JP3048056B2 - 光学活性α―クロロカルボン酸エステルの製法 - Google Patents

光学活性α―クロロカルボン酸エステルの製法

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JP3048056B2
JP3048056B2 JP2013458A JP1345890A JP3048056B2 JP 3048056 B2 JP3048056 B2 JP 3048056B2 JP 2013458 A JP2013458 A JP 2013458A JP 1345890 A JP1345890 A JP 1345890A JP 3048056 B2 JP3048056 B2 JP 3048056B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/62Halogen-containing esters
    • C07C69/63Halogen-containing esters of saturated acids

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、対応する光学活性α−ヒドロキシカルボン
酸エステルから光学活性α−クロロカルボン酸エステル
を製造する方法に関する。これらの化合物は、特に除草
剤として有効な化学薬品を得ることができる公知の化学
的中間体である。光学活性除草剤を調製することの利点
は、それが対応するラセミ化合物の半分の用量で除草活
性をもつという点にある。このため、特に環境の保護に
関し多大な利点が得られることになる。
〔従来の技術〕
できるかぎり高い効率でこの合成を実現するため、す
でに数多くの方法が提案されてきた。
例えばフランス特許第2459221号は、第1段階におい
て、乳酸アルコイルのクロロサルファイトの分解温度よ
りも低く保たれた温度において、混合物中に導入された
乳酸アルコイルの量に対し少なくとも2.5モル%過剰の
塩化チオニルを、反応混合物中に保ち、次に第2段階に
おいて、第1段階の結果得られた反応混合物を乳酸アル
コイルのクロロサルファイトの分解温度以上の温度にま
で加熱することにより、塩化チオニル及び有機塩基の存
在する中で、ラセミ体又は光学活性の乳酸アルコイルエ
ステルを塩素化することを開示している。
欧州特許出願明細書EP−A−0163435号は、第3アミ
ンの存在する中でのホスゲンによる乳酸アルキルの塩素
化を記載する。この反応は、その後に分解される式CH3
−CH(−OCOCl)−CO2Rで示されるクロロホルミエート
中間体を経由する。
しかしながら、この方法は、大量(化学量論比)のア
ミンの使用を必要とし、その後にこのアミンを除去する
作業を含む。その上この方法に、大量の過剰なCOCl2
必要である。西ドイツ特許出願明細書DE−A−1135893
号によると、79%の収率で対応する塩素含有化合物を導
き出すため、50〜55℃の温度で約10%ジメチルホルムア
ミドが存在する中で、過剰のホスゲンと1−ブチン3−
オールを反応させることを開示する。しかしながら、こ
の明細書は、ラセミ体化合物が問題となっているという
単純な理由から、光学異性に関するいかなる教示を与え
てくれるものではない。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上分析してきた先行技術にかんがみ、本発明の第1
の目的は、光学活性カルボン酸エステルから出発して、
すぐれた光学活性を保ちつつ、すぐれた光学的収率で2
−クロロカルボン酸エステルを最終的に得ることができ
る、他の方法を提案することにある。
本発明のさらに他の目的は、特に再処理段階が単純な
方法を提案することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、対応する光学活性α−ヒドロキシカルボ
ン酸エステルから光学活性α−クロロカルボン酸エステ
ルを製造する方法において、前記α−ヒドロキシカルボ
