JP3040353B2 - ルテニウム−ジアミン錯体及びこれを触媒とする光学活性アルコール類の製造方法 - Google Patents

ルテニウム−ジアミン錯体及びこれを触媒とする光学活性アルコール類の製造方法

Info

Publication number
JP3040353B2
JP3040353B2 JP8284233A JP28423396A JP3040353B2 JP 3040353 B2 JP3040353 B2 JP 3040353B2 JP 8284233 A JP8284233 A JP 8284233A JP 28423396 A JP28423396 A JP 28423396A JP 3040353 B2 JP3040353 B2 JP 3040353B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ruthenium
cymene
mesitylene
toluenesulfonyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8284233A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10130289A (ja
Inventor
隆雄 碇屋
和彦 松村
昌平 橋口
章雄 藤井
良治 野依
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago International Corp
Japan Science and Technology Agency
JFE Engineering Corp
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takasago International Corp
JFE Engineering Corp
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP8284233A priority Critical patent/JP3040353B2/ja
Application filed by Takasago International Corp, JFE Engineering Corp, Takeda Pharmaceutical Co Ltd, Japan Science and Technology Corp filed Critical Takasago International Corp
Priority to EP02025508A priority patent/EP1300381B1/en
Priority to US09/077,787 priority patent/US6184381B1/en
Priority to CA002239970A priority patent/CA2239970C/en
Priority to DE69635874T priority patent/DE69635874T2/de
Priority to DE69634639T priority patent/DE69634639T2/de
Priority to EP96941186A priority patent/EP0916637B1/en
Priority to PCT/JP1996/003573 priority patent/WO1997020789A1/ja
Publication of JPH10130289A publication Critical patent/JPH10130289A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3040353B2 publication Critical patent/JP3040353B2/ja
Priority to US09/661,560 priority patent/US6887820B1/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種有機合成反
応、特に水素移動型不斉還元反応等の触媒として有用な
光学活性ルテニウム−ジアミン錯体と、これを用いた光
学活性2級アルコール類の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、多くの遷移金属錯体が有機金
属反応の触媒として使用されており、特に、貴金属錯体
は、高価であるが、活性が高く安定で取扱いが容易であ
るため、これを触媒として使用する多くの合成反応が開
発され、とりわけ不斉錯体触媒をもちいる不斉合成反応
の進展は目覚ましく、これまでの手段では効率の悪い有
機合成反応の高効率化を実現した報告が数多くなされて
いる。
【0003】その中でも、とりわけ、光学活性なホスフ
ィン配位子をつ不斉錯体を触媒とする不斉反応は非常に
多く開発され、工業化されているものもある(Asymmetri
c Catalysis in Organic Synthesis,Ed., R.Noyori)。
ルテニウム、ロジウム、イリジウム等の遷移金属に光学
活性な窒素化合物を配位させた錯体には、不斉合成反応
の触媒として優れた性能を有するものが多く、この触媒
の性能を高めるために、これまでに特殊な構造の光学活
性な窒素化合物が数多く開発されてきた(Chem.Rev., Vo
l.92,1051−1069頁(1992))。
【0004】例えば、(1)Tetrahedron Asymmetry, V
ol. 6,705−718頁(1995)に記載されてい
る光学活性な1,2−ジフェニルエチレンジアミン類又
はシクロヘキサンジアミン類を配位子とするロジウム−
