JP3043191B2 - 膨張アンダーコート材 - Google Patents

膨張アンダーコート材

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JP3043191B2
JP3043191B2 JP4307290A JP30729092A JP3043191B2 JP 3043191 B2 JP3043191 B2 JP 3043191B2 JP 4307290 A JP4307290 A JP 4307290A JP 30729092 A JP30729092 A JP 30729092A JP 3043191 B2 JP3043191 B2 JP 3043191B2
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達郎 吉田
浩 粟村
努 服部
錦二 西川
政治 川原
秀則 泉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な膨張アンダーコ
ート材に関するものである。より詳しくは、自動車の床
裏、サイドシル、フロントおよびリヤエプロン等に塗布
される塩化ビニル樹脂系耐ピッチング塗料に配合する充
填成分の一部を未膨張マイクロカプセルに置き換え、自
動車ラインにて膨張させる膨張アンダーコート材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の床裏等には走行中の飛石
などにより生ずる損傷から車体を保護するために、塩化
ビニル樹脂系アンダーコート材が塗布されている。
【0003】一方、自動車の耐用年数の長期化や防錆要
求水準の向上のため、上記アンダーコート材の塗布量を
350〜500μm程度に増膜することが望まれるよう
になってきた。
【0004】また、増膜することによる重量増加を防止
するため、膨張剤、マイクルカプセル(ガラスバルー
ン、樹脂バルーン等)を添加し、アンダーコート材の比
重を0.9〜1.0に低下させている。
【0005】しかしながら、これ以上の低比重化はアン
ダーコート材の物性低下、コスト上昇およびスプレー時
のミスト飛散を悪化させる問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点に着目してなされたもので、自動車の床裏
等におけるアンダーコート材を塗布する際の作業性が著
しく良好であると共に、飛石によるダメージを受けたと
きでもアンダーコート材に割れが生じにくいため防錆性
を長期にわたって良好なものに維持することが可能であ
る膨張アンダーコート材を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】これら上記諸目的を達成
するため、本発明者らは新規な膨張アンダーコート材に
ついて鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂、充填
剤、可塑剤および未膨張マイクロカプセルを必須成分と
し、これらを特定の割合で配合することにより、上記問
題点を解決することすることができることを知り、この
知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の目的は、(1) 塩化
ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、充
填剤、可塑剤および未膨張マイクロカプセルを必須成分
として配合する膨張アンダーコート材であって、該膨張
アンダーコート材に対する該未膨張マイクロカプセルの
配合量が0.1〜15重量%であることを特徴とする膨
張アンダーコート材により達成される。
【0009】また、本発明の他の目的は、(2)塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の配合量が、膨張アンダ
ーコート材に対して19重量%以上である上記(1)に
示す膨張アンダーコート材によっても達成される。
【0010】さらに、本発明の他の目的は、(3)乾燥
塗装膜比重が1.0以下である上記(1)または(2)
に示す膨張アンダーコート材によっても達成される。
【0011】本発明に係わる膨張アンダーコート材にお
いては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体樹脂、充填剤、可塑剤および未膨張マイクロカプセ
ルを必須成分として配合し、該膨張アンダーコート材に
対する該未膨張マイクロカプセルの配合量を0.1〜1
5重量%とし、必要に応じて密着剤、安定剤、発泡防止
剤等を選択成分として配合したことを特徴としており、
より望ましくは、該塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
脂の配合量を該膨張アンダーコート材に対して19重量
%以上として配合したことを特徴としている。
【0012】本発明に係わる膨張アンダーコート材にお
ける塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹
脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などであり、
該塩化ビニル系樹脂の該膨張アンダーコート材に対する
配合量(以下、膨張アンダーコート材に対する配合量
は、単に配合量ともいう)は、通常30〜55重量%、
好ましくは、35〜50重量%、より好ましくは、35
〜45重量%である。該配合量が30重量%未満の場合
には、未膨張マイクロカプセルを添加することによる物
性の低下を補うことができず、該アンダーコート材の耐
ピッチング性等の物理性能が不十分なものになるので好
ましくない。また、該配合量が55重量%を越える場合
には、該アンダーコート材の液粘性が過大となり、スプ
レー塗布時に使用される材料圧送装置からの吐出性が低
下するので好ましくない。
【0013】ここで、本発明の塩化ビニル系樹脂に用い
られる塩化ビニル樹脂とは、乳化重合により得られる通
常の溶剤に不溶性の高分子塩化ビニル樹脂を主体とする
ものをいい、該塩化ビニル樹脂は、通常微粉末の状態で
配合される。該粒子径としては、通常0.1〜100μ
m、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜40
μmであり、また該樹脂の重合度は、通常500〜25
00、好ましくは850〜1400、より好ましくは1
000〜1400である。該重合度の範囲を用いること
によりアンダーコート材中で経時の粘度変化を防止で
き、かつ強靭な塗膜を得ることができるものである。
【0014】また、本発明の塩化ビニル系樹脂に用いら
れる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂とは、塩化ビ
ニルと酢酸ビニルの共重合により得られる樹脂をいい、
該構成成分のうち酢酸ビニルは、含有量を増すことで溶
解性が良くなり、高濃度でも粘度が低くて低コストの可
塑剤を使用できるが、塗膜のゲル化温度が低下し、また
耐水、耐薬品性も劣るから、該酢酸ビニルの含有量は、
通常1〜10重量%、好ましくは3〜7重量%の範囲で
用いられている。該含有量が3重量%未満では、酢酸ビ
ニル本来の効果が低下することにより好ましくなく、ま
た該含有量が10重量%を越える場合には、ゲル化温度
が低下し、貯蔵安定性の悪化により好ましくない。ま
た、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の重合度は、
低いほど溶解性を増すが、塗膜が脆くて弱くなり、熱、
光安定性も悪くなることから、通常850〜1600、
好ましくは850〜1400、より好ましくは1000
〜1400の範囲で用いられる。
【0015】次に、こうして得られる塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体樹脂は、通常粉末の状態で配合される。
該粒子径としては、通常0.1〜55μm、好ましくは
0.1〜40μm、より好ましくは0.1〜10μmで
ある。該粒子径が0.1μm未満では、可塑化が早く、
貯蔵安定性の悪化により好ましくなく、また該粒子径が
55μmを越える場合には、膨潤ゲル化が遅いことによ
り好ましくない。
【0016】また、上記塩化ビニル樹脂単独では、金属
表面に対する密着性があまり良くないのに対し、該塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂では、可塑剤に対する
膨潤ゲル化性が良好で、加熱することにより金属表面に
対する密着性の良好な塗膜を得ることができることか
ら、本発明の塩化ビニル系樹脂としては塩化ビニル樹脂
および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を併用して
用いることが望ましいものである。該塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体樹脂の配合量が、19重量%未満の場合
には、該アンダーコート材の耐ピッチング性等の物理的
性能が低下する傾向となるため好ましくない。
【0017】次に、本発明に係わる膨張アンダーコート
材における充填剤は、未膨張マイクロカプセルを添加す
ることによる該アンダーコート材のスプレー作業性およ
びタレ性向上のために添加するものであり、該充填剤と
しては、特に限定されるものでなく、例えば、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、クレー、ケイソウ土、シリカ等
を用いることができる。また該充填剤の配合量は、通常
15〜40重量%、好ましくは、20〜35重量%、よ
り好ましくは、25〜30重量%である。該配合量が1
5重量%未満の場合には、スプレー塗布時における該ア
ンダーコート材の流れ、該アンダーコート材を供給する
際の吐出性が問題となり、また、該配合量が40重量%
を越える場合には、該アンダーコート材の耐ピッチング
性等の物理的性能が劣ったものになるので好ましくな
い。
【0018】また、本発明に係わる膨張アンダーコート
材における可塑剤は、スプレー塗布時の作業性と物理性
能の両方を良好なものとするために添加するものであ
り、該可塑剤としては、特に限定されるものでなく、例
えば、ジブタルフタレート(DBP)、ジヘキシルフタ
レート(DHP)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート
(DOP)、ジ−n−オクチルフタレート(DnO
P)、ジ−イソオクチルフタレート(DIOP)、ジデ
シルフタレート(DDP)、ジイソデシルフタレート
(DIDP)、C6 〜C10混合高級アルコールフタレー
ト、あるいはブチルベンジルフタレート(BBP)等の
フタル酸エステル類、ジオクチルアジペート(DO
A)、ジオクチルアゼテート(DOZ)、ジオクチルセ
バケート(DOS)等の直鎖二塩基酸エステル類、トリ
クレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホス
フェート(TXP)、モノオクチルジフェニルホスフェ
ート、モノブチル−ジキシレニルホスフェート(B−2
−X)、トリオクチルホスフェート(TOF)等のリン
酸エステル類、ブチルフタル・ブチルグリコレート(B
PBG)、トリブチル・クエン酸エステル、トリオクチ
ル・アセチルクエン酸エステル、C6 〜C10脂肪酸のト
リまたはテトラエチレングリコールエステル、メチルア
セチルリシノレート等の上記以外のエスレル系可塑剤、
大豆油等の不飽和脂肪酸グリセライドの二重結合を、過
酸化水素や過酢酸でエポキシ化したもの(ESBO)、
ブチルまたはオクチルのアルキルオレイン酸エスレル等
のエポキシ化物等のエポキシ化植物油、アジピン酸の酔
うな二塩基酸のプロピレングリコールエステル単位を数
個ないし十数個直鎖状に連結した平均分子量1000〜
8000程度の粘稠な低重合度ポリエステル等のポリエ
ステル系可塑剤、ニトリル系合成ゴム、塩素化物および
石油補助可塑剤等、またはこれらを混合したもの等を用
いることができる。また該可塑剤の配合量は、通常25
〜40重量%、好ましくは、25〜35重量%、より好
ましくは、25〜30重量%である。該配合量が25重
量%未満の場合には、アンダーコート材を供給する際の
吐出性が低下したものとなり、また、該配合量が40重
量%を越える場合には、粘性が低下し流れが問題となる
ので好ましくない。
【0019】さらに本発明に係わる膨張アンダーコート
材における未膨張マイクロカプセルとしては、例えば、
塩化ビニリデン、アクリルニトリル、塩化ビニリデン−
アクリルニトリル共重合体、アクリルニトリル−メタク
リル酸メチル共重合体等の熱可塑性樹脂によって低沸点
の溶剤を包み込んだものを用いることができ、該粒子径
が通常1〜50μm、好ましくは5〜40μm、より好
ましくは10〜30μmのカプセル状をなすものが使用
できる。該粒子径が1μm未満では、充分な膨張が得ら
れないことにより好ましくなく、また該粒子径が50μ
mを越える場合には、耐チッピング性の低下により好ま
しくない。ここで低沸点の溶剤には、例えば、低沸点炭
化水素等が用いられる。
【0020】また該未膨張マイクロカプセルは、アンダ
ーコート材の膨張率を130〜200%、より好ましく
は150〜170%を確保するために、該未膨張マイク
ロカプセルの配合量は、通常0.1〜15重量%、好ま
しくは、2〜8重量%、より好ましくは、2〜5重量%
である。該配合量が0.1重量%未満の場合には、13
0%以上の膨張率が得られず乾燥塗膜比重も1.0を越
えるためアンダーコート材の軽量化ができず、また、1
5重量%を越える場合には、アンダーコート材の物理性
能の低下をきたすので好ましくない。
【0021】そして、該未膨張マイクロカプセルは、上
述した塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂、充填剤、可塑剤の必須成分等と共にアンダーコ
ートされた後、焼付けを行なうことにより前記低沸点の
溶剤の蒸気圧で膨張し、この結果として焼付け前よりも
厚くなり、かつ乾燥塗膜比重が1.0以下の塗膜が形成
される。
【0022】さらに本発明に係わる膨張アンダーコート
材においては、必要に応じて、選択成分として密着剤、
安定剤、発泡防止剤、着色剤等を適当量配合することが
できる。
【0023】上記密着剤としては、とくに限定されるも
のでなく、例えば、ポリアミドアミン、ブロックドイソ
シアネート等が挙げられる。また該密着剤の配合量は、
通常0〜20重量%、好ましくは、10〜20重量%で
ある。該密着剤を配合することにより、電着塗装面等へ
の密着性能などを向上させることができる。
【0024】また、前記安定剤としては、とくに限定さ
れるものでなく、例えば、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基
性硫酸鉛、ケイ酸鉛、鉛白等が挙げられる。また該安定
剤の配合量は、通常0〜10重量%、好ましくは、1〜
5重量%である。該安定剤を配合することにより、熱安
定性能などを向上させることができる。
【0025】さらに前記発泡防止剤としては、とくに限
定されるものでなく、例えば、酸化カルシウム等が挙げ
られる。また該発泡防止剤の配合量は、通常0〜20重
量%、好ましくは、5〜15重量%である。該発泡防止
剤を配合することにより、吸湿による発泡防止等の物理
性能などを向上させることができる。
【0026】さらに前記着色剤としては、とくに限定さ
れるものでなく、例えば、カーボンブラック、酸化チタ
ン、カドミウムイエロー、フタロシアニンブルー等の顔
料が多く用いることができる。また該着色剤の配合量
は、通常0〜2重量%、好ましくは、0〜1重量%であ
る。
【0027】次に、本発明に係わる膨張アンダーコート
材を用いて、例えば、自動車パネルの床裏面等に塗布す
るにあたっては、該パネルに電着塗装を行った後、本発
明の膨張アンダーコート材をスプレー塗布して中塗り塗
装を施し、次いで120〜160℃、好ましくは130
〜150℃、より好ましくは140〜150℃で20〜
40分間、好ましくは30〜40分間の焼付けを行なう
ことにより、該膨張アンダーコート材の塗膜を形成する
ことができる。
【0028】上記焼付けにおいて、例えば、140℃で
30分間の焼付けを行なう場合、焼き付け前では図1に
示すように膨張アンダーコート材中の塩化ビニル系樹脂
(=塩化ビニル樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体樹脂;以下、単に塩化ビニル系樹脂ともいう)
は、粒子として可塑剤2の中に均一に分散され、いわゆ
る浮いた状態となっており、該塩化ビニル系樹脂1の間
に未膨張マイクロカプセル3および充填剤4がさらに相
互に分散した状態になっている。
【0029】次いで、焼付け中では、図2に示すように
塩化ビニル系樹脂1がゲル化し始めると共に未膨張マイ
クロカプセル3は内部の溶剤の蒸気圧により膨張を始め
る。
【0030】そして、焼付け完了後では、図3に示すよ
うに膨張アンダーコート材は、完全にゲル化したものと
なり、未膨張マイクロカプセル3は膨張したときの形状
を保持することができるものとなる。ここで充填剤4に
関しては、焼付け前後で変化はなく、膨張アンダーコー
ト材中に均一に分散された状態を保っている。従って、
焼付け完了後においては、十分な膜厚が確保されるもの
となり、耐ピッチング性、防錆性、さらには防音性等が
向上するものとなる。なお、図2および図3において、
図1に示す膨張アンダーコート材中の部材と同一の部材
には同一の符号を付してある。
【0031】このように、本発明に係わる膨張アンダー
コート材では、未膨張マイクロカプセル3を含有するも
のであり、焼付け時に膨張することで所要の膜厚を確保
するようにしているので、焼付け前では従来のアンダー
コート材ほどの膜厚を確保する必要がないため、本発明
に係わる膨張アンダーコート材では、低粘度のもので良
いことになり、温度による粘度変化が小さいことも合わ
せて低粘性化によって塗布パターンが安定化したものに
なって、均一な膜厚が得られるようになり、焼付け時の
膨張によって所要の膜厚が確保されると共に、従来のア
ンダーコート材に比べて密度が低下したものとなって軽
量化に寄与するものとなる。
【0032】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるも
のでないことはいうまでもない。
【0033】実施例1 塩化ビニル系樹脂として塩化ビニル樹脂および塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体樹脂を併用して用い、充填剤と
して炭酸カルシウム、可塑剤としてジ−2−エチルヘキ
シルフタレート(DOP)および未膨張マイクロカプセ
ルとして塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体を
必須成分とし、これに着色剤としてカーボンブラックお
よび分散剤としてステアリン酸バリウムを選択成分とし
て表1に示す配合量となるように添加して膨張アンダー
コート材(I)を得た。
【0034】次に、自動車パネル床裏面への塗装を以下
の手順で行なった。まず、該パネルに電着塗装を行った
後、本実施例1で得られた膨張アンダーコート材(I)
をスプレー塗布して中塗り塗装を施し、次いで表2に示
す焼付け条件に従って焼付けを行なうことにより、乾燥
塗膜500μmのアンダーコート塗膜をそれぞれ形成し
てなる試験片a、bおよびcを作製した。なお、各焼付
け条件による塗膜の材料比重(焼付け前後)および膨張
倍率も表2に示す。
【0035】続いて、得られた該試験片a、bおよびc
に、エアー圧4.0Kg/cm2 で6号砕石500g×
5回打ち込み、塩水濃度5%、温度35℃の塩水噴霧に
72時間さらし、赤錆の発生点数評価を行なった。得ら
れた結果を表3に示す。
【0036】比較例1 塩化ビニル系樹脂として塩化ビニル樹脂および塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体樹脂を併用して用い、充填剤と
して炭酸カルシウムおよび可塑剤としてジ−2−エチル
ヘキシルフタレート(DOP)を必須成分とし、これに
着色剤としてカーボンブラックおよび分散剤としてステ
アリン酸バリウムを選択成分として表1に示す配合量と
なるように添加して汎用アンダーコート材(II)を得
た。
【0037】次に、自動車パネル床裏面への塗装を以下
の手順で行なった。まず、該パネルに電着塗装を行った
後、本比較例1で得られた膨張アンダーコート材(II)
をスプレー塗布して中塗り塗装を施し、次いで表2に示
す焼付け条件に従って焼付けを行なうことにより、乾燥
塗膜490μmのアンダーコート塗膜を形成してなる試
験片dを作製した。なお、当該焼付け条件による塗膜の
材料比重(焼付け前後)および膨張倍率も表2に示す。
【0038】続いて、得られた該試験片dに、エアー圧
4.0Kg/cm2 で6号砕石500g×5回打ち込
み、塩水濃度5%、温度35℃の塩水噴霧に72時間さ
らし、赤錆の発生点数評価を行なった。得られた結果を
表3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】実施例2 実施例1で得られた膨張アンダーコート材(I)を用い
て、図4に示すエアスプレー塗布装置によりミスト飛散
性の確認試験を行なった。図4(A)に示すように、エ
アスプレー塗布装置11では、スプレー圧力120kg
/cm2 、ガン距離300mmの条件で、ノズルチップ
# 635(日本グレイ株式会社製)のエアガン12によ
り試験用自動車パネル裏面13へエアスプレー塗布を行
なった。この際、塗料ミストが該自動車パネル側面14
へ飛散するのを防止するために、該自動車パネル側面1
4表面に被覆保護用部材としてミスト保護フィルム15
を貼りつけ、また、該自動車パネル側面14の上方に設
置されたファン16より該自動車パネル側面14の下方
に設けられた排気ダクト(図示せず)へ向けて風速2.
0m/sで送風を行った。
【0043】塗布完了後、図4(B)に示すように、該
自動車パネル側面のミスト保護フィルム15の上部から
150mmの位置の評価部位17(5×5cm2 )中の
ミスト数について観察することでミスト飛散性の確認を
行なった。また上記スプレー条件にて、該アンダーコー
ト材(I)のタレ性確認を行なった。得られた結果を表
5に示す。
【0044】比較例2 比較例1で得られたアンダーコート材(II)に中空充填
材を添加し、表4に示す低比重型アンダーコート材(II
I)を得た。
【0045】次に、実施例2と同様にしてミスト飛散性
の確認試験およびタレ性確認試験を行なった。得られた
結果を表5に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】本発明に係わる膨張アンダーコート材は、
塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
、充填剤、可塑剤および未膨張マイクロカプセルを必
須成分として特定割合配合してなるものであるから、自
動車の床裏等における塗布作業性(ミスト飛散性、タレ
性)が著しく良好であると共に飛石によるダメージを受
けたときでも該アンダーコート材に割れが生じにくく、
長期にわたって防錆性を維持することが可能であるとい
う著しく優れた効果が得られる。
【0049】さらに、乾燥塗膜比重の低減により車両が
軽量化され、ひいては燃費向上が可能になるという大き
な効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる膨張アンダーコート材を用い
て、自動車パネルの床裏面に塗布するにあたって、該パ
ネルに電着塗装を行った後、本発明の膨張アンダーコー
ト材をスプレー塗布して中塗り塗装を施し、140℃で
30分間の焼付けを行なう場合の焼き付け前の該膨張ア
ンダーコート材の状態を模式的に表わす断面概略図であ
る。
【図2】本発明に係わる膨張アンダーコート材を用い
て、自動車パネルの床裏面に塗布するにあたって、該パ
ネルに電着塗装を行った後、本発明の膨張アンダーコー
ト材をスプレー塗布して中塗り塗装を施し、140℃で
30分間の焼付けを行なう場合の焼き付け前の該膨張ア
ンダーコート材の状態を模式的に表わす断面概略図であ
る。
【図3】本発明に係わる膨張アンダーコート材を用い
て、自動車パネルの床裏面に塗布するにあたって、該パ
ネルに電着塗装を行った後、本発明の膨張アンダーコー
ト材をスプレー塗布して中塗り塗装を施し、140℃で
30分間の焼付けを行なう場合の焼付け完了後の該膨張
アンダーコート材の状態を模式的に表わす断面概略図で
ある。
【図4】図4(A)は、本発明の実施例に用いられたエ
アスプレー塗布装置の状態を模式的に表わす正面断面概
略図であり、図4(B)は、本発明の実施例に用いられ
たエアスプレー塗布装置の試験用自動車パネル側面のミ
スト保護フィルムを示す右側面図である。
【符号の説明】
1…塩化ビニル系樹脂 2…可塑剤 3…未膨張マイクロカプセル 4…充填剤 11…エアスプレー塗布装置 12…エアガン 13…試験用自動車パネル裏面 14…試験用自動
車パネル側面 15…ミスト保護フィルム 16…ファン 17…評価部位
フロントページの続き (72)発明者 吉田 達郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 粟村 浩 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 服部 努 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 西川 錦二 埼玉県大里郡花園町大字黒田290−2 (72)発明者 川原 政治 埼玉県大里郡花園町大字黒田290−2 (72)発明者 泉 秀則 東京都中央区日本橋2丁目12番6号 審査官 近藤 政克 (56)参考文献 特開 平4−81477(JP,A) 特開 昭62−286534(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 127/06 C09D 5/00 WPIDS(STN) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
    ル共重合体樹脂、充填剤、可塑剤および未膨張マイクロ
    カプセルを必須成分として配合する膨張アンダーコート
    材であって、該膨張アンダーコート材に対する該未膨張
    マイクロカプセルの配合量が0.1〜15重量%である
    ことを特徴とする膨張アンダーコート材。
  2. 【請求項2】 前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
    脂の配合量が、前記膨張アンダーコート材に対して19
    重量%以上である請求項1に記載の膨張アンダーコート
    材。
  3. 【請求項3】 乾燥塗膜比重が、1.0以下である請求
    項1または2に記載の膨張アンダーコート材。
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