JP3045671B2 - バタフライ弁のシートリング - Google Patents

バタフライ弁のシートリング

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JP3045671B2 JP8230689A JP23068996A JP3045671B2 JP 3045671 B2 JP3045671 B2 JP 3045671B2 JP 8230689 A JP8230689 A JP 8230689A JP 23068996 A JP23068996 A JP 23068996A JP 3045671 B2 JP3045671 B2 JP 3045671B2
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義則 万木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バタフライ弁のシ
ートリングに関し、特に複数のシール部を有し、弁体の
回動方向が正・逆転の何れも可能にしたバタフライ弁の
シートリングに関する。
【0002】
【従来の技術】従来周知のように、バタフライ弁は、金
属等の剛性材料からなる中空円筒状の本体内に同じく剛
性材料からなる円板状の弁体を本体の外部から回動自在
に軸支し、本体内の内周面と弁体の外周縁との間に弾性
材料からなる環状のシートリングを介在させた構造を有
しており、弁体の回動によりその外周縁をシートリング
に接離させて、弁の開閉若しくは流量の調整を行ってい
る。そして、閉弁時には、弁体の外周縁を環状のシート
リングに喰い込ませて、弁体外周縁をシートリング内周
縁に圧接させることによりシール作用を達成させてい
る。そしてこのようなバタフライ弁にあっては、閉弁時
のシール性が良好である反面、開閉動作に対する負荷す
なわち、弁体の回動トルクが軽いことが従来要求されて
来た。
【0003】上記のような要求を解決するために、本出
願人は、実公昭52−30600号公報に開示された一
つの提案を行なった。このものは、図10に示すよう
に、シートリング1の内周面に径方向に沿って円弧状の
山形シート部2を形成し、閉弁時、この山形シート部2
に弁体3の外周縁を圧接させることにより、閉弁時、弁
体3によるシートリングの引きずりを防止し、且つ弁体
3がシートリング1に喰い込むときのシートリング1の
反発バネ定数を下げて、回動トルクを大きくすることな
く完全なシール性を確保し得るようにしたものである。
【0004】しかしながら、このものにあっては、シー
トリング1に形成される円弧状の山形シート部2が、同
図(b)に示すように、円周方向の総べての部分におい
て同一の幅に形成されているため、弁軸4近傍部(ボス
部近傍)と、弁体の中心を通り弁軸と直交する弁体先端
部(以下、略して直交部という。)とでは、シートリン
グ1への弁体3の当接角度が異なり、弁軸近傍部は上記
直交部分よりも大きい角度すなわち早い時期に当接が開
始され、直交部はこれより遅れて当接が始まり、弁体の
各部分におけるシートリング1への当接開始時期が相違
している。かかる当接開始時期の相違は、直交部が当接
開始するまでの回動トルクをシール作用の発生に寄与し
ない無駄なものとしてしまっていた。
【0005】そこで、このような欠点を解決するため
に、本出願人は更に特公昭58−25911号公報に開
示される新たな提案を行った。このものは、図11に示
すようにシートリング1の山形シート部2の幅を、ボス
部の中心4aを基点とするコサインカーブ5に倣って前
記直交部に向かって幅広くして形成したことを特徴とす
るものである。これにより、弁体3と山形シート部2と
が円周方向に全周に亙って同時に当接が開始される結
果、前述した回動トルクの無駄がなくなり、回動トルク
の低下とシール性の向上とを得ることが出来た。
【0006】また、弁体がシートリングの内面に喰い込
むことなく、そのため開閉毎にシートリングに好ましく
ない力が作用することなく、また弁体の回転トルクが大
きくならず、しかもシール圧力を高めることができるよ
うにすることを目的として、図12に示すように、弁体
3の周縁部に先細りテーパー部3aを形成し、シートリ
