JP3047001U - 遠心形送風機の吸込口構造 - Google Patents

遠心形送風機の吸込口構造

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JP3047001U
JP3047001U JP1997008578U JP857897U JP3047001U JP 3047001 U JP3047001 U JP 3047001U JP 1997008578 U JP1997008578 U JP 1997008578U JP 857897 U JP857897 U JP 857897U JP 3047001 U JP3047001 U JP 3047001U
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欣一 嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 羽根車への吸入空気の流入の円滑を図って渦
流の発生を可及的に抑制し、回転羽根の風切り音を可能
なかぎり吸収して送風機騒音を低減すること。 【解決手段】 吸込口2に反羽根車側へラッパ状に拡が
る吸込ガイド3と、それに連なる吸込流導入空間4を画
成した有孔のインナーパネル9Aおよび空気層10を隔
ててそのインナーパネル9Aを外囲する無孔のアウター
パネル9Bを有した吸込箱5とが設けられる。吸込流導
入空間4は、羽根車軸6bの方向へ延びる略半円筒状空
間4Aと、その略半円筒状空間4Aに連なり羽根車軸6
bに直交する方向へ延び端部が大気に開放された略台形
状空間4Bとからなって、横断面が略釣り鐘状となって
いる。この吸込箱5を通過する際に送風機騒音が吸収さ
れ、吸込口側での減音が図られる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は遠心形送風機の吸込口構造に係り、詳しくは、吸込口内での発生騒音 や羽根の風切り音の外部放出を低減させることができるようにした送風機の吸音 構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
送風機から発生する騒音には種々あるが、騒音低減を図ることの要求されるの は放出音の最も大きくなる吸込口側である。すなわち、吸込口にダクトホース等 が接続されていない場合には、吸込口の内壁に発生する渦流音や羽根の風切り音 が吸込口の開口から外部に出ることになるからである。したがって、送風機の騒 音測定は、騒音が最も大きくなる吸込口に面して、例えば1メートル離れた位置 で計測される。
【0003】 ところで、吸込口の近傍は図7に示した構造となっていることが多い。遠心形 送風機においては、羽根車6が羽根車ケーシング8で覆われているが、遠心羽根 7の羽根車軸6bの上流側に位置する側板7aと羽根車6を外囲するケーシング 8との間は、羽根車を回転させる都合上隙間8aがあけられている。これによっ て以下のような弊害が生じる。
【0004】 羽根車ケーシング8内には羽根によって加圧された空気が残存する一方、羽根 車6に流入する空気25はやや負圧となっている。したがって、圧力の高いケー シング内空間から隙間8aを通って羽根車入口6aに向かう二次流れ31が発生 する。この二次流れは羽根車入口6aの側板7aの端部で大きく向きを変えて矢 印31aのように羽根車に流入するだけでなく、吸入空気25と合流するため、 側板入口縁で渦流32が発生することは避けられない。
【0005】 また、ダクトホース33を接続するための吸込円筒34等が設けられている場 合にダクトホースが接続されていなければ、二次流れのうち矢印31bのような 吸入空気25に逆行する流れが生じて、吸込円筒34の内壁近くにも渦流35が 発生する。さらには、羽根車ボス21の略円錐面でも吹き溜まりが生じる場合に は、そこに渦36が発生するのを助長することもある。
