JP3041598U - ブリスタパック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 顧客に対して購買意欲を起こさせ、または陳
列された多数の類似商品群の中から選択する衝動を与え
るのに役立つ表示欄の面積を、ブリスタパックの板状支
持部材の正面における限られた面積の中でいかに大きく
確保するか。 【解決手段】 商品を収容するブリスタ部材１０を板状
支持部材１の裏面に移し、裏面に収容された商品３の少
なくとも一部を正面から見ることができる開口２を前記
板状支持部材１に穿設した。これにより、板状支持部材
１の正面の有効面積のうち、極く一部を占めるに過ぎな
い前記開口２を除く、大部分を表示欄として利用できる
ようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、収容した物品、例えば商品の全部または一部が外部から、例えば顧 客などの人間の目で見えるように覆うブリスタ部材と、物品を収容したブリスタ 部材が取りつけられてパックを完成する板状支持部材とからなるブリスタパック に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ブリスタパックとは、ブリスタ（水泡）状の外観形状を有する一般的に透明材 料製の脹らんだ覆材を使用して、それと板状支持部材との間に、例えば医薬のカ プセル等を封入してなるパックとして知られている。本考案のブリスタパックは 、その中でも特に、商品を収容して売場に陳列し、顧客の購買に供するためのも のである。

【０００３】 この種の用途に供する従来のブリスタパックは、図２に示すように、収容した 商品の裏側を除くほぼ全体が見えるように形成した透明性材料製のブリスタ部材 ２０を板状支持部材２１の正面に取りつけた構成を有し、板状支持部材２１の上 部に設けた穴２５を売場の壁面のピンに差して陳列しうるようになっている。

【０００４】 板状支持部材の正面部分の余白、つまりブリスタ部材が取りつけられない部分 には、その商品の商品名、商標２４、用途、使用方法、効能書き、キャッチフレ ーズ、セールストーク、製造元、販売元等の文字、図形または画像が選択的に印 刷または貼付により表示されるのが常である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のブリスタパックの構造では、板状支持部材２１の表面の大部分 が、商品を収容したブリスタ部材２０で占有されるので、前述の文字２６、図形 ２４または画像２３等を表示する欄として残される余白が少なくなることは否め ない。このため、顧客に対して購買意欲を起こさせ、または陳列された多数の類 似商品群の中から、特に本件ブリスタパックを使用してパックされた商品を選択 する衝動を顧客に与えるのに役立ちうる、前述の表示欄を十分に確保できない恨 みがあった。

【０００６】 その対策として、前述の文字、図形または画像等を正面に表示するためのスペ ースを大きくしようと試みると、板状支持部材２１それ自身の面積を拡大せざる を得ない。しかし、板状支持部材のそのような面積拡大は、そのように面積拡大 されたブリスタパックを陳列するのに必要な売場の所要スペースを拡大する必要 を生じさせる。そして所要スペースの拡大は、少ないスペースに少しでも多くの ブリスタパックを陳列したい販売店にとっては歓迎すべきことではない。

【０００７】 しかも、顧客にとって、拡大されて必要以上に嵩張るようになったブリスタパ ックは、持ち帰るのにも不便なので、そのようなブリスタパックに収容された商 品は敬遠したくなり、購買意欲を殺ぐことになって販売店にとっては二重の損失 を招くことになる。 本考案は、このようにして生じる二律背反的な問題を、効果的に解決すること を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、従来の常識を打破する新規なアイデアを導入した 。すなわち、従来は板状支持部材において、商品を収容したブリスタ部材が取り つけられている面を表面として顧客に見えるように陳列し、ブリスタ部材が取り つけられていない面を裏面として壁面に向けて懸垂していた。これに対して本考 案は、板状支持部材の従来裏面と考えられてそのように扱われていた面を表面と して顧客に見えるようにし、従来表面と考えられていた面を裏面とするように表 裏を逆転させた。

【０００９】 ただし、単に表裏を逆転させると、裏面に回されることになったブリスタ部材 で覆われた商品は、正面からは顧客の目に触れなくなる不利点を生じる。このよ うな更なる問題を解決するため、板状支持部材に開口を穿設し、裏面に回された 商品の少なくとも一部分が表面から見えるような開口または窓を、板状支持部材 に穿設するようにした。

【００１０】

【実施例】

図１の各図に本考案の実施例を示す。図１ａは、裏面に収容された例えば練歯 磨、クリーム、ワックス等のチューブ入り商品（図１ｂ参照）の一部分が、開口 ２を通して正面から見える様子を示す、本考案のブリスタパックの正面側の斜視 図である。板状支持部材１には、裏面に抜ける開口２が設けられている。その開 口を通して商品３の一部が見えている。開口３の穿設位置は、収容すべき物品に 表示された文字、図形または画像等のうち、顧客に見せたい所望の部分が見える ように選定される。

