JP3044931B2 - カメラの自動調光装置 - Google Patents

カメラの自動調光装置

Info

Publication number
JP3044931B2
JP3044931B2 JP4195498A JP19549892A JP3044931B2 JP 3044931 B2 JP3044931 B2 JP 3044931B2 JP 4195498 A JP4195498 A JP 4195498A JP 19549892 A JP19549892 A JP 19549892A JP 3044931 B2 JP3044931 B2 JP 3044931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
area
light
light emission
distance
photometric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4195498A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0635030A (ja
Inventor
忠雄 ▲高▼木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP4195498A priority Critical patent/JP3044931B2/ja
Priority to US08/081,221 priority patent/US5442417A/en
Publication of JPH0635030A publication Critical patent/JPH0635030A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3044931B2 publication Critical patent/JP3044931B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exposure Control For Cameras (AREA)
  • Focusing (AREA)
  • Stroboscope Apparatuses (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、閃光発光時に被写界を
複数の領域に分割して測光し、その測光結果に応じて調
光を行うカメラの自動調光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の自動調光装置として、例えば本
出願人による出願中の特願平2−312487号明細書
中に示されるものがある。この装置は、予備発光と本発
光とが可能な電子閃光手段を有し、予備発光時における
被写界からの反射光を複数の測光領域に分割して測光
し、測光値と撮影距離とから複数の測光領域を有効領域
と無効領域とに分別し、有効領域を用いて本発光を調光
するというものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記自動
調光装置においては、焦点検出装置がまちがえて主要被
写体の背景に合焦してしまった場合は、撮影距離も背景
に対応した大きな距離が検出される為、その大きな撮影
距離を用いて有効領域と無効領域との分別を行うと、適
正露出が得られないという問題があった。
【0004】例えば、上記の様な場合は検出された撮影
距離に対し、主要被写体は相当近いところに実在する
為、カメラは主要被写体からの反射光を多すぎる量と認
識し、その領域を無効領域と設定してしまう。すると本
発光時は、主要被写体の実在しない領域を対象に調光し
てしまい、結果的に大オーバな写真になってしまう。ま
た、撮影距離は焦点検出装置によって焦点整合された場
合に限らず、例えば、目測結果に基づき撮影レンズの距
離環を手動で設定し、その位置をエンコーダで検出する
方法でも得られ、その場合にも同様な問題が発生しう
る。
【0005】本発明の目的は、以上の様に撮影距離をま
ちがえた場合でも、適正な調光がなされるカメラの自動
調光装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決の為、本
発明のカメラの自動調光装置においては、カメラの露光
前に行われる予備発光と露光中に行われる本発光とが可
能な閃光手段と、該閃光手段から発光され被写界で反射
された光束を複数の測光領域に分割して測光する測光手
段と、撮影距離情報を出力する撮影距離情報出力手段
と、該予備発光の結果と該撮影距離とから該複数の測光
領域を有効領域と無効領域とに分別すると共に撮影距離
が所定量に比べ大きい場合に該無効領域への分別を禁止
する手段と、を具備するものである。
【0007】
【作用】本発明のカメラの自動調光装置においては、カ
メラの露光前に行われる予備発光と露光中に行われる本
発光とが可能な閃光手段と、該閃光手段から発光され被
写界で反射された光束を複数の測光領域に分割して測光
する測光手段と、撮影距離情報を出力する撮影距離情報
出力手段と、該予備発光の結果と該撮影距離とから該複
数の測光領域を有効領域と無効領域とに分別すると共に
撮影距離が所定量に比べ大きい場合に該無効領域への分
別を禁止する手段と、を具備する様になしたので、撮影
距離をまちがえた場合でも、適正な調光が可能となる。
【0008】
【実施例】図1〜図22により本発明の一実施例を説明
する。図1はTTL自動調光カメラの構成を示す図であ
る。ファインダー観察時は撮影レンズ2を通過した光束
(定常光)は、破線で示すミラ−ダウン状態のミラ−3
で反射され、スクリ−ン4,ペンタプリズム5を通過し
て、一部は接眼レンズ6に導かれ、他の一部は集光レン
ズ7を通過して露出演算用測光素子8に導かれる。また
撮影時には、図4に示すレリーズ釦32がレリーズ操作
されると、ミラ−3が実線で示すアップ位置に駆動され
た後、絞り9が絞り込まれ、シャッタ10が開閉され、
これにより撮影レンズ2を通過した被写体光はフィルム
FIに導かれてフィルムFIが露光される。
【0009】また閃光撮影時には、シャッタ10の開後
に電子閃光装置11が本発光して被写体を照明し、被写
体からの反射光は撮影レンズ2を介してフィルム面に至
り、このフィルム面で反射された光束が集光レンズアレ
イ12を介して調光用の受光素子13に受光される。さ
らに本実施例のカメラは、上記本発光の前に被写界の状
態を調べるための予備発光が可能であり、この予備発光
による被写界からの反射光は、シャッタ10が開く前に
その幕面で反射されて受光素子13に受光される。
