JP3048191B2 - 脊髄損傷による反射異常亢進の処置用3−アリール−5−アルキルチオ−4h−1,2,4−トリアゾール類 - Google Patents

脊髄損傷による反射異常亢進の処置用3−アリール−5−アルキルチオ−4h−1,2,4−トリアゾール類

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JP3048191B2 JP3355001A JP35500191A JP3048191B2 JP 3048191 B2 JP3048191 B2 JP 3048191B2 JP 3355001 A JP3355001 A JP 3355001A JP 35500191 A JP35500191 A JP 35500191A JP 3048191 B2 JP3048191 B2 JP 3048191B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脊髄損傷による慢性の
反射異常亢進にかかった患者を処置する、3-アリール-5
-アルキルチオ-4H-1,2,4-トリアゾール類の用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本発明は特開昭63-201176号と関連す
る。
【0003】
【課題を解決する手段】更に詳しくは、本発明は、脊髄
の傷により生じる反射異常亢進の処置のための、式I
【化2】 〔式中Arはフェニル又はナフチル、R1はC1-6低級ア
ルキル、R2は水素又はC1-6低級アルキルであり、RはC
1-6低級アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ
ゲノ、又はトリフルオロメチルであり、nはゼロ、1又
は2であるか、又はRn-(Ar)がメチレンジオキシフェ
ニルであり、mとqの各々はゼロ、1又は2である。〕の
化合物類及び製薬上受入れられるその塩類の用途に関す
る。
【0004】式Iにおいて、ハロゲノは好ましくはクロ
ロ又はフルオロを表わし、またメチルとエチルが好まし
い低級アルキル部分であるが、その直鎖及び分枝鎖の表
示も包含される。低級アルコキシ基は、C1-6アルキル基
に平行したアルキル部分をもつエーテル類を包含する。
Arがフェニルの時には、nは好ましくは1であり、一置換
フェニル部分を表わしており、R置換基はオルト、メタ
又はパラの位置に置かれた基である。nが2の時には、2,
3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-又は3,5-位置が考えられ
る。R1とR2の各々がメチル又はエチルを表わすのが好ま
しい。
【0005】これらのトリアゾール類の現在の技術水準
の塩類を使用でき、塩酸塩が好都合で一般的応用性のあ
る塩である。これらの塩類はこの技術で周知の標準手法
によって形成できる。
【0006】Arがナフチルを表わす時は、ナフチル環系
は1−又は2−位置を通じて結合出来、R部分は任意の
利用できる位置でこれに結合できる。式Iチオエーテル
類は、反応経路Aに描かれたように、この技術で類似的
に知られた方法手順を用いてつくることができ、ここで
式中R1、R2及びRn-(Ar)-(CH2)mは式Iに対して定義され
たとおりであり、Xは適当な離脱基である。反応経路A
【化3】
【0007】式Iのスルホキシド類とスルホン類は、次
の反応経路Bに見られるように、式Iaのアルキルチオエ
ーテル類を過酸、好ましくはm-クロロ過安息香酸(MCPB
A)で酸化することによってつくられ、ここで式中R1、R2
及びRn-(Ar)-(CH2)mは式Iについて定義されたとおりで
ある。反応経路B
【化4】
【0008】R2置換チオセミカルバジド類(IV)の調製
は、ヒドラジンを適当な溶媒中でイソチオシアネートと
反応させることによって容易に行なわれる。反応は極め
て速く、0℃ないし室温の間で実施できる。反応は急速
に進むが、収量の著しい減少なしに混合物を24時間まで
残すことができる。還流条件は使用できるが好ましくな
い。ほぼすべての溶媒を使用できる。アルコール類(好
ましくはエタノールやメタノール)が好ましいが、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、CHCl3、CH2Cl2、テトラヒド
ロフラン(THF)及びEt2Oも使用できる。必要なイソチ