ジアミン錯体、(2)Tetrahedron, Vol. 50,434
7−4354頁(1994)に記載されている光学活性
なビスアリールイミノシクロヘキサン類を配位子とする
ルテニウム−イミド錯体、(3)特開昭62−2818
61及び特開昭63−119465に記載されているピ
リジン類を配位子とするイリジウム−ピリジン錯体、
(4)特開昭62−273990に記載されている光学
活性な1,2−ジフェニルエチレンジアミン類又はシク
ロヘキサンジアミン類を配位子とするイリジウム−ジア
ミン錯体、(5)J.Am.Chem.Soc., Vol.117,756
2−7563頁(1995)、J.Am.Chem.Soc., Vol.1
18,2521−2522頁(1996)及びJ.Am.Che
m.Soc., Vol.118,4916−4917頁(199
6)に記載されている光学活性なN−p−トルエンスル
ホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミンをルテニ
ウム(以下、p−TsNHCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH2 と記す)に配位させたRuCl〔p−Ts
NCH(C6 5 )CH(C6 5 )NH2 〕(arene)
(クロロ−(N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジ
フェニルエチレンジアミン)(アレーン)ルテニウム)
(arene は置換基を有してもよいベンゼンを示す。)の
ルテニウム−ジアミン錯体などが報告されている。
【0005】しかし、これらの錯体を用いても対象とす
る反応又はその反応基質によって触媒活性、持続性、光
学純度が不十分である等の実際の工業化に当たっては問
題のある場合があった。一方、光学活性2級アルコール
類は医薬、液晶化合物、天然物合成の不斉合成等で有用
な中間体である。従来より、光学活性2級アルコール類
を不斉合成する方法としては、1)パン酵母などの酵素
を用いる方法や、2)金属錯体触媒を用いてカルボニル
化合物を不斉水素化する方法などが知られている。とく
に後者の方法においては、これまでにも多くの不斉触媒
反応の例が報告されている。例えば、(1)Asymmetric
Catalysis In Organic Synthesis,56−82頁(19
94)Ed.R.Noyori に詳細に記載されている光学活性ル
テニウム触媒による官能基を有するカルボニル化合物の
不斉水素化方法や、(2)Chem.Rev.,Vol.92,105
1−1069頁(1992)に記載されているルテニウ
ム、ロジウム、イリジウムの不斉錯体触媒による水素移
動型還元反応による方法、(3)油化学828−831
頁(1980)及びAdvances in Catalysis,Vol.32,
215頁(1983)Ed.Y.Izumiに記載されている酒石
酸を修飾したニッケル触媒を用いて不斉水素化する方
法、(4)Asymmetric Synthesis, Vol.5,Chap. 4
(1985)Ed.J.D.Morrison 及びJ.Organomet,Chem.,
Vol.346,413−424頁(1988)に記載され
ている不斉ヒドロシリル化による方法、(5)J.Chem.S
oc.,Perkin Trans. 1,2039−2044頁(198
5)及びJ.Am.Chem.Soc., Vol.109,5551−55
53頁(1987)に記載される不斉配位子の存在下に
ボラン還元する方法などが知られている。
【0006】しかしながら、酵素を用いる方法は比較的
高い光学純度のアルコール類を得ることができるものの
反応基質の種類に制約があり、しかも得られるアルコー
ル類の絶対配置も特定のものに限られるという欠点があ
る。また、遷移金属の不斉水素化触媒及び水素移動型還
元反応触媒による方法の場合には、原料となるカルボニ
ル化合物が不可欠である。
【0007】カルボニル化合物を不斉還元として光学活
性2級アルコールを合成するほかに、反応基質によって
は、良好な光学純度の得難いもの、還元反応が進行しに
くいものなどの場合には、水素移動型還元が可逆的反応
であることから、逆反応であるアルコールの脱水素型酸
化反応を活用して、予め、ラセミ体の2級アルコールを
合成し、光学活性体を合成する方法が知られている(As
ymmetric Catalysis in Organic Synthesis,Ed., R.Noy
ori)。しかしながら、光学活性2級アルコールを高効率
に触媒的に得る方法はいまだ報告されていない。
【0008】このため、従来より、光学活性アルコール
類を製造するための一般性の高い、しかも高活性な触媒
の開発とそれを用いての新しい合成方法の実現が望まれ
ていた。更に、ラセミ体の2級アルコール類あるいはメ
ソ型のジオール類の不斉水素移動反応による高効率速度
論的分割法としては、いまだその報告はない。以上のよ
うに、不斉合成反応の触媒としてより高い性能を有する
触媒を提供するために、これまでに特殊な錯体が多数開
発されているが、これらも対象とする基質や反応によっ
て選択性、転換率、触媒活性、光学純度等の面で充分に
満足できない場合があった。そこで、この発明は、従来
の触媒に比べて高い触媒能を有する錯体を提供し、さら
に、医薬等の合成中間体として重要な光学活性アルコー
ル類のより有用な製造方法を提供することを目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するもの
として、この発明は、次の一般式(I)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、*は不斉炭素原子を示し,R1