【0010】受光素子13は、図2に示すように、被写
界中央部の円形の測光領域に対応する分割受光素子13
aと、被写界周辺部の矩形を円弧で切り欠いた形状の測
光領域に対応する分割受光素子13b〜13eとが同一
平面上に配置されて成る。すなわち、本実施例では被写
界を5つの測光領域に分割して分割測光を行う。また集
光レンズアレイ12は、上記受光素子13a〜13eの
左、中間、右の3ブロックに対応する3つのレンズ部分
12a〜12cを有する光学部材である。
【0011】図2に示すように、フィルム面の1駒分の
露光領域20を被写界と同様に中央の円形部20aと周
辺を4分割した20b〜20eの5領域に分割すると、
受光素子13a〜13eの上記左、中間、右の3ブロッ
クは、それぞれ破線で示されるように、集光レンズアレ
イ12の3つのレンズ部分12a〜12cを経由してフ
ィルム露光領域20の左半分、中央、右半分と対峙して
いる。さらに受光素子13とフィルム露光領域とはほぼ
共役関係にあるので、5つの領域20a〜20eの明る
さを概略同形状に分割して測光する。 図3は制御系の
ブロック図を示し、カメラ全体のシ−ケンスを制御する
CPU31には、レリーズ釦32,シャッタ10が接続
されるとともに、撮影レンズ2内の絞り9およびレンズ
情報出力回路33が接続されている。レンズ情報出力回
路33からは、公知のレンズ内距離エンコーダ34にて
検出される撮影距離X、レンズROM35内に格納され
た開放絞り値F0 、射出瞳距離POおよびエンコーダ3
4の分解能等による撮影距離の誤差ΔX等がCPU31
に入力される。
【0012】さらにCPU31には、露出制御用測光素
子8からの出力に基づいて測光動作を行う測光回路36
と、受光素子13、すなわち分割受光素子13a〜13
eからの出力に基づいて調光動作を行う調光回路50
と、装着されたフィルムFIのISO感度をDXコ−ド
から読み取るISO感度検出回路37と、上記電子閃光
装置11の発光制御回路38とが接続されている。ここ
で、露出制御用測光素子8も受光素子13と同様に、被
写界の各測光領域に対応する5つの分割測光素子8a〜
8eから成る。また、公知の焦点検出光学系41は画面
の中央部付近を測距するもので、その出力は焦点検出回
路39でピントズレ量ΔYに変換され、CPU31に入
力される。
【0013】また焦点整合モード設定スイッチ40は、
フォ−カシング開始後に撮影レンズが被写体にいったん
合焦するとそのレンズ位置でロックするS−AF(シン
グルAFモード)、レリーズ釦が半押し操作されている
間は連続してフォ−カシングを行うC−AF(コンティ
ニュアスAFモード)、およびM(マニュアルフォーカ
ス)の3モードを選択するための操作部材である。
【0014】図4は、図3で説明した調光用受光素子1
3の測光パターンと、焦点検出光学系41の検出領域パ
ターンとを、撮影画面上の重ねて描いた図である。露光
領域20の中央の円形部20aは、焦点検出光学系41
の検出領域41aに重複している。図5は上記調光回路
50の詳細を示し、この調光回路50は、各分割受光素
子13a〜13eの出力を増幅する増幅器51a〜51
eと、CPU31からの指令に応答して各増幅器51a
〜51eの増幅率をそれぞれ設定するゲイン設定器52
a〜52eとを有し、ゲイン設定器52a〜52eは、
CPU31からのデジタル信号をアナログ信号に変換す
るD/A変換器を含んでいる。
【0015】またCPU31からの指令に応答して上記
予備発光時の各増幅器51a〜51eの出力をそれぞれ
時間で積分する積分回路53a〜53eと、本発光時の
各増幅器51a〜51eの出力を加算する加算回路54
と、CPU31からの指令に応答して加算回路54の加
算結果を時間で積分する積分回路55と、CPU31内
に予め格納されたアナログ信号としての調光レベル(後
で詳述する)をデジタル信号に変換する変換回路56
と、この変換された調光レベルと上記積分回路55の出
力とを比較し、積分回路55の出力が上記調光レベルに
達した時に発光停止信号を出力する比較器57とを有す
る。
【0016】次に、図6〜図22のフローチャートによ
りCPU31による閃光撮影制御の手順を説明する。図
6,図7はメインのフローチャートであり、レリーズ釦
32(図4)が半押し操作に引続いて全押し(レリー
ズ)操作されるとステップS1以下の処理が開始され
る。まずステップS1でISO感度検出回路37から装
填されたフィルムFIのISO感度SVを読み込む。次
いでステップS2で撮影レンズ2のレンズ情報出力回路
33から開放絞り値F0を、ステップS3で射出瞳距離
POをそれぞれ読み込む。
【0017】ステップS4では、距離検出が可能か否か
を判別する。例えば撮影レンズ2が図4の如く距離エン
コーダ34を内蔵していれば距離検出可能であり、この
場合にはステップS5でフラグFL_Dに1を代入す
る。また撮影レンズ2が距離エンコーダを内蔵していな
ければ距離検出不可能であり、この場合にはステップS
7でフラグFL_Dに0を代入する。ステップS5の後
はステップS6において、エンコーダ34の検出結果で
ある撮影距離Xをレンズ情報出力回路33を介して読み
込み、次いでステップS8に進む。またステップS7の
後は直接ステップS8に進む。
【0018】ステップS8では、後述するHi、Loカ
ットの候補を抽出する際に用いる誤差の演算を行う。こ
の誤差は、撮影距離の検出誤差および閃光装置の予備発
光に起因する誤差に大別され、撮影距離の検出誤差は更
に、 (1)撮影距離検出の際のレンズ鏡筒に起因する誤差 (2)撮影距離検出の際のボディのフォ−カシングに起
因する誤差 に分けられる。この処理の詳細は図8,図9を用いて後
述する。
【0019】ステップS9では定常光での測光を行う。
すなわち上述した5分割の測光素子8a〜8e(図3)
の出力を測光回路36に取り込み、この測光回路36で
対数圧縮された各測光領域に対応する輝度値BV(n)
(n=1〜5)を読み込む。ここで、本実施例における
nの値1〜5は、5つの測光素子8a〜8eまたは分割
受光素子13a〜13eにそれぞれ対応しているものと
する。次いでステップS10では、読み込んだ各輝度値
BV(n)およびISO感度SVから定常光露出BVan
s を演算する。この演算方式は、例えば本出願人による
特開平1−285925号公報の第7図に開示されてい
るような方式を用いる。
【0020】その後、ステップS11に進み、演算され
た定常光露出BVans から、公知のプログラム線図によ
り、シャッタ速度TVおよび絞り値AVを決定し、ステ
ップS12に進む。ステップS12では、焦点整合に関
する情報を検出する。この情報は、具体的には焦点整合
