JP3048603B2 - 高導電性有機重合体膜の製造方法 - Google Patents

高導電性有機重合体膜の製造方法

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JP3048603B2 JP2183445A JP18344590A JP3048603B2 JP 3048603 B2 JP3048603 B2 JP 3048603B2 JP 2183445 A JP2183445 A JP 2183445A JP 18344590 A JP18344590 A JP 18344590A JP 3048603 B2 JP3048603 B2 JP 3048603B2
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    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高導電性有機重合体膜の製造方法に関するも
のである。
〔従来の技術とその課題〕
高導電性有機重合体の製造方法としては、電解酸化重
合法と化学酸化重合法が知られている。電解酸化重合法
は適当な溶媒に支持電解質と重合しようとするモノマー
を溶解し、挿入した電極間に定電圧を印加して陽極板上
に導電性有機重合体を生成させるものである。こうして
得られる重合体は使用するモノマーの種類によって、更
に溶媒、電解質、印加電圧、電流値等の最適条件を選択
することにより数十〜数千S/cmの高い導電率を有する重
合体を得ることが可能である。しかも電極板上で重合が
起こるために重合体がフィルム状で得られるという利点
がある。しかし、電解酸化重合法は製造費用が高く大量
生産性に劣り、また、電極から出る電気力線に歪みがあ
るため大面積のフィルムを均一に作成することが困難で
あるという欠点を持つ。さらに、基材上に導電性薄膜を
形成することを考えた場合、基材がすでに導電性材料で
なければならないというのは応用上、この手法の利用範
囲を著しく制限してしまう。
一方、化学酸化重合法は酸化剤を使用してモノマーを
酸化し、重合する方法であるが、その製造方法が大きく
二つの場合に分けられる。一つは、例えばモノマーを適
当な溶媒に溶かし、適当な酸化剤により重合する方法で
ある。この方法は電解酸化重合法に比べ、安価に重合体
が得られ大量生産性に富むが、一般に導電性が低く、重
合体が粉末で得られ、しかもその重合体は一般に不溶不
融であるため成形性に著しく劣るという欠点を持つ。
他の方法として、基材上に蒸着したモノマーを酸化剤
で重合し、導電性薄膜を形成する方法がある。しかしな
がら、従来技術ではこの場合も生成した重合体の導電率
は高くなく、かつ生成フィルムが基材から剥離しやすい
等の問題があった。
本発明者らは、これらの問題を解決すべく化学酸化重
合法の改良研究を進めてきており、酸化重合反応時に酸
化ポテンシャルを制御すべく溶媒の選択、酸化剤濃度の
選択などにより導電性改善が可能なこと(特願昭63−55
659号)、重合体成形時、少量の溶媒を含ませること
で、成形性と導電性をともに改善した成形物を得ること
ができること(特願昭63−85706号)、並びにCVD酸化重
合により重合体膜製作時、適当な溶媒と酸化剤の組み合
わせを選択することにより、高導電性膜を得ることがで
きることを見出した(特願昭63−175969号)。
しかしながら、基材上に導電性膜を形成しようとした
場合、特願昭63−175969号の方法でも、モノマー蒸着法
のため生成した導電性重合体の厚みに限界があり、フィ
ルムとしての導電度にも限界があり、更に生成した薄膜
の耐溶剤性を必ずしも十分でなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、芳香族化合物、とくに窒素、酸素、硫
黄等の異種原子を含有した芳香族化合物を用い、化学酸
化重合法により高導電率を有する有機重合体膜を得るべ
く、鋭意研究を行った結果、特殊な製法を採用すること
により、高導電率を有し、且つ基材との接着性と耐溶剤
性が改善された有機重合体膜が得られることを見出し、
本発明に至った。
すなわち、本発明は基材上に展開された高導電性有機
重合体膜を作成するにあたり、酸化剤とバインダーポリ
