JP3040764U - 食品容器の蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋の外観や開け易さに支障なく強度及び安全
性を向上させる。 【構成】 容器本体１の側縁部５に嵌合され容器開口部
を閉塞する食品容器の蓋２において、嵌合溝部３の外側
壁６の下端部より外周方向へ広がる張り出し部７と、こ
れより垂直に延びる折り返し部８を設け、該折り返し部
８を蓋２の中心に向かって曲げ込むことにより、外周裾
部１０の強度が向上し、しかも蓋２を開ける際に手が痛
くならない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、即席食品を収容する容器の蓋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、カップ麺等の即席食品の容器には、上端に開口部を有する容器本体の側 縁部に、蓋の嵌合溝部が係合することで、該開口部を閉塞するように成された容 器が広く使用されている。これらに用いられる蓋は、一般に合成樹脂等のシート を加熱し所定の型で押圧して蓋の形に成形した後、外周裾部を打ち抜くことで製 造されており、最近では打ち抜かれた外周裾部の鍔状部分を上方へ折り返した蓋 も提案されている。また、蓋に用いられるシートは、表面に予め印刷を施すか或 いは印刷したフィルムを張り合わせたものが多く使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

外周裾部を打ち抜いて製造された蓋は、外周裾部の肉厚が非常に薄いため、商 品の輸送中或いは取扱中に外周裾部が変形して蓋が開閉しづらくなったり、外周 裾部が破損して容器本体と蓋との嵌合が緩くなったりするという問題があった。 また、外周裾部の打ち抜き部切断面は、薄肉である上にエッジ状となっているた め、係合部分を外して蓋を開ける際、切断面が指に当たって痛く感じるなどの不 快感がある上、甚だしい場合には指に怪我をする恐れがあった。この問題に対応 して、切断面の鍔状部分を上方へ折り返す方法が提案されているが、この方法に よれば切断面が外観上に露出するばかりでなく、印刷の施されていないシートの 裏面が蓋の表面に露出してしまい、商品の美観を損ねるという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記のような問題を解決するため、この考案は、容器本体の側縁部に嵌合され 容器開口部を閉塞する食品容器の蓋において、嵌合溝部の外側壁下端部より外周 方向へ広がる張り出し部と、これより垂直に延びる折り返し部を設け、該折り返 し部を蓋の中心に向かって曲げ込んだ食品容器の蓋である。

【０００５】

【作用】

この考案の食品容器の蓋は、外周壁に設けられた張り出し部及び曲げ込み部に よって外周裾部が補強され、変形や破損に十分耐え得る強度を有する。また、折 り返し部を蓋の中心に向かって曲げ込んであるので、係合部分を外して蓋を開け る際、曲げ込み部の曲面が指に当たるようになり、指が痛く感じるなどの不快感 がない上、指に怪我をする恐れもない。さらに、折り返し部を蓋の下方から中心 に向かって曲げ込めば、切断面が外観上に露出することがない上、印刷の施され ていないシートの裏面が蓋の表面に露出することもないので、商品の美観を損ね るといった心配もない。ここで、折り曲げ部は張り出し部によって外側壁より外 側から折り曲げられるため、折り曲げ部の端部が外側壁の内側に入り込んで容器 側縁部と干渉し、蓋の開閉作業に支障を与えることがない。

【０００６】

【実施例】

以下この考案の実施例について図面に基づいて説明する。容器本体１の開口部 外周には側縁部５が設けられ、蓋２の外周部分に設けられた嵌合溝部３と係合す ることで、容器本体１の開口部を閉塞する。嵌合溝部３の外側壁６には、円周方 向に沿って係合凸条４が設けられ、側縁部５の外周に嵌合して蓋２を容器本体１ にしっかりと固定させる。外側壁６の下端部には外周方向へ水平に広がる張り出 し部７と、これより下方へ垂直に延びる折り返し部８を蓋２の中心に向かって曲 げ込んだ曲げ込み部９が設けられている。

