JP3047575U - 鶏卵洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樋状の傾斜している送卵通路を流れる温湯が
通路の上流に逆流し、通路の上端から外に流れ出すこと
を防止し、以って温湯の有効利用を図る鶏卵洗浄装置を
提供する。 【解決手段】 樋状の傾斜している送卵通路の傾斜角度
を、給湯口付近から上部についてのみ高める。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、殻付卵を洗浄する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の洗浄装置としては、例えば、実用新案登録１２８８９５４号で 開示されているものがある。すなわち、樋状の複数条の通路（送卵通路）を、供 給側が低く排卵側が高くなるように傾斜して設け、洗浄しようとする鶏卵は各条 の送卵通路を下から上へと上り勾配の通路を上方へと進む。温湯は送卵通路内を 上端付近から下に流れるが、通路は幅を限られて細長く、しかも勾配を有するた め、この中を進む鶏卵は温湯の流れを自らほぼせき止めるに近い状態で進むこと になる。これにより、少量の温湯で充分な温浴みが可能となり、温湯の有効利用 がかなり達成できる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の従来技術によると、送卵通路を流れる温湯は樋状の通路 の上端付近から放出され、しかも流れる温湯を鶏卵がせき止めるに近い状態で送 卵通路内を上流に進むため、温湯の一部が下り勾配の通路を下ることなく、樋状 通路内を上へと進む鶏卵とともに上り勾配の通路を上に進み、送卵通路の上端か ら流出するという問題点があった。 本考案の目的は、かかる温湯の流出を防止し、送卵通路の上端付近から放出さ れる温湯の全てを鶏卵の洗浄に利用することによって、温湯の更なる有効利用を 達成できる装置を提供することにある。

【０００４】 上記目的を達成するための手段として、まず考えられるのは、樋状の送卵通路 の幅を広くすることによって鶏卵の上流への進行に伴う温湯の逆流を防止するこ とである。たしかに、樋状の送卵通路の幅を広げれば、そこを進む鶏卵が温湯の 流れを自らほぼせき止めるという状態は発生せず、送卵通路内での温湯はスム− ズに下方に流れることになる。しかし、送卵通路内の温湯がスム−ズに下方に流 れるということは、反面、少量の温湯で充分な温浴みという当初の効用の減殺を 意味し、致命的な欠点となる。

【０００５】 そこで、次に考えられる手段は、温湯の流れる送卵通路全体の傾斜角度を温湯 の逆流を防止しうる程度に高めることである。これにより前者と同じく、送卵通 路の上端から温湯の逆流は防止できる。しかし、送卵通路全体の傾斜角度を高め れば勾配を下る温湯の流れは速くなり、結果的に少量の温湯で充分な温浴みとい う当初の効用も前者におけると同様、減殺されることになる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

ここで求められているのは、送卵通路の上端からの温湯の逆流を防止しながら なお少量の温湯で充分な温浴みという当初の効用を維持するための解決手段であ る。これに応えるため、本考案では、送卵通路の傾斜角度を温湯の逆流を防止し うる程度に高めるも、それは給湯口付近より上流側の送卵通路にとどめ、給湯口 付近より下流側の送卵通路の傾斜角度は緩やかなものとするのである。 すなわち、まず、給湯口付近より上流側の送卵通路のみ、その傾斜角度を温湯 の逆流を防止しうる程度に高めることによって、温湯が送卵通路の上端から流出 するのを防止できる。次に、給湯口付近から下流側の送卵通路の傾斜角度を緩や かなものとすることによって、下方へ流れる湯面の深度が深くなり、少量の温湯 で充分な温浴みという当初の効用は維持できる。 この様に、本考案によって初めて、送卵通路の上端からの温湯の逆流防止と、 少量の温湯で充分な温浴みという、両立し難い２つの要請の両立が可能となる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。 図１は、本考案にかかる鶏卵洗浄装置の側面図である。 １は梯形送卵無端鎖であって、送卵横桟２の多数を互いに平行に並べ、駆動チ ェ−ン３より梯状に連鎖してなり、その給卵側は低く排卵側は高くして傾斜設置 されている。各送卵横桟２は、相隣れる相互間に鶏卵１個収容可能な間隙を有す る。４は梯形送卵無端鎖１の裏側に沿い、その駆動方向に通る細長い複数条の通 路であって、梯形送卵無端鎖１に平行して傾斜設置されている。送卵通路４の各 条は、鶏卵１個が横たわった姿勢で転がり得る程度の幅を有し、その上端付近に は給湯口７が臨む。梯形送卵無端鎖１と送卵通路４の傾斜角度は、給湯口付近か ら上流側にかけて大きくする。

【０００８】

【考案の効果】

本考案は、梯形送卵無端鎖１と送卵通路４の傾斜角度を給湯口付近から上流側 にかけて大きくすることにより、送卵通路４の上端からの温湯の逆流を防止し、 以って温湯の更なる有効利用が可能となる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す。

【図１】本考案にかかる鶏卵洗浄装置の要部切開側面図
である。

【図２】送卵通路の斜視図である。

【図３】梯形送卵無端鎖の一部切断斜視図である。

【図４】梯形送卵無端鎖と送卵通路との相互間における
鶏卵の関係位置と姿勢を示す図で、（ａ）はその断面
図、（ｂ）はその平面図である。

【符号の説明】

１ 梯形送卵無端鎖 ２ 送卵横桟 ３ 駆動チェ−ン ４ 送卵通路 ５ 桶状通路 ６ 洗浄ブラシ装置 ７ 給湯口 ８ 給卵コンベア ９ 鶏卵 −4−

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】送卵横桟の多数を互いに平行に梯状に連鎖
   して成る梯形送卵無端鎖を、その給卵側を低く排卵側を
   高くして傾斜架設するとともに、その裏側に沿い、その
   駆動方向に通る細長い複数条の送卵通路を傾斜設置し、
   且つその送卵通路の各条を桶状通路となし、その桶状通
   路の上端付近に給湯口を臨む鶏卵洗浄装置において、梯
   形送卵無端鎖と送卵通路の傾斜角度を給湯口付近から上
   部についてのみ高める鶏卵洗浄装置。