ン酸エステルをホスゲン並びに脂肪族ラクタム、脂肪族
尿素及び脂肪族アミドからなる群より選ばれた1種の化
合物と接触させることからなり、α−ヒドロキシカルボ
ン酸エステルに対するホスゲンのモル比が0.9〜3であ
り、ホスゲンに対する脂肪族ラクタム、脂肪族尿素及び
脂肪族アミドからなる群より選ばれた1種の化合物のモ
ル比が1/100〜1/2であり、そして40℃より高くかつ100
℃以下の温度でこの接触を行なうことを特徴とする方法
によって解決することができる。好ましくは、光学活性
α−クロロカルボン酸エステルは下式を有する。
そして対応する光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エ
ステルは下式を有する。
R1およびR基はそれぞれ独立に、特に次の基から選ば
れる: C1−C18直鎖又は分枝鎖のアルキル、好ましくはC1−C
12、 C2−C18直鎖又は分枝鎖のアルケニル、好ましくはC2
−C12、 C2−C18直鎖又は分枝鎖のアルキニル、好ましくはC2
−C12、 C3−C18直鎖又は分枝鎖のシクロアルキル、好ましく
はC3−C12、 C6−C14直鎖又は分枝鎖のアリール、好ましくはC6−C
10、 C7−C15直鎖又は分枝鎖のアルアルキル、好ましくはC
7−C11、。
なお、これらの基は場合によって単数又は複数のハロ
ゲン原子、C1−C6アルコキシ基又はアルキルチオ基によ
り置換されていてもよく、さらにアリール又はアルアル
キル基は、1〜4個の炭素原子の代わりに、酸素、硫
黄、窒素から選ばれた1〜4個の異種原子を、例えばフ
リル、チオフェニル、ピリジル基として含んでいてもよ
い。
好ましくは、R1はC1−C6アルキル基、RはC1−C6アル
キル、またはC7−C11アルキル基、好ましくはメチル基
である。
アミドとしては、 式、R2CO−NR3R4 (III) (式中、R2は、同一又は相違してもよい水素原子、C1
C6アルキル基、C3−C10シクロアルキル基(なお炭素原
子1〜3個は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ば
れたそれぞれ1〜3個の異種原子により置換されていて
もよい)を表し、R3,R4は、C1−C6アルキル基、C3−C10
シクロアルキル基(なお1〜3個の炭素原子は、酸素、
硫黄及び窒素原子から選ばれたそれぞれ1〜3個の異種
原子により置換されていてもよい)を表す。)で示され
るものを挙げることができる。
例えば本発明に適するアミドとしては、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−N−ジメチルアセトアミドを挙げ
ることができる。
本発明の方法に従って用いることのできるラクタムと
しては、 式、 (式中、R5はC1−C6アルキル基、C3−C10シクロアルキ
ル基(なお、1〜3個の炭素原子は酸素、硫黄又は窒素
原子から選ばれたそれぞれ1〜3個の異種原子により置
換されていてもよい)を表し、R6はC2−C10アルキレン
基(なお1〜3個の炭素原子は酸素、硫黄及び窒素原子
から選ばれた1〜3個の異種原子によりそれぞれ置換さ
れていてもよい)を表す)で示されるものを挙げること
ができる。
本発明に適するラクタムの例としては、特にN−メチ
ル−ピロリドンを挙げることができる。
本発明に基づく方法において使用可能な尿素として
は、次式で示されるものを挙げることができる: 式、 (式中、R7,R8,R9,R10は、同一又は相違していてもよ
く、水素原子、C1−C6アルキル基、C3−C10シクロアル
キル基(なお1〜3個の炭素原子は酸素、硫黄及び窒素
原子から選ばれたそれぞれ1〜3個の異種原子により置
換されていてもよい)を表す)。
例えば、本発明に適する尿素としては、テトラメチル
−尿素を挙げることができる。
上述の3種の化合物のうち、好ましいのはアミド又は
ラクタムである。反応は、非プロトン性溶媒の大量、或
いは存在のもとで行なうことができる。溶剤によって、
2−クロロプロピオン酸エステルは、特に満足な結果を