【０００７】 この蓋２は、熱成形機によって合成樹脂のシートを加熱し所定の型で押圧し、 図３に示すように外側壁６の下端部から外周方向へ水平に広がる張り出し部７と 、これより下方へ垂直に延びる折り返し部８を設けた形状に成形し、トリミング プレス機で外周裾部１０の所で打ち抜かれる。この時、外周裾部１０には下端部 より水平に広がる微小の鍔状部分１１が発生する。この後、カーリング機によっ て折り返し部８を加熱しながら蓋２の中心に向かって曲げ込むことによって曲げ 込み部９を形成する。この時、打ち抜きで発生した鍔状部分１１も折り返し部８ と一緒に曲げ込まれる。

【０００８】 なお、曲げ込み部９の形状は、図に示すような断面が円形のものの他、楕円状 、Ｕ字状など、任意に設定することが可能である。また、折り返し部８は、張り 出し部７から上方へ垂直に延ばすこともできるので、蓋２の表面に印刷を施さな い場合など、折り返し部８を上方から蓋２の中心に向かって曲げ込むことも可能 である。

【０００９】 この考案の食品容器の蓋２は、外周壁６に設けられた張り出し部７及び曲げ込 み部９によって外周裾部１０が補強されているので、変形や破損に十分耐え得る 強度を有している。また、折り返し部８を蓋２の中心に向かって曲げ込んである ので、外周裾部１０を指で引き上げて蓋２を開ける際、曲げ込み部９の曲面が指 に当たるようになり、指が痛く感じるなどの不快感がない上、指に怪我をする恐 れもない。さらに、折り返し部８を蓋２の下方から中心に向かって曲げ込めば、 切断面が外観上に露出することがない上、印刷の施されていない部分であるシー トの裏面が蓋２の表面に露出することもないので、商品の美観を損ねるといった 心配もない。ここで、折り曲げ部９は張り出し部７によって外側壁６より外側か ら折り曲げられるため、折り曲げ部９の端部が外側壁６の内側に入り込んで容器 側縁部５と干渉し、蓋２の開閉作業に支障を与えることがない。

【００１０】

【考案の効果】

この考案によれば、蓋の外周壁に設けられた張り出し部及び曲げ込み部によっ て外周裾部が補強されているので、輸送中或いは取扱中に外周裾部が変形して蓋 が開閉しづらくなったり、外周裾部が破損して容器本体と蓋との嵌合が緩くなっ たりする心配がない。また、折り返し部を蓋の中心に向かって曲げ込んであるの で、蓋を開ける際に指が痛く感じたり怪我をすることがなく安全である上、折り 返し部を下方から蓋の中心方向へ曲げ込めば、シートの切断面や裏面が蓋の表面 に露出することがなく、美麗な容器を提供できる。さらに、張り出し部を設ける ことで折り曲げ部が外側壁より外側に位置するので、折り曲げ部が容器の側縁部 と干渉せず、容易に蓋の開閉が行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す食品容器の一部切欠
斜視図である。

【図２】この実施例の蓋の嵌合溝部の拡大断面図であ
る。

【図３】この実施例の蓋の、折り返し部を曲げ込む前の
形状を示す、嵌合溝部の拡大断面図である。

【図４】従来の蓋の嵌合溝部の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 ７ 張り出し部 ２ 蓋 ８ 折り返し部 ３ 嵌合溝部 ９ 曲げ込み部 ４ 係合凸条 １０ 外周裾部 ５ 側縁部 １１ 鍔状部分 ６ 外側壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体の側縁部に嵌合され容器開口部を
   閉塞する食品容器の蓋において、嵌合溝部の外側壁下端
   部より外周方向へ広がる張り出し部と、これより垂直に
   延びる折り返し部を設け、該折り返し部を蓋の中心に向
   かって曲げ込んだことを特徴とする食品容器の蓋。