【0006】 以上の渦流の発生による騒音以外に、羽根に吸入空気が流入するときに羽根の 流入側で風切り音が発生することもよく知られている。これらの騒音が外部に放 出されるのは、前記したように大気に開口している吸込口からである。そこで、 現在では、吸込口から出る騒音の低減を図る対策が採られるようになってきてい る。その一つに吸音カバーを吸込口に取り付けた例があり、そのカバーに一種の 迷路を形成させているのが通常である。これは、吸込口から出た騒音が吸音カバ ーを通過する際の迷路中で、吸音もしくは減音させることができるとの考えに基 づいている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
図8は、吸音カバーを備えた吸音構造の例である。これは、吸込口2に短いダ クト41を接続しておき、その先端部近傍の外周に羽根車軸6bに直交して固定 されたディスク42と、このディスクを覆い隠すように吸込口2に向かって取り 付けられた浅い円筒状の吸音パン43からなっている。そして、ディスク42の 周縁と吸音パン43の端縁との間にリング状の吸込流導入口44が確保されてい る。
【0008】 上記のディスクの反羽根車側には吸音材45が貼りつけられ、吸音パン43の パン底部相当箇所にも吸音材46が取り付けられている。さらに、ダクト41の 内面にも流れを乱さないように成形した吸音材47が設けられ、吸入空気は吸音 材の間を通って羽根車6に流入するようになっている。なお、吸入空気は曲がっ た流路をたどって羽根車に入ることになるが、そこを通過する時点では速度は未 だ低く、所定の風量さえ確保できる通路であれば特に問題となることはない。
【0009】 一方、吸込口2内や羽根車6等で発生する騒音は、迷路をたどる間に吸音材4 7,46,45によって一部吸音されるので、吸込流導入口44から出ようとす る騒音は低減される傾向にある。しかし、吸入空気はリング状の吸込流導入口か ら入ることになるので、ダクト41の開口41aに向かう流れは四方八方からと なる。このような流れは開口縁直後等において、そのダクト内壁近傍で渦流48 を発生させやすくなり、この渦流が騒音の低減を阻害する難点がある。
【0010】 上記したような吸音パンを有する送風機では、それを屋外に設置すると空気の 取り入れの際に雨水が侵入することにもなり、好ましくないことは言うまでもな い。また、吸音材が劣化すると、それが吸入空気に伴われて羽根車に入り、いず れは消失してしまうといったこともあり、長期の使用には耐え得ない欠点も含ん でいる。
【0011】 本考案は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、吸込口に設けられる 吸音装置において、その内部における高圧側からの二次流れの逆流を阻止でき、 また羽根車への吸入空気の流入の円滑を図り、空気の流れに起因した渦流の発生 を可及的に抑制して減音効果を向上させること、さらには、発生の不可避な羽根 の風切り音を可能なかぎり吸収して、その外部への放出を少なくすることを実現 した遠心形送風機の吸込口構造を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本考案は吸込口が大気開放されている遠心形送風機であって、吸込口近傍で発 生する渦騒音および回転羽根から発生する風切り音などを低減させるための吸音 構造を有した吸込口構造に適用される。その特徴とするところは、図1を参照し て、吸込口2には、羽根車入口6aに臨みその羽根車入口6aと同軸上で内面が 反羽根車側へラッパ状に拡がるガイド部3aを有した吸込ガイド3と、そのガイ ド部3aに連なる吸込流導入空間4を画成した有孔のインナーパネル9Aおよび 空気層10を隔ててそのインナーパネル9Aを外囲する無孔のアウターパネル9 Bを有した吸込箱5とが取り付けられる。吸込流導入空間4は、羽根車軸6bの 方向へ延びる略半円筒状空間4Aとその略半円筒状空間4Aに連なり羽根車軸6 bに直交する方向へ延び端部が大気開放された略台形状空間4Bとからなって、 横断面が略釣り鐘状である(図2を参照)。略半円筒状空間4Aを画成するイン ナーパネル9Aの円弧状部9bは、略半円筒状空間4Aから吸込ガイド3へ流入 する吸入空気を、略半円筒状空間4Aの全周囲を経ることなく主として略半円筒 状空間4Aの略台形状空間側から流通させるように、ガイド部3aの開口3pと 略同径をなしている。そして、インナーパネル9Aの背面は吸音材11A,11 B,11Cで被覆される一方、アウターパネル9Bの内面も吸音材11Dで被覆 されていることである。