ング1の内面において少くとも軸穴形成部を除き、略半
周ずつ全閉時の弁体の表裏位置において、断面略台形状
をした内方隆起部6を設けると共に、その側縁に上記弁
体のテーパー部3aが圧接する傾斜部6aを形成し、当
該傾斜部6aを弁体の表裏周縁が圧接する圧接シール面
としたバタフライ弁が考案されている(実公昭61−2
4766号公報参照)。
【0007】しかも、このものは、同図(a)に示す角
度θの範囲のみ弁体3が回動し、他の角度(角度θより
大きい角度)では回動しない構成になっているため、弁
体3がシートリング1へ圧着する位置の変更ができず、
また逆転はできない構造になっている。そのため、全閉
位置(シール部)は1個所のみであり、従ってこの1個
所のシール部が摩耗、損傷すると、この種の弁は漏洩す
ることになるという欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した第2の従来例
(図11)によっても、従来から存在している次のよう
な欠点は依然として解消することができなかった。即
ち、弁軸直交部の弁体移動量がボス部近傍の弁体移動量
より大きいため、弁軸直交部付近では開弁動作時にゴム
の盛り上がりができ、開弁操作力を大きくしている。
【0009】また、弁軸直交部では、ボス部近傍より回
転半径が大きく、従って回転モーメントも大きいため、
弁軸直交部における操作力の増大は、弁軸の回動トルク
の増大をもたらしている。また、弁軸直交部では外周の
周速度が速く、高速でゴムを摩擦するため、シートリン
グの寿命を短くしている。
【0010】このような欠点は、ON−OFF弁では左
程問題とはならないが、調節弁として使用する場合、具
体的に次のような弊害が発生して来る。即ち、開弁動作
時のゴムの盛り上がりで増加した操作力が、弁体がゴム
から離脱するとき急激に低下するため、負荷の変動が大
きく弁軸を駆動するシリンダなどの飛び出し現象(ゴム
の喰い込み離脱時に急速に開弁する現象)を惹起するお
それがあると共に、閉付近で弁開度を微小に操作し、流
量等を制御することを不可能としている。
【0011】一般のバタフライ弁の流量特性は、図9の
実線に示すように、0°〜20°付近では流量増加率が
非常に小さく、低開度でのコントロール性を悪くしてい
る。これを10〜20°で全閉となるように設定すれ
ば、図9の点線で示すように流量特性がリニヤに近づき
コントロール性の良い弁を得ることが出来るが、このた
めには、弁体又はシートリングを弁軸方向に延びる楕円
形状としなければならず、楕円形状の成形が困難で高価
なため従来実現されていなかった。
【0012】また、バタフライ弁を調節弁として微小開
度で長期に亙って使用すると、流体条件、特に差圧、流
速、流体組成等により、シートリングのシール部又は弁
体の外周部が摩滅、損傷し、調節弁としての機能を低下
させ、且つ全閉時のシール性を不可能にする。このよう
な問題点は、従来のバタフライ弁のシートリングにはシ
ール部が一ケ所にしか形成されていなかったために、よ
り大きくされた。
【0013】本発明は、弁体及びシートリングを成形の
困難な楕円形に形成することなく、上記した欠点を解消
し、リニヤに近い流量特性を有し、低開度でのコントロ
ール性を向上することができ、且つ弁体周縁部がシート
リングに圧接するシール部を、弁体の正・逆転により2
個所使用可能にしたバタフライ弁のシートリングを提供
することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の採った手段は、剛性材料からなる中空円筒
状の本体内周面と該本体内に回動自在に軸支された剛性
材料からなる円板状の弁体外周縁との間に介在される弾
性材料からなる環状のシートリングに、直径方向対向位
置に弁棒を貫通させる一対の弁軸孔を穿設し、該一対の
弁軸孔の各周囲に、常時弁体の弁棒根元部が圧接するボ
ス部を形成し、該一対のボス部間に、閉弁時に弁体外周
縁部が圧接する山形シート部を円周方向に沿って連続し
て形成したバタフライ弁のシートリングにおいて、上記
山形シート部を第1と第2の両山形シート部によって構
成し、第1の山形シート部を、半径C、幅Eを変化させ
