JP3042173B2 - レーザダイオード励起固体レーザ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レーザダイオード励起
固体レーザ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のレーザダイオード励起固体レーザ
装置は、図２（ａ），（ｂ）に示すように、複数の１次
元レーザダイオードアレイ１１と、ロッド状固体レーザ
媒質４と、シリンドリカルレンズ１２と、レーザ共振器
を構成する出力鏡９と全反射鏡１０を有している。各１
次元レーザダイオードアレイ１１は固体レーザ媒質４の
周囲に、放射状に配置されている。レーザダイオードア
レイ１１からの出射光は、レーザダイオード接合面に垂
直な方向がシリンドリカルレンズ１２でコリメートさ
れ、ロッド状固体レーザ媒質４の側面に入射し、ロッド
状固体レーザ媒質４を励起する。１度入射してロッド状
固体レーザ媒質４に吸収されなかった励起光を反射する
ため、入射側と反対の固体レーザ媒質側面に励起光反射
コーティングを施す場合もある。励起によって生じた誘
導放出光２０はレーザ共振器を構成する出力鏡９と全反
射鏡１０間で増幅されレーザ発振する。レーザ出力を増
加するためには、レーザダイオードの個数をふやし、ロ
ッド状固体レーザ媒質を中心として放射状に配置する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来のレーザダイ
オード励起固体レーザ装置では、励起光の光強度を増加
するために複数のレーザダイオードをロッド状固体レー
ザ媒質を中心に放射状に配置するため、レーザダイオー
ドの数に限りがあり、ロッド状固体レーザ媒質の放熱も
悪くなるという問題点があった。また、レーザダイオー
ド劣化時の変換等の保守においても取り扱いが複雑とな
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のレーザダイオー
ド励起固体レーザ装置は、２次元レーザダイオードアレ
イと、シリンドリカルレンズアレイと、ロッド状固体レ
ーザ媒質と、断面が直線と放物線で囲まれた形状となる
ような柱状で、円筒型の穴のあいた、固体レーザ活性イ
オンを含まない固体レーザ媒質の母材となる結晶と、レ
ーザ共振器を構成する全反射鏡と出力鏡とを備えてい
る。

【０００５】

【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。図１（ａ），（ｂ）は本発明の一実施例の概略図
で、（ａ）は光軸に垂直な断面図、（ｂ）は斜視図であ
る。２つの２次元レーザダイオードアレイ１は固体レー
ザ媒質であるＮｄ：ＹＡＧロッド４の光軸方向に並べて
配置され、２次元レーザダイオードアレイ１から出射し
た励起光３は、２次元レーザダイオードアレイ前方に配
置されたシリンドリカルレンズアレイ２でコリメートさ
れて平行光となり、シリンドリカルレンズアレイ前方に
配置されたＹＡＧ結晶５に入射する。ＹＡＧ結晶５は、
シリンドリカルレンズアレイに対向する放物面を備えて
おり、この放物面には８０９ｎｍ高反射コーティング６
が施されており、励起光３は放物面で放射されて放物面
の焦点位置に配置されたＮｄ：ＹＡＧロッド４に集光さ
れる。Ｎｄ：ＹＡＧロッドはＹＡＧ結晶中に保持され、
ＹＡＧ結晶５は冷却用銅ブロック７にマウントされ、冷
却用銅ブロック７は冷媒ガス８によって冷却される。励
起光３によって励起されたＮｄ：ＹＡＧロッド４と、レ
ーザ出力鏡９と全反射鏡１０でレーザ共振器を構成し、
Ｎｄ：ＹＡＧレーザの１．０６μｍ光が発振する。

【０００６】なお、２次元レーザダイオードアレイは２
つ用いたが、大きいものが得られれば１つでもよい。ま
た、小さいものしか得られない場合は３つ、あるいは４
つと、多数並べて使用すればよい。また並べ方も光軸方
向に限らず、光軸方向に垂直な方向に並べる等、２次元
レーザダイオードアレイの形状に応じて並べ方を決めれ
ばよい。

【０００７】また、２次元レーザダイオードアレイ１は
モノリシックの構成に限らず、１次元レーザダイオード
アレイあるいはレーザダイオードチップを基板上に複数
並べて固定し、２次元レーザダイオードアレイとしたも
のを用いてもよい。

【０００８】また、Ｎｄ：ＹＡＧロッドは、実施例の図
では、ＹＡＧ結晶中に埋め込まれた構成になっている
が、Ｎｄ：ＹＡＧロッドがＹＡＧ結晶表面に一部露出し
た構成でもよい。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、２次元レ
ーザダイオードアレイと、シリンドリカルレンズアレイ
と、ロッド状固体レーザ媒質と、断面が直線と放物線で
囲まれた形状となるような柱状で、ロッド状固体レーザ
媒質の入る円筒型の穴のあいた、固体レーザ活性イオン
を含まない固体レーザ媒質の母材となる結晶と、レーザ
共振器を構成する全反射鏡と出力鏡とを有しているの
で、２次元レーザダイオードアレイの高集積化，大面積
化により容易に高出力化をはかることができるという結
果を有する。また、２次元レーザダイオードアレイを装
置の１ケ所に集められるので、交換や修理などの保守性
が向上する。また、固体レーザ活性イオンを含まない固
体レーザ媒質の母材結晶でロッド状固体レーザ媒質を保
持するので、大面積での冷却により放熱効果が良くな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の概略図。

【図２】従来の実施例の概略図。

【符号の説明】

１ ２次元レーザダイオードアレイ ２ シリンドリカルレンズアレイ ３ 励起光 ４ Ｎｄ：ＹＡＧロッド ５ ＹＡＧ結晶 ６ ８０９ｎｍ高反射コーティング ７ 冷却用銅ブロック ８ 冷媒ガス ９ レーザ出力鏡 １０ 全反射鏡 １１ １次元レーザダイオードアレイ １２ セルフォックレンズ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−16283（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−90582（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−167142（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−54588（ＪＰ，Ａ) 特公 昭39−7580（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭46−24987（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭46−9970（ＪＰ，Ｂ１) 実公 昭43−1833（ＪＰ，Ｙ１) 特表 平３−505506（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H01S 3/0941 H01S 3/092 - 3/093

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １つまたは複数の２次元レーザダイオー
   ドアレイと、前記２次元レーザダイオードアレイ前方に
   配置されたシリンドリカルレンズアレイと、前記シリン
   ドリカルレンズアレイ前方に配置されたロッド状固体レ
   ーザ媒質と、断面が直線と方物線で囲まれた形状となる
   ような柱状で、放物線の焦点位置に、円筒形の穴のあい
   た固体レーザ活性イオンを含まない固体レーザ媒質の母
   材となる結晶と、ロッド状固体レーザ媒質の両端にそれ
   ぞれ配置されてレーザ共振器を構成する全反射鏡と出力
   鏡とを少くとも備え、前記結晶の穴内に前記ロッド状固
   体レーザ媒質を保持したことを特徴とするレーザダイオ
   ード励起固体レーザ装置。