得、これによって操作を連続化し、かつ生成したクロロ
プロピオン酸エステルを分離することができ、かつ反応
物および最終生成物の間に定常状態をもたらすことがで
きる。非プロトン性溶媒としては、n−ペンタン、イソ
ペンタン、2−メチルヘキサン、2,2,5−トリメチルヘ
キサンのような飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼンのような芳香族炭化水素、テトラヒ
ドロフラン、イソペンチルエーテルのような飽和脂肪族
エーテル、ベンジルエチルエーテルのような芳香族エー
テル、メチル−エチルケトン、メチルイソブチル−ケト
ン、アセトフェノンなどの飽和脂肪族又は芳香族ケト
ン、モノ又はポリハロベンゼン、1−クロロ−2メチル
プロパン、クロロイソブタンのような芳香族又は脂肪族
飽和ハロゲン化炭化水素、酢酸イソブチル、酢酸エチ
ル、安息香酸メチルのような飽和脂肪族又は芳香族エス
テルを挙げることができる。これらの溶媒はすべて、単
独であってもよいし混合状態であってもよい。
なお、置換基の場所がこれらの置換基より前に表示さ
れているということを除き、使用されている命名法がフ
ランス式であることをここで強調しておきたい。
これらの溶媒のうち好ましいのは、ハロゲン化又は非
ハロゲン化芳香族炭化水素である。
反応が溶媒の存在する中で行なわれる場合、反応生成
物の希釈度は、特に溶液全体に対する重量百分率で0.5
〜99%、好ましくは5〜50%である。
α−ヒドロキシカルボン酸エステルに対するCOCl2
モル比は大きな範囲内で変化しうるが、当業者ならば反
応が完了するためにはこのCOCl2とα−ヒドロキシカル
ボン酸エステルの比が少なくとも1に近いということを
容易に理解できることであろう。
しかしCOCl2/α−ヒドロキシカルボン酸エステルのモ
ル比は0.9〜3が好ましく、0.95〜1.5の比を選ぶことが
有利であり、さらに有利なのは、1〜1.2である。アミ
ド、ラムタム及び尿素に関しては、COCl2に対するモル
比が1/100〜1/2、好ましくは1/5未満となるような量を
用いる。反応温度は、0〜100℃が有利である。
他の有利な実施態様によると、得られたクロロプロピ
オン酸C1−C3アルキルに比べて沸点の高いアミド、尿
素、ラクタム及び溶媒を使用することにより、反応装置
の底でアミド・ラムタム又は尿素及び溶媒を回収し、こ
れを再循環させることが可能となる。
以下の例は本発明を説明するものではあるが、本発明
を制限するものではない。
〔実施例〕
DMFの存在下でのCOCl2による乳酸メチルの塩素化 50mlの三口フラスコの中に、30mlのクロロベンゼン、
6.05g(58.2mMol)のR−(+)乳酸メチル(光学的純
度96 7%)及び450μのジメチルホルムアミドを装入
する。
この混合物を80℃に加熱し、この温度で6.32g(63.8m
Mol)のCDCl2を1.33時間で加える。反応混合物を1時間
80℃に保ち、次に急速に大気温度まで冷却する。
内部標準としてジクロロ−1,2−ベンゼンが存在する
中でのガスクロマトグラフィでの秤量に従い、6.6gのS
−(−)−クロロプロピオン酸メチルを含む暗赤色の粗
製反応混合物を得る(収率92.5%)。
この反応混合物を20mlの水で加水分解する。水相を傾
瀉させ、次にCH2Cl2で一回洗浄する。有機層を併せて、
水で3回洗浄し、次に一晩Na2SO4上で脱水する。
全有機相の一部分を採取し、次に真空下で蒸留する。
33℃,30mbarで蒸留する留分を除去する。
キラルカラムを用いたガスクロマトグラフィで目的の
留分を分析すると、得られたS−(−)−クロロプロピ
オン酸メチルには3.2%の右旋性 R−(+)−クロロピロピオン酸メチルが含まれている
ことがわかる(光学的収率約100%) DMFの存在下でのCOCl2による乳酸イソブチルの塩素化 50mlの三口フラスコの中に、30mlのクロロベンゼン、
9.36g(64.1mMol)のR−(+)−乳酸イソブチル(α
=+14.1、光学的純度97.9%)及び490μのジメチ