【0013】 吸込ガイド3の羽根車入口側に、二重の円筒状リップ3A,3Bを形成してお く。そして、その二重のリップによって遠心羽根7の羽根車軸6bの方向におけ る上流側に位置した側板7aの端部が覆われると共に、外周側のリップ3Aは、 羽根車6を外囲する羽根車ケーシング8と側板7aとの隙間8aを閉止している ことである。
【0014】 インナーパネル9Aを被覆する吸音材11A,11B,11Cは、そのインナ ーパネル9Aの背面に密着することなく取り付けておけばよい。また、吸込箱5 の開放口5aを、下方に向けて開口させておくとよい。
【0015】
【考案の効果】
本考案によれば、反羽根車側へ拡がるラッパ状のガイド面を有した吸込ガイド を吸込口に設けているので、吸込箱から羽根車へ入る流れが羽根車軸に沿い、遠 心羽根の側板の端部における渦の発生が少なくなる。吸込箱に形成される吸込流 導入空間は、羽根車軸方向へ延びる略半円筒状空間を備え、これが羽根による風 切り音の音溜まりを形成し、インナーパネルの吸音孔を経て吸音材により吸音さ せやすくなる。
【0016】 略半円筒状空間を画成するインナーパネルの円弧状部は、略半円筒状空間から 吸込ガイドへ流入する吸入空気を、略半円筒状空間の全周囲を経ることなく主と して略半円筒状空間の略台形状空間側から流通させるようにガイド部の開口と略 同径をなしているのでガイド部へ流入する流れは安定し、吸込ガイド内での渦の 発生も抑制される。さらに、略半円筒状空間は羽根車軸に直交する方向へ延びる 略台形状空間と連なっているので、曲がり路を通過する間の減音効果が助長され る。したがって、吸込口から外部へ放出される騒音レベルは低下し、送風機の発 生騒音の軽減が図られる。
【0017】 遠心羽根側板の端部が二重の円筒状リップによって覆われ、外周側のリップが 遠心羽根側板と羽根車ケーシングとの隙間を閉止しているので、ケーシング内の 加圧空気が吸入空気と合流したり羽根車入口へ戻ることもない。その結果、吸入 空気の羽根車への流入は円滑なものとなり、発生渦に原因するような騒音は可及 的に少なくなる。
【0018】 インナーパネルの背面には密着することのない吸音材で被覆されているので、 吸込箱内の騒音は空気層に入りやすく、減音効果が向上する。
【0019】 吸込箱の開口部が地面を向くように配置されていれば、送風機を屋外に設置し ても雨水が吸入空気と共に侵入することがない。
【0020】
【考案の実施の形態】
以下に、本考案に係る遠心形送風機の吸込口構造を、それを実施するための装 置の形態を示した図面に基づいて詳細に説明する。図1は、ダクトホースが接続 されることなく大気開放されている吸込口およびその近傍で発生する騒音を低減 させるための吸音構造を有した遠心形送風機1の要部断面図であって、その吸込 口の構造を表している。
【0021】 吸込口2に取り付けられる吸音構造は、ラッパ状に拡がるガイド部3aを有し た吸込ガイド3と、そのガイド部に連なる吸込流導入空間4を画成した吸込箱5 とからなっている。吸込ガイド3は羽根車入口6aと同軸上に配置され、羽根車 入口に臨むガイド部3aの内面は反羽根車側へ広くなっている。これは、吸入空 気を羽根車入口6aへ円滑に導くためのものであり、アルミダイカスト品であっ たり、ゴムやプラスチック等の成形品が使用される。
【0022】 この吸込ガイド3は、その羽根車入口側に二重の円筒状リップ3A,3Bを備 えている。外周側のリップ3Aは、遠心羽根7の羽根車軸6bの方向における上 流側に位置した側板7aと羽根車6を外囲する羽根車ケーシング8との隙間8a に突入されてその隙間を閉止しており、それによって遠心羽根7の側板7aの端 部が二重のリップ3A,3Bによって覆われている。
