JP3047293B1 - 荷電粒子ビ―ム装置およびこれを用いた半導体集積回路 - Google Patents

荷電粒子ビ―ム装置およびこれを用いた半導体集積回路

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JP3047293B1
JP3047293B1 JP11009583A JP958399A JP3047293B1 JP 3047293 B1 JP3047293 B1 JP 3047293B1 JP 11009583 A JP11009583 A JP 11009583A JP 958399 A JP958399 A JP 958399A JP 3047293 B1 JP3047293 B1 JP 3047293B1
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Abstract

【要約】 【課題】荷電粒子ビーム通路を構成する構造物に付着す
るコンタミネーションの帯電による荷電粒子ビーム位置
変動を少なくする。 【解決手段】電子ビーム描画装置の第1の絞り3、偏向
器4、第2の絞り6、対物絞り8、偏向器9、電子検出
器13を光触媒作用をもつ物質で構成し、光源14Aか
ら光源14Eを取り付ける。これらの光源14A〜14
Eで光触媒作用をもつ物質を照射することにより光触媒
反応を起こさせ、これらに付着したコンタミネーション
が除去される。その他に、螢光体物質に荷電粒子ビーム
を照射することにより、螢光物質から特定の波長の光を
発生させ、その光を光触媒作用をもつ物体に照射させて
そこに付着していたコンタミネーションを分解させる方
法も可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路な
どの観察、加工、描画に用いられる荷電粒子ビーム装置
に関し、特に荷電粒子ビーム装置の真空鏡体内部に付着
した炭素や水分等の化合物による汚染物質を分解して、
微細パターンの露光を高精度かつ安定して行うことがで
きる荷電粒子ビーム装置およびこれを用いた半導体集積
回路に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型電子顕微鏡や収束イオンビーム装
置、電子ビーム描画装置に代表される荷電粒子ビーム装
置は、電子ビームやイオンビームを試料上に照射して観
察、加工、描画を行う装置である。半導体の製造、検査
に用いる測長用走査電子顕微鏡や電子ビーム描画装置
は、対象とする素子の寸法が年々微細になり、その結
果、各装置に要求されるビームの位置精度が高くなって
いる。電子ビーム描画装置では、ポイントビーム、可変
成形ビーム、一括描画方式へとスループットを向上させ
るために装置が発展してきた。この反面、電子ビーム通
路にある絞りや偏向器などの構造物の数が増え、かつ形
状も複雑となっている。これらの構造物に直接あるいは
間接にビームが照射されると、汚染物質いわゆるコンタ
ミネーションが発生する。このコンタミネーションは炭
素を含む有機物が多く、導電性が少なくビームが当たる
と帯電する。この帯電により発生する電場で、ビームの
軌道が曲げられる。このビームの軌道が時間的に変化
し、いわゆるビームドリフトとなってビーム位置精度を
低下させている。
【0003】このコンタミネーションを除去するための
提案としては、例えば、特開平9―134861号公報
などに記載されているように、ビーム通路にある構造物
を加熱したり、あるいはプラズマを用いてクリーニング
する方法が提案されている。すなわち、上記公報に記載
の荷電粒子ビーム露光方法では、露光装置の鏡体内の荷
電粒子ビーム照射によりコンタミネーション汚染が生じ
易い場所、例えばビーム成形用絞り板などの表面に付着
する汚染物質膜の膜厚を測定する手段を設けて、その膜
厚測定手段による膜厚測定結果に基づいてビーム形成分
絞り板の絞り開口パターンを清浄なものと交換して使用
するか、あるいは鏡体内に内蔵された等を用いて汚染物
質膜を除去している。ここで、表面状態測定手段として
は、荷電粒子ビームの照射により内部表面から励起放出
される特性エックス線を測定することにより、内部表面
に形成されている汚染物質被膜の構成元素を分析する元
素分析器が用いられる。また、上記の汚染物質膜除去手