ルホルムアミドを装入する。
混合物を80℃に加熱し、次にこの温度で6.98g(70.5m
Mol)のCOCl2を2.83時間で加える。反応混合物を1時
間、80℃に保ち、次に急速に大気温度まで冷却する。
内部標準としてジクロロ−1,2−ベンゼンが存在する
中でのガスクロマトグラフィでの秤量に従い、9.44gの
S−(−)−クロロプロピオン酸イソブチルを含む濃い
オレンジがかった黄色の粗製反応生成物を得る(収率90
%)。
この反応混合物を20mlの水で加水分解する。水相を傾
瀉させ、次にCH2Cl2で1回洗浄する。有機層を併せて水
で2回洗浄し、一晩Na2SO4上で脱水する。
ジクロロメタンを大気温度で真空下で追い出し、クロ
ロベンゼンを22mbar,29℃で追い出す。5mbar,20〜43.5
℃で蒸留する初留分を除去し、5mbar,44℃〜45.5℃で蒸
留する中心留分を、キラル固定相を含むカラム上のガス
クロマトグラフィで分析する。この分析から、得られた
S−(−)−クロロプロピオン酸イソブチルが2.9%の
右旋性 (R−(+)−クロロプロピオン酸イソブチル)を含ん
でいることがわかる(光学的収率約96%)。
DMFの存在の下でのCOCl2による乳酸イソブチルの塩素化 50mlの三口フラスコの中に、30mlのクロロベンゼン、
及び470μのジメチルホルムアミドを装入する。混合
物を80℃に加熱し、次にこの温度で平行して8.82g(60.
4mMol)のR−(+)乳酸イソブチルと6.66g(67.3mMo
l)のCOCl2を1.17時間で加える。反応混合物を80℃に1
時間保ち、次に急速に大気温度まで冷却する。
内部標準としてジクロロ−1,2−ベンゼンが存在する
中でのガスクロマトグラフィでの秤量に従い、9.54gの
S−(−)−クロロプロピオン酸イソブチルを含む濃い
オレンジ色がかった黄色の粗製反応混合物を得る(収率
96%)。
この反応混合物を20mlの水で加水分解させる。水相を
傾瀉させ、次にCH2Cl2で一回洗浄する。有機層を併せ
て、水で2回洗浄し、次に一晩Na2SO4上で脱水する。
ジクロロメタンを大気温度で真空にて追い出し、クロ
ロベンゼンを29℃,22mbarで追い出す。5mbar,20〜43.5
℃で蒸留する初留分を除去し、5mbar,44℃〜45.5℃で蒸
留する中心留分を、キラル固定相を含むカラム上で蒸気
クロマトグラフィで分析する。この分析により、得られ
たS−(−)−クロロプロピオン酸イソブチルが2.7%
を含むことがわかる(光学的収率約99%)。
DMFの存在下でのCOCl2による乳酸イソブチルの塩素化 50mlの三口フラスコの中に、30mlのトリクロロ−1.2.
4.ベンゼンと480μのジメチルホルムアミドを装入す
る。混合物を80℃に加熱し、次にこの温度で平行して9.
01g(61.7mMol)のR−(+)−乳酸イソブチルと6.86g
(67.3mMol)のCOCl2を1時間で加える。反応混合物を8
0℃に1時間保ち、次に急速に大気温度まで冷却する。
内部標準としてクロロベンゼンが存在する中でのガス
クロマトグラフィでの秤量に従い、9.23gのS−(−)
−クロロプロピオン酸イソブチルを含む濃いオレンジ色
がかった黄色の粗製反応混合物を得る(収率91%)。
この反応混合物を20mlの水で加水分解させる。水相を
傾瀉させ、次にCH2Cl2で一回洗浄する。有機層を併せて
水で2回洗浄し次にNa2SO4上で一晩脱水する。
ジクロロメタンを大気温度、真空下で追い出し、クロ
ロベンゼンを22mbar,29℃で追い出す。5mbar,20〜43.5
℃で蒸留する初留分を除去し、5mbar,44〜45.5℃で蒸留
する中心留分をキラル固定相を含むカラム上でのガスク
ロマトグラフィにて分析する。この分析により、得られ
たS−(−)−クロロプロピオン酸イソブチルが2.7%
を含むことがわかる(光学的収率約99%)。
N,N−ジブチルホルムアミドの存在下でのCOCl2による乳
酸イソブチルの塩素化 50mlの三口フラスコの中に、28mlのトリクロロ−1.2.