モードと合焦状況との2つである。焦点整合モードとは
上述したコンティニュアスAFモードやシングルAFモ
ード、また手動で行なうマニュアルフォーカスモードで
あり、合焦状態とは、ピントズレの大きさの状態であ
る。その詳細は図10を用いて後述する。次に、ステッ
プS13ではミラ−3を図2の破線の状態から実線の状
態までアップするとともに、絞り9をステップS11で
決定された絞り値AVまで絞り込んで図7のステップS
14に進む。
【0021】図7のステップS14,S15は、予備発
光を行うか否かの判定処理である。ステップS14にお
いて、上記ステップS11で決定された絞り値AVが所
定値以上暗い絞り(本実施例ではF値が11以上)と判
定された場合には、小光量の予備発光の検出が行えない
確率が高いので、予備発光を行わずにステップS22に
進む。またステップS15において定常光が十分明るい
と判定された場合(ここでBV(1)〜BV(5)が全
て8(BV)を越える場合)には、予備発光が定常光に
埋もれてしまうため、この場合も予備発光を行わずにス
テップS22に進む。その他の場合にはステップS16
に進む。ステップS22では予備発光を行なわないTT
L−BL調光処理を行って処理を終了させる。このTT
L−BL調光処理は、本出願人による特開昭63−83
713号公報に示されているもので、その詳細はここで
は省略する。
【0022】ステップS16では、次式に基づいてシャ
ッタ幕面反射測光に対する各撮影レンズの各測光領域毎
の補正係数Sα(n)の演算を行う。 Sα(1)=1 Sα(2)=1−(1.2×10-3)・PO Sα(3)=1−(1.2×10-3)・PO Sα(4)=1+(1.7×10-3)・PO Sα(5)=1+(1.7×10-3)・PO ここで、POは撮影レンズ2の射出瞳距離を示してい
る。すなわち、撮影レンズ2の射出瞳距離POによって
上述の受光素子13a〜13eの受光条件は異なるの
で、このステップS16の処理では、全ての受光素子の
測光信号を同一条件で評価するために上記レンズ補正係
数Sα(n)を求めるのである。
【0023】ステップS17では予備発光を行い、シャ
ッタ幕面からの反射光を分割測光し、ステップS18で
はその測光結果に基づいて本発光時の調光に寄与させな
い測光領域(カット領域)の候補の抽出を行う。ステッ
プS19では、ステップS18の処理結果に基づいて本
発光時の調光に寄与させる測光領域(有効領域)を決定
するとともに、調光補正量ΔYを決定する。これらのス
テップS17〜S19の処理の詳細は、図11〜図20
を用いて後述する。ステップS20では、フィルム面反
射測光時の各撮影レンズの各測光領域毎の補正係数Sβ
(n)を算出する。ここでは仮に、Sβ(n)=Sα
(n)とする。そして、ステップS21では、シャッタ
10を全開して本発光を行うとともに、フィルム面から
の反射光を分割測光し調光動作を行う。この処理の詳細
も図21,図22を用いて後述する。
【0024】図8,図9は上記図6のステップS8の処
理、すなわち誤差演算の詳細を示すフローチャートであ
る。ステップS51でフラグFL_D=1が判定された
場合、すなわち撮影レンズ2に距離エンコ−ダが内蔵さ
れていて、距離検出が可能なときは、ステップS52に
進む。ステップS52では撮影レンズ2のレンズROM
35に記憶されている撮影レンズに関わる距離検出誤差
ΔXをレンズ情報出力回路33を介して読み込む。この
距離検出誤差ΔXは称呼撮影距離Xに対し、それぞれ至
近側誤差ΔXN-Lと無限遠側誤差ΔXI-Lとがあり、共に
レンズROM35内に予め記憶されているものとする。
単位は[EV]とする。 次にステップS53に進み、
カメラボディのフォ−カシングに関わる距離検出誤差が
演算される。演算式は演算の容易化を考え下記のように
近似してある。至近側誤差ΔXN-B は、 ΔXN-B =0. 17・(X・103 )/(f2 ) 無限遠側誤差ΔXI−Bは、 ΔXI-B =0. 11・(X・103 )/(f2 ) とした。ここで、焦点距離fの単位は[mm]、撮影距
離Xの単位は[m]で、誤差ΔXの単位は[EV]であ
る。ボディのフォ−カシングに関わる距離検出誤差は撮
影距離に比例し、焦点距離の自乗に反比例するように演
算される。
【0025】次いで図9のステップS54では、閃光装
置11の予備発光に関わる誤差が設定される。その設定
値は、至近側誤差ΔXN-Sが、 ΔXN-S =1/3 無限遠側誤差ΔXI−Sが、 ΔXI-S =1/3 と一定値となっている。誤差ΔXの単位は[EV]であ
る。
【0026】ステップS55では、上記各誤差のト−タ
ルが演算される。すなわち至近側ト−タル誤差ΔX
N は、 ΔXN =(ΔXN-L +ΔXN-B +ΔXN-S )/1. 5 無限遠側ト−タル誤差ΔXI は、 ΔXI =(ΔXI-L +ΔXI-B +ΔXI-S )/1. 5 と一定値とした。ト−タル誤差ΔXの単位は[EV]で
ある。
【0027】その後、図6の処理にリターンする。一
方、ステップS51でフラグFL_Dが1でないと判定
された場合、すなわち撮影レンズ2に距離エンコ−ダが
内蔵されておらず、距離検出が不可能なときは、ステッ
プS56に進む。ステップS56では、撮影レンズに関
わる距離検出誤差ΔXを設定する。すなわち至近側誤差
ΔXN-L は、 ΔXN-L =0 無限遠側誤差ΔXI-L は、 ΔXI-L =0 である。
【0028】ステップS57では、ボディのフォ−カシ
ングに関わる距離検出誤差ΔXを設定する。至近側誤差
ΔXN-B は、 ΔXN-B =0 無限遠側誤差ΔXI-Bは、 ΔXI-B =0 である。その後、ステップS54に進む。
【0029】図10は上記図6のステップS12の処
理、すなわちAF情報検出の詳細を示すフローチャート
である。まずステップS100で撮影レンズ2の焦点距
離の判別を行う。焦点距離fが42mm以上の時にはス
テップS101に進み、そうでない場合にはステップS
104に進む。ステップS104に進む場合は、焦点検
出領域に主要被写体が実在しているとは断定できない場
合で、焦点距離が短い撮影レンズに対しては、焦点検出
装置の出力にかかわらずこの判断を行う。主要被写体に
焦点を合わせ、フォーカスロックして構図を振った場
合、撮影距離は主要被写体に合っているが、焦点検出装
置は背景に対し非合焦の判定を出力する。しかしなが
ら、撮影レンズ2の焦点距離が短い場合、深度が浅くな
る為、構図を振っても、背景に対しても合焦判定を出力
してしまう場合が多々発生する。本処理はこの対策とし
て行ったものである。
【0030】ステップS101では焦点整合モードの判
別を行う。焦点整合モードとして上述したC−AFが設