びR2 は、同一であっても互いに異なっていてもよく、
アルキル基、アルキル基を有していてもよいフェニル基
またはシクロアルキル基、もしくはR1 及びR2 が一緒
になって非置換またはアルキル基置換の脂環式環を形成
することを示し、R3 は、メタンスルホニル基、トリフ
ルオロメタンスルホニル基、ナフチルスルホニル基、カ
ンファースルホニル基、もしくはアルキル基、アルコキ
シル基、またはハロゲン原子が置換していてもよいベン
ゼンスルホニル基、アルコキシカルボニル基、またはア
ルキル基が置換していてもよいベンゾイル基を示し、R
4 は、水素原子またはアルキル基を示し、Xは、アルキ
ル基を置換していてもよい芳香族化合物を示し、mおよ
びnは、同時に0また1を示す)で表わされる光学活性
ルテニウム−ジアミン錯体を提供する。
【0012】また、この発明は、ラセミ体の2級アルコ
ール類あるいはメソ型のジオール類を前記の光学活性ル
テニウム−ジアミン錯体の存在下に水素移動反応させる
ことを特徴とする光学活性2級アルコール類の製造方法
を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明は、以上のとおりの特有
の光学活性ルテニウム−ジアミン錯体を提供し、この錯
体を光学活性2級アルコール類の製造に用いる方法を提
供するものである。まず、光学活性ルテニウム−ジアミ
ン錯体についてさらに説明すると、前記式(I)につい
ては、Xで示されるアルキル基、例えばC1〜C4アル
キル基を有していてもよい芳香族化合物とは、例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサメ
チルベンゼン、エチルベンゼン、tert−ブチルベン
ゼン、p−シメン、クメン等が挙げられる。好ましく
は、ベンゼン、メシチレン、p−シメンである。
【0014】R1 及びR2 については、アルキル基、例
えばC1〜C4アルキル基の場合、直鎖または枝別れの
アルキル基であってよい。具体的には、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−,iso−,s
ec−及びtert−ブチルである。より好ましくはメ
チル、エチル、n−プロピル又はiso−プロピルであ
る。
【0015】R1 及びR2 が結合して脂環式基を形成す
る場合、C5〜C7員環であってよく、これに置換して
もよいアルキル基、例えばC1〜C4−アルキル置換基
としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−,iso−,sec−及びtert−
ブチル基等でよく、メチルの場合が好ましい。R1 及び
2 が、アルキル基、例えばメチル基を有していてもよ
いフェニル基としてのR1 及びR2 は、具体的には、フ
ェニル、o−,m,及びp−トリル基が挙げられる。
【0016】R1 及びR2 が、シクロアルキル基の場
合、例えば5〜6員環の炭素原子を含んでおり、好まし
くはシクロペンチル又はシクロヘキシルである。より好
ましい具体例においては、R1 及びR2 は各々フェニル
であるか、合わせてテトラメチレン基(−(CH2 4
−)である。R3 は、メタンスルホニル基、トリフルオ
ロメタンスルホニル基、ナフチルスルホニル基、カンフ
ァースルホニル基、もしくはアルキル基、例えばC1〜
C3アルキル基、アルコキシ基、例えばC1〜C3アル
コキシル基、或いはハロゲン原子が置換していてもよい
ベンゼンスルホニル基、アルキル基、例えばC1〜C4
アルコキシカルボニル基、またはアルキル基、例えばC
1〜C4アルキル基が置換していてもよいベンゾイル基
である。
【0017】C1〜C3アルキル基、C1〜C3アルコ
キシル基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンゼン
スルホニル基としてのR3 は、具体的には、ベンゼンス
ルホニル、o−,m,及びp−トルエンスルホニル、o
−,m,及びp−エチルベンゼンスルホニル、o−,
m,及びp−イソプロピルベンゼンスルホニル、o−,
m,及びp−tert−ブチルベンゼンスルホニル、o
−,m,及びp−メトキシベンゼンスルホニル、o−,
m,及びp−エトキシベンゼンスルホニル、o−,m,
及びp−クロロベンゼンスルホニル、2,4,6−トリ
メチルベンゼンスルホニル、2,4,6−トリイソプロ
ピルベンゼンスルホニル、p−フルオロベンゼンスルホ
ニル、ペンタフルオロベンゼンスルホニルであり、より
好ましくは、ベンゼンスルホニル又はp−トルエンスル
ホニルである。C1〜C4アルコキシカルボニル基とし
てのR3 は、具体的には、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、ter
t−ブトキシカルボニルであり、より好ましくは、メト
キシカルボニル又はtert−ブトキシカルボニルであ
る。C1〜C4アルキル基が置換していてもよいベンゾ
イル基としてのR3 は、具体的には、ベンゾイル、o
−,m,及びp−メチルベンゾイル、o−,m,及びp
−エチルベンゾイル、o−,m,及びp−イソプロピル
ベンゾイル、o−,m,及びp−tert−ブチルベン
ゾイルであり、より好ましくは、ベンゾイル又はp−メ
チルベンゾイルである。
【0018】最も好ましい具体例においてはR3 はメタ
ンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼ
ンスルホニル又はp−トルエンスルホニルである。水素
原子、またはアルキル基の、例えばC1〜C4アルキル
基としてのR4 は、具体的には水素、メチル、エチル、
n−プロピル、イソプロピル、n−,iso−,sec