オシアネート類は市販されているが、当業者に自明の既
知手法によってつくることができる。いったん得られれ
ば、チオセミカルバジド類は、ピリジン、CHCl3、THF等
のような非プロトン性溶媒中で適当な酸塩化物(V)との
反応により、対応するアロイル置換チオセミカルバジド
類(VI)に変換される。アシル化は0℃から室温までの範
囲の温度で3ないし24時間にわたって容易に進むが、高
温(例えば還流温度)を使用できる。別の方法として、ア
ロイル置換チオセミカルバジド類(VI)は、カルボン酸ヒ
ドラジド(VII)とイソチオシアネ−ト(VIII)を非プロト
ン性(中性)溶媒、例えばTHF、CHCl3、CH2Cl2等中
で反応させることによっても製造できる。ここでも酸ハ
ライド(V)及び酸ヒドラジド(VII)は市販されていること
が多いが、一般に市販されている対応する酸からつくる
こともできる。
【0009】アロイルチオセミカルバジド類(VI)を環化
反応にかけると、式IXの3-アリール-3H-1,2,4-トリアゾ
ール-5-チオン類を生ずる。重炭酸ナトリウムや水酸化
ナトリウムのような塩基水溶液中で化合物類(VI)を加熱
することによって、環化反応は行なわれる。アルコール
性塩基を利用できるが、一般的に望ましさは劣る。反応
は溶媒の還流温度付近で、好ましくは約65-100℃で行な
われる。
【0010】アルキルチオエーテル類(Ia)の調製は、標
準的なアルキル化手順によって容易に行なわれる。3-ア
リール-3H-1,2,4-トリアゾール-5-チオン類(IX)を温和
な塩基の存在下に適当なアルキルハライド(R1X)又はそ
の官能的同等物と反応させるのが好ましい。適当な塩基
はアルカリ金属炭酸塩又は重炭酸塩又はアルカリ金属水
酸化物であり、K2CO3又はNaOH水溶液が好ましい。アル
キル化反応にヨウ化アルキルを使用するのが好ましい
が、ヨウ化物の代わりに任意適当な離脱基(例えば臭化
物や-OSO2CF3)を使用できる。適当な溶媒はアセトン、
エタノール水溶液、テトラヒドロフラン(THF)、ピリジ
ン等である。反応は室温ないし反応混合物の還流温度の
範囲の温度で行なわれ、概して反応は約15時間以上かか
る。
【0011】3-アリール-4-アルキル-5-アルキルチオ-4
H-1,2,4-トリアゾール類(Ia)の高次酸化状態への変換
は、好ましくは周知の条件に従って、アルキルチオエー
テル類(Ia)を過酸で酸化することによって行なわれる。
適当な酸化剤はH2O2とNaIO4であるが、m-クロロペルオ
キシ安息香酸が好ましい。式Ibのスルフィニル誘導体へ
の酸化を行なうには、過酸1モル当量を使用し、過酸2モ
ル当量は式Icのスルホニル誘導体を生ずる。酸化は、酸
化に感受性のない溶媒中で約0℃ないし室温で実施され
る。好ましい溶媒はCH2Cl2、CHCl3、及び酢酸である。
【0012】式Iのチオエーテル誘導体類はこれまでに
血糖低下剤、殺虫剤、殺細菌剤、及び殺菌剤として有用
であること、及び筋肉の緊張及び筋肉のけいれんの処
置、けいれんの発作及び不安の処置に有用であることが
見出されているが、脊髄の損傷によって生じる反射異常
亢進の処置に適した抗けいれん活性を有することは以前
には示されていない。米国特許4,900,743及び4,981,863
は、発明者を同じくするJ. M. ケン及びF. P.ミラ−の
ものであるが、式Iの化合物が筋肉弛緩剤、抗けいれん
剤(アンチスパスチック、アンチコンバルサント)そし
て不安解消活性を有することを教えているが、この化合
物が脊髄の障害から生じるけいれんの処置に有用である
と教えも、示唆もしていない。
【0013】本発明に於いて式Iのチオエ−テル、スル
ホキシド及びスルホンが、脊髄の障害から生じる反射異
常亢進を処置するのに有用であることが発見された。
【0014】ストリキニンによって起こる伸筋緊張発作
にきっ抗する化合物類は、ヒトに筋肉弛緩、鎮けい、抗
けいれん及び不安解消作用をもつことが示された。化合
物類の活性は、アール・エイ・ターナー(R. A. Turner)
「薬理学のスクリ−ニング法」(Screening Methods in
Pharmacology)第14章[アカデミック・プレス社、1965
年]の方法によって実証できる。ハツカネズミ各10-20匹
の群に、適当な賦形剤中の試験化合物の1回以上の投与
量、又は比較のため賦形剤のみを投与する。その後、選