【0023】 このリップ3A,3Bによって、羽根車ケーシング8内の加圧された空気が羽 根車入口6aへ戻るのが阻止されるようになっている。なお、二重の円筒状リッ プ3A,3Bが羽根車6と接触して遠心羽根7の回転を阻害しないように、遠心 羽根7の側板7aと各リップ3A,3Bとの間には、例えば1mmないし1.5 mm程度の空隙(図では空隙は現れていない)が確保される。
【0024】 吸込箱5は、吸込ガイド3のガイド部3aに連なる吸込流導入空間4を画成し た有孔のインナーパネル9Aと、その外側に配置されたアウターパネル9Bで形 成される。インナーパネル9Aには例えばパンチングメタルが用いられ、3mm ないし8mm程度のパンチング孔が吸音孔9aとして利用される。アウターパネ ル9Bは空気層10を隔ててインナーパネル9Aを外囲するもので、無孔であっ て空気層内の音を直接外部へ出さないように遮断している。
【0025】 上記のインナーパネル9Aによって画成される吸込流導入空間4は、略半円筒 状空間4Aと略台形状空間4Bとからなっている。略半円筒状空間4Aは、吸込 ガイド3のガイド部3aの反羽根車側の端部から羽根車軸6bの方向へ延びるよ うに形成されている。その羽根車軸6bの方向への奥行きLは、ガイド部3aの 反羽根車側開口の直径Dに近似した長さに選定され、通常は、その0.7倍ない し1.5倍程度としておけば十分である。
【0026】 略台形状空間4Bは略半円筒状空間4Aに連なり、羽根車軸6bに直交する方 向へ延び、端部が大気に開口されている。したがって、吸込流導入空間4の横断 面は、略半円筒状空間4Aと略台形状空間4Bとを合わせると図2のように略釣 り鐘状となっている。なお、略台形状空間4Bの奥行きは略半円筒状空間4Aと 同じにしておけばよく(図1を参照)、結局、吸込流導入空間4内の流路の縦断 面形はエルボを形成して、羽根車等で発生した騒音は直進及び曲進することにな って減音効果が発揮される。
【0027】 上記したインナーパネル9Aおよびアウターパネル9Bには図1に示したよう に、吸音材11A,11B,11C,11Dが取り付けられている。吸音材は、 ウレタンフォーム等の公知のものが使用されるが、スポンジ状となっているもの である。釣り鐘状に覆う吸音材11Aは、インナーパネル9Aの背面に密着する ことなくインナーパネル9Aを被覆し、羽根車軸6bに直交して配置された吸音 材11B,11Cも同様である。また、アウターパネル9Bもその内面に密着し もしくは密着することのないようにして、吸音材11Dで被覆されている。
【0028】 吸音材の大部分をパネルに密着させていないのは、吸音効果を上げるためであ る。とりわけインナーパネル9Aにおいては、吸音孔9aから吸音材11A,1 1B,11Cを経て空気層10への音の伝播を促し、減音効果の向上が図られて いる。そのために、吸音材11Aは図2に示すように吸込箱5の大気開放口5a の近傍で接着して固定されるが、その他の部分には密着されていない。そして、 アウターパネル9Bの内面の吸音材11Dも、吸込箱5の大気開放口近傍のみで 密着固定しておく程度でよい。図のごとく、吸音材11B,11Cの箇所で空気 層を確保しない場合には、インナーパネル9Aとアウターパネル9Bとの間に吸 音材を格納しておくだけとしてもよい。
【0029】 ちなみに、図の例では、インナーパネル9Aによって形成される吸込箱5の開 放口5aは、下方に向けて開口しており地面側に面している。これは、送風機を 屋外に設置した場合に雨水が吸込口2に入るのを防止しておくことができるから である。しかし、屋内設置の場合には、開放口5aを右または左向きもしくは上 向きにしておいても差し支えない。なお、その開放口5aの面積は羽根車入口6 aの開口面積に等しいか大きく選定されることは言うまでもない。
【0030】 吸込箱5についてもう少し詳しく述べる。本考案では吸込流導入空間4が略半 円筒状空間4Aと略台形状空間4Bとからなるが、具体的には、図2のように横 断面では滑らかな末広がりの略釣り鐘状となっている。そして、吸込ガイド3の ラッパ状に開いたガイド部3aの端縁の丸い開口3pが略半円筒状空間4Aにお いて可及的ギリギリに配置できるようにしている。
