JP3040417B2 - 真空スイツチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、真空スイッチであって、該真空スイッチの
ケーシングが、各１つのコンタクトピンを備えた一対の
切換接点を取り囲む金属円筒体と、該金属円筒体に有利
にはろう接フランジを介して結合された絶縁管と、ケー
シングを金属円筒体と絶縁管とにおいて閉じるカバーと
から成っており、さらに電磁コイルが設けられていて、
該電磁コイルのコイル本体が１つの巻き条で金属円筒体
を取り囲んでおり、該巻き条が、導入側の導体部分を介
して、金属円筒体に隣接したカバーを貫通している方の
コンタクトピンに接続されており、さらに前記巻き条
が、導出側の導体部分を介して、金属円筒体に隣接した
接続部に接続されている形式のものに関する。

〔従来の技術〕

このような形式の真空スイッチは、欧州特許出願公開
第0241814号明細書に記載されている。この公知の真空
スイッチでは、電磁コイルが円筒状の形状を有してお
り、この円筒状の電磁コイルの外側に取り付けられた接
続部が、残りのスイッチ部分に接続されている。真空ス
イッチ室からの熱導出のためには、コイルにまで通じた
このような外部の導入側の導入部分や、コイル本体自体
の均一な肉厚さを有する中空円筒状の形状が不都合とな
る。さらに、コイル本体の、角の尖った円筒形状も、互
いに隣接した相の間や、真空スイッチのアースされたベ
ースフレームに対する真空スイッチの絶縁能力のために
極めて不都合となる。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、公知の真空スイッチを改良して、電
磁コイルが作動電流によって負荷される際に、電磁コイ
ルが、できるだけ僅かな固有加熱もしくは自己加熱しか
生ぜしめないと共に、周囲への特に有効な放熱を生ぜし
め、しかも互いに隣接した真空スイッチのコイル本体の
間もしくはコイル本体と磁極電位との間に最適な電圧強
度が生ぜしめられるような真空スイッチを提供すること
である。

〔課題を解決するための手段〕

この課題を解決するために本発明の構成では、コイル
本体が、高い導電性と高い熱伝導性とを有する材料から
成るほぼ鐘形の成形体から形成されていて、該成形体の
鐘形の形状に、導入側の導体部分と導出側の導体部分と
が一緒に組み込まれており、しかも鐘形の成形体の肉厚
さは、導入側の導体部分と導出側の導体部分とが位置す
る範囲において、真空スイッチの金属円筒体が位置する
範囲におけるよりも厚く形成されており、鐘形の成形体
の周壁輪郭線が、両端部に各１つの丸い面取り部を有し
ているようにした。

請求項２以下には、本発明の有利な改良形が記載され
ている。

〔実施例〕

以下に、本発明の実施例を図面につき詳細に説明す
る。

第１図および第２図には、金属円筒体４と絶縁管11と
から成る真空スイッチが示されている。この真空スイッ
チの電流路には、金属円筒体４を取り囲む電磁コイルが
挿入されている。この電磁コイルは銅または良好な導電
性および熱伝導性を有する別の材料から成る鐘形の成形
体１から成っている。この成形体１の底部には、導入側
の導体部分２が加工成形されている。この導入側の導体
部分２は定置の固定切換接点（図示しない）のコンタク
トピン８に接続されている。導入側の導体部分２はスリ
ット12によって周壁５から分離されており、この場合、
導入側の導体部分２から供給された電流ｉは、まず接続
面９の方向に方向付けられ、次いで成形体１の全高にわ
たって分配される。すなわち、電流ｉ、ひいてはこの電
流と共に生じる熱流Iwは、極めて短い経路を進んだ後に
既に、成形体１の肉厚な上側の部分に到達し、この肉厚
な上側の部分では、この部分が成形体１の周壁５よりも
厚く寸法設定されていることに基づき、極めて僅かな自
己加熱しか生ぜしめられない。電流ｉは部分的に、成形
体１の、切換接点の高さに位置する部分をも通って接続
面９にまで流れる。電流のこのような流れ方向を形成す
るためには、スリット12が周壁５に突入するまで続けら
れていて、導入側の導体部分２と接続面９との間の結合
部を分断している。接続面９は図示の実施例では、成形
体１の肉厚な区分に加工成形されている。この接続面
は、隆起した部分として成形体１の周壁５を越えて突出
していてもよい。

第１図からさらに判るように、本発明による成形体１
は、極めて有利には絶縁管11と金属円筒体４との間の、
角の尖ったろう接フランジ10をもカバーしていてよい。
この場合、真空スイッチの電圧強度は、成形体１の直径
が増大されるにもかかわらず、改善される。丸い面取り
部6,7はやはり絶縁能力を高めるために役立つ。

コンタクトギャップ内に軸方向の磁界を発生させるた
めには、成形体１の肉薄な区分において電流密度を高め
ることが有利になり得る。このことは、導入側の導体部
分２の近くと、場合によっては接続面９の近くとで周壁
５に複数の孔、スリットまたはその他の、目的に合った
形状を付与することによって、成形体１の熱容量が減じ
られることなく到達することができる。スリット12は、
安定性を高めかつ真空スイッチから鐘形の成形体１への
熱導出を改善する目的で、導電性の悪い材料または絶縁
性の材料から成る封入体で充てんされていてよい。熱収
支は、成形体１の外面に設けられた冷却リブによっても
改善され得る。