ばれた時期に蒸留水の溶液としてつくった硫酸ストリキ
ニンを2.7 mg/kgの投与量で腹膜内に投与する。賦形剤
処理されたハツカネズミの99%はストリキニンのこの投
与量でけいれんを示した。ストリキニン投与後15分以上
も伸筋緊張を示さないものは、有為な保護と考えられ
る。
【0015】既知の抗けいれん/筋肉弛緩剤のバクロフ
ェン12.5ないし200 mg/kgの腹腔内適量範囲でハツカネ
ズミを処理すると、ストリキニンで誘発される発作の50
%のきっ抗を生ずるが、100%保護をもたらす投与量はな
い。既知筋肉弛緩剤のチザニジンは腹腔内3.1 mg/kgで
最大60%の保護を生ずるが、50 mg/kgまでの投与量では
それ以上の効果を生じない。筋肉弛緩及び抗けいれん作
用をもつ既知の不安解消剤のジアゼパムは、腹腔内投与
1.2 mg/kgの ED50で投与量に関連する抑制を生ずる。し
かし、ストリキニンで誘発される発作の完全な抑制には
非常に高い投与量が必要である。対照的に、本発明化合
物類の多くは、ED50の4倍の範囲の投与量でストリキニ
ン発作に対して100%保護する。本発明化合物類のうち、
腹腔内投与でのED50は、4-メチル-3-フェニル-5-エチル
スルフィニル-4H-1,2,4-トリアゾールで14.4 mg/kg; 4-
メチル-3-フェニル-5-エチルスルホニル-4H-1,2,4-トリ
アゾールで19.3 mg/kg; 4-メチル-3-フェニル-5-メチル
スルホニル-4H-1,2,4-トリアゾールで12.8 mg/kg;及び4
-メチル-3-(2-フルオロフェニル)-5-エチルチオ-4H-1,
2,4-トリアゾールで18.6 mg/kgであが、一方経口的に投
与されたときのED50は、4-メチル-3-フェニル-5-エチル
スルフィニル-4H-1,2,4-トリアゾールで8.1 mg/kg; 4-
メチル-3-フェニル-5-エチルスルホニル-4H-1,2,4-トリ
アゾールで8.5 mg/kg; 4-メチル-3-フェニル-5-メチル
スルホニル-4H-1,2,4-トリアゾールで7.3mg/kg;及び4-
メチル-3-(2-フルオロフェニル)-5-エチルチオ-4H-1,2,
4-トリアゾールで15.1 mg/kgである。
【0016】脊髄に対する障害は反射異常亢進として知
られる筋肉のけいれんの形態を生じるが、動物において
L. E.トレンブレイ及びJ. J. ベダ−ド(Neuropharmaco
logy25 (1986), 41-46)により記載されるように、そし
て人に於いてP. W. ナンス、A. H. シェア−ズ及びD.
M. ナンス(Paraplegia 27 (1989), 296-301)によって
記載されるように、クロニジン等の化合物で処置するこ
とによってこれを減少できる。しかしこの徴候に対して
は、クロニジンの使用は実際的でない。なぜならばクロ
ニジンは良く知られた血圧低下効果、及び中枢神経系抑
制作用を有しているからである。本発明の化合物はその
ような副作用なしに、慢性の反射異常亢進を処置するの
に有用である。反射異常亢進の処置に於ける有用性は、
式Iの化合物によって以前に示された抗けいれん、筋肉
弛緩、及び抗不安活性を共有している化合物と一般には
関連していない。
【0017】脊髄の障害から生じる筋肉のけいれん性を
処置するための本発明の化合物の有用性は、高められた
自発的な後ろ足の動作を有するラットにおいて試験され
た。試験の4〜6週間前に胸の中間水準において、麻酔
をかけたラットの脊髄を切開し、この形態の自発的な足
の動作を生じた。4−メチル−3−フェニル−5−メチ
ルスルホニル−4H−1,2,4−トリアゾ−ル又はク
ロニジンを腹腔内に与え、30分後、この活性を記録
し、まとめ、分析するように設計されたコンピュ−タ−
化された装置によって、処置動物及び未処置対称につき
反射活性を測定した。下の表Iに示されるよに、5mg/k
g以上の4−メチル−3−フェニル−5−メチルスルホ
ニル−4H−1,2,4−トリアゾ−ル又は3.1μg/
kg以上のクロニジンで処置されたラットに於いて実質的
な筋肉のけいれん性が実質的に減少した。
【0018】 表 1 4-メチル-3-フェニル-5-メチルスルホニル-4H-1,2,4-トリアゾ−ル クロニジン 投与量mg/kg まとめた活性 投与量μg/kg まとめた活性(腹腔内) 抑制% (腹腔内) 抑制% 5.0 137±10 3.1 130.2±43.9 10.0 42.9±12.7 12.5 50.4±9.8 20.0 75.3±19.3 50.0 32.5±9.5 40.0 51.3±11.9