4ベンゼン及び1.05mlのジブチルホルムアミドを装入す
る。混合物を80℃に加熱し、次にこの温度で平行して8.
39g(57.5mMol)のR−(+)−乳酸イソブチル及び6.2
6g(63.2mMol)のCOCl2を1時間で加える。反応混合物
を1時間80℃に保ち、次に大気温度まで急速に冷却す
る。
内部標準としてクロロベンゼンが存在する中でのガス
クロマトグラフィでの秤量に従い、8.74gのS−(−)
−クロロプロプオン酸イソブチルを含む濃い赤色がかっ
た栗色の粗製反応混合物を得る(収率92%)。
この反応混合物を20mlの水で加水分解する。水相を傾
瀉させ、次にCH2Cl2で1回洗浄する。有機層を併せて水
で2回洗浄し、Na2SO4上で一晩脱水する。
ジクロロメタンを真空下大気温度で追い出し、クロロ
ベンゼンを29℃,22mbarで追い出す。5mbar,20〜43.5℃
で蒸留する初留分を除去し、5mbar,44〜45.5℃で蒸留す
る中心留分を、キラル固定相を含むカラム上でガスクロ
マトグラフィにて分析する。この分析から、得られたS
−(−)−クロロプロピオン酸イソブチルが2.9%の右
旋性異性体(R−(+)−クロロプロピオン酸イソブチ
ル)を含むことがわかる(光学的収率約98%)。
DMACの存在下でのCOCl2による乳酸イソブチルの塩素化
(乳酸エステル+DMAC+溶媒の溶液へのホスゲンの付
加) 50mlの三口フラスコの中に、30mlのクロロベンゼン、
8.74g(60mMol)のR−(+)−乳酸イソブチル(α
=+14.1、光学的純度97.9%)及び550μのジメチル
アセトアミドを装入する。混合物を80℃に加熱し、次に
この温度で6.52g(65.8mMol)のCOCl2を1.15時間で加え
る。反応混合物を1時間、80℃に保ち、次に大気温度ま
で急速に冷却する。
内部標準としてジクロロ−1,2−ベンゼンが存在する
中でのガスクロマトグラフィでの秤量に従い、4.20gの
S−(−)−クロロプロピオン酸イソブチルを含む濃い
オレンジ色がかった黄色の粗製反応混合物を得る(収率
43.3%)。
この反応混合物を20mlの水で加水分解する。水相を傾
瀉させ、次にCH2Cl2で1回洗浄する。有機層を併せて2
回水で洗浄し、次にNa2SO4上で1晩脱水する。
ジクロロメタンを真空下、大気温度で追い出し、クロ
ロベンゼンを29℃,22mbarで追い出す。5mbar,20〜43.5
℃で蒸留する初留分を除去し、4mbar,44〜45.5℃で蒸留
する中心留分をキラル固定相を含むカラム上のガスクロ
マトグラフィにて分析する。
この分析から、得られたS−(−)−クロロプロピオ
ン酸イソブチルが3.5%の を含んでいることがわかる(光学的収率約97%)。
NMPの存在下でのCOCl2による乳酸イソブチルの塩素化
(乳酸エステル+NMP+溶媒の溶液へのホスゲンの添
加) 50mlの三口フラスコの中に、30mlのクロロベンゼン、
9.1g(62.3mMol)のR−(+)−乳酸イソブチル(α
=+14.1、光学的純度97.9%)及び600μのN−メチ
ルピロリドンを装入する。混合物を80℃に加熱し、この
温度で6.79g(69mMol)のCOCl2を1.15時間で加える。反
応混合物を1時間、80℃に保ち、次に急速に大気温度ま
で冷却する。
内部標準としてジクロロ−1,2−ベンゼンが存在する
中でのガスクロマトグラフィでの秤量に従い、7.21gの
S−(−)−クロロプロピオン酸イソブチルを含む濃い
オレンジ色がかった黄色の粗製反応混合物を得る(収率
70%)。
この反応混合物を20mlの水で加水分解する。水相を傾
瀉させ、次にCH2Cl2で1回洗浄する。有機層を併せて水
で2回洗浄し、Na2SO4で一晩脱水する。
ジクロロメタンを真空下、大気温度にて追い出し、ク
ロロベンゼンを29℃,22mbarで追い出す。5mbar,20〜43.
