JP3042441U - 自動車の脱輪時に使用するジャッキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車を移動させる範囲には限界がなく、また
車体に傷が付いたり、受けローラ等から車体が外れて障
害事故等のトラブルが起きることもなく、しかも通常走
行には不要な予備タイヤを車体に取り付けておく必要の
ない、自動車の脱輪時に使用するジャッキを提供するこ
とを目的とするものである。 【解決手段】自動車の車体を支持する支持台と、前後に
一対の回転ローラ間に巻回したキャタピラ状の無限軌道
からなる走行輪を備え、走行輪上に上下移動可能に保持
した張力調整ローラを取り付けた走行台と、上記支持台
と走行台との間を伸縮自在に連結するジャッキ部とを有
するようにしたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

この考案は、自動車のタイヤが道路の側溝等に脱輪した時に使用するジャッキ に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車の脱輪時に使用するジャッキとしては、下記のようなものが公知 である。 特開平１−９８５９８号公報記載のように、自動車の車体を支持する支持台と 、ピニオンギアを取り付けた走行台とを有し、上記支持台と走行台との間を伸縮 自在に連結するジャッキ部で連結するとともに、ジャッキ部の下端に取り付けた ラックがピニオンギア上を走行するようにしたもの。 また、特開平５−１１６８９３号公報記載のように、自動車の車体を支持する 支持台３１を有し、上記支持台３１を伸縮自在に連結するジャッキ部３２で支持 するとともに、支持台３１上に回転可能に取り付けた受けローラ３３で車体を移 動させるようにしたもの（図６参照）。 さらに実開昭６３−１２８１６４号公報記載のように、車体に取り付けたジャ ッキに予備タイヤを装着し、予備タイヤを昇降して自動車を横移動させるように したもの。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記自動車の脱輪時に使用するジャッキを使用する場合におい て、 特開平１−９８５９８号公報記載のように、走行台上のピニオンギア上をジャ ッキを支持するラックが走行するようにしたものにおいては、ラックが走行する 範囲に限界があって範囲を越える移動には非常に手間がかかるという欠点があっ た。 また、特開平５−１１６８９３号公報記載のように、自動車の車体を支持する ジャッキ部３２上の支持台３１上に取り付けた受けローラ３３で車体を移動させ るようにしたものにおいては、車体に傷が付きやすく、受けローラ３３から車体 が外れて障害事故等のトラブルが起きやすいという欠点があった。 さらに、実開昭６３−１２８１６４号公報記載のように、車体に取り付けたジ ャッキに予備タイヤを装着し、予備タイヤを昇降して自動車を横移動させるよう にしたものにおいては、通常走行に不要な予備タイヤを車体に取り付けておく必 要があるという欠点があった。

【０００４】 したがってこの考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキは、上記問題点を解 決するために、自動車を移動させる範囲には限界がなく、また車体に傷が付いた り、受けローラ等から車体が外れて障害事故等のトラブルが起きることもなく、 しかも通常走行には不要な予備タイヤを車体に取り付けておく必要のない、自動 車の脱輪時に使用するジャッキを提供することを目的として考案されたものであ る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわちこの考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキは、自動車の車体を支 持する支持台と、前後に一対の回転ローラ間に巻回したキャタピラ状の無限軌道 からなる走行輪を備え、走行輪上に上下移動可能に保持した張力調整ローラを取 り付けた走行台と、上記支持台と走行台との間を伸縮自在に連結するジャッキ部 とを有するようにしたことを特徴とするものである。

【０００６】 この考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキは、不使用時には折り畳んでト ランク等に収納しておき、運悪く側溝等へタイヤが脱輪してしまった場合に取り 出して使用することにより、迅速にタイヤの脱輪を解消することができる。

【０００７】 すなわち、側溝等へタイヤが脱輪してしまった場合に、この考案の自動車の脱 輪時に使用するジャッキを側溝内にセットし、ジャッキ部を伸ばして自動車の車 体の下に支持台を取り付け、さらにジャッキ部を伸ばして自動車の車体を浮かし た状態で、走行台のキャタピラ状の無限軌道からなる走行輪を回転させればよい 。

