JP3041114U - ペット用組立式小舎 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ペットの展示販売等に用いられるようなペット
用小舎において、部品点数を少なくして、簡易迅速な組
立てや分解が行なえるようにすること。 【解決手段】複数の板状部材を組み合わせて形成するペ
ット用組立式小舎であって、上記板状部材を、方形状の
底板部材２および天板部材３と、角筒状の周壁部材４と
の３部材でで構成する。そして、上記周壁部材４に、側
壁１１を内側に折り込む折り込み機構を形成する。各部
材２，３，４間の連結は、各部材２，３，４の突き合わ
せ部２ａ，３ａ，３ｂ，４ａ，４ｂ，４ｃの近傍に取付
けた、相互に係脱する２つの部材からなる係脱式の係止
具５，６により行なう。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、犬や猫などのペットを収容するペット用小舎に関し、より詳しく は、特に業務用として使用するのに適した組立式のペット用小舎に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ペット用小舎としては、実公昭６２−３０１９号公報に開示されているものが ある。このペット用小舎は、一般家庭で分解や組立ができるようにしたもので、 正面板と、背面板と、頂板と、底板と、左右両側板との合計６枚の部材を、ビス を用いて組み立てるものである。

【０００３】 しかし、ビスを用いたのでは、ビスを回転させるための工具が必要であるし、 作業も面倒であった。またビスは小さいので、よく紛失してしまう。さらに、６ 枚の部材からなっているため、部品点数が多く、管理等、取扱いにも難があった 。このため、会場を移動しての展示や販売等のように、迅速な作業が要求される 業務用には採用できない。

【０００４】

【解決すべき課題及びそのための手段】

そこでこの考案は、ビスを不要とするとともに部品点数を少なくして、簡易迅 速に組立てや分解が行なえるようなペット用組立式小舎の提供を課題とする。

【０００５】 そのための手段は、複数の板状部材を組み合わせて内部にペット空間を形成す るペット用組立式小舎であって、上記各板状部材の縁部に、突き合わせ部を形成 するとともに、該突き合わせ部近傍に、突き合わせた状態、すなわち近々と向か い合わせたり、当接したり、嵌合したりした状態を固定する係脱式の係止具を取 付けたペット用組立式小舎であることを特徴とする。

【０００６】 部品点数を最も少なくするには、前記板状部材を、底面部をなす底板部材と、 上面部をなす天板部材と、周囲を囲繞する周壁部材とで構成し、上記周壁部材に 、折り畳み機構を形成するとよい。

【０００７】 大きさも小さくするには、前記板状部材を、底面部をなす底板部材と、上面部 をなす天板部材と、周囲を囲繞する周壁部材とで構成し、前記周壁部材の正面側 あるいは背面側の少なくとも一方に、開閉扉を形成するとともに、側面部をなす 側壁を、左右２枚の側壁部材で構成し、これら２枚の側壁部材を、上下方向で内 側に折り込む谷折り可能なヒンジで連結するとよい。

【０００８】 簡易迅速な分解や組立てを行なうには、前記係脱式の係止具に、軸部を有する 第１部材と、上記軸部が係脱する係合部を有する第２部材とからなる係止具を用 いると良い。

【０００９】 さらに簡易迅速な分解や組立てを行なうには、前記係止具を、周壁部材におけ る正面側と背面側の突き合わせ部近傍と、底板部材および天板部材の対応部位と の間に固定し、周壁部材の側面部の上下両端縁には、底板部材および天板部材に 嵌合する嵌合縁を形成して、係止具の数を少なくするとよい。

【００１０】 外部からのいたずらや不測の分解を防止しながら、簡単な組立てや分解を維持 するには、前記天板部材と周壁部材の間の正面側あるいは背面側のいずれか一方 に固定する係止具を、外部からの操作で係脱しない係止具で構成し、該係止具を 除く他の係止具を、内側のペット空間側に固定するとよい。