【００１１】 開口３を除く板状支持部材１の表面は、商品名、商標、キャッチフレーズ等の 文字、図形または画像等の表示用に利用可能な広いスペースが用意されている。 図 1ａの実施例では、星印のマーク４が取り分け人目を引くように大きく表示さ れた例を示している。 板状支持部材１の上部には小穴５が設けられており、販売店の陳列壁面から突 出するように打ち込まれたピンまたはフックに挿通して、ブリスタパックを懸垂 しうるようになっている。但し、この小穴５は、本考案の構成必須要件として示 すものではない。

【００１２】 図１ｂは、図１ａの裏面を示す斜視図である。板状支持部材１の裏面には、収 容した物品３の少なくとも半面を可視的に覆うブリスタ部材１０が取りつけられ ている。ブリスタ部材１の材料は、例えばプラスチック、合成樹脂など、可視的 に覆うことができるものであればよい。一般に無色透明のものが用いられるが、 これに限定する必要はなく、着色または半透明のものであってもよい。

【００１３】 図１ａに示す板状支持部材１の部分のみを、Ａ−Ａ線で切断して示す断面図を １ｂ図に示す。練歯磨、クリーム、ワックス入りのチューブ等のようにそれ自身 が密封された物品を収容した図１ａの実施例では、開口２は文字どおり解放状態 に残されても支障がない。 しかし、塵埃等の侵入を防止するとか、密封する必要がある場合には、ブリス タ部材１０と同一または任意の類似材料製の透明窓板１１を用い、図１ｅに示す ように開口２の外周に貼着しても塞いでもよい。

【００１４】 窓板は、図１ｅに示すように開口２の外周に貼着するほかに、図１ｆに示すよ うに２枚の板状支持部材１の間に、透明窓板１２の形でサンドウィッチ状に挟み 込んでもよい。また、透明窓１２の高さおよび幅の寸法は必ずしも板状支持部材 １の高さおよび幅の寸法と同一にする必要はなく、図１ｅに示す透明窓板１１の 寸法と同一または類似の寸法に選択してもよい。

【００１５】 なお、本考案のブリスタパックにおいては、パックされた商品の少なくとも一 部分、例えば図１の各図に示す範囲のみが正面から見えることになるが、このこ とは必ずしも不利点であるとは言えないことについて説明する。 第一に、著名または周知の商品についてはその全体を見せることは必ずしも必 要ではなく、顧客の注意を喚起するための表示面を拡大する方が販売効果上有利 なことがある。

【００１６】 第二に、正面からは商品の一部しか見えないことが、却って、顧客の好奇心を そ掻き立てることになり、手にとつて良く見ようとする行動を起こさせる。これ により、その商品が顧客に訴えたいセールストークまたはキャッチフレーズ等を じっくり読み取ってもらうチャンスを与える。

【００１７】 第三に、このブリスタパックを顧客が手にとつて見て貰えると言うことは、当 然に裏面も見るチャンスを与えることになり、事実上両方向から見ることができ るので、両面表示の効果を与えることになる。従来のブリスタパックでは、パッ クされた状態での商品は片面しか見ることができない事実を想起されたい。

【００１８】 第四に、顧客吸引効果を高めるために板状支持部材１の正面に画像、例えば有 名な人気女優、憧れのプロ野球選手、ヒット曲の歌手等のブロマイド１３を貼付 または印刷したいことがある。このとき、従来品の場合には図２ｃに示すように 余白が少ないため、ブリスタ部材２０に覆われた商品２３よりも小さくしか表示 できないため、商品２３が主でブロマイド２３が従の印象を与えることになるで あろう。

【００１９】 これでは、人気俳優、有名人等のプライドを傷つける恐れを生じるため、断固 として断られる可能性が高い。その点では、図１に示す本考案のブリスタパック の場合には、ブロマイド１３が主で、開口２から覗く商品３は従の印象を与え、 しかも人気俳優、有名人の名声を誇示する役にも立つので、寧ろ積極的に賛同さ れることもあろう。

【００２０】 第五に、商品によってはあからさまに見えず小さな開口３を通してごく一部分 のみが見えるパックの方が、顧客にとって好都合である場合がある。この例とし て、避妊具、生理用品等が挙げられる。