て弁体の任意の外周縁において、弁体外周縁のシートリ
ングへの圧接量f及び圧接移動量gが同一になるように
設定し、第2の山形シート部を、第1の山形シート部の
シール機能及び機械的強度を補充するために両山形シー
ト部の基部が互いに平行するように同形に幅方向に延長
拡大し、一対のボス部周縁に接続したことを特徴として
いる。
【0015】また、各々のボス部中心を結ぶ山頂に相当
する内周面に対し、山形シート部を対称形に形成し、該
対称形に形成された山形シート部の各々の面に、弁開度
を10°〜20°変位して全閉位置を設定したことを特
徴としている。
【0016】また、上記対称形に形成された山形シート
部の両側面部に、弁開度で10°〜20°変位して全閉
位置をそれぞれ設定し、弁体の回動方向を正・逆転の何
れも使用可能に構成して、上記両全閉位置を2個所、シ
ール部として使用可能に構成したことを特徴としてい
る。
【0017】また、シートリングの外周部に、弁棒孔の
直径より大きい幅の帯状補強凸部を一体に設け、弁開閉
に伴うシートリングの変位を防止するように構成したこ
とを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図
面に記載した実施例を用いて説明する。図1は、本発明
に係るバタフライ弁の弁棒に直角方向の断面図を示し、
弁体回動方向が正転時、即ち反時計方向で弁開の場合を
示すもので、図1において弁体20がシートリング10
に圧接している状態を示す。また、図2は、弁体の回動
方向が逆転時、即ち時計方向で弁開の場合を示すもの
で、同様に弁体がシートリングに圧接している状態を示
す。
【0019】図において、弾性材料からなる環状のシー
トリング10を内周面に装着し、該シートリング10に
弁体20を接離させるようにした中空円筒状の本体(弁
本体)30は、金属等の剛性材料で構成され、弁体20
は、本体30に軸支された弁棒40によって回動される
ようになっている。従来周知のようにシートリング10
は加硫ゴム等のエラストマーからなり、弁体20は本体
30と同様に剛性材料から形成され、一方の弁棒40
(図示していない)は本体30から外方へ延び出し、弁
操作機に連結され、外部から一体化された弁棒と弁体を
回動してバタフライ弁の開閉若しくは開度調整を行なう
ようになっている。
【0020】上記シートリング10は、図3に示すよう
に、直径方向対向位置に弁体20の弁棒40が貫通する
弁棒挿通穴11が形成され、該挿通孔11の周縁は、弁
体20の弁棒周縁部が常時圧接するボス部12(図5
(e)においてDeは球面を示したが平面でもよい。)
が形成されている。そして、これらの両ボス部12の間
に、シートリング10の内周面を円周方向に延びる第1
の山形シート部13が形成されている。
【0021】上記の第1の山形シート部13は、シート
リング10の内方へ向かって突設し、半径がボス部12
に近づくにつれて漸減するように形成された断面円弧状
をなしており、該第1の山形シート部13は、弁体20
の任意の外周縁部において、図7に示すように、第1の
山形シート部13への弁体20の外周縁の圧接量(喰込
量)f並びに圧接移動量gが同一になるように、第1の
山形シート部13の半径C及び幅Eを、それぞれ図5
(a)〜(d)に示す(Ca〜Cd)及び同じく(Ea
〜Ed)のように変化させ、内径D(Da〜Dd)は原
則的に変化させないようになっている。そしてこの第1
の山形シート部13の半径C及び巾Eは、弁体20の閉
止角度に関連しており、半径C及び巾Eを変えることに
より、閉止角度の設定を任意に行なうことができるよう
になっている。
【0022】上記のように、図5(a)〜(e)は、図
3(弁体と弁棒を除いたシートリングのみの断面図と内
周面外形図)及び図4(図3の正面図でシートリング各
部の断面符号を示す。)における各断面の形状、寸法を
示し、図7に示すように、シートリング10への弁体2
0の圧接量fと圧接移動量gが全周に亙って均一になる
ように、半径C及び幅Eを設定して行くと、ボス部12
に近い部分では、第1の山形シート部13の幅Ed(図
5(d))が小さくなり過ぎて、弁体20が圧接した時
のシートリング10の強度上、第1の山形シート部13
