JP3042098U

JP3042098U - 電線繰出し器

Info

Publication number: JP3042098U
Application number: JP1997003010U
Authority: JP
Inventors: 勉佐々木
Original assignee: 株式会社エヌ・ティ・ティ・テレコムエンジニアリング東北
Priority date: 1997-04-02
Filing date: 1997-04-02
Publication date: 1997-10-07
Anticipated expiration: 2003-04-02

Abstract

(57)【要約】【課題】安価に作れ、輸送保管に便利な電線繰出し器
を提供する。【解決手段】電線繰出し器の主体をなすカバー布１１
は、展開したときの状態が帯状で、両側縁に沿って形成
された紐通し１２の中にそれぞれ緊締紐１３が挿通して
ある。このカバー布１１で電線束１５の外周面を包み、
緊締紐１３を引き締めて、カバー布の上下の開口１６を
引き絞る。カバー布１１の両側縁に間隔を存して鳩目１
８が打ってあり、カバー布の下側の鳩目１８を利用し
て、２本のゴム紐１９を十字状に張る。カバー布の上側
にある鳩目１８には、リング２０から放射状に延びるゴ
ム紐２１を掛ける。電線１５ａの先端は、リング２０に
通して上に引き出しておき、その先を引っ張れば、電線
束１５の内側から巻きほぐれて、電線が繰り出される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、コイル状に巻かれた電線束から電線を引き出しやすくする引出し器に関し、電話の引込線等に好適なものである。

【０００２】

【従来の技術】

巻枠（ドラム）を使わずにコイル状に巻いただけの電線束は、電線を引出すとき絡みやすく、スムーズに引き出せないことが多い。このような電線束のために従来、いくつかの引出し器具が考案されている。その代表的なものは、電線束を箱の中に収納し、箱上面の孔から電線を引き出すようにしたものである（例えば、実公昭６２−３２２１０号公報参照）。この種のものは、電線が太くなると、箱も丈夫に作る必要があり、コストが高いものにつく。また、箱が嵩ばり、輸送保管に不便でもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、安価に作れ、しかも、輸送保管に便利な電線の引出し器を提供することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案の電線繰出し器は、コイル状に巻かれた電線の束の外周を包むための、展開したときの形状が帯状であるカバー布を有している。カバー布で電線の束の周囲を包んだときにできる上下の開口を引き絞るために、カバー布の両側縁には緊締紐を挿通する。該開口をそれぞれ横切るように、カバー布の側縁から側縁に複数本の弾性紐を張り渡す。これら弾性紐を介して該カバー布の開口のほぼ中心に、電線の一端が挿通するリングを保持する。

【０００５】リングを通して外に引出した電線の先端にはより戻しを取り付けることが好ましい。カバー布には、電線束をその中心を通って結束するバンドを設けることができる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

図１に示すように、この電線繰出し器の主体はカバー布１１でできている。カバー布は、図３に示すように、展開したときの状態が帯状に形成されており、両側縁に沿って紐通し１２が形成されており、各紐通しの中に緊締紐１３が挿通してある。カバー布１１の材質はビニール製であるが、キャンバスその他のシート材でもよい。

【０００７】このカバー布１１で電線束１５の外周面を包み、緊締紐１３を引き締めて、カバー布の上下の開口１６を引き絞る。このとき、緊締紐１３は端同士を結んでしまってもよいが、この実施例では、玉形のクリップ１７で咥えて緊締紐が緩まないようにしている。

【０００８】カバー布１１の両側縁に間隔を存して４つの鳩目１８が打ってあり、カバー布の下側の４つの鳩目１８を利用して、２本の弾性紐１９（例えば、ゴム紐）を十字状に張る。カバー布の上側にある４つの鳩目１８には、リング２０から放射状に延びる４本の弾性紐２１（ゴム紐）を掛ける。紐１９、２１の先はいずれも、鳩目１８に掛けやすいようフック２２を設ける（図２も参照）。

【０００９】電線１５ａの先端は、このリング２０に通して上に引き出しておく。この電線の先を引っ張れば、電線束１５の内側から巻きほぐれて、電線がスムースに繰り出される。なお、電線を繰り出すとき、電線がよじれる傾向があるので、図４に示すように、電線の先により戻し金具（スイベル、転輪）２３を取り付け、より戻しの先の輪２４を持って引くようにするとよい。

【００１０】運搬中に、電線束１５が崩れないよう、カバー布１１の一端にベルト２５を取り付け（図３）、これで電線束１５を結束しておくとよい（図１鎖線）。この実施例では、ベルト２５は面ファスナで固定できるようになっている。図１にも示すように、緊締紐１３を利用して手鈎２６を取り付けると運搬に便利である。その他、符号２７は、カバー布に縫い付けたループ紐であり、これを利用して壁等のフックに掛けられるようになっている。

【００１１】

【考案の効果】

この考案では、電線束の外周面を帯状のカバー布で包むようにしたので、軽く作れ、したがって、運搬に便利であり、箱形のものに比べ安価に作ることができる。また、緊締紐を引き締めることでカバー布を電線束に合った大きさに調整できるので、電線束をばらばらにならないようしっかりと包むことができる。

【００１２】また、カバー布の上下の開口をそれぞれ横切るように、複数本の弾性紐を張り渡したので、電線の一部が開口から外に飛び出したりすることがなく、また、カバー布を電線束にぴったりとフィットさせることができる。また、これら弾性紐を介してカバー布の開口のほぼ中心に、電線の一端が挿通するリングを保持したので、このリングから電線をスムースに引き出すことができ、また、リングの支持構造がシンプルであって、製造コストを低減できる。

【００１３】なお、リングを通して外に引き出した電線の先端に、より戻しを取り付ければ（請求項２）、より戻しの先の方を持って引き出すことで、電線がねじれないという効果がある。カバー布に、電線の束をその中心孔を通って結束するバンドを設けるようにすれば（請求項３）、運搬中、電線束をしっかりと固定でき、ばらばらになりにくい。

【図面の簡単な説明】

【図１】電線引出し器の斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】カバー布を展開した状態の平面図である。

【図４】電線の先端に取り付けたより戻しの斜視図で
ある。

【符号の説明】

１１カバー布１３緊締紐１５電線束１５ａ電線１６開口１９弾性紐２０リング２１弾性紐２３より戻し

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】コイル状に巻かれた電線の束の外周を包
むための、展開したときの形状が帯状であるカバー布
と、該カバー布の両側縁に挿通された、該電線束を包ん
だ該カバー布の上下の開口を引き絞るための緊締紐と、
該開口をそれぞれ横切るように、該カバーの側縁から側
縁に張り渡される複数本の弾性紐と、これら弾性紐を介
して該カバー布の開口のほぼ中心に保持された、該電線
の一端が挿通するリングからなる電線繰出し器。
【請求項２】該リングを通して外に引出した該電線の
先端に、より戻しを取り付けた請求項１に記載の電線繰
出し器。
【請求項３】該カバー布に、該電線束をその中心孔を
通って結束するバンドを取り付けた請求項１または２に
記載の電線繰出し器。