マーを同一の溶媒に溶解した溶液又は別々の溶媒に溶解
した溶液(a)を調製し、かつ別途モノマー単独あるい
はモノマーを溶媒に溶解させた溶液(b)を調製し、
(a)、(b)を基材に塗布する前に混合した後、基材
上に展開し、しかるのち基材上で酸化電位を制御しなが
ら導電性有機重合体を化学酸化法により重合することを
特徴とする高導電性有機重合体膜の製造方法を提供する
ものである。
本発明は、酸化剤とバインダーポリマーを含む溶液を
調製すると同時に、導電性重合体のモノマー溶液を別途
調製し、両者を混合した後、基板上に展開し、しかるの
ち酸化電位を制御しながら導電性重合体の生成と、バイ
ンダーポリマーの架橋反応を起こさせることを特徴とす
るものである。この時、酸化剤濃度および酸化剤と還元
体との混合比、並びに溶媒の選択等によって最適の酸化
電位を制御することにより、特に優れた高導電性有機重
合体を得ることができる。
本発明において使用されるモノマーは、酸化重合して
共役系化合物を生成するものの中から選ばれる。このよ
うな化合物の例として、5員複素環化合物ではピロール
誘導体、フラン誘導体およびチオフェン誘導体があげら
れる。ピロール誘導体として適当な化合物は非置換ピロ
ール、N−アルキルピロールの如きN−置換ピロール、
あるいは3位あるいは3,4位にC1〜C6のアルキル基、ア
ルコキシ基あるいはハロゲン原子を有する3−アルキル
ピロール、3,4−ジアルキルピロール、3−アルコキシ
ピロール、3,4−ジアルコキシピロール、3−クロロピ
ロールおよび3,4−ジクロロピロール等があげられる。
フラン誘導体およびチオフェン誘導体としては、非置換
フランおよび非置換チオフェンおよび3位あるいは3,4
位にC1〜C6のアルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲ
ン原子を有する3−アルキルフラン、3,4−ジアルキル
フラン、3−アルコキシフラン、3,4−ジアルコキシフ
ラン、3−クロロフラン、3,4−ジクロロフラン、3−
アルキルチオフェン、3,4−ジアルキルチオフェン、3
−アルコキシチオフェン、3,4−ジアルコキシチオフェ
ン、3−クロロチオフェンあるいは3,4−ジクロロチオ
フェン等があげられる。6員環芳香族化合物としては、
アニリンあるいはベンジジン等があげられる。
上記モノマーは場合によっては、酸化剤の溶媒と相溶
の可溶性溶媒を見つけにくいことがある。そのような場
合、モノマーをあらかじめ可溶性体に変えておくか、あ
るいは添加剤を用いることによりモノマーの溶解性を変
えることができる。たとえば、溶媒として水を用いる場
合、ブレンステッド酸を添加するのが適当である。水溶
性塩としては塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩が適当
であるが必ずしもこれらに限定されるものではない。ブ
レンステッド酸としては塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素
酸、過塩素酸等が挙げられるが必ずしもこれらに限定さ
れるものではない。
本発明において使用される酸化剤としては、反応溶媒
中で高導電性重合体を生成する電解酸化重合法と同程度
の酸化電位を有する酸化剤が好適である。例えば、ピロ
ール、フラン、チオフェンの酸化剤としては、鉄(II
I)塩、モリブデン(V)塩およびルテニウム(III)塩
等があげられる。アニリンの酸化剤としてはクロム酸
(IV)塩、重クロム酸(VI)塩および過マンガン酸(VI
I)塩等があげられる。
本発明における基材は特に限定されず支持体として用
いられるものであれば何れのものでも良く、各種無機、
有機高分子材料が挙げられる。
無機材料としては、ガラス、石英、セラミックス等が
例示される。
一方、有機高分子材料としては、熱硬化性、熱可塑性
のいずれでも良く、特に限定されない。例を示すと、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド、
ポリイミド、ポリエレンテレフタレート(PET)、ポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)、光学的異方性を示す