【0019】上記とは対称的に、一方の後ろ足を引張る
ことによって誘発された反射活性は、試験化合物によっ
ては減少せず、本発明の化合物が反射機構を一般的に影
響することなしに自発的な動作に対する比較的選択的な
作用を有することを示唆している。
【0020】使用において本発明化合物類は、比較的急
速な作用発現を示し、また持続的な作用をもっている。
概して化合物類は、一日体重kg当たり約0.25-25 mgの投
与水準で治療効果を示すであろうが、当然ながら症状の
程度、患者の年齢、及び担当の診断医が決めるその他の
因子が、各患者に適した正確な治療過程と最適投薬計画
に影響するであろう。一般に、活性化合物の非経口投与
量は、経口投与量にほぼ等しい。この化合物は抑欝性又
は失調症性の副作用に対する低い可能性を有する。
【0021】経口投与には、化合物をカプセル剤、丸
薬、錠剤、トローチ剤、散剤、溶液、懸濁液、又は乳濁
液のような固体や液体製剤に処方できる。固体単位適量
形式はカプセルでありうる。これは、例えば乳糖、庶糖
又はコーンスターチのような潤滑剤や不活性充填剤を含
有する通常のゼラチン型のものでありうる。もう一つの
態様では、一般式Iの化合物は、アラビアゴム、コーン
スターチ又はゼラチンのような結合剤、ポテトスターチ
やアルギニン酸のような崩壊剤、及びステアリン酸やス
テアリン酸マグネシウムのような潤滑剤と組合わせた乳
糖、庶糖及びコーンスターチのような慣用の錠剤基剤と
一緒に錠剤化できる。
【0022】非経口投与には、生理学的に受け入れられ
る増量剤中の化合物の溶液又は懸濁液の注射適量として
化合物を投与できる。これには、水、アルコール、油、
及び他の受け入れられる有機溶媒のような無菌液体の薬
学担体を伴い、また表面活性剤や他の薬学的に受入れら
れる助剤を加えても加えなくてもよい。これらの製剤に
使用できる油の例は石油、動植物、合成起源のもの、例
えば落花生油、大豆油、及び鉱油である。一般に水や食
塩水、デキストロース水溶液及び関連の糖溶液、エタノ
ール、プロピレングリコールやポリエチレングリコール
のようなグリコール類、又は2-ピロリドンが、特に注射
溶液用に好ましい液体担体である。
【0023】デポー注射やインプラント製剤の形で化合
物類を投与でき、これらは活性成分の持続的放出を許容
するような形で処方できる。活性成分をペレットや小円
筒形に圧縮し、デポー注射又はインプラントとして皮下
又は筋肉内に移植できる。インプラントは生物によって
分解できる重合体や合成シリコーン、例えばダウ・コー
ニング・コーポレーション製シリコーンゴムのシラスチ
ックのような不活性材料を使用できる。
【0024】薬理学的活性をもち治療上の最終用途のあ
る化合物類の多くの部類で当てはまるように、その部類
のある亜属グループとある特定的成員が、全体的治療指
数と生化学的及び薬理学的プロフィルのために好まし
い。この場合、式Iの好ましい化合物類は、R1とR2基が
メチル又はエチルのもの、R置換基がクロロ又はフルオ
ロのもの、Rn置換基がモノクロロ又はモノフルオロ置換
基のもの、nがゼロのもの、mがゼロのもの、及びArがフ
ェニルのものである。特定的には、好ましい化合物類は
以下のとおりである。4-メチル-3-フェニル-5-メチルス
ルホニル-4H-1,2,4-トリアゾール、5-エチルスルフィニ
ル-4-メチル-3-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾール、5-エ
チルスルホニル-4-メチル-3-フェニル-4H-1,2,4-トリア
ゾール、4-メチル-5-メチルスルフィニル-3-フェニル-4
H-1,2,4-トリアゾール、5-エチルチオ-3-(2-フルオロフ
ェニル)-4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール、3-(2-フル
オロフェニル)-4-メチル-5-メチルスルホニル-4H-1,2,4
-トリアゾール、3-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-5-
メチルチオ-4H-1,2,4-トリアゾール、3-(2-フルオロフ
ェニル)-4-メチル-5-メチルスルフィニル-4H-1,2,4-ト
