JP3044695B2 - 施工中の高層建築物の止水工法 - Google Patents

施工中の高層建築物の止水工法

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JP3044695B2
JP3044695B2 JP4322236A JP32223692A JP3044695B2 JP 3044695 B2 JP3044695 B2 JP 3044695B2 JP 4322236 A JP4322236 A JP 4322236A JP 32223692 A JP32223692 A JP 32223692A JP 3044695 B2 JP3044695 B2 JP 3044695B2
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鈴木三郎
横浜健二
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鈴木 三郎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、施工中の高層建築物
の室内に雨水が浸入するのを防止し、雨天でも室内の内
装工事等の作業を支障なく行うことができるようにした
施工中の高層建築物の止水工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高層建築物は、下から順次上の階へと施
工していくが、雨天の場合は、完成していない上の階の
窓等から雨水が下の階へ吹き込み、吹き込んだ雨水は、
順次下の階へと浸入し、下の階の壁等は濡れた状態とな
るので、従来は、下の階の内装工事等は、限られた種類
のものしか行うことができなかった。そのため、雨の日
が多い場合は、工期が遅延する等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な点に着目してなされたものであり、雨天の場合に下の
階へ雨水が浸入しないようにし、下の階の壁等の乾燥状
態を維持して、内装工事等を支障なく行うことができる
ようにした高層建築物の止水工法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的に沿う本発明の
構成は、高層建築物の床張りを終えた最上階に止水階を
設け、該止水階のガラス窓と床部とに傾斜板を斜設し、
前記高層建築物の外壁開口部から浸入する雨水を、前記
傾斜板で受けて床部に流し、床部に設置した排水ポンプ
で外部に排出するようにしたことを特徴とする。要する
に本発明は、コンクリートによる床張りを終えた止水階
から下の階への雨水の浸入は、窓部付近の床から階下へ
浸入落下するのが一番多いことに着目し、傾斜板を利用
して、窓部付近の床部には、雨水が流入しないようにし
て排水したことを要旨とするものである。
【0005】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の実施例を示す一部斜視図であ
り、施工中の高層建築物1のコンクリートによる床張り
を終えた最上階を止水階2とし、該止水階2には、傾斜
板3を斜設し、止水階2の床部4には、排水ポンプ5を
配設している。
【0006】傾斜板3は、図2〜図3に示すように、雨
水が落下するスロープ部6と、該スロープ部6の先端に
床部4と平行に折曲した折曲部7と、該折曲部7先端
に、連結具8を介して連結した真空吸着盤9とから構成
され、該吸着盤9はガラス窓13に吸着している。尚、
真空吸着盤9は、上記実施例に於いては、ゴム若しくは
プラスチックにより形成されている。上記実施例に於い
ては、連結具8は、U字型ボルト10の一方のボルト
を、折曲部7先端に形成した孔に嵌め込んでナット11
で締め付け固定し、他方のボルトを、吸着盤9と一体に
形成した連結部の孔12に嵌め込んで同様にナット1
1′で締め付け固定することにより構成しているが、こ
れは必ずしもこのようでなくともよく、吸着盤9を連結
し得るなら他の手段であっても差し支えない。
【0007】図1に示すように、止水階2の上方の外壁
開口部から吹き込んで来る雨水は、図2及び図3に示す
ように、傾斜板のスロープ部6を流れて床部4に落下
し、排水ポンプ5で汲み上げられて外部に排水される。
床部4に落下した雨水が、傾斜板より窓側の床部4へ流
れて、下の階へ雨水が落下するのを防止するため、図2
に示す実施例に於いては、傾斜板3と平行に防水堰14
を載置している。尚、図3に示すように、傾斜板3下端
にパッキン15を嵌合させておけば、防水堰14を設置
しなくとも、雨水の窓側の床部への流入を防止すること
ができる。
【0008】大部分の雨水は、図2及び図3の矢印で示
すように、傾斜板のスロープ部6を落下して床部4に流
れるが、少量の雨水は傾斜板折曲部7とガラス窓13と
の間を通過する。この雨水は、図2及び図3の矢印で示
すように、壁16上のサッシ17下端を通って、サッシ
17に形成された孔から外部へ排水されるようになって
いる。このようにして床部4に集められた雨水は、排水
ポンプによって外部へ排水される。排水ポンプとして
は、床部4に少し溜まっている雨水でも排水できるポン
プを使用する必要がある、しかしながら、床部4に排水
ピットを形成し、この排水ピットに雨水を集めるように
するなら通常の排水ポンプを使用しても良いのは勿論で
ある。
【0009】傾斜板3は、図4に示すように、端部に切
り欠きを設け、該切り欠きを柱17に係止して、横方向
に多数連設している。従って、傾斜板3の大きさが同じ
であっても、隣接する傾斜板3との重なりを調整するこ
とによって、建物の窓部の大きさ及び柱の間隔の相違に
対応した横幅の調整をすることができる。また、建物の
窓部の高さの相違については、傾斜板と床部との間に適
当な厚さの支持台好ましくは所望の高さに上下動する支
持台を介在させることによって、調整することができ
る。尚、この場合は、傾斜板と床部との間に隙間が形成
されるので、図2に示すように、防水堰14を設置する
必要がある。図1に於いて、止水階2の上の階の床張り
が終えたら、上の階を止水階として同様に雨水の排水を
行い、順次止水階を上にして同様に雨水の排水を行う。
【0010】
【効果】以上述べたごとく、本発明によれば、極めて簡
単な方法により、雨天の場合でも吹き込んで来た雨水を
床張りを終えた最上階で排水処理し、下の階への雨水の
浸入を防止することができるので、下の階は常に乾燥状
態を維持することができるから、下の階の内装工事等を
支障なく行うことができ、工期の遅延を避けることがで
きる。
【0011】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す一部斜視図である。
【図2】本発明の実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の傾斜板を取り付けた状態を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 高層建築物 2 止水階 3 傾斜板 4 床部 5 排水ポンプ 8 連結具 9 真空吸着盤 13 ガラス窓 14 防水堰 15 パッキン

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高層建築物の床張りを終えた最上階を止水
    階とし、該止水階のガラス窓と床部とに傾斜板を斜設
    し、前記高層建築物の外壁開口部から浸入する雨水を、
    前記止水板で受けて床部に流し、床部に設置した排水ポ
    ンプで外部に排出するようにしたことを特徴とする施工
    中の高層建築物の止水工法。
  2. 【請求項2】前記傾斜板を、板状体の先端を床部と平行
    になるように折曲し、該折曲部の先端に連結具を介して
    ガラス窓に吸着する真空吸着盤を連結することにより構
    成してなる請求項1に記載の止水工法。
  3. 【請求項3】前記傾斜板と前記ガラス窓との間の床部
    に、防水堰を設けてなる請求項1に記載の止水工法。
  4. 【請求項4】前記傾斜板下端にパッキンを装着してなる
    請求項1に記載の止水工法。
JP4322236A 1992-11-09 1992-11-09 施工中の高層建築物の止水工法 Expired - Fee Related JP3044695B2 (ja)

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