が損傷又は破損する恐れがある。
【0023】そこで、半径Cと幅Eが、或る程度小さく
なる部分を補強するために、第2の山形シート部14が
設定されており、該第2の山形シート部14は、ボス部
山形シート部15と共に第1の山形シート部13とほぼ
同形(相似形)に幅方向に拡大し、第1と第2の両山形
シート部13,14の基部(各円弧の端部をつらねた
線)13aと14a(図3)が互いに平行状態になるよ
うに形成して、弁体20の外周縁部が圧接又は離脱して
もシートリング10の移動(変位)がないようになって
いる。
【0024】なお、シートリング10の外周に沿って形
成された断面凸状の帯状補強凸部16により、上記第2
の山形シート部14によるシートリング10の移動防止
作用と相俟って、該シートリング10の移動防止作用に
相乗効果を発揮している。
【0025】次に、圧接量fと圧接移動量gを同一にす
るために半径Cと幅Eを変化させる態様(関係)を、図
7について説明する。同図は、弁棒と直交する平面で弁
体が或る角度(10°〜20°変位)にてシートリング
に圧接している状態を実線で示す。なお、図中、2点鎖
線で示す弁体20aの位置は、弁体周縁部が第1の山形
シート部13の側面に当接した位置(圧接開始位置)を
示している。
【0026】同図(図7)において、弁体20のシール
ポイント点ハを、通常弁体の最先端位置に求め、次い
で、予め弁体がシートリングに何ミリ(粍)圧接すれば
流体圧力を何キロ(kgf/cm2)シールすることが
できるかを解明しておき、その予め求められた圧接量f
と上記点ハより、点ホ(圧接終端位置)が定まる。点ホ
が定まると、圧接移動量g=fより、点ニ(前記した圧
接開始位置に相当する。)が定まる。
【0027】次に、点ホとニを通り、中心線m上に中心
点へをもった円弧を求めると、第1の山形シート部13
の半径C及び該第1の山形シート部13の内径Dが定ま
る。
【0028】次に、第1の山形シート部の幅Eは、全閉
時弁体の弁軸直交部に対応する位置からボス部に近づく
につれて図5(a)〜(d)のEa〜Edのように漸減
され、両ボス部12の近傍では、図5(d)に示すよう
にEdが小さくなるので、シール機能及び機械的強度を
補充するため設けられる第2の山形シート部14の幅F
は、上記幅Eと同形(相似形)に幅方向に延長拡大し、
両山形シート部13,14の基部13aと14aが互い
に平行して形成されており、第1の山形シート部13の
裾野に、第1の山形シート部13の半径Cの円弧より大
径の半径Gの円弧で両ボス間を結んで形成されている。
また、各断面において、(F−E)は、図3に示すよう
に全周に亙って同一であり、裾野の幅が同一であること
を表わしている。
【0029】なお、第2の山形シート部14の最大幅F
maxは、シートリング10の全幅(面間)寸法より強
度その他の条件を考慮して設定され、第1の山形シート
部13の最大幅Emaxも、該Fmaxより小さく同様
にして設定される。
【0030】なお、第1及び第2の山形シート部は、何
れも中心線(山形シート部の頂点を結んだ中心線)に対
して、図7では上下対称であり、同図において、弁体2
0が中心線mの上方に圧接(正転)しているが、中心線
mより下方に圧接(逆転)することが可能なように、シ
ートリング10は中心線に対して対称形をなしている。
【0031】このようにして、図3に示す弁軸に直角の
方向から弁軸まで(0°〜90°)の範囲を各弁開度ご
とに内径Dを一定にして半径C、幅Eを求める。実際は
1°毎に変化させ、各開度毎の寸法を求め、これに基づ
き金型を製作することになる。
【0032】以上のようにしてシートリング10の内周
面の輪郭(断面形状)を求めて行くと、ボス部12に接
近する第1の山形シート部13の幅Ed(図5(d))
が狭くなるのを補なう第2の山形シート部14の役割は
大である。
【0033】上記のように構成したことにより、シート
リングへの圧接量fが全周に亙って均一となり、不要な
喰い込みがなくなるため、長期に亙って安定したシール
性能を発揮することが出来ると共に、圧接移動量gが全
周に亙って均一に設定されているので、従来のバタフラ
イ弁にみられた図10に示すような、両ボス部から離れ
