JP3040437U - 間隔規定治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 木造用直接基礎における立ち上げ配筋のダブ
ル化を正確になし得る間隔規定治具を提供する。 【構成】 長さを型枠７，７’間隔に一致させた渡し材
１０の長手中途に、立ち上げダブル配筋５の一対の上弦
筋５ａ，５ａ’間隔に一致した一対の鉄筋挾持用フック
部１１，１１’を付形するとして、ワンタッチ装着でダ
ブル配筋５、スターラップ筋１２，１２’上端の正確な
位置決めを可能とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、木造用直接基礎に用いる間隔規定治具、詳しくは、木造用直接基礎 として異例のダブル立ち上げ配筋とする場合における型枠とダブル配筋並びにダ ブル配筋相互間隔を規定通りに設定し得るところの間隔規定治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図６に示される如く、一般に、木造用の軽微な直接基礎１は、例えば、根切底 ２に径３〜４cmの砂利３を数cmの厚さに敷いて、たこで締め固め、その上に捨て コンクリート４を打って作られている。当該基礎１にあっては、通常、強度を持 たせるべく鉄筋コンクリートとする場合にあっても立ち上げ筋はシングルとされ ている。

【０００３】 しかし、最近、木造でも３階建ての家が建てられるようになってきているが、 この場合には、図７に示す如く、直接基礎の強度をアップすべく、立ち上げ筋を シングルで済ますことなく立体架構のダブル配筋５とすることは当該分野の者な らば当然のこととして想到することである。この場合、立ち上げ筋がシングルと ダブルとでは別段施工に変りはなく、ベース部６の打設で、立ち上げ保持された 該ダブル配筋５は、次いで、セパレーターを介して対向設置の型枠７，７′に挾 さまれた態様で立ち上げ部８の２度目の打設を受ける。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、ダブル配筋５は当然のことながら幅広になっており、対かぶり厚で の許容誤差はシングルに比し極めて厳しい（基礎梁（立ち上げ部８）の幅はほと んど変わらないのに、配筋幅が大きくなる。）こと、ダブル配筋５の製作で上弦 筋５ａ，５ａ’に対して取り付く一対のスターラップ筋１２，１２’はその先端 を単にＬ字型に曲げて掛け乗せして結束される簡素なものとされるために該上弦 筋５ａ，５ａ’を抱束する定着力に欠け、上弦筋５ａ，５ａ’の定位置確保が困 難（かぶり厚に影響）なこと等の問題があり、耐久上の信頼性に欠けるのが実情 である。

【０００５】 本考案はかかる事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、基礎の 耐久性の信頼性を確保するダブル配筋の上弦筋（しいてはこれと結束のスターラ ップ筋）を簡単に型枠間の所定位置に確実に位置決めし得る間隔規定治具を提供 することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の間隔規定治具は、長さを型枠間隔に一致 させた渡し材の長手中途に、立ち上げダブル配筋の上弦筋間隔に一致した一対の 鉄筋挾持用フック部を付形するとしたものである。

【０００７】

【作用】

型枠７，７’設置後、本案治具を型枠上端開口からダブル配筋の天端に向けて 降下させそのフック部を一対の上弦筋に挾着させるというワンタッチ作業でもっ て、立ち上がっているために、自由であり、かつ、ルーズな定着で上弦筋間隔が 自由であるダブル配筋は、その対型枠間隔並びに上弦筋間隔を一気に正位置に、 そしてこれと結束で一体関係のスターラップも正しい位置に固定されてしまう。

【０００８】 よって、これをダブル配筋長手の所定間隔に施こすことで、正確無比な立ち上 がり配筋を実現してしまう。

【０００９】

【実施例】

実施例について図を参照して説明する。 図１〜３は、本案治具９の各実施例を示すもので、いずれも、渡し材１０にあっ て、その長さＳは型枠７，７′の内寸法と一致し、長手中途にはダブル配筋５の 上弦筋５ａ，５ａ′間隔に一致の一対の鉄筋挾持用フック部１１，１１′が付形 されている。

【００１０】 図１に示す場合は渡し材１０としてステンレスワイヤー若しくはビニール被覆 線の線材を用い、両端露呈と鋭角を解消すべく折り曲げて埋め殺しでの腐食の発 生を阻止している。 図２に示す場合は、渡し材１０としてプラスチック材を用いたもので、フック 部１１，１１′を突き出し成形して成る。

【００１１】 図３に示す場合は渡し材１０としてステンレス若しくはプラスチック製アング ル材を用い、フック部１１，１１′を打ち抜き形成している。 以上、いずれも不錆材であるので埋め殺しされても雨水浸透等の耐久上での不 都合は一切生じることがない。 図４，５は図１に紹介の品での施工態様を示す。

【００１２】 すなわち、叙上の本案治具９を型枠７，７’間の上端開口部から自由な状態に ある立ち上げダブル配筋５の一対の上弦筋５ａ，５ａ′に対して装着させると、 上弦筋５ａ，５ａ′の間隔設定と型枠７，７’間中央位置設定並びにこれと結束 のスターラップ筋１２，１２’の所定立ち上がり位置設定とが一気に達成されて しまい、信頼性の高い配筋が完了する。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は上述のとおり構成されているので、ワンタッチ作業でもって一気に自 由なダブル配筋５の上弦筋５ａ，５ａ′間隔並びにダブル配筋５対型枠７，７′ 間隔を規定通りに抱束し得、基礎の信頼性を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案品の斜視図である。

【図２】本案品の斜視図である。

【図３】本案品の斜視図である。

【図４】本案品を用いての基礎施工説明図である。

【図５】図４中上部の詳示図である。

【図６】木造用直接基礎の説明図である。

【図７】木造用直接基礎における立ち上げ筋ダブル化の
説明図である。

【符号の説明】

１ 直接基礎 ２ 根切底 ３ 砂利 ４ 捨てコンクリート ５ ダブル配筋 ５ａ，５ａ′ 上弦筋 ６ ベース部 ７，７′ 型枠 ８ 立ち上げ部 ９ 治具 １０ 渡し材 １１，１１′ 鉄筋挾持用フック部 １２，１２′ スターラップ筋

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長さを型枠間隔に一致させた渡し材の長
   手中途に、立ち上げダブル配筋の上弦筋間隔に一致した
   一対の鉄筋挾持用フック部を付形するとした間隔規定治
   具。
2. 【請求項２】 渡し材が両端折り曲げのステンレスワイ
   ヤー若しくはビニール被覆線より成る請求項１記載の間
   隔規定治具。
3. 【請求項３】 渡し材がプラスチック板材より成る請求
   項１記載の間隔規定治具。
4. 【請求項４】 渡し材がステンレス若しくはプラスチッ
   ク製アングル材より成る請求項１記載の間隔規定治具。