JP3044894U - シェル−チューブ型熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂材料製の円筒形シェル１内にカート
リッジ式の多管チューブ構造８を有するシェル−チュー
ブ型熱交換器において、保守，交換等目的の前記カート
リッジのシェル１からの取出し、再組立等を容易にする
ためのシェル構造を提供する。 【解決手段】 このため、シェル１の長手方向の中央部
でシェルを１ａ，１ｂに２分割し、ボルト・ナット１１
によるフランジ継手１４を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、シェル及びチューブ型熱交換器に、また特にカートリッジ式の多 管チューブ構造を有する円筒形シェル熱交換器のシェル構造に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、熱交換対象流体としての第１の流体を、熱交換用媒体としての第２の 流体を用いて熱交換を行うこの種の熱交換器の円筒形シェルは、特殊な流体の場 合を除き、従来は、一般的に鋼等を主体とする金属製が主体であったが、特に冷 温水や海水等を対象とするこの種の熱交換器のシェルは、製作コスト、耐熱、耐 蝕性、熱効率等の関係から、また特に、比較的小形製品においては、合成樹脂材 料製品が普及している。

【０００３】 図２に、従来のこの種の形式のシェル−チューブ型熱交換器の一例の三面図（ ただし正面図は簡略断面図）を示す。１は耐熱、耐蝕性の合成樹脂材料製円筒形 シェル、２，３は、それぞれシェル１の両端部に一体成形された、熱交換媒体と しての第２の流体の各入口及び出口、４は、これら入口，出口用の各フランジを 示す。

【０００４】 一方、５，６は、それぞれ被熱交換流体としての第１の流体の入口及び出口、 ７は、これら入口，出口用の各フランジ、８は、簡略化して部分的に示す交換可 能カートリッジ式構成の複数の熱交換チューブ、９は、各チューブ８の両端部を 固定する各チューブ固定板（管板）で、第１流体入口、出口部５，６にそれぞれ Ｏ−リングを介して固定されている。また１０は、長手方向にそれぞれ上／下交 互に配設された複数のバッフル（邪魔板）である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、以上のような構成のカートリッジ式チューブ形式においては、 保守または変換のために、比較的長いシェル１内に複数のバッフル１０を介して 精密に一杯に組込まれているこのカートリッジ組立体を、シェル１の一端部から 引出して分解／取外し、それぞれ着脱を行うことは実質的に極めて面倒な手間と 時間とを要し、また各チューブ固定板９の取付け構造も、それぞれ第１流体用の 各フランジ７開口部から出入可能に構成する必要があった。

【０００６】 この考案は、以上のような従来構造における問題点にかんがみてなされたもの で、製作時のみならず、この種の保守時に必要な分解、組立作業を大幅に容易化 し得るシェル構造の提供を目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案においては、合成樹脂材料製の円筒形シェル内にカートリッ ジ式の複数の熱交換チューブを有するシェル−チューブ型熱交換器であって、前 記円筒形シェルの長手方向の中間部に、そのシェルを２分割するフランジ継手を 設けたことを特徴とするシェル−チューブ型熱交換器を提供することにより、前 記目的を達成しようとするものである。

【０００８】

【作用】

以上のような、本考案に係るシェル構成により、保守等の目的でカートリッジ 式チューブ組立体を、円筒形シェルから抜取り、もしくは再組付け時に際して、 予めシェル中央部の結合フランジ継手を、分離することにより、シェルを２分割 して、チューブカートリッジのそれぞれ両端部方向へ互いに引抜いて容易に分解 することができ、組立時も、その逆順序で極めて容易にそれぞれ両端部から挿入 して中間継手を結合することにより短時間に再組立が可能となる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案を一実施例に基づいて詳細に説明する。

【００１０】

【実施例】

図１に、本考案に係るこの種のシール−チューブ型熱交換器のシェル構造の一 実施例の三面図（前記図２対応図）を示し、前記図２におけると同一（相当）構 成要素は、同一符号で示し、重複説明は省略する。

【００１１】 （構成） 本考案実施例の特徴は、従来一体成形であった合成樹脂製の円筒形シェル１を 、長さ方向の中間部（図例は中央）でシェル１ａ，１ｂに２分割して、それぞれ に各継手フランジ１１を一体形成し、Ｏリング１３を介装して、ボルト／ナット １２によるフランジ継手１４部を設けたことにある。

【００１２】 （作用） 以上のように、シェル１の中間部に分離／結合の容易なフランジ継手１４を設 けたため、保守やカートリッジ交換時には、中間部のフランジ継手１４を分離す ることにより、カートリッジの分解取出しが極めて容易となり、また各チューブ 固定板９部を、それぞれ第１流体入口５もしくは出口６部の外方向に引抜く必要 がないため、組立固定構造を簡略化することができる。

【００１３】 さらにまた、フランジ継手１４により、シェル１の中間部が耐圧もしくは曲げ 荷重に対して補強されるために、それぞれの半片シェル部１ａ，１ｂの内厚を薄 く成形することが可能となる。

【００１４】 なお、以上のような構成の継手フランジ部は、シェルが合成樹脂製のため一体 成形が可能であるため、実質的なコスト増は比較的僅少で済む。

【００１５】 （他の実施例） なお、前記実施例においては、フランジ継手はシェル長さの中央部に設けるの が通常であるが、この種の熱交換器のシェル形状が比較的長く、また施設上の都 合上がある場合等、前記フランジ継手を設ける位置は中央不のみに限定されるこ となく、不等長の２分割位置に設けても差し支えない。

【００１６】

【考案の効果】

以上、説明したように、本考案によれば、シール−チューブ型熱交換気の円筒 形シェルの長さ方向の中間にフランジ継手部を設けたため、カートリッジ式チュ ーブの保守や交換時に桑極めて容易に分解、組立が可能となり、またシェルの強 度を増大する２次的効果をも有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例のシェル−チューブ型熱交換器の三面
図

【図２】 従来のシェル−チューブ型熱交換器の一例の
三面図

【符号の説明】

１，１ａ，１ｂ シェル ２ 第２流体入口 ３ 第２流体出口 ４ フランジ ５ 第１流体入口 ６ 第１流体出口 ７ フランジ ８ チューブ ９ チューブ固定板（管板） １０ バッフル １１ 継手フランジ １２ ボルト・ナット １３ Ｏ−リング １４ フランジ継手

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂材料製の円筒形シェル内にカー
   トリッジ式の複数の熱交換チューブを有するシェル−チ
   ューブ型熱交換器であって、前記円筒形シェルの長手方
   向の中間部に、そのシェルを２分割するフランジ継手を
   設けたことを特徴とするシェル−チューブ型熱交換器。