定されているときは、主要被写体が画面の焦点検出ゾー
ン(画面の中央部)に重複しているものと判断し、ステ
ップS102に進んでフラグFA_SCに1を代入す
る。またS−AFもしくはMに設定されているときは、
主要被写体が画面の焦点検出ゾーンに重複しているか否
かが不明のため、ステップS103に進み、撮影直前の
ピントズレ量ΔYの絶対値|ΔY|が150μm以下か
否かの判定を行う。そして、|ΔY|が150μm以下
の場合は、主要被写体が画面の焦点検出ゾーンに重複し
ているとみなし、ステップS102に進んでフラグFA
_SCに1を代入する。また、|ΔY|が150μm以
下でない場合は、主要被写体が画面の焦点検出ゾーンに
重複していない、もしくは不明とし、ステップS104
に進んでフラグFA_SCに0を代入する。その後、図
6の処理にリターンする。
【0031】図11および図12は上記図7のステップ
S17の処理、すなわち予備発光処理の詳細を示すフロ
ーチャートである。まず図11のステップS201で
は、予備発光の1回あたりのガイドナンバ−GNp1を
2とする。すなわち本実施例では、予備発光としてガイ
ドナンバ−2のチョップ発光を複数回行うものとする。
ステップS202では、上述したステップS15で得ら
れたレンズ補正係数Sα(n)を用いて、 Gpre (n)=γ(AV−3+log2 (1/5)−Sα(n)) により、上記調光回路50のゲイン設定器52a〜52
e(図5)に与えるゲインGpre (n)を求める。
【0032】ステップS203では、チョップ発光の回
数Qpre を零リセットし、次いでステップS204でQ
preを「1」だけ歩進するとともに、予備発光の測光時
間の計時を開始してステップS205に進む。ステップ
S205では、上記ガイドナンバ−GNp1(GNp1
=2)で1回のチョップ発光を行い、ステップS206
ではその測光を行う。すなわち、チョップ発光の光束は
被写界で反射され、撮影レンズ2を透過してシャッタ1
0の幕面に1次像として結像する。この1次像は5つに
分割され、その各々は図3の集光レンズアレイ12を介
して5つの分割受光素子13a〜13eにそれぞれ受光
される。各分割受光素子13a〜13eは、それぞれの
受光量に応じた測光値を逐次上記調光回路50の増幅器
51a〜51eに入力する。
【0033】増幅器51a〜51eは、入力された信号
をゲイン設定器52a〜52eのゲインGpre (n)
(ステップS202で求められたもの)でそれぞれ増幅
して積分回路53a〜53eに入力する。CPU31は
積分回路53a〜53eに作動信号を出力し、積分回路
53a〜53eは、この作動信号に応答して上記増幅さ
れた信号をそれぞれ時間で積分し、IG(n)(n=1
〜5)としてCPU31に入力する。
【0034】次にステップS207では、上記5つの測
光信号IG(n)の総和を求めIGとしてステップS2
08に進む。ステップS208で上記IGが所定量(こ
こでは230)未満と判定されるとステップS209に
進み、ここでチョップ発光の回数Qpre が16未満と判
定されるとステップS204に戻って上述の処理を繰返
す。ステップS208でIGが230に達するか、ある
いはステップS209でQpre が16に達するかすると
ステップS210に進む。ステップS210では上記ス
テップS204での計時開始からの計時時間を予備発光
の測光に要した総測光時間tpre としてステップS21
1に進む。
【0035】ステップS211では予備発光を測光した
のと同じ光学系で定常光の測光を行う。その際の測光時
間tpst は予備発光の測光に要した総測光時間tpre と
同じとする。そして、ここで得られる定常光の測光値を
Ipst (n)とする。次に、図12のステップS212
〜S218において、n=1〜5の5出力に対して定常
光成分の補正とGNrtn の計算とを行う。まずステップ
S212でnを零とし、次いでステップS213でnを
1だけ歩進する。ステップS214では、予備発光成分
と定常光成分とを含む上記IG(n)から、定常光成分
Ipst(n)を引いて補正し、その値を新たにIG
(n)と置く。そして、ステップS215で、補正した
IG(n)が正と判定された場合にはステップS216
に進み、 GNrtn (n)=(GNP12 ×Qpre )1/2 ×〔{230/IG(n) }×2AV-2×(1/5)〕1/2 によりGNrtn (n)を求める。
【0036】上式によればGNrtn (n)は、各領域の
被写体が標準反射率を有する場合には絞り値Fに撮影距
離Xを乗じた値となる。換言すれば、F・X=GNrtn
(n)の領域は距離Xの位置に標準反射率の被写体があ
ると考えられ、F・X>GNrtn (n)の領域はXの位
置に標準反射率よりも高い反射率の物体が存在すると考
えられ、またF・X<GNrtn (n)の領域はXの位置
に標準反射率よりも低い反射率の物体が存在すると考え
られる。すなわち、物体の反射率が高いほどGNrtn
(n)は小さくなる。
【0037】一方、ステップS215でIG(n)が正
でないと判定された場合にはステップS217に進み、
GNrtn (n)に無限大と見なせるに非常に大きな数
(ここでは999)を代入してステップS218に進
む。ステップS218でn=5と判定されると図7の処
理にリターンし、そうでなければステップS213に戻
って上述の処理を繰り返す。
【0038】図13,図14はステップS18(図7)
のHi,Loカット候補抽出処理の詳細を示している。
まずステップS300で有効領域数Mval を零リセット
する。ステップS301では、後述するHiカットおよ
びLoカットで用いる係数KhiとKloに、上記ステップ
S55で求めたト−タル誤差を用いてそれぞれ、 Khi=2DH(ただし、DH=−(1+ΔXN )/2) Klo=2DL(ただし、DL=+(4+ΔXI )/2) を代入する。すなわち至近側の誤差ΔXN を用いてHi
カットのKhi係数が、無限遠側の誤差ΔXI を用いてL
oカットの係数Kloがそれぞれ演算される。そして上式
によれば、誤差ΔXN が大きいほどKhiは小さくなり、
また誤差ΔXI Iが大きいほどKloは大きくなる。これ
は、誤差が大きいほど後述するHiカット、Loカット
の候補になりにくい方向に、すなわち有効領域となり易
いようにカットの係数KhiとKloとを決定し、撮影距離
等の検出誤差が大きい場合に、主要被写体を含む領域が
カットされてしまう不都合を回避するためである。例え
ば、ト−タル誤差ΔXN とΔXI とが共に0のときは、
Khi=0. 71、Klo=4となり、またト−タル誤差Δ
N とΔXI とが共に1[EV]のときは、Khi=0.