ポリエステルを含むポリエステル、ポリカーボネート、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポ
リオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピ
レンオキシド、ポリフェニレンオキシドなどのポリエー
テルあるいはポリフェニレンスルフィド等の含硫黄ポリ
マー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ゴム、ポリ塩化ビニル、ABS、弗素
樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等が適
用できる。これらのポリマーは2種以上混合して使用で
き、また共重合体の形で用いてもよい。
またこれらのポリマーには、機械的、電気的、化学的
性質や難燃性の諸性質を改善するために必要に応じて種
々の塩化剤、強化剤を配合することも可能である。
これらの基材は可撓性あるいは非可撓性薄板(基板)
例えばガラス板、PETフィルムとして、あるいは非板状
成形物、たとえばガラス繊維として、あるいは粒状物、
たとえばガラスビーズとして用いることができる。
本発明における具体例として、ガラス板上にポリピロ
ール膜を作成する場合について詳述する。
酸化剤としては上記のうち、FeCl3、Fe(ClO4
のFe(III)塩、RuCl3、Ru(ClO3等のRu(III)塩
あるいはMoCl5、Mo(ClO4等のMo(V)塩等が挙げ
られる。これらの中でも経済的な観点から、Fe(III)
塩、特にFeCl3を用いるのが好ましい。
本発明においては、酸化剤とバインダーポリマーを同
一の溶媒に溶解した溶液又は別々の溶媒に溶解した溶液
(a)と、別途モノマー単独あるいはモノマーを溶媒に
溶解させた溶液(b)との2種の溶液が調製される。
ここで溶媒としては、(a)、(b)両溶液を混合し
た時に、酸化剤、バインダーポリマーあるいはモノマー
のいずれかが単離析出することがなければ、特に限定さ
れず、2種以上の溶媒を組み合わせて用いることもでき
る。このような溶媒の例を示せば、水、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールなどの
脂肪族アルコール、ヘキサフルオロソプロパノールのよ
うなハロゲン化アルコール、フェノール、クロロフェノ
ール、クレゾール、フルオロフェノール等のフェノール
類、プロトン性極性溶媒、あるいはジメチルアセトアミ
ド等の非プロトン性極性溶媒を挙げることができる。さ
らにベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロ
ヘキサンなどの炭化水素、クロロホルムなどのハロゲン
化化合物、各種エーテルなどの非極性溶媒も候補として
挙げられる。これらの内で、ピロールに対しては最適の
酸化電位を設定しやすいこと、バインダーポリマーおよ
び酸化剤との共通の溶媒であることによりメタノールが
特に好ましい。
バインダーポリマーとしては導電性重合体のモノマー
および酸化剤の両者に対して親和性を有し、かつ基材に
対する良好な濡れ特性を有するポリマーを用いることが
できる。酸化剤としてFeCl3、基板としてガラス板を用
いる場合には、ポリアルコールとして、ポリビニルアル
コール、ポリプロピレングリコールを、ポリエステルと
してポリ酢酸ビニルを、低分子量ポリアミドとしてナイ
ロン6、ナイロン610等を用いることができる。これら
のバインダーポリマーは単独で用いることができ、また
数種を混合しても良い。本発明では、これらのバインダ
ーポリマーは最終的には不溶性架橋体となるため、オリ
ゴマー等の低分子量のもの、あるいは水等の溶媒に可溶
性のもの、あるいは吸湿性のものも用いることができ
る。これらのうちポリ酢酸ビニル、ポリアミドを用いた
時に特に良好な結果が得られる。
本発明者らの検討によれば、生成した導電性重合体の
導電性は酸化重合時の酸化電位に大きく依存する。即
ち、重合反応時における酸化電位の制御は、溶媒の種
類、酸化剤の酸化体/還元体比、温度の選択により可能
である。溶媒としてメタノールを用いた場合、酸化剤た
とえばFeCl3の還元体FeCl2の添加量は酸化体に対して50