【0031】 すなわち、略半円筒状空間4Aを画成するインナーパネル9Aの円弧状部9b は、略半円筒状空間4Aから吸込ガイド3へ流入する吸入空気を、略半円筒状空 間4Aの全周囲を経ることなく主として略半円筒状空間4Aの略台形状空間4B 側から流通させるようにガイド部3aの開口3pと略同径をなしている。
【0032】 これは図3の(a)を参照して分かるように、ガイド部3aの円形をした開口 3pの全周囲が吸込流導入空間4を形成するインナーパネル9Aから離れている と、吸入空気が矢印12のように四方八方から流入することになる。これによっ て、吸込ガイド3へ入る流れが相互に干渉するなどして不安定となり、開口の内 壁の随所に小渦を発生させやすくなる。しかし、図3の(b)ように開口3pの 上半部周囲に空間が可及的に少ないと、略台形状空間4Bからの吸入空気はその まま矢印13のように開口3pに進入して、吸込ガイド3内での流れの無用な乱 れの発生が抑制されるようになる。
【0033】 図1に戻って、吸込箱5の開放口5aでは、インナーパネル9Aの先端をアウ ターパネル9Bの先端まで丸く曲げておき、吸入空気のスムーズな進入を容易と するように配慮しておくことが好ましい。その丸められたインナーパネル9Aと アウターパネル9Bとの間は、吸音材11B,11Cを是非介在させねばならな いというほどのことではないので、図示しないがインナーパネルを曲げずに、ラ ッパ状のガイドキャップ等を開放口に嵌め込む構造としておいてもよい。
【0034】 なお、略台形状空間4Bの羽根車側の吸音壁は、吸込ガイド3と連なる箇所で 斜めもしくは円弧状に曲げられ、ラッパ状に拡がるガイド部3aと略台形状空間 4Bの壁面とが連続するように配慮される。もちろん、図示しないがガイド部の ラッパ状部をインナーパネルまで張り出させて、インナーパネルの縦面と滑らか に連なるようにしておくこともできる。
【0035】 ちなみに、図1の羽根ボス21のコーン状の表面が深く湾曲していると、そこ に淀みが生じて渦の発生することがある。そのような場合には、吸込ガイド3か らの流れが乱れ少なく円滑に流れるように、羽根ボスの形状を成形しておくこと も必要となる。この改善によるだけでも0.5dB(A)の減音効果の得られる ことがある。
【0036】 以上のような構成によれば、吸込ガイド3と吸込箱5とは次の要領で吸込口2 に装着される。吸込ガイド3を羽根車入口6aに臨ませ、その二重の円筒状リッ プ3A,3Bを遠心羽根7の羽根車軸6bの方向における上流側に位置した側板 7aの端部に被せるようにして覆う。外周側のリップ3Aによって、側板7aと 羽根車ケーシング8との隙間8aが閉止される。
【0037】 次に、吸込ガイド3の羽根車側の外周部4か所に設けた図4の(a)のような 張り出し部3mのばか孔3bにボルト22(図1を参照)をそれぞれ挿入し、そ の先端を羽根車ケーシング8に設けたねじ孔に螺着する。そのボルトを少し掛け た状態で羽根車6を回すなどして吸込ガイド3の二重リップ3A,3Bが遠心羽 根7の側板7aに触れないように芯出しする。
【0038】 ボルト22で吸込ガイド3を固定した後に吸込箱5を吸込ガイド3に近づけ、 長いねじ棒23を吸込箱5の反羽根車側から挿通する。ねじ棒の先端を吸込ガイ ド3の反羽根車側の外周部4か所に設けた図4の(b)のような張り出し部3n のねじ孔3cにそれぞれ螺着すれば、吸込箱5が吸込ガイド3を介して羽根車ケ ーシング8に固定される。なお、ねじ棒23の上側の3本は図2のように空気層 10を通過するが、下の一本は略台形状空間4Bを貫通することになる。この程 度のねじ棒によって吸入空気が掻き乱されるほどのないことは勿論である。
【0039】 このような装着手順から分かるように、ねじ棒23は略半円筒状空間4A内に 配置されることがないので、略半円筒状空間を画成するインナーパネル9Aの円 弧状部9bはガイド部3aの開口3pと略同径をなす。その結果、略半円筒状空 間4Aから吸込ガイド3へ流入する吸入空気は、図3の(a)において説明した 略半円筒状空間の全周囲を経ることなく、(b)ように主として略半円筒状空間 4Aの略台形状空間側から流通することになる。