5、Klo=5.66となる。
【0039】次いでステップS302でnを零リセット
するとともに、ステップS303でnを「1」だけ歩進
し、ステップS304でフラグFL_Dが1か否かを判
定する。ここで、フラグFL_Dが1でないということ
は、撮影距離Xが検出されていないことを示している。
ステップS304が肯定されると、すなわち撮影距離X
が検出されていればステップS308に進み、否定され
るとステップS305に進む。ステップS305でn=
1と判定されると、すなわち中央部分の演算のときには
ステップS306に進み、撮影距離Xを、 X=30・(50・f)1/2 ・10-3 としてステップS308に進む。ここで、fは撮影レン
ズの焦点距離である。
【0040】またnが1でないとき、すなわち周辺部分
の演算のときにはステップS307に進み、撮影距離X
を、 X=60・(50・f)1/2 ・10-3 としてステップS308に進む。ステップS308で
は、上記ステップで検出もしくは仮想された撮影距離X
が X>(200・(50・f)1/2 ・10-3)/(2DC) (ただし、DC=ΔXI-L /2) であるか否かを判定する。これが否定されるとステップ
S309に進み、肯定されると、ステップS309を飛
び越えてステップS310に進む。肯定された場合の処
理は、撮影レンズ2の焦点距離から想定される一般的撮
影距離に対し、カメラが認識した撮影距離Xがあまりに
も大きすぎる場合の処理で、焦点検出回路39が主要被
写体の背景に合焦してしまったものと想定した場合の対
策である。閃光装置を用いた撮影の場合、デーライトシ
ンクロやスローシンクロでは背景が主要被写体よりも明
るい、いわゆる逆光の場合が多く、高輝度に合わせてA
GCをかける焦点検出装置では、まちがえて背景に合焦
してしまう場合が多い。この対策を行わないと、まちが
えた撮影距離XによりステップS309で主要被写体が
Hiカットされてしまい、結果的に大オーバな写真にな
ってしまう。 ステップS309では、上記ステップS
216(図12)で演算されたGNrtn (n)が、 GNrtn (n)<Khi・X・F であるか否かを判定する。これが否定されると図14の
ステップS310に進み、肯定されると、その領域に金
屏風や鏡などの高反射率の物体が存在する、あるいは撮
影距離Xよりも至近側に被写体(主要被写体ではない)
が存在すると判断して図14のステップS318に進
み、その領域をHiカット領域候補としてステップS3
19に進む。
【0041】なお、撮影距離Xが検出できない場合で
も、ステップS306やS307で求めけられる値をス
テップ309で用いることにより、GNrtn の値が明ら
かに非常に小さい場合に限り高反射物と判断し、その領
域をHiカット領域候補とする。ここで、ステップS3
06とS307では、ステップ306の方が値が小さく
なるように工夫してある。これは、中央部分には主要被
写体が位置する可能性が高いため、周辺部分に比べ中央
部分がHiカット領域候補と判断されにくくして、中央
部で主要被写体がカットされてしまう危険性を減らして
いる。
【0042】図14のステップS310ではフラグFL
_Dが1か否かを再び判定し、肯定されるとステップS
314に進み、否定されるとステップS311に進む。
ステップS311でn=1が判定されると、すなわち中
央部分の演算のときにはステップS312に進み、撮影
距離Xを、 X=100・(50・f)1/2 ・10-3 としてステップS314に進む。またnが1でないと
き、すなわち周辺部分の演算のときにはステップS31
3に進み、撮影距離Xを、 X=60・(50・f)1/2 ・10-3 としてステップS314に進む。
【0043】ステップS314では、上記ステップS2
16(図12)で演算されたGNrtn(n)が、 GNrtn (n)>Klo・X・F であるか否かを判定する。これが否定されるとステップ
S315に進み、肯定されるとその領域に低反射率の物
体が存在する(例えば背景が抜けている場合など)と判
断してステップS317に進み、その領域をLoカット
領域候補としてステップS319に進む。
【0044】なお、撮影距離Xが検出できない場合で
も、ステップS312やS313で求められる値をステ
ップ314で用いることにより、GNrtn の値が明らか
に非常に大きい場合に限り、低反射物と判断してLoカ
ット領域候補とする。またステップS312とS313
では、ステップ312の方が値が大きくなるように工夫
してある。これは、中央部分には主要被写体が位置する
可能性が高いため、周辺部分に比べ中央部分がLoカッ
ト領域候補と判断されにくくして、中央部で主要被写体
がカットされてしまう危険性を減らしている。
【0045】またステップS309,S314が共に否
定された場合には、その領域を有効領域候補とし、ステ
ップS316で有効領域の個数Mval を「1」だけ歩進
してステップS319に進む。ステップS319ではn
=5か否か、すなわち全ての領域に対して上記処理が行
われたか否かを判定し、否定されるとステップS304
に戻り、肯定されるとステップS320に進む。
【0046】ステップS320ではフラグFL_Dが1
か否かを判定し、肯定されるとステップS321に進
み、否定されるとステップS322に進む。ステップS
322では撮影距離Xを、 X=100・(50・f)1/2 ・10-3 としてステップS321に進む。
【0047】ステップS321では係数KNCを KNC=2DD (ただし、DD=+(4+ΔXI)/2) としてステップS323に進む。ステップS323で
は、上記ステップS216(図12)で演算された中央
領域のGNrtn (1)が、 GNrtn (1)>KNC・X・F であるか否かを判定する。これが肯定されるとステップ
S324に進み、中央領域には主要被写体が実在しない
と判断し、『中央不在領域』と認定して図7の処理にリ
ターンする。また否定された時には直接図7の処理にリ
ターンする。
【0048】以上の図13,図14の処理によれば、各
領域の予備発光時の測光信号に基づいて演算されたGN
rtn (n)が、 GNrtn (n)<Khi・X・F ・・・(1) の場合にはその領域がHiカット領域候補となり、 GNrtn(n)>Klo・X・F ・・・(2) の場合にはその領域がLoカット領域候補となり、 Khi・X・F≦GNrtn (n)≦Klo・X・F の場合には有効領域候補となる。すなわち、予備発光時
の測光値が所定範囲内の領域が有効領域候補となり、所
定範囲外の領域がカット領域候補となる。
【0049】ここで、検出される撮影距離Xは、実際の
撮影距離よりも上記至近側の誤差分だけ遠い値となるお
それがあり、このため仮にこの誤差を加味しないで上記
式(1)式の判定を行うと、本来Hiカットさせるべき
でない領域(主要被写体が存在する領域)がHiカット
されてしまうおそれがある。しかし本実施例では、上述
したように至近側の誤差ΔXN が大きいほど小さくなる
Hiカットの係数Khiを用いて上記判定を行っているの
で、誤差ΔXN が大きいほどその領域がHiカットされ
にくくなる。つまり主要被写体が存在する領域がHiカ
ットされるといった不都合が最小限に抑制される。
【0050】また検出される撮影距離Xは、実際の撮影
距離よりも上記無限遠側の誤差分だけ近い値となるおそ
れがあり、このため仮にこの誤差を加味しないで上記式
(1)式の判定を行うと、本来Loカットさせるべきで
ない領域(主要被写体が存在する領域)がLoカットさ
れてしまうおそれがある。しかし本実施例では、上述し
たように無限遠側の誤差ΔXI が大きいほど大きくなる
Loカットの係数Kloを用いて上記判定を行っているの
で、誤差ΔXI が大きいほどその領域がLoカットされ
にくくなる。つまり主要被写体が存在する領域がLoカ
ットされるといった不都合が最小限に抑制される。
【0051】図15〜図20は図7のステップS19の
処理の詳細を示している。この処理は、最終的な調光領
域の決定と、調光補正量ΔYとを求める処理である。調
光補正量ΔYとは、後述する図21のステップS504