た弁体の弁軸直交部の弁体移動量がボス部近傍のそれよ
り大きいため開弁動作時に発生したゴムの盛り上がりが
なくなり、弁開時の弁軸トルクが小さくなる。又、圧接
移動量が微小であるため、喰い込みによる弁軸トルクの
上昇する範囲は微小な開度範囲に止どまり、図8に示す
ように、従来例では開度30°以上であったトルク変動
のない開度範囲を、開度10°以上に広く採ることが可
能となる。従って、微小開度範囲でのトルク変動の無い
開度範囲が従来のバタフライ弁に比較して大きくなる。
【0034】更に、弁の全閉シール角度を従来の如き0
°ではなく、10°〜20°程度の角度に設定出来るの
で、弁の流量特性の悪い低開度部分をカットして、流量
特性の良い部分のみを使用することが可能となる。この
結果、図9に点線で示すような開度−流量特性がリニヤ
な特性に近づき、調節弁としてコントロールし易いバタ
フライ弁を得ることが出来る。
【0035】また、一つのシートリングに2個所のシー
ル部を形成できるので、微小開度で長期に使用し、シー
ル部が摩滅・損傷した場合に、シートリングを交換する
ことなく、弁体を140°〜160°変位(転回)する
ことにより、管軸方向に関して反対側に対称に形成され
たシール部を使用することができる。但し、弁体の回動
方向が逆転するために、開度指示板も同様に逆転用のも
のに対処することになる。即ち、通常は反時計方向回動
で弁は開に対し、弁は閉になる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
剛性材料からなる中空円筒状の本体内周面と該本体内に
回動自在に軸支された剛性材料からなる円板状の弁体外
周縁との間に介在される弾性材料からなる環状のシート
リングに、直径方向対向位置に弁棒を貫通させる一対の
弁軸孔を穿設し、該一対の弁軸孔の各周囲に、常時弁体
の弁棒根元部が圧接するボス部を形成し、該一対のボス
部間に、閉弁時に弁体外周縁部が圧接する山形シート部
を円周方向に沿って連続して形成したバタフライ弁のシ
ートリングにおいて、上記山形シート部を第1と第2の
両山形シート部によって構成し、第1の山形シート部
を、半径C、幅Eを変化させて弁体の任意の外周縁にお
いて、弁体外周縁のシートリングへの圧接量f及び圧接
移動量gが同一になるように設定し、第2の山形シート
部を、第1の山形シート部のシール機能及び機械的強度
を補充するために両山形シート部の基部が互いに平行す
るように同形に幅方向に延長拡大し、一対のボス部周縁
に接続したことにより、次のような効果を奏することが
できる。
【0037】(i)弁体のシートリングへの圧接量が全
周に亙って均一になり、不要な圧接(喰い込み)がなく
なるため、長期に亙り安定したバタフライ弁のシール性
能を発揮することができる。
【0038】(ii)圧接量と同様の僅かな圧接移動量に
することにより、回動トルクの低減とシートリングの摩
耗防止、及び弁開時における飛び出し(喰い込み及び移
動量が大であると開時に急に開くこと)を防止し、円滑
な弁の開閉が可能となる。
【0039】また、各々のボス部中心を結ぶ内周面に対
し、山形シート部を対称形に形成し、該対称形に形成さ
れた山形シート部の各々の面に、弁開度を10°〜20
°変位して全閉位置を設定したことにより、微小開度で
のトルク変動が少なくなり、この範囲での使用が可能と
なるので、特にコントロール弁のような小開度から全開
迄ほゞ同一の回動トルクであるために弁を駆動するアク
チュエータの機種も小形化することができる。
【0040】また、弁体の回動方向を正・逆転の何れも
使用可能に構成して、上記山形シート部の両側面部に設
定される両全閉位置を2個所、シール部として使用可能
に構成したことにより、ON−OFF弁及びコントロー
ル弁として長年使用後においても、回動方向を逆にする
ことにより、2個のシール面を持ったシートリングを効
率よく、長期に亙って使用することが可能となる。
【0041】また、シートリングの外周部に、弁棒孔の
直径より大きい幅の帯状補強凸部を一体に設けたことに
より、第1の山形シート部の裾野に形成される第2の山
形シート部によるシートリングの移動防止作用と相俟っ