【００１１】

【作用及び効果】

すなわち、上述の構成によれば、板状部材の組立ては、ビスを用いずに係脱式 の係止具で行なうので、ビスを使用する場合のような、面倒や煩わしさは一切な く、簡易迅速な組立てや分解ができる。

【００１２】 また、請求項２や請求項３のように複数の板状部材を、底板部材と、天板部材 と、周壁部材との３つで構成すると、部品点数を極力少なくでき、さらなる簡易 迅速な組立てや分解に資する。

【００１３】 そして請求項３のように、周壁部材の側壁を内側に折り込む、すなわち側壁を 正面と背面との間に折り込むとで、面積を小さくでき、３つの部材をコンパクト にまとめることができる。この結果、持ち運び等の取扱いが容易になる。

【００１４】 請求項４のように、軸部を有する第１部材と、上記軸部が係脱する係合部を有 する第２部材とからなるものを係止具に採用すれば、突き合わせ部を突き合わせ るように、また突き合わせた後、軸部を係合部に係止するだけでよく、別の部材 は不要で、より一そう簡単で迅速な組立てや分解ができる。

【００１５】 請求項５のように、周壁部材の側面部の上下両端縁に、底板部材および天板部 材に嵌合する嵌合縁を形成すると、その分、係止具の数を減らすことができ、さ らに一層の作業の円滑化を図ることができる。

【００１６】 また、請求項６のように、天板部材と周壁部材の間の正面側あるいは背面側の いずれか一方に固定する係止具を、外部からの操作で係脱しない係止具で構成し て、その他の部位に固定する係止具を、内側のペット空間側に固定すれば、外部 から係止具を外したり、外れるような作用が及ぶことを阻止できる。この結果、 ペットの展示販売等の最中に、ペット用小舎が分解されたり、また持ち運び動作 中に不測に係止具が外れたりするようなことはなく、簡単な組立てや分解ができ るという効果を有しながらも、確実に機能を発揮するペット用小舎が得られる。

【００１７】

【実施例】

この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。 図１は、ペット用組立式小舎１（以下、小舎という）の分解状態を示す斜視図 であり、底面部をなす底板部材２と、上面部をなす天板部材３と、周囲を囲繞す る周壁部材４とで構成している。各部材２，３，４の縁部には、突き合わせ部２ ａ，３ａ，３ｂ，４ａ，４ｂ，４ｃを形成して、これらを突き合わせた状態で固 定するための係脱式の係止具５，６を、突き合わせ部２ａ，３ａ，３ｂ，４ａ， ４ｂ，４ｃの近傍に取付けている。

【００１８】 図２は、組み立てた状態を示しており、上記突き合わせ部２ａ，３ａ，３ｂ， ４ａ，４ｂ，４ｃはすなわち、図３に見られるように、底板部材２では、外周の 枠部７の上面であり、天板部材３では外周の枠部８の正面側および背面側の外側 面３ａと、両側部の下面３ｂで、周壁部材４では、下端面部４ａの全体と、上端 部における正面側および背面側の内側面４ｂと、側壁の上端４ｃである。

【００１９】 底板部材２は、長方形の枠部７の内側に、板材９を保持した構造で、上記板材 ９の下面の四隅部位で、やや内側には、小舎１を積み重ねたとき、天板部材３の 枠部８の内側に位置する位置止め突起１０を装着している。また、突き合わせ部 ２ａ（枠部７の上面）における側壁１１対応部位には、嵌合溝７ａを形成してい る。

【００２０】 天板部材３も、枠部８の内側に板材１２を保持した構造で、底板部材２よりも 周壁部材４の正面部および背面部の厚み分、幅狭に形成している。そして、突き 合わせ部３ｂの側壁対応部位（枠部８の側壁１１対応部位の下面）には、嵌合溝 ８ａを形成している。