【０００８】 こうすることによって自動車の車体を側溝から抜け出る方向に、移動範囲を機 器の大きさによって制限を受けることなく移動させることができ、かつ安定性が あるので移動操作を無理なく、簡易かつ迅速に行うことができる。

【０００９】 もちろん、前後に一対の回転ローラ間に巻回したキャタピラ状の無限軌道から なる走行輪を、その上に上下移動可能に保持した張力調整ローラを取り付けて、 常に一定の張力がかかった状態とすることができ、使用中に接地部分が空回りし たりすることがない。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下に、この考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキの一実施例を図面に基 づいて説明する。

【００１１】 図１において、１は自動車の車体を支持する支持台で、金属フレーム２上に弾 性パッキング３を貼付したものであり、自動車の車体に接触して確実に保持する ようになっている ４は金属フレームからなる走行台で、所定の間隔で配置した前後に一対の回転 ローラ５間に巻回したキャタピラ状の無限軌道からなる走行輪６を備えている。 上記走行台４の走行輪６の上部位置には、張力調整ローラ７が回転可能に取り付 けられている。

【００１２】 また、上記支持台１と走行台４との間にはパンタグラフ式のジャッキ部８が取 り付けられており、ジャッキ部８は支持台１と走行台４との間を伸縮自在に連結 している。上記走行台４上面には、その長さ方向に沿って延びる一対のガイド孔 ９が設けてあり、ガイド孔９には走行台４の長さ方向に対して直角に向いた一対 のストッパ１０が、それぞれ移動可能に取り付けられている。１１はストッパ１ ０を走行台４の内側に向けて付勢するバネ、１２はストッパ１０を位置決めする ためのボルトである。

【００１３】 なお上記支持台１を、ジャッキ部８上に回転テーブル式に回転できるように取 り付けておくと、車体の移動方向が走行輪６の移動方向とずれた場合に非常に便 利である。

【００１４】 そしてジャッキ部８を伸ばすことにより、支持台１を高く持ち上げることがで きる。このジャッキ部８の伸縮には、通常の手動ハンドルを使用して伸縮操作を 行なってもよいが、電動モータ等を付設することにより自動で行なうことも可能 である。もちろん、パンタグラフ式のジャッキ部８に代えて油圧式ジャッキ、エ アジャッキ等を使用することもできる。

【００１５】 この例ではジャッキ部８を走行台４に簡単に取り付け、取り外しができるよう にしたので、市販のジャッキをジャッキ部８として走行台４に装着することがで き、非常に低コストで自動車の脱輪時に使用するジャッキを得ることができるよ うになった。またジャッキ部８を走行台から取り外し、コンパクトにして車体の トランク等に収納することができる。

【００１６】 図２および３は、この考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキの他の実施例 を示すもので、ジャッキ部８を走行台４上面の開口部内へはめ込んだ後、走行台 ４上面の開口部内に設けた抜け止めピン１３によって固定し、ジャッキ部８と走 行台４とを一体化したものである。

【００１７】 図４は、この考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキの別の実施例を示すも のである。すなわち、ジャッキ部８の軸受部１４に張力調整ローラ７を取り付け 、軸受部１４を走行台４上面の開口部内へはめ込んだ後、走行台４上面の開口部 内に設けた一対の、かつ出没自在の抜け止め金具１５によって抜け止めするよう にしたものである。

【００１８】 この一対の抜け止め金具１５は、それぞれ走行台４上面の開口部内の対向する 内壁に取り付けたバネ１６によって支持されている。したがってジャッキ部８の 軸受部１４を、上記一対の抜け止め金具１５間を通して走行台４上面の開口部内 へはめ込むことにより、一対の抜け止め金具１５はその後バネ１６の弾性で自動 的に軸受部１４上面の凹所１７に突き出されるので、軸受部１４を確実に抜け止 めすることができる。なおその際、抜け止め金具１５を軸受部１４上面の凹所１ ７にネジ等で固定できるようにしておくことも望ましいことである。

【００１９】 図５は、この考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキのさらに別の実施例を 示すものである。すなわち、走行台４上面には油圧や空圧等のシリンダ１９を備 えたジャッキ部１８が取り付けられ、ジャッキ部１８の上に支持台１が搭載され ている。

【００２０】 また２０はステンレスやアルミ等の金属板からなる走行レール２０で、走行台 ４の走行輪６は、望ましくは側溝内等に敷設したこの走行レール２０の上に搭載 して使用される。走行レール２０は両側端部に立ち上がり部２１を形成され、ま た走行面２２には凹凸状の滑り止め２３が形成されている。なお、この走行レー ル２０は複数枚をスライド可能に連結しておくことにより、伸縮自在とするがで きる。

【００２１】 この考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキの使用に際しては、側溝等へタ イヤが脱輪してしまった場合に、走行レール２０を側溝内へ敷設し、この考案の 自動車の脱輪時に使用するジャッキを側溝内において走行レール２０上にセット する。そして、ジャッキ部８を伸ばして自動車の車体の下に支持台１を取り付け 、さらにジャッキ部８を伸ばして自動車の車体を浮かした状態で、走行台４のキ ャタピラ状の無限軌道からなる走行輪６を回転させればよい。走行輪６の駆動に は、図示してはいないが電動モータ類を走行台４に付設しておき、これによって 走行輪６の駆動を行なったり、牽引車を使用して駆動することが可能である。

【００２２】 こうすることによって自動車の車体を側溝から抜け出る方向に、無理なく移動 させることができ、かつ安定性があるので移動操作を無理なく、簡易かつ迅速に 行うことができる。

【００２３】 上記実施例においては走行輪６としてキャタピラ状の無限軌道を例示したが、 ゴム製クローラベルトや、その他のものを使用してもよいことはもちろんである 。また回転ローラ５の形状等も、キャタピラ状の無限軌道からなる走行輪６にか み合うものとしたり、その他泥等が付着しにくい構造等にすることもできる。

【００２４】

【考案の効果】

この考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキは、不使用時には折り畳んでト ランク等に収納しておき、運悪く側溝等へタイヤが脱輪してしまった場合に取り 出して使用することにより、迅速にタイヤの脱輪を解消することができる。

【００２５】 すなわち、側溝等へタイヤが脱輪してしまった場合に、この考案の自動車の脱 輪時に使用するジャッキを側溝内にセットし、ジャッキ部を伸ばして自動車の車 体の下に支持台を取り付け、さらにジャッキ部を伸ばして自動車の車体を浮かし た状態で、走行台のキャタピラ状の無限軌道からなる走行輪を回転させればよい 。

【００２６】 こうすることによって自動車の車体を側溝から抜け出る方向に、移動範囲を機 器の大きさによって制限を受けることなく移動させることができ、しかも地面に 石や凹凸があっても走行輪が引っかかったりしないので、路面状況を選ばず使用 することができる。そしてこのように安定性があるので移動操作を無理なく、簡 易かつ迅速に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキ
の一実施例を示す斜視図である。

【図２】この考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキ
の他の実施例を示す斜視図である。

【図３】組み付けた状態の断面図である。

【図４】この考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキ
の別の実施例を示す斜視図である。

【図５】この考案の自動車の脱輪時に使用するジャッキ
のさらに別の実施例を示す斜視図である。

【図６】従来のジャッキの斜視図である。

【符号の説明】

１ 支持台 ２ 金属フレーム ３ 弾性パッキング ４ 走行台 ５ 回転ローラ ６ 走行輪 ７ 張力調整ローラ ８ ジャッキ部 ９ ガイド孔 １０ ストッパ １１ バネ １２ ボルト １３ 抜け止めピン １４ 軸受部 １５ 抜け止め金具 １６ バネ １７ 凹所 １８ ジャッキ部 １９ シリンダ ２０ 走行レール ２１ 立ち上がり部 ２２ 走行面 ２３ 滑り止め ３１ 支持台 ３２ ジャッキ部 ３３ 受けローラ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車の車体を支持する支持台と、前後
   に一対の回転ローラ間に巻回したキャタピラ状の無限軌
   道からなる走行輪を備え、走行輪上に上下移動可能に保
   持した張力調整ローラを取り付けた走行台と、上記支持
   台と走行台との間を伸縮自在に連結するジャッキ部とを
   有するようにしたことを特徴とする自動車の脱輪時に使
   用するジャッキ。