に示すように本発光時に上記調光回路50のゲイン設定
器52a〜52eに与えるゲインを求める際に用いられ
るものであり、ΔY>0の場合には、その値が大きいほ
ど本発光の発光停止時期が遅くなり発光量が多くなる。
またΔY<0の場合には、|ΔY|が大きいほど本発光
の発光停止時期が速くなり発光量が少なくなる。
【0052】図15において、ステップS400では、
前記ステップS324(図14)で中央領域が『中央不
在領域』と認定されたか否かの判断を行う。否定された
場合にはステップS401に進み、肯定された場合には
ステップS406に進む。この処理は、焦点検出領域に
主要被写体が実在しているとは断定できない場合で、焦
点検出装置の出力を用いた判断の上位判断としてこの判
断を行う。主要被写体に焦点を合わせ、フォーカスロッ
クして構図を振った場合、撮影距離は主要被写体に合っ
ているが、焦点検出装置は背景に対し本来は非合焦の判
定を出力する。しかしながら、撮影レンズ2の焦点距離
が短い場合、深度が浅くなる為、構図を振っても、背景
に対しても合焦判定を出力してしまう場合が多々発生す
る。本処理はこの対策として行ったものである。ステッ
プS401では上述したフラグFA_SCが1であるか
否かの判定を行う。1のとき、つまり主要被写体が画面
中央部に存在すると考えられる場合にはステップS40
2に進み、調光領域を中央部分に最終決定しステップS
403に進む。ステップS403で図13,図14の判
定結果が5個とも有効領域候補と判定されたときには図
18のステップS431に進み、そうでないときはステ
ップS404に進む。ステップS404で中央がHiカ
ット領域候補と判定されたときには図18のステップS
430に進み、そうでないときはステップS405に進
む。ステップS405で中央がLoカット領域候補と判
定されたときには図18のステップS429に進み、そ
うでないときは図17のステップS420に進む。
【0053】一方、ステップS401でFA_SC≠1
と判定された場合、すなわち中央部に主要被写体が存在
しないと考えられる場合にはステップS406に進む。
ステップS406〜S409の処理は、上記図13,図
14の処理の結果、(1)5領域共有効領域候補だった
か、(2)5領域の全てがHiカット領域候補であった
か、(3)5領域の全てがLoカット領域候補であった
か、(4)5領域の全てがカット領域候補でありかつH
iカット領域候補とLoカット領域候補が混在している
か、(5)カット領域候補と有効領域候補が混在してい
るかを判定する処理である。そして、これらの判定結果
により以下に示す処理が行われる。
【0054】(1)5領域共有効領域候補だった場合:
この場合はステップS406が肯定されて図16のステ
ップS418に進み、有効領域の数Mval を5とすると
ともに、調光領域として5領域全てを最終決定して図1
8のステップS431に進む。ステップS431では、 Qgnr =Σ(1/GNrtn (n))2 によりQgnr (5領域の予備発光時の測光値の総和)を
演算する。ここで、Σはn=1〜5の総和演算を表す。
次いでステップS432で、 R(n)=(1/GNrtn (n))2 /Qgnr ただし(n=1〜5) により5領域の測光値の総和を1とした場合の各領域の
測光信号の分布R(n)を求める。
【0055】ステップS433ではnを零とし、ステッ
プS434〜S438では、5領域に対する分布R
(n)(n=1〜5)に基づいてTRを求める処理を行
う。すなわち、R(n)が1/5以上であれば前回のT
Rに1/5を加えて新たなTRとし、R(n)が1/5
未満であれば、 TR+(1/5)×R(n)/ MAX(R(n)) を前回のTRに加えて新たなTRとする。ここで、MA
X((R(n))はR(n)の最大値である。ステップ
S439では、上記最終的に求められたTRを用い、 ΔY=log2 (TR/1) により調光補正量ΔYの値を求める。以上のように、各
領域の測光信号の分布に基づいて調光補正量ΔYが求め
られるので、後述する図21,図22の本発光処理にお
いて、本発光の停止時期を的確に制御することが可能と
なる。
【0056】(2)全ての領域がHiカット領域候補の
場合:この場合には、図15のステップS407が肯定
されて図16のステップS416に進み、Mval を1と
するとともに、ステップS417でGNrtn (n)が最
大の領域を新たに調光対象領域と最終決定する。GNrt
n (n)が最大ということは予備発光時の測光信号が最
小ということ、すなわちHiカット領域か否かの判断を
行う上記所定範囲に最も近いということであり、この領
域は、高反射率の物体による影響が最も少ないと予想さ
れる領域である。ただし、該当する領域が複数ある場合
には、領域番号が小さい領域を優先する。次いで図18
のステップS430に進み、調光補正量ΔYを「+1.
5」とする。つまり全ての領域がHiカット領域の場合
には、露出アンダ−を防止するために調光停止時期を通
常よりも遅らせる。
【0057】(3)全ての領域がLoカット領域候補の
場合:この場合には、図15のステップS408が肯定
されて図16のステップS414に進み、Mval を1と
するとともに、ステップS415でGNrtn (n)が最
小の領域を新たに調光対象領域とする。GNrtn (n)
が最小ということは予備発光時の測光信号が最大という
こと、すなわちカット領域か否かの判断を行う上記所定
範囲に最も近いということであり、この領域は、閃光の
反射光が戻ってこないことによる影響が最も少ないと予
想される領域である。ただし、該当する領域が複数ある
場合には、領域番号の小さい領域を優先する。次いで図
18のステップS429に進み、調光補正量ΔYを「−
1」とする。つまり全ての領域がLoカット領域候補の
場合には、露出オ−バを防止するために調光停止時期を
通常よりも早くする。
【0058】(4)全ての領域がカット領域候補であ
り、かつHiカット領域候補とLoカット領域候補が混
在している場合:この場合には、図15のステップS4
09が肯定されて図16のステップS412に進み、M
val を1とするとともに、ステップS413において、
Hiカット領域候補の内のGNrtn (n)が最大の領域
を新たに調光対象領域とし、さらにステップS428で
調光補正量ΔYを「+1」とする。すなわち、Loカッ
ト領域候補は、後方に抜けていてその位置に物体が存在
せず、これに対してHiカット領域候補には必ず高反射
率の物体(例えば金屏風や鏡)が存在しているはずであ
るから、主要被写体はこのHiカット領域候補に埋もれ
ていると考えられる。したがって高反射率の物体の影響
と低反射率の物体の影響とを共になくすためにΔYを
「+1」とするのである。
【0059】(5)カット領域候補と有効領域候補が混
在している場合:この場合には、図15のステップS4
09が否定されてステップS410に進み、Mval を上
記ステップS316(図14)で得られたMval に設定
するとともに、ステップS411で有効領域候補を調光
対象領域と最終決定する。次いで図17のステップS4
20に進み、Hiカット領域候補があるか否かを判定す
る。Hiカット領域候補が1つでもあればステップS4
22で調光補正量ΔYを「+1/3」とし、Hiカット
領域がなければステップS421でΔYを零としてステ
ップS423に進む。ステップS423ではLoカット
領域候補があるか否かを判定し、Loカット領域候補が
あればステップS425で、 ΔY=ΔY−(1/3)×(Mval −1) とし、S426,S427でΔYに−2/3のリミット
を付ける。Loカット領域候補がなければステップS4
24でそのときのΔYを新たにΔYとする。
【0060】すなわち、Hiカット領域候補が存在する
場合には、上述したようにそこに高反射率の物体が存在
する場合であり、たとえ隣接する領域がHiカット領域
にならなくても、その物体の影響を浮けている場合が多
いので、ΔYを「+1/3」とする。一方、Loカット
領域候補が存在する場合について以下に説明する。
【0061】今、主要被写体の背後になにも存在しない