て、該シートリングの移動防止作用に相乗効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施例)を示すバタフラ
イ弁のシートリングの弁棒直角方向の断面図で、弁体回
動方向が正転時の状態を示す。
【図2】図1と同様の断面図で、弁体回動方向が逆転時
の状態を示す。
【図3】図1の弁体及び弁棒を除いたシートリングのみ
の断面図と内周面外形図である。
【図4】図3の正面図で、シートリング各部の断面符号
を示す。
【図5】(a)〜(e)は、図3と図4の各断面におけ
るシートリングの形状・寸法を示す説明図である。
【図6】シートリングへの弁体の圧接量と圧接移動量を
示す断面図で、イ部は図4のO−a断面、ロ部はO−c
断面の弁体とシートリングの圧接状態を示す説明図であ
る。
【図7】図6のイ部の拡大図で、シートリングへの弁体
の圧接量fと圧接移動量gを示す説明図である。
【図8】弁開度及び流過範囲(横軸)と、弁軸トルク
(縦軸)の関係を示す線図である。
【図9】従来弁(実線)と本発明(点線及び実線)の弁
開度−流量特性を示す線図である。
【図10】本出願人の出願に係る従来例を示し、(a)
は要部断面図、(b)はシートリングの展開図である。
【図11】本出願人の出願に係る従来例を示し、(a)
は要部断面図、(b)はシートリングの展開図である。
【図12】従来例を示し、(a)は要部断面図、(b)
はシートリングの展開図である。
【符号の説明】
10 シートリング 11 弁棒挿通孔 12 ボス部 13 第1の山形シート部 14 第2の山形シート部 13a,14a 山形シート部の基部 15 ボス部の山形シート部 16 帯状補強凸部 20,20a 弁体 30 本体 40 弁棒

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性材料からなる中空円筒状の本体内周
    面と該本体内に回動自在に軸支された剛性材料からなる
    円板状の弁体外周縁との間に介在される弾性材料からな
    る環状のシートリングに、直径方向対向位置に弁棒を貫
    通させる一対の弁軸孔を穿設し、該一対の弁軸孔の各周
    囲に、常時弁体の弁棒根元部が圧接するボス部を形成
    し、該一対のボス部間に、閉弁時に弁体外周縁部が圧接
    する山形シート部を円周方向に沿って連続して形成した
    バタフライ弁のシートリングにおいて、上記山形シート
    部を第1と第2の両山形シート部によって構成し、第1
    の山形シート部を、半径C、幅Eを変化させて弁体の任
    意の外周縁において、弁体外周縁のシートリングへの圧
    接量f及び圧接移動量gが同一になるように設定し、第
    2の山形シート部を、第1の山形シート部のシール機能
    及び機械的強度を補充するために両山形シート部の基部
    が互いに平行するように同形に幅方向に延長拡大し、一
    対のボス部周縁に接続したことを特徴とするバタフライ
    弁のシートリング。
  2. 【請求項2】 各々のボス部中心を結ぶ内周面に対し、
    山形シート部を対称形に形成し、該対称形に形成された
    山形シート部の各々の面に、弁開度を10°〜20°変
    位して全閉位置を設定したことを特徴とする請求項1記
    載のバタフライ弁のシートリング。
  3. 【請求項3】 シートリング及び弁体に各々のボス部中
    心を結ぶ内周面に対し対称形に形成された山形シート部
    の両側面部に、弁開度で10°〜20°変位して全閉位
    置をそれぞれ設定し、弁体の回動方向を正・逆転の何れ
    も使用可能に構成して、上記両全閉位置を2個所、シー
    ル部として使用可能に構成したことを特徴とする請求項
    1又は2記載のバタフライ弁のシートリング。
  4. 【請求項4】 シートリングの外周部に、弁棒孔の直径
    より大きい幅の帯状補強凸部を一体に設け、弁開閉に伴
    うシートリングの変位を防止するように構成したことを
    特徴とする請求項1ないし3の何れか1記載のバタフラ
    イ弁のシートリング。
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