段による表面清浄化処理には、例えば汚染物質被膜に遠
紫外光を照射して被膜を光分解・放散させるか、加熱ヒ
ータを用いて被膜を加熱して被膜を熱分解・放散させる
か、被膜に酸素プラズマを接触させて被膜を化学的ある
いは物理化学的に分解除去させるか、イオンビームを照
射して被膜を物理化学的にエッチング除去するか、のい
ずれかの方法が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、高価な膜厚測定手段を設けて膜厚を測定する
必要があるため、コスト高になるとともに作業量も多く
なる。また、表面清浄化処理のために、汚染物質被膜に
イオンビームを照射したり、酸素プラズマを接触させた
り、加熱ヒータにより加熱させたり、あるいは遠紫外光
を照射させる方法であるため、それらの余分な設備を施
す必要があり、コスト高となる。さらに、付着膜厚を測
定した結果、許容限界値に達した時点で、新しい絞り板
と交換する場合には、交換処理に余分な部品と作業数が
必要となる。このように高価な設備を施こすことなく、
構造物に付着した汚染物質であるコンタミネーションを
簡単に分解・除去することにより、コンタミネーション
の帯電に基づく荷電粒子ビームの位置変動をなくすこと
が課題となる。
【0005】そこで、本発明の目的は、このような従来
の課題を解決し、高価な設備を施こすことなく、荷電粒
子ビーム通路を構成する構造物に付着するコンタミネー
ションを簡単かつ安価な方法で分解・除去することがで
き、コンタミネーションの帯電に起因する荷電粒子ビー
ム位置変動を少なくすることができる荷電粒子ビーム装
置およびこれを用いた半導体集積回路を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の荷電粒子ビーム装置では、荷電粒子ビー
ム通路周囲の壁、絞り、偏向器などの構造物を光触媒作
用により有機物を分解する物質で構成し、これらの物質
に光触媒作用を起こす光を照射することにより、上記
壁、絞り、偏向器などの構造物に付着したコンタミネー
ションを分解し、これをガス化して排気をする。ま
た、光触媒作用を起こす波長の光源(例えば、紫外線を
発光する光源)を備えて、該光源からの光を構造物に付
着したコンタミネーションに照射することにより、その
コンタミネーションを分解・除去する。 また、偏向器のみを光触媒作用をもつ物質で構成し
て、この偏向器に光を照射することにより、偏向器に付
着したコンタミネーションを分解・除去する。 また、特別な波長の光源を設けることなく、装置内の
荷電粒子ビームの通路周典の壁、絞り、偏向器などの構
造物に螢光体物質を施こし、これらの螢光体物質に通常
の荷電粒子ビームを照射することにより、特定の波長の
光を発生させて、光触媒反応により構造物に付着したコ
ンタミネーションを用解する。 また、装置内の壁、絞り、偏向器などの構造物を、光
触媒作用を持つ物質で構成するか、光触媒作用を持つ物
質を表面に塗装することにより、これらの物質に荷電粒
子ビームを照射することで、構造物に付着したコンタミ
ネーションを分解する。 さらに、これらの光触媒作用を持つ物質が、Ti
2、ZnO、ZnS、WO3、Fe23、GaAs、C
dSe、GaAsP、CdS、SrTiO3、GaP、
In23、MoO3、ZrO2、Ta25、K4Nb
617、Na2Ti613、BaTi49のうちの1つ以
上を含んだ物質とする。例えば、コンタミネーションの
付着した構造物のうち、ある場所では1つを含む物質、
他の場所では2つを含む物質を施こす。 本発明の半導体集積回路装置は、上記〜に記載の
荷電粒子ビーム装置を用いて加工製造したものとする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面に
より詳細に説明する。 (第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例を示す
電子ビーム描画装置の断面図であり、図2は、比較のた
めに示す通常の電子ビーム描画装置の断面図である。第
1の実施例では、荷電粒子ビーム通路周囲の壁、絞り、
偏向器などの構造物を光触媒作用により有機物を分解す
る物質で構成し、これらの物質に光触媒作用を起こす光
を照射してコンタミネーションを分解しガス化して排気