【００２１】 周壁部材４は、長方形の２個の枠部１３，１４の両側を、２枚ずつの側壁部材 １１ａで連結した構造で、折り畳み機構を有している。正面側の枠部１３は顧客 側用として、透明のガラス等を嵌め込んだ一枚の扉１５を、その内側に枢着して いる。また、背面側の枠部１４は、係員用として、金網からなる２枚の扉部材１ ６，１６を両側に枢着している。そして、側壁部材１１ａは、合成樹脂等の板材 で形成し、２枚で一つの側壁１１となるようにヒンジ１７で連結している。この ヒンジ１７による連結は、側壁１１を谷折りして、正面側および背面側の枠部１ ３，１４間に折り込めるようにするもので、各側壁１１の両側と枠部１３，１４ との間に介装するヒンジ１８も上述の事を許容するものである。

【００２２】 また、側壁部材１１ａは、上端縁と下端縁とに、前記嵌合溝７ａ，８ａに嵌合 する嵌合縁１１ｂを形成している。 前記係止具５，６は、周壁部材４における正面側および背面側と、底板部材２ および天板部材３の対応部位との間に固定する。

【００２３】 係止具５，６は、軸部を有する第１部材と、上記軸部が係脱する係合部を有す る第２部材とからなり、図１に示したような２種類のものを用いる。

【００２４】 一方の係止具５は、固定された軸部１９ａを有する第１部材１９と、該第１部 材１９の全体を移動することで、軸部１９ａが係脱するように、断面「つ」字状 の係合部２０ａを有した第２部材２０とからなるものである。つまり、軸部１９ ａと係合部２０ａが係止した状態を解除するには、第１部材１９、あるいは第２ 部材２０を回動してから移動しなければならず、すなわち、外部からの操作では 係脱しない。この係止具５は、天板部材３と周壁部材４との間の外側に、具体的 には、第１部材１９を天板部材３の上面の正面側に、第２部材２０を周壁部材４ の上面の正面側に固定する。背面側でもよい。

【００２５】 他の部位に固定する係止具６は、軸方向に移動可能な２つの軸部２１ａを有し た軸部材２１ｂを持つ第１部材２１と、上記軸部２１ａを係脱する筒状の２つの 係合部２２ａを有する第２部材２２とで構成している。すなわち、外部から操作 して軸部材２１ｂをスライドさせることで係脱する係止具６である。この係止具 ６は、内側のペット空間Ｓ側に固定する。

【００２６】 なお、図３において２３は、金属の線状体からなるシーツ押え用の枠材である 。 上述のような係止具５，６をそれぞれ取付けた底板部材２、天板部材３、周壁 部材４からなる小舎１の組立ては、次のように行なう。

【００２７】 まず底板部材２を適宜位置に置いてから、周壁部材４を開いて底板部材２上に 載置する。そして、係止具６の第１部材２１と第２部材２２を係止する。次に天 板部材３を周壁部材４に載置するわけであるが、その時まず、小舎１の外側面に 取付けた正面側の係止具５を係止する。そして、正面側の扉１５を開けて、背面 側の係止具６を係止する。

【００２８】 分解するときには、まず正面側の扉１５を開けて内部にある天板部材３と周壁 部材４との間の係止具６の係止を解除し、天板部材３を正面側の係止具５の軸部 １９ａを軸に回動してその係止具６の係止を解除する。次に内底部に位置する係 止具６を解除して、周壁部材４を外し、側壁１１を内側に折り込んで板状にすれ ばよい。３つの部材２，３，４を重ねると図４に示したような状態になる。

【００２９】 このように、ビスを用いる場合に比してワンタッチ式のように、サッと組立て や分解が行なえ、簡易迅速な作業となる。したがって、業務用として大いに貢献 するほか、家庭用として用いるのにもよい。

【００３０】 また、各部材２，３，４を組み立てるための係止具５，６は、各部材２，３， ４に固定してあるので、ビスを使用する場合のように紛失などの煩わしさは一切 ない。しかも、底板部材２と、天板部材３と、周壁部材４との３つで構成してい るので、部品点数は少ない。