mol%以下、好ましくは0.01〜10mol%であり、生成重合
体の導電率が最大となる酸化電位が得られる。
FeCl3とポリ酢酸ビニルとの重合混合比が0.05〜10対
1、好ましくは0.1〜2対1となるように両重量を調整
しメタノールに溶解する。この時メタノールに対する溶
解量は後の特性に重要な影響を及ぼさない。さらにこの
溶液中にFeCl3に対して50mol%以下、好ましくは0.01〜
10mol%となるよう還元体FeCl2を添加する。一方、別
途、ピロールをメタノールに溶解する。この時、ピロー
ルのモル濃度は両溶液を混合したとき酸化剤濃度の1/10
〜1倍、好ましくは1/2倍となるように調整する。ここ
で、酸化剤等の溶媒に対する濃度は、最適の酸化電位が
得られるよう調整する必要があり、それが高導電性膜を
得る上でのポイントである。ここでいう最適の酸化電位
とは、ピロールの場合は400〜600mV(VS SCE)、好まし
くは450〜550mV(VS SCE)であり、酸化剤であるFeCl3
の濃度、及び酸化体/還元体(FeCl3/FeCl2)比を調整
すれば良い。酸化剤濃度が大となる条件のとき、基材上
に塗布する前に溶液中で重合反応が急速に進行し、粒状
物が生成し、得られた膜は不均一で且つ導電性は極端に
劣る。従って、溶液中で重合体が生成しないように、低
濃度の溶液を調製することが重要である。また、酸化電
位が高い条件となるときも同様の結果となり好ましくな
く、還元体であるFeCl2の添加量を増やすことにより酸
化電位を下げることが可能である。導電性重合体を形成
させようとする基板上に塗布する前に上記2液を混合し
良く攪拌する。その後、混合液を基板上、例えばガラス
板上に塗布する。塗布のタイミングとしては、混合直後
よりも少し時間が経過してモノマーの重合がある程度始
まってからが好ましく、例えば30分から5時間の間の方
が高い導電性が得られる。一方、それ以上時間が経過す
ると、反応が進み過ぎて導電性は低下する。塗布法とし
ては、刷毛、アプリケータ、スピンコーティングあるい
はスプレー法を用いることができる。溶液塗布を施した
基板をデシケータ中で−10〜40℃、好ましくは0〜40℃
に保ちながら空気あるいは窒素を流通させ、溶媒を除去
する。溶媒が除去され酸化剤濃度が高まるとともに酸化
反応が活発化する。
酸化反応によりピロールは重合し、一方、ポリ酢酸ビ
ニルは架橋反応を起こす。その結果、溶媒に不溶の架橋
性ポリ酢酸ビニル中に導電性ポリピロールのネットワー
クが分散した複合体が形成される。
更に本発明によれば、上記ポリピロールを化学的ある
いは電気化学的に還元した後、化学酸化あるいは電解酸
化により酸化すると共にドーピングを行うことによりポ
リピロールの導電率を一層高めることができる。化学的
還元に使用する還元剤としては、ヒドラジン、抱水ヒド
ラジン、フェニルヒドラジン等のヒドラジン類、水素化
リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム等の水
素化学金属等が挙げることができる。化学還元剤は、通
常、重合体の1窒素原子当たり1〜10倍モル使用される
が、必ずしもこれに限定されるものではない。電解還元
では、生成したポリピロールを導電性基板上に写しと
るか、ポリピロールフィルム自体を電極とするか、あ
るいは導電性基板上でポリピロールを生成させるかし
て、ポリピロールを陰極とし0.01〜数十Vの印加電圧、
通常数Vで電気分解することにより脱ドープする。
還元後、中性ポリピロールは再度、化学的に酸化剤で
再酸化されると共にドーピングがなされる。このような
再ドーピングに用いられるドーパントとしては、還元さ
れた中性重合体を再酸化するに十分な酸化力を有し、且
つドーパントとして有効な電子受容性を有する化合物な
らすべて用いることができる。このような酸化剤として
は、ヨウ素、臭素、塩素等のハロゲン、五フッ化ヒ素、
五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、
塩化第二鉄、塩化第二スズ、四塩化チタン、塩化亜鉛、
塩化第二銅等のルイス酸、塩酸、硫酸およびその塩(例
えば、硫酸水素カリウム、硫酸ナトリウム、過塩素酸ナ
トリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸鉄等)、あるい
はホウフッ化水素酸およびその塩(例えば、フッ化ホウ
素ナトリウム、フッ化ホウ素カリウム、フッ化ホウ素ア
ンモニウム、フッ化ホウ素テトラアルキルアンモニウム
等)などを挙げることができるが、必ずしもこれらに限
定されるものではない。
また、電気化学的に再度、酸化およびドーピングを行
うことも可能である。この場合、支持電解質として上記
酸化剤を使用し、ポリピロールを陽極として電気分解す
れば良い。
〔発明の効果〕
本発明によれば、化学酸化重合により高導電性有機重
合体膜を容易に製造することができ、このようにして製
造された高導電性有機重合体膜は、コンデンサー電極、
電池、電極材料、導電性フィルム、プリント基板の導電
回路、軽量電線、電磁シールド材料、導電性フィラー、
帯電防止材料等への利用ができる。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は
これらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 塩化第二鉄(和光製)12g、塩化第一鉄(和光製)12m
gおよびポリ酢酸ビニル(日本合成化学製)10gをメタノ
ール(和光製)100gに溶解した。溶液の酸化電位を測定
したところ、500mV(VS SCE)であった。一方、ピロー
ル(和光製)を窒素雰囲気下で蒸留精製し、その2gをメ
タノール10gに溶解した。両者を混合攪拌し、2時間
後、該混合溶液をスピンコーティング法により、ガラス
板上に塗布した。
上記試料をそのままデシケータ中に入れ、室温で窒素
ガスを流通させ、メタノールを蒸発除去した。溶媒の蒸
発とともに、溶液は黄色から暗緑色に変化し、膜状物の
生成が見られた。溶媒が蒸発除去された段階で、十分乾
燥後、メタノールにより12時間洗浄し、可溶性成分を除
去し、更に真空下、室温で24時間乾燥させた。作成した
ポリピロールフィルムの導電率は四端子法にて測定し
た。試験結果を表1に示す。
実施例2 塩化第二鉄(和光製)20g、塩化第一鉄(和光製)5mg
およびポリ酢酸ビニル(日本合成化学製)10gをメタノ
ール(和光製)100gに溶解した。溶液の酸化電位を測定
したところ、540mV(VS SCE)であった。一方、ピロー
ル(和光製)を窒素雰囲気下で蒸留精製し、その2gをメ
タノール10gに溶解した。両者を混合攪拌し、30分後、
該混合溶液をスピンコーティング法により、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布した。その
他は実施例1と同様に処理し、ポリピロールフィルムを
作成し、評価した。試験結果を表1に示す。
実施例3 塩化第二鉄(和光製)20g、塩化第一鉄(和光製)12m
gおよびポリビニルアルコール(日本合成化学製)10gを
メタノール/蒸留水=3/1の混合溶液100gに溶解した。
溶液の酸化電位を測定したところ、520mV(VS SCE)で
あった。一方、ピロール(和光製)を窒素雰囲気下で蒸
留精製し、その2gをメタノール/蒸留水=3/1の混合溶
液10gに溶解した。両者を混合攪拌し、30分後、該混合
溶液をスピンコーティング法により、ガラス板上に塗布
した。その他は実施例1と同様に処理し、ポリピロール
フィルムを作成し、評価した。試験結果を表1に示す。
比較例1 塩化第二鉄(和光製)20g、塩化第一鉄(和光製)20g
およびポリ酢酸ビニル(日本合成化学製)10gをメタノ
ール(和光製)100gに溶解した。溶液の酸化電位を測定
したところ、380mV(VS SCE)であった。一方、ピロー
ル(和光製)を窒素雰囲気下で蒸留精製し、その2gをメ
タノール10gに溶解した。両者を混合攪拌し、30分後、
該混合溶液をスピンコーティング法により、ガラス板上
に塗布した。その他は実施例1と同様に処理し、ポリピ
ロールフィルムを作成し、評価した。試験結果を表1に
示す。
比較例2 塩化第二鉄(和光製)55gおよびポリ酢酸ビニル(日
本合成化学製)10gをメタノール)和光製)100gに溶解
した。溶液の酸化電位を測定したところ、630mV(VS SC
E)であった。一方、ピロール(和光製)を窒素雰囲気
下で蒸留精製し、その2gをメタノール10gに溶解した。