場合を考える。この場合、同一倍率の被写体であっても
その被写体が画面の端に存在する場合と、画面の中央寄
りに存在する場合とでは有効領域の数が異なる。つまり
画面の端に存在する場合にはその被写体が含まれる領域
は少なくなり、有効領域(Loカットされない領域)は
少なくなる。また被写体が画面の中央寄りに位置してい
る場合には、その被写体が含まれる領域が多くなり有効
領域の数は多くなる。そして、被写体の倍率が同一であ
れば、有効領域、すなわち被写体の含まれる領域が多い
ほど個々の領域に占める被写体の面積は小さなものとな
り、予備発光時の測光信号も小さくなる。したがって本
実施例では、上記ステップS425の式に示されるよう
に、有効領域の数Mval が多いほどΔYを−側に大きく
している。
【0062】ステップS424,S427,S428の
後は図19のステップS440に進み、フラグFL_D
が1か否かを判定する。1のときは図20のステップS
445に進み、1でないときは撮影距離Xが検出できな
いときで、ステップS441に進む。撮影距離Xが検出
できない場合は、ΔYを大きな値に設定するのが危険な
ため、ステップS441〜S444において、上記演算
されたΔYに−1〜+1の範囲のリミットをかける。
【0063】図20のステップS445では、カメラが
算出した定常光の理想の露出値、すなわちAE指示値か
ら、実際に制御されるAE制御値を減じ、その値をΔD
Cとする。ΔDCが0でない場合とは、マニュアル露出
で撮影した場合や、ストロボ同調秒時が限界値になり連
動範囲外になった場合等である。ステップS446〜S
450では、ΔDCの値に応じΔYの再補正を行う。
【0064】ステップS446でΔDCが−1未満と判
定されたとき、すなわち定常光の制御が1EVよりアン
ダ−に制御されるときは、再補正は行わずステップS4
47でΔYをそのままの値にする。また、ΔDCが−1
≦ΔDC≦0のときは、 ΔY=ΔY−((19−AVE)/24)×(ΔDC+1) の式に従い、定常光が主要被写体を照明している分、ス
トロボ光を少なめにして補正を行う。ここでAVEは定
常光の分割測光手段8で得られた5個の輝度値(BV)
の平均を表わす。従って暗くなるほど、またΔDCが大
きくなるほどΔYを−方向に大きく補正している。さら
にΔDCが0<ΔDCのときは、 ΔY=ΔY−((19−AVE)/24) の式に従い、同様に補正を行う。
【0065】図21,図22は、図7のステップS20
の本発光処理の詳細を示している。図21において、ス
テップS501ではnを零リセットし、次いでステップ
S502でnを「1」だけ歩進し、ステップS503で
nが示す領域が調光対象領域であるか否かを判定する。
ステップS503が否定されるとステップS505に進
み、調光回路50のゲイン設定器52a〜52eに与え
るゲインGhon (n)を十分小さな値(例えば、−1
0)としてステップS506に進む。一方、ステップS
503が肯定された場合には、ステップS504におい
て、上述の処理で求めた調光補正量ΔYを用いてゲイン
Ghon (n)を、 Ghon(n)=γ(SV+log2(1/Mval)−Sβ−ΔY) により求めてステップS506に進む。ここで、SVは
フィルムISO感度、SβはステップS19で得られた
レンズ補正係数、ΔYは調光補正量、γは定数である。
ステップS506では、n=5か否かを判定し、否定さ
れるとステップS502に戻って上述の処理を繰返し、
肯定されると図22のステップS507に進む。
【0066】ここまでの処理によりゲイン設定器52a
〜52eにゲインGhon (1)〜Ghon (5)がそれぞ
れ与えられた。ステップS507では、電子閃光装置1
1の本発光を開始させ、ステップS508で測光を行
う。すなわち、本発光による照明光は被写体で反射され
撮影レンズ2を透過しフィルム面で反射された後、5つ
の受光素子13a〜13eに受光され、受光素子13a
〜13eの測光信号IG(1)〜IG(5)は、調光回
路50の増幅器51a〜51eにそれぞれ入力される。
【0067】増幅器51a〜51eは、ゲイン設定器5
2a〜52eで設定されたゲインGhon(1)〜Ghon
(5)により測光信号IG(1)〜IG(5)を増幅し
て加算回路54に入力し、加算回路44は入力された増
幅信号を加算する。積分回路55は加算回路54の加算
結果、すなわち、増幅された測光信号IG(1)〜IG
(5)の総和を時間で積分し、その値をIGとする(ス
テップS509)。
【0068】一方、予め設定された調光レベルLVは変
換回路56に出力され、変換回路46はこれをアナログ
信号に変換する。この変換された調光レベルおよび上記
積分回路45の出力IGは比較器57に入力され、比較
器57は、IGが上記調光レベルLVに達したか否かを
判定する(ステップS510)。これが否定されるとス
テップS508に戻り、肯定されるとステップS511
でで電子閃光装置11の発光制御回路38を制御して上
記本発光を停止させ、その後、処理を終了させる。
【0069】この図21,図22の手順によれば、調光
補正量ΔYに基づいてゲインGhon(n)が求められ、
ΔY>0の場合には、その値が大きいほど本発光の発光
停止時期が遅くなり発光量が多くなる。またΔY<0の
場合には、|ΔY|が大きいほど本発光の発光停止時期
が速くなり発光量が少なくなる。以上がCPU31によ
る閃光撮影時の制御手順である。この手順によれば、予
備発光時における測光値と、撮影レンズ2から入力され
る撮影距離Xと、撮影距離の検出誤差ΔXとを用いて本
発光時の調光に寄与させる測光領域(有効領域)が決定
され、本発明時にこの有効領域の測光値を用いて調光が
行われる。このように撮影距離の検出誤差をも加味して
本発光時の調光に寄与する領域が決定されるので、撮影
距離の検出精度が悪い場合でも、有効領域とカット領域
を正確に判別することが可能となる。
【0070】以上の実施例の構成において、電子閃光装
置11が閃光手段101を、受光素子素子13および調
光回路50が測光手段102を、CPU31が調光領域
決定手段103を、CPU31および調光回路50が調
光手段104をそれぞれ構成する。なお以上では、被写
界を中央領域とその周辺部の4領域の合計5領域に分割
するようにしたが、その分割の仕方および分割数はこれ
に限定されない。
【0071】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、カメラの認
識した撮影距離が、考えられる通常の撮影距離に比べ非
常に大きい場合、その撮影距離を用いて無効領域を抽出
することを禁止する様になしたので、撮影距離をまちが
えた場合でも、適正な調光が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動調光カメラの構成を示す図で
ある。
【図2】集光レンズアレイ分割測光素子およびフィルム
の位置関係を示す斜視図である。
【図3】カメラの自動調光装置の構成を示すブロック図
である。
【図4】焦点検出領域と調光領域との関係を表す図であ
る。
【図5】調光回路の詳細を示す図である。
【図6】閃光撮影制御の手順を説明するメインのフロー
チャート図である。
【図7】図6に続くフローチャート図である。
【図8】誤差演算の詳細を示すサブル−チンフローチャ
ート図である。
【図9】図8に続くフローチャート図である。
【図10】AF情報検出処理の詳細を示すサブル−チン
フローチャート図である。
【図11】予備発光時の測光処理の詳細を示すサブル−
チンフローチャート図である。
【図12】図11に続くフローチャート図である。
【図13】カット領域候補抽出処理の詳細を示すサブル
−チンフローチャート図である。
【図14】図13に続くフローチャート図である。
【図15】調光領域決定および調光補正量演算処理の詳
細を示すサブル−チンフローチャート図である。
【図16】図15に続くフローチャート図である。
【図17】図15,図16に続くフローチャート図であ
る。
【図18】図15,図16に続くフローチャート図であ
る。
【図19】図17に続くフローチャート図である。