【００３１】 さらに、分解した時には、周壁部材４の側壁１１を内側に折り込んで面積を小 さくできるので、３つの部材２，３，４を図４に示したようにコンパクトにまと めることができる。すなわち、持ち運び等の取扱いが容易である。

【００３２】 また、周壁部材４の側壁１１の上下両端縁に、底板部材２および天板部材３に 嵌合する嵌合縁１１ｂを形成しているので、その分、係止具５，６の数を減らす ことができてコストの低減や組立て分解作業のより一層の簡素化、円滑化を図る ことができる。

【００３３】 そしてまた、天板部材２と周壁部材３の間の正面側に固定する係止具５を、外 部からの操作で係脱しない係止具５で構成して、その他の部位に固定する係止具 ６を、内側のペット空間Ｓ側に固定したので、外部から係止具を外したり、外れ るような作用が及ぶことを阻止できる。つまり、ペットの展示販売等の最中に、 小舎１が分解されたり、また持ち運び動作中に不測に係止具５，６が外れたりす るようなことはなく、簡単な組立てや分解ができるという効果を有しながらも、 確実に機能を発揮する小舎１が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ペット用組立式小舎の分解斜視図。

【図２】組立て状態の斜視図。

【図３】縦断面図。

【図４】分解状態の斜視図。

【符号の説明】

１…ペット用組立式小舎 ２…底板部材 ２ａ…突き合わせ部 ３…天板部材 ３ａ，３ｂ…突き合わせ部 ４…周壁部材 ４ａ，４ｂ，４ｃ…突き合わせ部 ５…係止具 ６…係止具 ７ａ，８ａ…嵌合溝 １１…側壁 １１ａ…側壁部材 １１ｂ…嵌合縁 １５…扉 １６…扉部材 １７…ヒンジ １９…第１部材 １９ａ…軸部 ２０…第２部材 ２０ａ…係合部 ２１…第１部材 ２１ａ…軸部 ２２…第２部材 ２２ａ…係合部

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の板状部材を組み合わせて内部にペッ
   ト空間を形成するペット用組立式小舎であって、上記各
   板状部材の縁部に、突き合わせ部を形成するとともに、
   該突き合わせ部近傍に、突き合わせた状態を固定する係
   脱式の係止具を取付けたペット用組立式小舎。
2. 【請求項２】前記板状部材を、底面部をなす底板部材
   と、上面部をなす天板部材と、周囲を囲繞する周壁部材
   とで構成し、上記周壁部材に、折り畳み機構を形成した
   請求項１記載のペット用組立式小舎。
3. 【請求項３】前記板状部材を、底面部をなす底板部材
   と、上面部をなす天板部材と、周囲を囲繞する周壁部材
   とで構成し、前記周壁部材の正面側あるいは背面側の少
   なくとも一方に、開閉扉を形成するとともに、側面部を
   なす側壁を、左右２枚の側壁部材で構成し、これら２枚
   の側壁部材を、上下方向で内側に折り込む谷折り可能な
   ヒンジで連結した請求項１記載のペット用組立式小舎。
4. 【請求項４】前記係脱式の係止具が、軸部を有する第１
   部材と、上記軸部が係脱する係合部を有する第２部材と
   からなる請求項１から請求項３のうちのいずれか一項に
   記載のペット用組立式小舎。
5. 【請求項５】前記係止具を、周壁部材における正面側お
   よび背面側と、底板部材および天板部材の対応部位との
   間に固定し、周壁部材の側面部の上下両端縁には、底板
   部材および天板部材に嵌合する嵌合縁を形成した請求項
   請求項２から請求項４のうちのいずれか一項に記載のペ
   ット用組立式小舎。
6. 【請求項６】前記天板部材と周壁部材の間の正面側ある
   いは背面側のいずれか一方に固定する係止具を、外部か
   らの操作で係脱しない係止具で構成し、該係止具を除く
   他の係止具を、内側のペット空間側に固定した請求項１
   から請求項５のうちのいずれか一項に記載のペット用組
   立式小舎。