両者を混合攪拌し、30分後、該混合溶液をスピンコーテ
ィング法により、ガラス板上に塗布した。その他は実施
例1と同様に処理し、ポリピロールフィルムを作成し、
評価した。試験結果を表1に示す。
実施例4 実施例1で作成した導電率10S/cmのポリピロールフィ
ルムをフェニルヒドラジン(200mg)のエーテル溶液(1
0ml)に浸し、室温で攪拌しながら1時間反応させた。
反応後、フィルムをエーテルで十分洗浄し、真空乾燥し
た。このフィルムを室温でデシケータ中、10時間ヨウ素
蒸気にさらすことにより酸化ドーピングした。この再ド
ーピングポリピロールフィルムの導電率を測定したとこ
ろ、20S/cmとなり導電率の上昇が見られた。
フロントページの続き (72)発明者 オパ・バンチャロエンパウルポン タイ国ナコン・パトム 73000 シルパ コルン・ユニバーシティ,ファクルテ ィ・オブ・サイエンス内 (56)参考文献 特開 平2−25572(JP,A) 特開 平1−229032(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に展開された高導電性有機重合体膜
    を作成するにあたり、酸化剤とバインダーポリマーを同
    一の溶媒に溶解した溶液又は別々の溶媒に溶解した溶液
    (a)を調製し、かつ別途モノマー単独あるいはモノマ
    ーを溶媒に溶解させた溶液(b)を調製し、(a)、
    (b)を基材に塗布する前に混合した後、基材上に展開
    し、しかるのち基材上で酸化電位を制御しながら導電性
    有機重合体を化学酸化法により重合することを特徴とす
    る高導電性有機重合体膜の製造方法。
  2. 【請求項2】基材上での化学酸化重合を、溶媒を蒸発除
    去しながら行う請求項1記載の高導電性有機重合体膜の
    製造方法。
  3. 【請求項3】溶液(a)として酸化剤とバインダーポリ
    マーを同一の溶媒に溶解した溶液を用いる請求項1又は
    2記載の高導電性有機重合体膜の製造方法。
  4. 【請求項4】酸化剤に、その還元体を添加することによ
    り酸化電位を制御して化学酸化重合を行う請求項1〜3
    の何れか1項記載の高導電性有機重合体膜の製造方法。
  5. 【請求項5】モノマーが、酸化重合したとき、共役鎖を
    構成する分子となる化合物である請求項1〜4の何れか
    1項記載の高導電性有機重合体膜の製造方法。
  6. 【請求項6】モノマーがピロール系、フラン系及びチオ
    フェン系化合物より選ばれる請求項1〜5の何れか1項
    記載の高導電性有機重合体膜の製造方法。
  7. 【請求項7】酸化剤が鉄(III)塩、モリブデン(V)
    塩又はルテニウム(III)塩である請求項6記載の高導
    電性有機重合体膜の製造方法。
  8. 【請求項8】モノマーがアニリン系及びベンジジン系化
    合物より選ばれる請求項1〜5の何れか1項記載の高導
    電性有機重合体膜の製造方法。
  9. 【請求項9】酸化剤がクロム酸(IV)塩、重クロム酸
    (VI)塩又は過マンガン酸(VII)塩である請求項8記
    載の高導電性有機重合体膜の製造方法。
  10. 【請求項10】溶媒がバインダーポリマー、酸化剤及び
    モノマーの何れかを溶解し、請求項1記載の溶液(a)
    と溶液(b)を混合したとき、バインダーポリマー、酸
    化剤及びモノマーの何れも単離析出しない溶剤である請
    求項1〜9の何れか1項記載の高導電性有機重合体膜の
    製造方法。
  11. 【請求項11】溶媒が水、アルコール類、芳香族炭化水
    素、エーテル類、ハロゲン化炭化水素及びケトン類より
    選ばれる請求項1〜10の何れか1項記載の高導電性有機
    重合体膜の製造方法。
  12. 【請求項12】化学酸化重合して得られた高導電性有機
    重合体膜をさらに還元後、アクセプターとして有効な酸
    化剤により酸化するとともにドーピングする請求項1〜
    11の何れか1項記載の高導電性有機重合体膜の製造方
    法。
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