【図20】図19に続くフローチャート図である。
【図21】本発光時の調光処理の詳細を示すサブル−チ
ンフローチャート図である。
【図22】図21に続くフローチャート図である。
【符号の説明】
7 集光レンズ 8 露出演算用測光素子 11 電子閃光装置 12 集光レンズアレイ 13 調光用受光素子 13a〜13e 分割受光素子 31 CPU 33 レンズ情報出力回路 34 エンコーダ 35 レンズROM 36 測光回路 37 ISO感度検出回路 38 発光制御回路 39 焦点検出回路 40 焦点整合モード設定スイッチ 50 調光回路 51a〜51e 増幅器 52a〜52e ゲイン設定器 53a〜53e,55 積分回路 54 加算回路 56 変換回路 57 比較器 101 閃光手段 102 測光手段 103 調光領域決定手段 104 調光手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カメラの露光前に行われる予備発光と、露
    光中に行われる本発光とが可能な閃光手段と;該閃光手
    段から発光され被写界で反射された光束を、複数の測光
    領域に分割して測光する測光手段と;撮影距離に関する
    情報を出力する撮影距離情報出力手段と;該予備発光の
    結果と該撮影距離とから、該複数の測光領域を有効領域
    と無効領域とに分別し、有効領域を用いて本発光を調光
    するカメラの自動調光装置において;該撮影距離が所定
    量に比べ大きい場合に、該無効領域への分別を禁止する
    様になしたことを特徴とするカメラの自動調光装置。
  2. 【請求項2】前記無効領域は、前記測光手段で測光され
    た光量が多すぎる場合と少なすぎる場合とを含んでいる
    ことを特徴とする請求項1に記載のカメラの自動調光装
    置。
  3. 【請求項3】前記無効領域への分別の禁止は、前記測光
    手段で測光された光量が多すぎる場合であることを特徴
    とする請求項2に記載のカメラの自動調光装置。
  4. 【請求項4】前記所定量は、撮影レンズの焦点距離に応
    じた量であることを特徴とする請求項1に記載のカメラ
    の自動調光装置。
JP4195498A 1992-07-22 1992-07-22 カメラの自動調光装置 Expired - Lifetime JP3044931B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4195498A JP3044931B2 (ja) 1992-07-22 1992-07-22 カメラの自動調光装置
US08/081,221 US5442417A (en) 1992-07-22 1993-06-25 Automatic flash amount control apparatus of camera

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4195498A JP3044931B2 (ja) 1992-07-22 1992-07-22 カメラの自動調光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0635030A JPH0635030A (ja) 1994-02-10
JP3044931B2 true JP3044931B2 (ja) 2000-05-22

Family

ID=16342090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4195498A Expired - Lifetime JP3044931B2 (ja) 1992-07-22 1992-07-22 カメラの自動調光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3044931B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6272292B1 (en) 1998-12-22 2001-08-07 Nikon Corporation Electronic flash control apparatus
JP4592892B2 (ja) * 2000-08-21 2010-12-08 オリンパス株式会社 電子カメラ
JP4346926B2 (ja) * 2003-02-27 2009-10-21 キヤノン株式会社 ストロボ撮影システムおよび撮像装置
JP2012155149A (ja) * 2011-01-26 2012-08-16 Canon Inc 撮像装置及びその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0635030A (ja) 1994-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3136658B2 (ja) 自動調光カメラおよびその交換レンズ
US4933702A (en) Camera with night photography apparatus
JPH04257830A (ja) カメラの閃光調光制御装置
USRE35877E (en) Automatic light modulating camera
US5172157A (en) Automatic light adjustment device for cameras
JP4622211B2 (ja) 閃光制御装置及び閃光制御システム
US8154621B2 (en) Photographing apparatus and photographing method
CN109327688B (zh) 摄像设备及其控制方法和发光控制设备
US5381208A (en) Automatic light adjustment device for camera
JP3044931B2 (ja) カメラの自動調光装置
US5504553A (en) Automatic light adjustment apparatus for a camera on which a photographic lens can be freely mounted
US5309193A (en) Camera with automatic light adjusting device
JP2000155256A (ja) 交換式撮影レンズ装置、カメラボディ並びにカメラシステム
JP3097333B2 (ja) カメラの自動調光装置
JPH01285925A (ja) カメラ
US5442417A (en) Automatic flash amount control apparatus of camera
US5576798A (en) Automatic flash amount control apparatus of camera
US5623706A (en) Camera having auto focusing and auto exposure functions
JPH04371934A (ja) カメラの自動調光装置
JP3123120B2 (ja) カメラの自動調光装置
JP2969923B2 (ja) カメラの自動調光装置
JP2906552B2 (ja) 自動調光カメラ
JP3021528B2 (ja) 自動調光カメラ
JP4532169B2 (ja) 焦点検出装置
JPH0439636A (ja) カメラの自動露出制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120317

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120317

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130317

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130317

Year of fee payment: 13