をする。これにより、コンタミネーションの帯電に起因
するビーム位置変動を少なくする。
【0008】図2は、一括図形描画方式の電子ビーム描
画装置であって、電子銃1から放出された電子ビーム2
は第1の絞り3上に照射され、成形レンズ5により第2
の絞り6上に結像される。この第2の絞り6上の像は縮
小レンズ7で投影され、対物絞り8を通過して対物レン
ズ10に入る。さらに対物レンズ10と偏向器9で投影
偏向されて、感光剤の塗布された試料11上に投影され
描画を行う。このとき、第2の絞り6にあらかじめ設け
てある複数のパターン形状の開口を、偏向器4により選
択する。対物レンズ10で偏向可能な領域以外は、XY
ステージ12を移動させて描画を行う。位置合せのため
のXYステージ12上のマークや試料11上のマーク
を、電子検出器13からの信号で測定する。
【0009】図2に示すように、通常の電子ビーム描画
装置では、真空鏡体内部の電子ビームにより照射される
壁、絞り、偏向器などの部分に、炭素、水分等が有機化
合物となって付着するコンタミネーション汚染が発生す
る。すなわち、通常、装置内のビーム通路は真空である
が、残留気体分子や試料から飛散する有機物などで偏向
器や絞りなど通路内の構造物に有機物などのコンタミネ
ーションが付着する場合がある。つまり、最初から微量
の水素や炭素の化合物が存在する他、電子ビームを照射
することにより試料から飛散する有機物等が真空鏡体内
に存在する。これらの有機化合物が真空鏡体内の壁、絞
り、偏向器などに付着する。この物質は導電性が少な
く、電子ビームが照射されることにより、有機化合物に
(−)電荷が帯電する。時間が経過すると帯電が進んで
不要な電界を発生させ本来のビーム軌道を乱すことにな
る。この電界は、時間的に変化し、装置稼動状態の履歴
などにも影響されるために、予測することが困難で、こ
れによるビーム位置変動が描画精度を落とす原因の一つ
になっている。
【0010】上記問題を解消するために、図1に示すよ
うな第1の実施例である電子ビーム描画装置を提案し
た。このビーム通路上の構造物を光触媒作用をもつ物質
で構成し、主に紫外線の光をこの物質上に照射すること
によりコンタミネーションを除去することが可能とな
る。勿論、ビーム通路上の構造物の表面に光触媒作用を
もつ物質を塗布したり、コーティングすることも含まれ
ている。これは、図1の電子ビーム描画装置における第
1の絞り3、偏向器4、第2の絞り6、対物絞り8、偏
向器9、電子検出器13を、それぞれ光触媒作用をもつ
物質で構成するか、あるいは光触媒作用をもつ物質を塗
布またはコーティングする。そして、第1の絞り3およ
び偏向器4に紫外線の光を照射するための光源14E、
第2の絞り6に照射するための光源14D、対物絞り8
に照射するための光源14C、偏向器9に照射するため
の光源14B、および電子検出器13に照射するための
光源14Aを、それぞれ取り付ける。
【0011】光源14Bは偏向器9を、光源14Cは対
物絞り8を、光源14Dは第2の絞り6を、それぞれ照
射する。また、電子検出器13はXYステージ12の端
部に光源14Aを設置し、試料交換など描画を行ってい
ないときに光の照射を行う。また、例えば偏向器4は、
内径が小さいために偏向器9のように斜め下からの照射
ができない場合とする。この時には、導入機構15の先
端に光源14Eを設置して、偏向器4の直下まで移動さ
せれば、第1の絞り3および偏向器4の両方に光を照射
することができる。この場合には、ビームを止めてもよ
いし、中央にビームの通過可能な穴を設けておけば、ビ
ームを止める必要はない。また、光源14Eの代わりに
反射鏡を設置して、装置外側から光を導入してもよい。
【0012】(第2の実施例)図3は、本発明の第2の
実施例を示す断面図であって、偏向器4および/または
9だけを光触媒作用をもつ物質で構成するか、あるいは
光触媒作用をもつ物質を塗布またはコーティングする場
合を示している。ビーム照射を長時間続行すると、次第
にコンタミネーション汚染が進行し、ビーム成形用絞り
板の開口部形状を変化させて、成形ビームの形状寸法を
変化させたり、ビーム通過経路に近接する鏡体内表面を
帯電させてビーム位置の変動を引き起こすことになる。
このような原因を最も生じ易い部分が偏向器4,9であ