5℃で蒸留する初留分を除去し、4mbar,44〜45.5℃で蒸
留する中心留分をキラル固定相を含むカラム上のガスク
ロマトグラフィで分析する。この分析から、得られたS
−(−)−クロロプロピオン酸イソブチルが2.3%の右
旋性異性体(R−(+)−クロロプロピオン酸イソブチ
ル)を含んでいることがわかる(光学的収率約99%)。
TMUの存在下でのCOCl2による乳酸イソブチルの塩素化
(乳酸エステル+TMU+溶媒の溶液へのホスゲンの添
加) 50mlの三口フラスコの中に、30mlのクロロベンゼン、
10.95g(75mMol)のR−(+)−乳酸イソブチル(α
=+14.1、光学的純度97.9%)及び900μのテトラメ
チル尿素(TMU)を装入する。混合物を80℃に加熱し、
次にこの温度で8.17g(82.5mMol)のCOCl2を1.5時間で
加える。反応混合物を80℃に1時間保ち次に急速に大気
温度まで冷却する。
内部標準としてジクロロ−1,2ベンゼンが存在する中
でのガスクロマトグラフィでの秤量に従い、1.66gのS
−(−)クロロプロピオン酸イソブチルを含む濃いオレ
ンジ色がかった黄色の粗製反応混合物を得る(収率13.4
%)。
この反応混合物を20mlの水で加水分解する。水相を傾
瀉させ、次にCH2Cl2で1回洗浄する。有機層を併せて、
2回水で洗浄し、次にNa2SO4上で一晩脱水する。
ジクロロメタンを真空下、大気温度にて追い出し、ク
ロロベンゼンを29℃,22mbarで追い出す。5mbar,20〜43.
5℃で蒸留する初留分を除去し、4mbar,44℃〜45.5℃で
蒸留する中心留分をキラル固定相を含むカラム上のガス
クロマトグラフィで分析する。この分析から、得られた
S−(−)−クロロプロピオン酸イソブチルが5.9%の
右旋異性体(R−(+)−クロロプロピオン酸イソブチ
ル)を含んでいることがわかる(光学的収率約92%)。
N−ホルミル−モルフォリンの存在下でのCOCl2による
乳酸イソブチルの塩素化 50mlの三口フラスコの中に、30mlのトリクロロ−1,2,
4ベンゼン、ならびに0.86mlのN−ホルミルモルフォリ
ンを装入する。混合物を80℃に加熱し、次に平行してこ
の温度で12.54g(85.9mMol)のR−(+)−乳酸イソブ
チルと9.34g(94.3mMol)のCOCl2を1.05時間で加える。
反応混合物を1時間、80℃に保ち、次に急速に大気温度
まで冷却する。
内部標準としてジクロロ−1,2ベンゼンが存在する中
でのガスクロマトグラフィでの秤量に従い、11.78gのS
−(−)クロロプロピオン酸イソブチルを含む濃いオレ
ンジ色がかった黄色の粗製反応混合物を得る(収率96
%)。
反応混合物の一部分を真空下で蒸留する。5mbar,20〜
43.5℃で蒸留する初留分を除去し、5mbar,44℃〜45.5℃
で蒸留する中心留分をキラル固定相を含むカラム上のガ
スクロマトグラフィで分析する。この分析から、得られ
たS−(−)−クロロプロピオン酸イソブチルが3.3%
を含んでいることがわかる(光学的収率約98%)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジュヌビエーブ パディッラ フランス国,69360 ソレーズ,ロティ スマン ルピュイ(番地なし) (72)発明者 アリベーロ ラジョアリソン フランス国,38130 エシロール,アレ フランソワ ビロン・16 (56)参考文献 特開 昭60−255752(JP,A) 特開 昭56−7743(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/63 - 69/657 C07C 67/307

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対応する光学活性α−ヒドロキシカルボン
    酸エステルから光学活性α−クロロカルボン酸エステル
    を製造する方法において、前記α−ヒドロキシカルボン