リアゾール、3-(4-フルオロフェニル)-4-メチル-5-メチ
ルチオ-4H-1,2,4-トリアゾール、3-(2-クロロフェニル)
-4-メチル-5-メチルチオ-4H-1,2,4-トリアゾール、4-エ
チル-3-(2-フルオロフェニル)-5-メチルチオ-4H-1,2,4-
トリアゾール、及び5-エチルチオ-4-メチル-3-フェニル
-4H-1,2,4-トリアゾール。
【0025】
【実施例】以下の特定的な調製例と実施例は、本発明化
合物類の調製を例示するために記載されているが、例示
された化合物類の範囲は限定的なものではなく、式I化
合物を調製するのが容易である点からも、このことが言
える。必要な中間体と溶媒の交換使用、又は変更は、当
業者に自明である。
【0026】調製例1 1-(2-フルオロベンゾイル)-4-
メチルチオセミカルバジド 4-メチルチオセミカルバジド(7.9 g、7.5x10-2モル)とC
HCl3(190 ml)のかきまぜた室温懸濁液に塩化2-フルオロ
ベンゾイル(9.4 ml、7.9x10-2モル)を滴加した。室温で
一夜かきまぜてから、沈殿物をろ過によって集め、生成
物をEt2O二回分で洗った。吸引による乾燥は無色粉末を
生じ、これをそれ以上精製せずに次の環化段階に使用し
た。 代わりの手順:4-メチルチオセミカルバジド(10.5 g、
1.00 x 10-1モル)とピリジン250 mlのかきまぜた室温溶
液に塩化2-フルオロベンゾイル(11.9 ml、1.00 x10-2
ル)を滴加した。室温で一夜かきまぜてから、過剰のピ
リジンを減圧下に初めは回転蒸発器で、次に高真空中で
蒸発させた。これは、望んでいる生成物とピリジン塩酸
塩との混合物を生じたが、これをそれ以上精製せずに次
の環化段階に使用する。
【0027】調製例2 4-メチル-1-(2-ナフトイル)チ
オセミカルバジド 4-メチルチオセミカルバジド(5.91 g、5.62 x 10-2モ
ル)とピリジン150 mlのかきまぜた室温溶液に、塩化2-
ナフトイル(10.7 g、5.61x10-2モル)を加えた。一夜か
きまぜてから、ピリジンを減圧下に蒸発させた。濃縮液
を水で処理し、溶解されない生成物をろ過によって集
め、吸引乾燥した。アセトン/エタノ−ルからの結晶化
で灰白色の針状物が得られた。融点211℃(分解)。
【0028】調製例3 5-(2-フルオロフェニル)-2,4-
ジヒドロ-4-メチル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン 1-(2-フルオロベンゾイル)-4-メチルチオセミカルバジ
ド(11.3 g、4.97x10-2モル)又はこれとピリジン塩酸塩
との上記混合物、及びNaHCO3の1モル水溶液(480ml、4.8
0x10-1モル)をかきまぜて、還流まで加熱した。一夜還
流してから、反応を氷浴中で冷却し、次に濃塩酸(40 m
l、4.8x10-1モル)の滴加によって酸性化した。生ずる沈
殿物をろ過によって集め、少量の水で洗い、吸引乾燥し
た。これは無色粉末5.0 g(48%)を生じた。この材料は次
段階へ進めるのに十分な純度のものであった。所望によ
り、この材料をEtOAc/ヘキサンから結晶化すると無色針
晶を生じた。融点137-139℃。
【0029】調製例4 2,4-ジヒドロ-4-メチル-5-(2-
ナフチル)-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン 4-メチル-1-(2-ナフトイル)チオセミカルバジド(12.9
g、4.97x10-2モル)及び1M NaHCO3水溶液(480ml、4.80x1
0-1モル)をかきまぜて、還流まで加熱した。一夜還流し
てから、反応を氷浴中で冷却し、次いで濃塩酸(40 ml、
4.8x10-1モル)の滴加によって酸性化した。生ずる生成
物をろ過によって集め、吸引乾燥した。エタノ−ルから
結晶化してベ−ジュ色の針状物を得た。融点223-225
℃。
【0030】実施例1 3-(2-フルオロフェニル)-4-
メチル-5-メチルチオ-4H-1,2,4-トリアゾール 5-(2-フルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-4-メチル-3H-1,
2,4-トリアゾール-3-チオン(4.56 g、 2.18x10-2
ル)、K2CO3(3.01 g、2.18x10-2モル)、ヨウ化メチル(1.