ることから、本実施例では、偏向器4および/または9
のみを光触媒作用をもつ物質で構成するか、あるいは光
触媒作用をもつ物質を塗布またはコーティングする。こ
れだけでも、相当の効果を奏するものと考える。図3
は、偏向器9の部分の断面図を示したものである。ここ
で、偏向器9は表面に光触媒物質16を形成したもので
ある。物質16には、コンタミネーション18が付着し
ている。なお、光触媒作用を持つ物質に光を照射する光
源としては、水銀ランプ、重水素ランプ、Deep U
Vランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、ブ
ラックライトなどがある。これらの光源14Bから放射
された光17を照射する。これにより、偏向器9に付着
している,主に有機物であるコンタミネーション18が
分解され、排気される。
【0013】以下、光触媒反応の原理を述べる。半導体
を、バンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光を
照射して励起すると、電子正孔対が生ずる。この電子と
正孔を表面に取り出し、吸着物質と反応させると酸化還
元反応を起こすことができる。例えば、光触媒物質のう
ち光触媒活性の高さと化学的な安定性から,現在最も広
範に用いられているものは酸化チタン(TiO2)であ
る。これ以降は、酸化チタンを用いて説明する。酸化チ
タンのバンドギャップは約3eVで波長は400nmで
ある。この波長の紫外線を照射すると、強い酸化作用が
起こり表面に付着した有機物が酸化され、最終的には二
酸化炭素と水に分解される。この反応レートは低いが、
真空装置である荷電粒子装置内に付着する有機物の量は
少なく、清浄な状態を維持することは容易である。最近
の研究では、sol-gel法、スプレー法、ディップコーテ
ィング法などの方法で、物質の表面に厚さ1ミクロン程
度の膜を形成させる方法が確立されてきた。この方法を
用いることにより、電極などの構造物表面に光触媒作用
をもつ物質を形成することができる。また、空気中の酸
素による自然酸化膜でも、同様の効果が得られる。
【0014】(第3の実施例)図4は、本発明の第3の
実施例を示す荷電粒子ビーム装置の一部断面図である。
この場合には、螢光体物質により壁、絞り、偏向器など
を構成し、これら物質に荷電粒子ビームを照射すること
により特定の波長の光を発生させ、その光による光触媒
反応を起こさせて、コンタミネーションを分解する方法
を示している。加速されエネルギーを持った荷電粒子が
蛍光物質に照射されると、ある波長の光を放出する。こ
の蛍光物質を荷電粒子で照射し、波長を光触媒反応に適
するものを選べば、新たな光源を設置する必要はない。
成形絞りや制限絞りのように常に荷電粒子ビームが照射
されている絞りに、上記のような蛍光物質を用いれば、
光触媒反応の光源となる。図4に示す第3の実施例で
は、第2の絞り6上に蛍光物質19を塗布し、ここで制
限されるビームが蛍光物質19に照射されるている状態
を示す。ここから発する光17が、光触媒物質16が形
成された偏向器4に照射され光触媒反応によりコンタミ
ネーションが分解される。勿論、第1の絞り3、および
対物絞り8に螢光物質を塗布するか、絞り自体3,8を
螢光物質で構成することによっても、全く同じように適
用できる。すなわち、荷電ビームが第1の絞り3および
/または対物絞り8に照射されることにより、螢光物質
から光17が発生して壁、偏向器4等の光触媒物質の形
成された面に照射する。その結果、光触媒反応により偏
向器4等の表面に付着されていたコンタミネーションを
分解する。光触媒反応が最も効率良く起こる波長の光を
発生させるために、蛍光物質の種類を選択するか、照射
する荷電ビームのエネルギーを選択すれば、最も効率良
くコンタミネーションを分解することが可能になる。
【0015】(第4の実施例)図5は、本発明の第4の
実施例を示す荷電粒子ビーム装置の部分断面図である。
この場合には特別な光源が不要であり、荷電粒子ビーム
を照射するだけで、光触媒作用をもつ物質が光に反応し
てコンタミネーションを分解する方法を示している。光
触媒反応は、半導体をバンドギャップ以上のエネルギー
を持つ波長の光を照射して励起することにより促進され
る。したがって、このエネルギーを直接荷電粒子ビーム
から与えても反応が起こることになる。図5において
は、第2の絞り6上で反射した電子ビーム2Aが、光触
媒物質16が形成された偏向器4に照射されることによ
り、光触媒反応によりコンタミネーションが分解され
る。また、偏向器4よりも上側で偏向された電子ビーム
2Bを、直接、光触媒物質16に照射してもよい。勿
論、直接照射した場合にも、光触媒反応により偏向器4
の表面に付着されたコンタミネーションが分解される。
なお、この場合、光触媒作用をもつ物質に直接照射する
荷電粒子ビームのエネルギーを光触媒作用が最も効率的
に起こる値を選べば、効率良くコンタミネーションを分
解することができる。
【0016】(第5の実施例)図6は、本発明の第5の
実施例を示す走査型電子顕微鏡の断面図である。図1〜
図5に示した荷電粒子ビーム装置と異なる点は、装置自
体が小型であり、真空鏡体内の構成要素が少ないことで
ある。この場合にも、全く同じようにして、第1〜第4
の実施例が適用できる。図6では、第1の実施例を適用
した場合が示されている。電子銃1から出た電子ビーム
2は第1の絞り3を通過し、縮小レンズ7で収束された
後、第2の絞り6上で結像する。この像を対物レンズ1
0でXYステージ12上の試料11に投影する。電子ビ
ーム2は偏向器9で偏向され、対物絞り8で制限され
る。試料11から出た2次電子は電子検出器13で補足
され、観察像を形成する。走査型電子顕微鏡において
も、コンタミネーションの帯電によるビームの位置変動
は性能劣化の原因となる。このため、対物絞り8や電子
検出器13、対物レンズ10内の壁を光触媒作用をもつ
物質で構成し、光源14Fや光源14Gを設置し光を照
射する。これにより、第1の実施例と同様の光触媒反応
を引き起こして、コンタミネーションの除去を行うこと
ができる。さらに、図3に示した第2の実施例のよう
に、偏向器のみを光触媒作用をもつ物質で構成し、光源
から光を偏向器に照射することにより、偏向器に付着し
たコンタミネーションを除去することができる。また、
図4に示した第3の実施例のように、装置内に螢光体物
質を具備して、これに荷電粒子ビームを照射することで
特定の波長の光を発生させて、光触媒反応により構造物
に付着したコンタミネーションを除去することができ
る。また、図5に示した第4の実施例のように、光触媒
作用をもつ物質に荷電粒子ビームを直接照射することに
より、構造物に付着したコンタミネーションを除去する
ことができる。
【0017】(第6の実施例)本実施例では、イオンビ
ームを螢光体物質あるいは光触媒作用をもつ物質で構成
された構造に照射することにより、コンタミネーション
を除去する方法を説明する。第1〜第5の実施例では、
電子ビーム描画装置および走査型電子顕微鏡を示した
が、電子銃をイオン銃に、電子ビームをイオンビームに
置きかえれば、本発明を収束イオンビーム装置にも適用
可能である。このとき、イオンビームに関しても収束レ
ンズや絞りその他の機構は電子ビーム装置の場合と同じ
機能をもつ。なお、第1〜第6の実施例で説明した光触
媒作用をもつ物質の具体的名称としては、TiO2、Z
nO、ZnS、WO3、Fe23、GaAs、CdS
e、GaAsP、CdS、SrTiO3、GaP、In2
3、MoO3、ZrO2 、Ta25、 K4 Nb6
17 、Na2 Ti613 、K2 Ti613 、BaTi4
9が挙げられる。なお、これらの物質のうち1つある
いは2つ以上含有した物質で真空鏡体内の構造物を構成
するか、あるいはその物質で構造物の表面をコーティン
グする。
【0018】(第7の実施例)図7は、本発明の電子ビ
ーム描画方法を用いた半導体集積回路の製造工程を示す
図である。図7Aから図7Dは、その工程を示す素子の
断面図である。Nマイナスシリコン基板20に、通常の
方法でPウエル層21、P層22、フィールド酸化膜2
3、多結晶シリコン/シリコン酸化膜ゲート24、P高
濃度拡散層25、N高濃度拡散層26、などを形成した
(図7A)。次に、リンガラス(PSG)の絶縁膜27
を被着し、絶縁膜27をドライエッチングしてコンタク
トホール28を形成した(図7B)。次に、通常の方法
でW/TiN電極配線30材を被着し、その上に感光剤
29を塗布し、本発明の電子ビーム描画方法を用いて感