本発明によるコイルの別の利点は、予め製作された真
空スイッチを、この真空スイッチの定格能力が不十分な
場合に、本発明によるコイルで補うことができることに
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による真空スイッチの１実施例を示す
図、第２図は第１図に示した成形体を上から見た平面図
である。 １……成形体、２……導入側の導体部分、３……導出側
の導体部分、４……金属円筒体、５……周壁、6,7……
丸い面取り部、８……コンタクトピン、９……接続面、
10……ろう接フランジ、11……絶縁管、12……スリッ
ト、ｉ……電流、Iw……熱流

フロントページの続き (72)発明者 ライナー・ベーレント ドイツ連邦共和国レーゲンスブルク・ア グリコーラ ヴエーク 17 (56)参考文献 特開 平１−128326（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−229728（ＪＰ，Ａ) 実開 昭50−131561（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H01H 33/66

Claims (12)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】真空スイッチであって、該真空スイッチの
   ケーシングが、各１つのコンタクトピンを備えた一対の
   切換接点を取り囲む金属円筒体（４）と、該金属円筒体
   に結合された絶縁管（11）と、ケーシングを金属円筒体
   （４）と絶縁管（11）とにおいて閉じるカバーとから成
   っており、さらに電磁コイルが設けられていて、該電磁
   コイルのコイル本体が１つ巻き条で金属円筒体（４）を
   取り囲んでおり、該巻き条が、導入側の導体部分（２）
   を介して、金属円筒体（４）に隣接したカバーを貫通し
   ている方のコンタクトピンに接続されており、さらに前
   記巻き条が、導出側の導体部分（３）を介して、金属円
   筒体（４）に隣接した接続部に接続されている形式のも
   のにおいて、コイル本体が、高い導電性と高い熱伝導性
   とを有する材料から成るほぼ鐘形の成形体（１）から形
   成されていて、該成形体（１）の鐘形の形状に、導入側
   の導体部分（２）と導出側の導体部分（３）とが一緒に
   組み込まれており、しかも鐘形の成形体（１）の肉厚さ
   は、導入側の導体部分（２）と導出側の導体部分（３）
   とが位置する範囲において、真空スイッチの金属円筒体
   （４）が位置する範囲におけるよりも厚く形成されてお
   り、鐘形の成形体（１）の周壁輪郭線が、両端部に各１
   つの丸い面取り部（6,7）を有していることを特徴とす
   る真空スイッチ。
2. 【請求項２】導入側の導体部分（２）が、鐘形の成形体
   （１）の底部に加工成形されており、成形体（１）の周
   壁（５）が、導入側の導体部分（２）と導出側の導体部
   分（３）との間でスリット（12）によって分離されてお
   り、該スリット（12）が、成形体（１）の底部に突入す
   るまで続いていて、しかも導入側の導体部分（２）を少
   なくとも180゜の角度で同心的に取り囲んでいる、請求
   項１記載の真空スイッチ。
3. 【請求項３】導入側の導体部分（２）が、定置の固定切
   換接点のコンタクトピン（８）に接続されている、請求
   項１または２記載の真空スイッチ。
4. 【請求項４】導入側の導体部分（２）が、ねじ山によっ
   て前記コンタクトピン（８）に被さるように螺合されて
   いる、請求項３記載の真空スイッチ。
5. 【請求項５】導出側の導体部分（３）が、導入側の導体
   部分（２）が位置する高さで接続面（９）として成形体
   （１）に一体成形されている、請求高１から４までのい
   ずれか１項記載の真空スイッチ。
6. 【請求項６】導出側の導体部分（３）が、成形体（１）
   に凹設された接続面（９）として形成されている、請求
   項５記載の真空スイッチ。
7. 【請求項７】丸い面取り部（７）の曲率半径が、成形体
   （１）の隣接した肉厚さよりも大きく設定されている、
   請求項１記載の真空スイッチ。
8. 【請求項８】成形体（１）が、金属円筒体（４）と絶縁
   管（11）との間のろう接フランジ（10）をカバーしてい
   る、請求項１から７までのいずれか１項記載の真空スイ
   ッチ。
9. 【請求項９】導入側の導体部分（２）および／または接
   続面（９）の近くで、成形体（１）の周壁（５）に孔、
   スリットまたは凹部が、コイル内での電流分布に、軸方
   向の磁界を有効に形成する方向で影響を与えるように設
   けられている、請求項１から８までのいずれか１項記載
   の真空スイッチ。
10. 【請求項１０】前記スリット（12）の全体またはその一
    部が、導電性の悪い材料または絶縁性の材料によって充
    填されている、請求項２記載の真空スイッチ。
11. 【請求項１１】成形体（１）の外面が、冷却リブを備え
    ている、請求項１から10までのいずれか１項記載の真空
    スイッチ。
12. 【請求項１２】鐘形の成形体（１）が、選択的に、予め
    製作された真空スイッチに組付け可能である、請求項１
    から11までのいずれか１項記載の真空スイッチ。