5 ml、2.4x10-2モル)及びアセトン65 mlの混合物をかき
まぜて、還流まで加熱した。一夜還流してから、溶媒を
蒸発させ、濃縮物を水で処理した。水性混合物をEtOAc
で3回抽出した。EtOAc抽出液を一緒にし、NaCl飽和水溶
液で洗い、無水Na2SO4で乾燥した。乾燥剤をろ過によっ
て除去し、ろ液を減圧下に蒸発させると、薄黄色の油を
生じ、これをクロマトグラフィとクーゲルロア蒸留によ
って精製すると、薄黄色の油を生じた。沸点190-197℃
(0.3 mm)。
【0031】実施例2 4-メチル-5-メチルチオ-3-(2
-ナフチル)-4H-1,2,4-トリアゾール 2,4-ジヒドロ-4-メチル-5-(2-ナフチル)-3H-1,2,4-トリ
アゾール-3-チオン(5.26 g、2.18x10-2モル)、K2CO3(3.
01 g、2.18x10-2モル)、ヨウ化メチル(1.5 ml、2.4x10
-2モル)、及びアセトン65mlの混合物をかきまぜて、還
流まで加熱した。一夜還流してから、溶媒を減圧下に蒸
発させ、濃縮物を水で処理した。水性混合物をEtOAcで3
回抽出した。EtOAc抽出液を一緒にし、NaCl飽和水溶液
で洗い、無水Na2SO4で乾燥した。乾燥剤をろ過によって
除去し、ろ液を減圧下に蒸発させると、所望の生成物を
生じた。EtOAcから結晶化すると無色のプレ−ト状物、
融点177-179℃が得られた。
【0032】実施例3 3-(2-フルオロフェニル)-4-
メチル-5-メチルスルフィニル-4H-1,2,4-トリアゾール 3-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-5-メチルチオ-4H-1,
2,4-トリアゾール(5.0g、2.2x10-2モル)とCH2Cl2(125 m
l)のかきまぜた0℃の溶液に、m-クロロペルオキシ安息
香酸(4.83 g、2.24x10-2モル、80%活性MCPBA)を少量ず
つ加えた。室温で一夜かきまぜてから、反応を均質にな
るまでCH2Cl2で希釈し、次にNaHCO3飽和水溶液で2回、N
aCl飽和水溶液で1回洗った。無水Na2SO4で乾燥後、CH2C
l2を蒸発させると油が残り、徐々に結晶化した。EtOAc/
ヘキサンからの結晶化は無色固体を生じた。融点95-97
℃。
【0033】実施例4 4-メチル-5-メチルスルフィ
ニル-3-(2-ナフチル)-4H-1,2,4-トリアゾール 4-メチル-5-メチルチオ-3-(2-ナフチル)-4H-1,2,4-トリ
アゾール(4.00 g、1.57x10-2モル)とCH2Cl2(110 ml)の
かきまぜた0℃の溶液に、m-クロロペルオキシ安息香酸
(3.38 g、1.57x10-2モル)を少量ずつ加えた。室温で一
夜かきまぜてから、反応をCH2Cl2(200 ml)で希釈し、Na
HCO3飽和水溶液で2回、NaCl飽和水溶液で1回洗い、無水
Na2SO4で乾燥した。乾燥剤をろ過によって除去し、ろ液
を減圧下に蒸発させるとオフホワイト色の固体が残り、
これをフラッシュクロマトグラフィ(4%CH3OH/EtOAc)で
精製した。トルエンからの結晶化は小さな無色プレ−ト
状物を生じた。融点224-226℃。
【0034】実施例5 3-(2-フルオロフェニル)-4-
メチル-5-メチルスルホニル-4H-1,2,4-トリアゾール 3-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-5-メチルチオ-4H-1,