−及びtert−ブチルであり、より好ましくは水素又
はメチルである。
【0019】以上の光学活性ルテニウム−ジアミン錯体
は、この発明においては前記のとおりの光学活性2級ア
ルコールの製造法に用いられるものであるが、この場
合、原料化合物としてのこの発明のラセミ体の2級アル
コール類は、次式(II)で例示することができる。もち
ろん、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0020】
【化4】
【0021】R5 は無置換あるいは置換の芳香族単環お
よび多環式炭化水素基、もしくは、窒素、酸素、硫黄原
子等ヘテロ原子を含むヘテロ単環、多環式基であり、具
体的にはフェニル基、2−メチルフェニル、2−エチル
フェニル、2−イソプロピルフェニル、2−tert−
ブチルフェニル、2−メトキシフェニル、2−クロロフ
ェニル、2−ビニルフェニル、3−メチルフェニル、3
−エチルフェニル、3−イソプロピルフェニル、3−メ
トキシフェニル、3−クロロフェニル、3−ビニルフェ
ニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−
イソプロピルフェニル、4−tert−ブチルフェニ
ル、4−ビニルフェニル、クメニル、メシチル、キシリ
ル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントリル、フェナ
ントリル、インデニル基等の芳香族単環および多環式
基、チエニル、フリル、ピラニル、キサンテニル、ピリ
ジル、ピロリル、イミダゾリニル、インドリル、カルバ
ゾイル、フェナントロニリル等のヘテロ単環、多環式
基、フェロセニル基を例示できる。さらにR6 は、飽
あるいは不飽和炭化水素基、アリル基、ヘテロ原子を含
む官能基を示すもので例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等のアルキ
ル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、ベンジル、
ビニル、アリルなどの不飽和炭化水素等の基を例示する
ことができる。R5 とR6 が結合して環を形成する場
合、例えばシクロペンタノン、シクロヘキサノン、シク
ロヘプタン、シクロペンテノン、シクロヘキセノン、シ
クロヘプテノンなどのごとき環状ケトンを与える飽和お
よび不飽和脂環式基、およびそれぞれの各炭素にアルキ
ル基、アリール基、不飽和アルキル基、ヘテロ元素を含
む鎖状または環状炭化水素基を有する置換基をもつ飽和
および不飽和脂環式基を例示することができる。
【0022】また、メソ型のジオール類としては、次式
(III)
【0023】
【化5】
【0024】で例示することもできる。もちろん、これ
に限定されることはない。この場合、R7 およびR
8 は、同様のものとして、置換基を有してもよい飽和ま
たは不飽和の炭化水素基、あるいは結合して置換基を有
してもよい飽和または不飽和の脂環式基を形成すること
ができる。さらに具体的には、この発明の前記のルテニ
ウム−ジアミン錯体としては、次のものが式(I)にお
いてm,nが同時に0の場合のものとして、例示され
る。なお、ここにおいてηは、不飽和配位子のうちで、
金属と結合している炭素原子の数を表わすのに用い、ヘ
キサハプト(金属と炭素原子が6個結合したもの)はη
6 と表わし、p−Tsはp−トルエンスルホニル基、M
sはメタンスルホニル基、Tfはトリフルオロメタンス
ルホニル基を示す。
【0025】Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6
5 )CH(C6 5 )NH〕(η 6 −benzene)
(((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −ベンゼン)ル
テニウム) Ru〔(R,R)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −benzene)(((R,R)−
N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチ
レンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −p−cymene)(((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム) Ru〔(R,R)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −p−cymene)(((R,
R)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム) Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −mesitylene)(((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウ
ム) Ru〔(R,R)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −mesitylene)(((R,
R)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウ
ム) Ru〔(S,S)−MsNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −benzene)(((S,S)−N−メ
タンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミ
