により壁レンガ積みが不安定に
なるのを防止できる。その結果、熱風炉の壁レンガ積み
のスポーリングや目地開きが軽減され、寿命延長が達成
できる。
【図1】本発明に係る熱風炉蓄熱室の壁レンガ積みを示
す水平断面図である。
す水平断面図である。
【図2】隙間Bに充填するブランケットの厚み変化に対
応する珪石レンガの炉下端部および炉直胴部における圧
縮応力の関係並びに珪石断熱レンガ限界圧縮応力、炉周
方向の目地開き発生との関係を示す線図である。
応する珪石レンガの炉下端部および炉直胴部における圧
縮応力の関係並びに珪石断熱レンガ限界圧縮応力、炉周
方向の目地開き発生との関係を示す線図である。
【図3】A部ブランケット厚み(mm)と周方向変位量
(mm)との関係を示す線図である。
(mm)との関係を示す線図である。
【図4】従来例に係る熱風炉蓄熱室の壁レンガ積みを示
す水平断面図である。
す水平断面図である。
【図5】熱風炉の構造を示す縦断面図である。
【図6】従来の熱風炉蓄熱室の壁レンガ積みを示す縦断
面図である。
面図である。
1 鉄皮 2 キャスター 3 ブランケット 4 耐火断熱レンガ 5 珪石断熱レンガ 6 珪石レンガ 7 ブランケット 8 目地 9 壁レンガ積み 10 熱風炉 11 蓄熱室 12 燃焼室 13 連結管 14 ギッタレンガ
Claims (5)
- 【請求項1】 鉄皮内面に炉心方向に向けて構築される
壁レンガ積みのうち、温度負荷の大きい最炉内側に配置
される珪石レンガの内側に配置される珪石断熱レンガと
耐火断熱レンガとの間に長さBの隙間を設け、前記耐火
断熱レンガと鉄皮の内側に配置されるキャスターとの間
に長さAの隙間を設けると共に、前記の隙間の長さA+
Bに対する隙間の長さBの隙間比B/A+Bを 0.5〜0.
7 の範囲にすることを特徴とする熱風炉の壁レンガ積み
構造。 - 【請求項2】 前記長さBの隙間および前記長さAの隙
間を断熱すると共に膨張応力を吸収するブランケットを
充填したことを特徴とする請求項1記載の熱風炉の壁レ
ンガ積み構造。 - 【請求項3】 壁レンガ積みの炉心方向に向く総長さが
約 700〜800mm であることを特徴とする請求項1又は2
記載の熱風炉の壁レンガ積み構造。 - 【請求項4】 炉心方向に向く珪石レンガの長さと珪石
断熱レンガの長さを加えた総長さが 400〜500mm である
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱風炉の壁
レンガ積み構造。 - 【請求項5】 壁レンガ積みの炉心方向に向けて設ける
前記隙間の長さA+Bが71〜79mmであることを特徴とす
る請求項1、2、3又は4記載の熱風炉の壁レンガ積み
構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7073865A JP3048877B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 熱風炉の壁レンガ積み構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7073865A JP3048877B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 熱風炉の壁レンガ積み構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08269514A JPH08269514A (ja) | 1996-10-15 |
JP3048877B2 true JP3048877B2 (ja) | 2000-06-05 |
Family
ID=13530506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7073865A Expired - Lifetime JP3048877B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 熱風炉の壁レンガ積み構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3048877B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5469774B1 (ja) * | 2013-08-06 | 2014-04-16 | 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 | 熱風炉の築炉方法 |
-
1995
- 1995-03-30 JP JP7073865A patent/JP3048877B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08269514A (ja) | 1996-10-15 |
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