【0040】 上記のねじ棒は是非空気層を貫通させなければならないというものではなく、 図示しないが、吸音材を貫通させたり、インナーパネルの円弧状部の径をガイド 部の端縁開口よりやや大きくし、円弧状部の内面直近を通過させるようにしても よい。後者の場合には略半円筒状空間内にねじ棒が貫通することになるが、細い ねじ棒であれば問題はない。図2のような状態にあるインナーパネルの円弧状部 の一部を局部的に外方へ膨らませ、その箇所にねじ棒の配置スペースを設けると いったこともできる。
【0041】 このようにして送風機に組みつけられた吸込口構造によると、略台形状空間4 Bから吸い込まれた空気25は略半円筒状空間4Aに向かい、そこから吸込ガイ ド3を経て羽根車入口6aに入る。その間の吸入空気25の流れは騒音の原因と なる渦流を発生させることなく、スムーズに移行する。吸込ガイド3へは略半円 筒状空間4Aの略台形状空間4B側からきた流れであって、ガイド部3aの開口 近傍での流入空気の相互干渉は可及的に少なくなることは言うまでもない。
【0042】 図1から分かるように、回転羽根7によって加圧された羽根車ケーシング8内 の空気は吸込ガイド3の二重のリップ3A,3Bによって羽根車入口6aに逆流 することもないので、そこでの渦流音の発生も回避される。もちろん、羽根によ る風切り音等と共に少々の騒音の発生は避けられない。しかし、これらの音は吸 込ガイド3を経て略半円筒状空間4Aに至ることになる。
【0043】 騒音は、吸込ガイド3からそのまま大部分が羽根車軸6bの方向に伝播する。 略半円筒状空間4Aへは吸入空気が略台形状空間4Bから流れてきており、伝播 音は羽根車軸6bを中心とした音溜まり空間に停滞しやすくなり、インナーパネ ル9Aの吸音孔9aを介して吸音材11A,11Bに吸収される。吸音材を通過 した音は空気層10で減衰され、さらに吸音材11Dで吸収された後はアウター パネル9Bで遮音される。
【0044】 残余の騒音は、吸入空気25の流れに逆行するようにして略台形状空間4Bを 通過する間に、インナーパネル9Aを介して吸収される。このように音は吸込箱 5内のエルボ形通路をたどることによる減音と吸音材11B,11Cによる吸音 効果、さらには吸入空気による逆行阻止作用とによって、外部への放出が少なく なる。
【0045】 送風機における騒音は、前記したように吸込口2の延長線上であって吸込口か ら例えば1メートル離れた所で測定されるが、図5に示すように、本考案に係る 吸込口構造を備えたときの騒音レベル(○印を参照)は、それを有しない場合( △印を参照)に比べて、15dB(A)ないし20dB(A)も低減することが 確認された。ちなみに、吸込箱5を下向きにしない場合、すなわち上や横に向け ても騒音レベルの低下程度はほとんど変わらなく、本装置による効果は顕著なも のであった。
【0046】 なお、パンチングメタルのインナーパネル9Aが採用されているので、吸音材 を露出させておく場合に比べると、経時的に吸音材11A,11B等が劣化して 吸音孔9aの箇所で浸食され逸失することがあっても、大部分の吸音材は空気層 10内に残り、吸音効果の急激な低下が防止される。
【0047】 図6は本吸込口構造を設けた遠心形送風機1の外観図であるが、この送風機の 風量調整は吐出口側で行うようにしている。そのため、吐出口26にダンパー2 7を介在させているが、この例ではダンパーゲートの先端を鋸歯状にして渦の発 生を抑制したりその成長を抑えるようにしている。例えば20%程度まで風量を 絞る場合もあるが、そこで発生する騒音は羽根車ケーシング8を経て吸込口側へ 伝わることは一般に少ない。しかし、そのような伝播があっても前記した吸込箱 5等によって減音されることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係る吸込口構造を備えた遠心形送風
機の要部断面図。
【図2】 図1中のII−II線矢視断面図。