2,4-トリアゾール(5.0g、2.2x10-2モル)とCH2Cl2(125 m
l)のかきまぜた0℃の溶液に、m-クロロペルオキシ安息
香酸(12.1 g、5.6x10-2モル、80%活性MCPBA)を少量ずつ
加えた。室温で一夜かきまぜてから、反応をCH2Cl2で均
質になるまで希釈し、NaHCO3飽和水溶液で2回、NaCl飽
和水溶液で1回洗った。無水Na2SO4で乾燥後、CH2Cl2
減圧下に蒸発させると固体が残り、これをクロマトグラ
フィとEtOAc/ヘキサンから結晶化で精製すると、からみ
あった(マット)無色針状物を生じた。融点128-130℃。
【0035】実施例6 4-メチル-5-メチルスルホニ
ル-3-(2-ナフチル)-4H-1,2,4-トリアゾール 4-メチル-5-メチルチオ-3-(2-ナフチル)-4H-1,2,4-トリ
アゾール(5.62 g、2.20x10-2モル)とCH2Cl2(125 ml)の
かきまぜた0℃の溶液に、m-クロロペルオキシ安息香酸
(12.1 g、5.6x10-2モル、80%活性MCPBA)を少量ずつ加え
た。反応を0℃で1時間かきまぜてから、室温に暖めた。
一夜かきまぜてから、反応をCH2Cl2で均質になるまで希
釈した。CH2Cl2溶液をNaHCO3飽和水溶液とNaCl飽和水溶
液で洗った。無水Na2SO4で乾燥後、CH2Cl2を減圧下に蒸
発させると所望の生成物を生じ、これをエタノ−ルから
再結晶させ灰白色のプレ−ト状物を得た。融点204-206
℃。
【0036】調製例5 1-ベンゾイル-4-メチルチオ
セミカルバジド 安息香酸ヒドラジド(2.35g、 1.73x10-2モル)及びTHF
(50ml)の攪拌溶液にメチルイソチオシアネ−ト(1.14
g、 1.56x10-2モル)及びTHF(50ml)の溶液を加えた。
反応を次に2時間還流させ、その後冷却した。沈殿を瀘
過で集め、エタノ−ルで結晶化し、無色の固体を得た、
融点199〜200℃。
【0037】調製例6 4-メチル-5-フェニル-2,4-ジ
ヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾ−ル-3-チオン 1-ベンゾイル-4-メチルチオセミカルバジド(20.9g、 1.
00x10-1モル)及び1モルの水性NaHCO3(1000ml,
1モル)の攪拌混合物を還流に加熱した。一夜還流後、
反応物を氷浴で冷却した。攪拌しながら溶液を注意深く
濃HCl(92ml、 1.1モル)の滴下によって酸性にし
た。無色の沈殿が形成し、これを順次瀘過で集めた。エ
タノ−ルから結晶化すると無色のずんぐりした結晶が得
られた、融点164〜166℃。参照文献:G. ヤング及びW.
J. オ−テス、J. Chem. Soc., 79,G59 (1901)。
【0038】実施例7 4-メチル-3-フェニル-5-メチ
ルチオ-4H-1,2,4-トリアゾ−ル 4-メチル-5-フェニル-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾ
−ル-3-チオン(5.0g、2.6x10-2モル)及び1モルの水性
NaOH(59ml、 5.9x10-2モル)の攪拌溶液にヨウ化メ
チル(2.6ml、 4.2x10-2モル)とエタノ−ル(13ml)の溶
液を加えた。反応物を3時間攪拌し、これを次に冷蔵庫
に入れた。冷蔵庫で一夜放置後、沈殿を瀘過で集めた。
イソプロパノ−ルから結晶化すると、無色の針状物を得
た、融点134〜135℃。参照文献:E. ホッガ−ス、J. Ch
em. Soc., 1918 (1949).