光剤29のパターンニングを行った(図7C)。そし
て、ドライエッチングなどによりW/TiN電極配線3
0を形成した。
【0019】次に層間絶縁膜31を形成し、通常の方法
でホールパターン32を形成した。ホールパターン32
の中はWプラグで埋め込み、Al第2配線33を連結し
た(図7D)。以降のパッシベーション工程は、従来法
を用いた。なお、本実施例では主な製造工程のみを説明
したが、W/TiN電極配線形成のリソグラフィ工程
で、本発明の電子ビーム描画方法を用いたこと以外は従
来法と同じ工程を用いた。以上の工程により、質が低下
することなくパターンを形成することができ、CMOS
LSIを高歩留まりで製造することができた。本発明の
電子ビーム描画方法を用いて半導体集積回路を製作した
結果、描画精度が向上したことにより、歩留まりが向上
して生産量が増加した。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
荷電粒子ビーム装置内の構造物に付着するコンタミネー
ションを低減することができるので、帯電による荷電粒
子ビームの位置変動を少なくし、微細パターンの露光を
高精度かつ安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す荷電粒子ビーム装
置の断面図である。
【図2】比較のために示した通常の荷電粒子ビーム装置
の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す荷電粒子ビーム装
置の一部断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示す荷電粒子ビーム装
置の一部断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例を示す荷電粒子ビーム装
置の一部断面図である。
【図6】本発明の第5の実施例を示す走査型電子顕微鏡
の断面図である。
【図7】本発明の電子ビーム描画方法を用いた半導体集
積回路の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1:電子銃、2:電子ビーム、2A:反射した電子ビー
ム、2B:偏向された電子ビーム、3:第1の絞り、
4:偏向器、5:成形レンズ、6:第2の絞り、7:縮
小レンズ、8:対物絞り、9:偏向器、10:対物レン
ズ、11:試料、12:XYステージ、13:電子検出
器、14A:光源、14B:光源、14C:光源、14
D:光源、14E:光源、14F:光源、14G:光
源、15:導入機構、16:光触媒物質、17:光、1
8:コンタミネーション、19:蛍光物質、20:Nマ
イナスシリコン基板、21:Pウエル層、22:P層、
23:フィールド酸化膜、24:多結晶シリコン/シリ
コン酸化膜ゲート、25:P高濃度拡散層、26:N高
濃度拡散層、27:絶縁膜、28:コンタクトホール、
29:感光剤、30:W/Ti電極配線、31:層間絶
縁膜、32:ホールパターン、33:アルミ第2配線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早田 康成 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 斉藤 徳郎 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 H01J 37/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビームが通過する通路に面し、
    かつ光触媒作用をもつ物質で構成されるか、あるいは光
    触媒作用をもつ物質で表面をコーティングされた1つ以
    上の構造物と、 前記構造物の近傍に配置され、該構造物に光を照射する
    ための光源とを具備し、 前記光源からの光を前記物造物に照射することにより、
    光触媒作用をもつ物質を反応させ、該構造物に付着して
    いる汚染物質を分解することを特徴とする荷電粒子ビー
    ム装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置に
    おいて、 前記構造物は、荷電粒子ビームを偏向する1つ以上の偏