【図3】 (a)は吸込ガイドへ流入する吸入空気を略
半円筒状空間の全周囲から流通させるようにした場合の
空気の流れの説明図、(b)は吸込ガイドへ流入する吸
入空気を略半円筒状空間の略台形状空間側から流通させ
るようにした場合の空気の流れの説明図。
【図4】 (a)は図1中のIV−IV線矢視における吸込
ガイドの端面図、(b)は図1中のV−V線矢視におけ
る吸込ガイドの端面図。
【図5】 吸込口構造を備えた遠心形送風機と備えない
送風機との騒音発生レベルの計測データを表したグラ
フ。
【図6】 吸込口構造を備えた遠心形送風機の外観概略
斜視図。
【図7】 吸込口もしくはその近傍で発生する騒音の原
因となる渦流ならびに羽根車ケーシングから羽根車入口
に逆流する流れの説明図。
【図8】 カバー式構造の吸音装置を取り付けた従来技
術としての遠心形送風機の要部断面図。
【符号の説明】
1…遠心形送風機、2…吸込口、3…吸込ガイド、3a
…ガイド部、3p…端縁開口、3A…外周側のリップ、
3B…内周側のリップ、4…吸込流導入空間、4A…略
半円筒状空間、4B…略台形状空間、5…吸込箱、5a
…大気開放口、6…羽根車、6a…羽根車入口、6b…
羽根車軸、7…遠心羽根(回転羽根)、7a…側板、8
…羽根車ケーシング、8a…隙間、9A…インナーパネ
ル、9B…アウターパネル、9a…吸音孔、10…空気
層、11A,11B,11C,11D…吸音材、25…
吸入空気。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸込口が大気開放されている遠心形送風
    機であって、吸込口近傍で発生する騒音および回転羽根
    から発生する風切り音等を低減させるための吸音構造を
    有した吸込口構造において、 前記吸込口には、羽根車入口に臨み該羽根車入口と同軸
    上で内面が反羽根車側へラッパ状に拡がるガイド部を有
    した吸込ガイドと、該ガイド部に連なる吸込流導入空間
    を画成した有孔のインナーパネルおよび空気層を隔てて
    該インナーパネルを外囲する無孔のアウターパネルを有
    した吸込箱とが取り付けられ、 前記吸込流導入空間は、羽根車軸方向へ延びる略半円筒
    状空間と、該略半円筒状空間に連なり羽根車軸に直交す
    る方向へ延び端部が大気開放された略台形状空間とから
    なって、横断面が略釣り鐘状であり、 前記略半円筒状空間を画成するインナーパネルの円弧状
    部は、前記略半円筒状空間から前記吸込ガイドへ流入す
    る吸入空気を、前記略半円筒状空間の全周囲を経ること
    なく主として前記略半円筒状空間の略台形状空間側から
    流通させるように前記ガイド部の開口と略同径をなし、 前記インナーパネルの背面は吸音材で被覆される一方、
    前記アウターパネルの内面も吸音材で被覆されているこ
    とを特徴とする遠心形送風機の吸込口構造。
  2. 【請求項2】 前記吸込ガイドの羽根車入口側に二重の
    円筒状リップが形成され、該二重のリップによって前記
    遠心羽根の羽根車軸方向における上流側に位置した側板
    の端部が覆われると共に、外周側のリップは、羽根車を
    外囲する羽根車ケーシングと前記側板との隙間を閉止し
    ており、該隙間を介して羽根車ケーシング内の空気が羽
    根車入口に戻らないようにしたことを特徴とする請求項
    1に記載された遠心形送風機の吸込口構造。
  3. 【請求項3】 前記インナーパネルを被覆する吸音材
    は、該インナーパネルの背面に密着することなく取り付
    けられていることを特徴とする請求項1に記載された遠
    心形送風機の吸込口構造。
  4. 【請求項4】 前記吸込箱の開放口は、下方に向いて開
    口していることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載された遠心形送風機の吸込口構造。
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