【0039】実施例8 4-メチル-3-フェニル-5-メチ
ルスルホニル-4H-1,2,4-トリアゾ−ル 4-メチル-3-フェニル-5-メチルチオ-4H-1,2,4-トリアゾ
−ル(4.2g、 2.05x10-2モル)及びCH2Cl2(120ml)の
攪拌した0℃の混合物にMCPBA(11.0g、 5.1x10-2
ル、80%活性のMCPBA)を滴下した。30分後、冷
却浴を除去した。一夜攪拌後、反応物をCH2Cl2(120
ml)で希釈し、生じる混合物を分液漏斗に移し、ここで
飽和水性NaCHO3で2回洗浄し、そして飽和水性N
aClで1回洗浄した。無水Na2SO4上で乾燥後、C
2Cl2を減圧で蒸発させ、粗生成物を与え、これをフ
ラッシュクロマトグラフィ−(20% EtOAc/CH2Cl2)で精
製し、EtOAc/ヘキサンから結晶化して無色の結晶を得
た。融点158〜160℃。
【0040】実施例9〜30 調製例1の手順で適当な酸塩化物を代用し、又は実施例
7の手順に従って適当な酸ヒドラジド及びイソチオシア
ネ−トを置き換え、生ずるチオセミカルバジドを調製例
3、実施例1、3及び5の手順に従って反応させると、
下表の式I化合物類が得られる。
【化5】 実施例 Rn-(Ar)-(CH2)m q R1 R2 融点 ℃ 9 フェニル 0 CH3 CH3 134-136 10 フェニル 1 CH3 CH3 144-146 11 フェニル 0 C2H5 CH3 94-99 12 フェニル 1 C2H5 CH3 131-133 13 フェニル 2 C2H5 CH3 141-143 14 4-フルオロフェニル 0 CH3 H 145-146 15 4-フルオロフェニル 0 CH3 CH3 193-195 16 3-フルオロフェニル 0 CH3 CH3 151-153 17 3-フルオロフェニル 2 CH3 CH3 175-177 18 2-フルオロフェニル 0 CH3 C2H5 油 19 2-フルオロフェニル 0 C2H5 CH3 95-97 20 2-フルオロフェニル 1 C2H5 CH3 63-67 21 2-フルオロフェニル 2 C2H5 CH3 145-147 22 2-クロロフェニル 0 CH3 CH3 油 23 4-クロロフェニル 0 CH3 CH3 105-107 24 4-クロロフェニル 0 CH3 C2H5 113-115 25 4-メトキシフェニル 0 CH3 CH3 149-151 26 4-メトキシフェニル 1 CH3 CH3 168-170 27 4-メトキシフェニル 2 CH3 CH3 187-189 28 4-トリル 0 CH3 CH3 140-142 29 4-トリル 1 CH3 CH3 161-163 30 4-トリル 2 CH3 CH3 170-172
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランシス ピ−タ− ミラ− アメリカ合衆国 45150 オハイオ州 ラブランドブロ−ドウェイ 336 (72)発明者 ジョン マイケル ケイン アメリカ合衆国 45236 オハイオ州 シンシンチディアウェスタ− ドライブ 6813 (56)参考文献 特開 昭63−201176(JP,A) 特開 昭63−170312(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/4196 A61P 21/02 C07D 249/12 CA(STN) MEDLINE(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 〔式中Arはフェニル又はナフチル、R1はC1-6低級ア
    ルキル、R2は水素又はC1-6低級アルキルであり、RはC
    1-6低級アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ
    ゲノ、又はトリフルオロメチルであり、nはゼロ、1又
    は2であるか、又はRn-(Ar)がメチレンジオキシフェ
    ニルであっり、mとqの各々はゼロ、1又は2である。〕
    の化合物又は製薬上受入れられるその塩の治療有効量を
    含めてなる、脊髄損傷から生じる反射異常亢進の処置
    剤。
  2. 【請求項2】 Arがフェニルである、請求項1に記載
    の処置剤。
  3. 【請求項3】 mがゼロである、請求項2に記載の処置
    剤。
  4. 【請求項4】 nがゼロ又は1、mがゼロであり、Rが
    ハロゲンであり、R1とR2が独立にメチル又はエチルで
    ある、請求項1に記載の処置剤。
  5. 【請求項5】 qがゼロである、請求項4に記載の処置
    剤。
  6. 【請求項6】 qが1である、請求項4に記載の処置
    剤。
  7. 【請求項7】 qが2である、請求項4に記載の処置
    剤。
  8. 【請求項8】 化合物が4-メチル-3-フェニル-5-メチル
    スルホニル-4H-1,2,4-トリアゾール、4-メチル-3-フェ
    ニル-5-エチルスルホニル-4H-1,2,4-トリアゾール、5-
    エチルチオ-3-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-1,2,
    4-トリアゾール、3-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-5-
    メチルスルホニル-4H-1,2,4-トリアゾール、及び4-メチ
    ル-3-フェニル-5-エチルスルフィニル-4H-1,2,4-トリア
    ゾールからなる群から選ばれる、請求項1に記載の処置
    剤。
  9. 【請求項9】 化合物が4-メチル-3-フェニル-5-メチ
    ルスルホニル-4H-1,2,4-トリアゾールである、請求項1
    に記載の処置剤。
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