【００２１】 ところで、図１に示す実施例は、１枚の板状支持部材１に１個のブリスタ部材 １０を取りつけた状態を示しているが、複数個の物品、例えば自動車のボデイの へこみ補修用のカラーパテは、パテ自体のチューブと硬化剤のチューブが２本組 になっており、また、エポキシ接着剤等も主剤チューブと硬化剤チューブの２本 組になっている。このような複数個一組の商品の場合には、１個のブリスタ部材 １０に独立の膨らみ部分を複数個（２個）設けても、または複数個（２個）のブ リスタ部材を取りつけるようにしてもよい。

【００２２】

【考案の効果】

本考案のブリスタパックを採用した商品の発売元にとっては、顧客の注意を喚 起して購買意欲を起こさせ、または陳列された多数の類似商品群の中から、特に 、本考案のブリスタパックに収容された商品を選択する衝動を顧客に与える、い わゆる「顧客吸引力」を具現させるための表示欄を、板状支持部材の正面の実質 的に全面に、取り分け大きく占有することができ、売上げ増強効果を期待するこ とができる。

【００２３】 本考案のブリスタパックに収容されパックされた商品を販売品として扱う販売 店にとっては、商品の陳列スペースを有効活用して限られた壁面に少しでも多く のブリスタパックを陳列することができるので、同様に売り上げ増強が期待でき る。そればかりか、横幅を従来品よりも縮小したブリスタパックを製造、発売元 に対して要求して、陳列棚の省スペースを策する根拠を与えることができる。

【００２４】 また、一般顧客にとっては、板状支持部材１の正面の表示用有効面積が拡大し た結果として、ブリスタパックの横幅を縮小した商品が出現して、持ち帰り易く なる効果、正面からは商品の一部しか見えないため、人前では手を出し難い商品 が買い易くなる効果が期待できる。

【００２５】 更に、社会全体に対しては、「顧客吸引力」を発揮する表示欄を確保しつつ、 ブリスタパックの横幅を縮小することが可能である本考案は、パック材料の省資 源と、用済で破棄されたパック材料を焼却処分するに際して生じる環境汚染問題 を軽減する効果とをもたらす。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１に示す各図は本考案の実施例を示す図であ
って、（ａ）は板状支持部材の裏面に取りつけたブリス
タパックに収容されたチューブ入り商品の一部が開口を
通して見える状態を示す正面側の斜視図、（ｂ）は板状
支持部材の裏面に取りつけたブリスタパックを示す斜視
図、（ｃ）は板状支持部材の正面に貼付または印刷した
大きなブロマイドを示す斜視図、（ｄ）は図１ａに示す
板状支持部材のみをＡ−Ａ線で切断して示す断面図、
（ｅ）は板状支持部材の開口に取りつけた窓板を示す
図、（ｆ）はサンドウィッチ構造を示す図。

【図２】図は従来品のブリスタパックを示す図であっ
て、（ａ）は板状支持部材の正面に取りつけたブリスタ
部材を示す斜視図、（ｂ）は板状支持部材の裏面を示す
図、（ｃ）は板状支持部材の正面に取りつけた相対的に
大きいブリスタ部材と相対的に小さいブロマイドを示す
斜視図。

【符号の説明】

１、２１ 板状支持部材 ２ 開口 ３、２３ 商品 ４、２４ マーク ５、２５ 小穴 １０、２０ ブリスタ部材 １１、１２ 窓板 １３、２３ ブロマイド

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品の少なくとも半面を可視的に覆うブ
   リスタ部材を板状支持部材に取りつけて、それらの間に
   物品を収容するためのブリスタパックであって、 前記ブリスタパックは、前記ブリスタ部材が前記板状支
   持部材の裏面に取りつけられる構造を有することと、前
   記板状支持部材は、その裏面に取りつけられたブリスタ
   部材内に収容されている物品の少なくとも一部分を、前
   記板状支持部材の正面から観察し得る開口が穿設されて
   いる構造を有することとを特徴とするブリスタパック。
2. 【請求項２】 前記板状支持部材に穿設された開口に対
   して、塵埃等の侵入を妨げるが収容された物品の視認を
   妨げない材料製の窓板を当接した構造を特徴とする請求
   項１記載のブリスタパック。
3. 【請求項３】 前記板状支持部材と穿設した開口が、円
   形、楕円形、長方形、多角形、または収容する物品の形
   状に応じた任意形状よりなる群から選択した形状を呈す
   ることを特徴とする請求項１または２記載のブリスタパ
   ック。
4. 【請求項４】 前記板状支持部材の正面の前記開口を除
   く全面に亘って、文字、図形または画像等の表示部とな
   しうる構造としたことを特徴とする請求項１、２または
   ３記載のブリスタパック。