    酸エステルをホスゲン並びに脂肪族ラクタム、脂肪族尿
    素及び脂肪族アミドからなる群より選ばれた1種の化合
    物と接触させることからなり、α−ヒドロキシカルボン
    酸エステルに対するホスゲンのモル比が0.9〜3であ
    り、ホスゲンに対する脂肪族ラクタム、脂肪族尿素及び
    脂肪族アミドからなる群より選ばれた1種の化合物のモ
    ル比が1/100〜1/2であり、そして40℃より高くかつ100
    ℃以下の温度でこの接触を行なうことを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】前記α−クロロカルボン酸エステルが下記
    式、 で示され、前記光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エス
    テルが下記式、 で示され、上記式IおよびIIにおいて、RおよびR1はそ
    れぞれ独立に C1−C18直鎖又は分枝鎖のアルキル基、 C2−C18直鎖又は分枝鎖のアルケニル基、 C2−C18直鎖又は分枝鎖のアルキニル基、 C3−C18直鎖又は分枝鎖のシクロアルキル基、 C6−C14直鎖又は分枝鎖のアリール基、および C7−C15直鎖又は分枝鎖のアルアルキル基から選ばれ、
    これらの基は、場合によって単数又は複数のハロゲン原
    子、C1−C6アルコキシ又はアルキルチオ基により置換さ
    れており、アリール又はアルアルキル基はさらに1〜4
    個の炭素原子の代わりに、酸素、硫黄、窒素から選ばれ
    た1〜4個の異種原子を含むことができる、請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】R1はC1−C6アルキル基であり、RはC1−C6
    アルキル又はC7−C11アルアルキル基である、請求項2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】a)アミドは、式、 R2CO−NR3R4 (III) (式中、R2は、水素原子、C1−C6アルキル基、C3−C10
    シクロアルキル基(なお炭素原子1〜3個は酸素原子、
    硫黄原子及び窒素原子から選ばれたそれぞれ1〜3個の
    異種原子により置換されていてもよい)を表し、R3,R4
    は、同一又は相違するものであって、C1−C6アルキル
    基、C3−C10シクロアルキル基(なお1〜3個の炭素原
    子は、酸素、硫黄及び窒素原子から選ばれたそれぞれ1
    〜3の異種原子により置換されていてもよい)を表す)
    で示され、 b)ラクタムは、式、 (式中、R5はC1−C6アルキル基、C3−C10シクロアルキ
    ル基(なお1〜3個の炭素原子は、酸素、硫黄及び窒素
    原子から選ばれたそれぞれ1〜3個の異種原子により置
    換されていてもよい)を表し、R6はC2−C10アルキレン
    基(なお、1〜3個の炭素原子は、酸素、硫黄及び窒素
    から選ばれたそれぞれ1〜3の異種原子により置換され
    ていてもよい)を表す)で示され、 c)尿素は、式、 (式中、R7,R8,R9,R10は、同一又は相違していてもよ
    く、水素原子、C1−C6アルキル基、C3−C10シクロアル
    キル基(なお1〜3個の炭素原子は酸素、硫黄及び窒素
    原子から選ばれたそれぞれ1〜3個の異種原子で置換さ
    れていてもよい)を表す)で示される、請求項1に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】反応は溶剤中で行なわれる、請求項1に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】反応が大量に、かつ連続して行なわれる、
    請求項1に記載の方法。
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