    向器であり、該偏向器に付着している汚染物質を、光触
    媒作用をもつ物質の反応により分解することを特徴とす
    る荷電粒子ビーム装置。
  3. 【請求項3】 光触媒作用をもつ物質で構成されるか、
    あるいは光触媒作用をもつ物質で表面をコーティングさ
    れ、かつ荷電粒子ビームを偏向する1つ以上の偏向器
    と、 光触媒作用をもつ物質で構成されるか、光触媒作用をも
    つ物質で表面をコーティングされ、かつ前記荷電粒子ビ
    ームの形状を制限する1つ以上の絞りと、 光触媒作用をもつ物質で構成されるか、光触媒作用をも
    つ物質で表面をコーティングされ、かつ試料からの放出
    された電子を検出し、位置合わせのためのステージ上の
    マークや該試料上のマークを測定するための電子検出器
    と、 前記偏向器、絞りおよび電子検出器の近傍に配置され、
    かつ該偏向器、絞りおよび電子検出器に光を照射するた
    めの1つ以上の光源とを具備し、 該偏向器、絞りおよび電子検出器に前記光源からの光を
    照射することにより、該偏向器、絞りおよび電子検出器
    に付着している汚染物質を、光触媒作用をもつ物質の光
    触媒反応により分解することを特徴とする荷電粒子ビー
    ム装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれかに
    記載の荷電粒子ビーム装置において、 前記光源は、光触媒作用を起こす波長を発生する光源で
    あり、前記光源から光を照射して光触媒反応により前記
    装置内の構造物に付着した汚染物質を分解することを特
    徴とする荷電粒子ビーム装置。
  5. 【請求項5】 荷電粒子ビームが通過する通路に配置さ
    れ、かつ螢光物質で構成されるか、あるいは螢光物質で
    表面をコーティングされた絞り等の第1の構造物と、 光触媒作用をもつ物質で構成されるか、あるいは光触媒
    作用をもつ物質で表面をコーティングされた偏向板、真
    空鏡体の壁等の第2の構造物とを具備し、 前記第1の構造物の蛍光体物質に荷電粒子ビームを照射
    することにより特定の波長の光を発生させ、前記螢光物
    質から発生された光が前記第2の構造物に照射されるこ
    とにより、光触媒反応により前記第2の構造物に付着し
    た汚染物質を分解することを特徴とする荷電粒子ビーム
    装置。
  6. 【請求項6】 光触媒作用をもつ物質で構成されるか、
    あるいは光触媒作用をもつ物質で表面をコーティングさ
    れ、かつ荷電粒子ビームを偏向する1つ以上の偏向器
    と、 光触媒作用をもつ物質で構成されるか、光触媒作用をも
    つ物質で表面をコーティングされ、かつ前記荷電粒子ビ
    ームの形状を制限する1つ以上の絞りと、 光触媒作用をもつ物質で構成されるか、光触媒作用をも
    つ物質で表面をコーティングされ、かつ試料からの放出
    された電子を検出し、位置合わせのためのステージ上の
    マークや該試料上のマークを測定するための電子検出器
    とを具備し、 光触媒作用をもつ前記物質に荷電粒子ビームを照射する
    ことにより、前記偏向器、絞りおよび電子検出器に付着
    した汚染物質を前記物質の光触媒反応により分解するこ
    とを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項5までのいずれかに
    記載の光触媒作用をもつ物質が、TiO2、ZnO、Z
    nS、WO3、Fe23、GaAs、CdSe、GaA
    sP、CdS、SrTiO3、GaP、In23、Mo
    3、ZrO2 、Ta25、 K4 Nb617 、Na2
    Ti613 、K2 Ti613 、BaTi49 のうち
    一つ以上を含有していることを特徴とする荷電粒子ビー
    ム装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項6までのいずれかに
    記載の荷電粒子ビーム装置を用いて加工製造したことを
    特徴とする半導体集積回路装置。
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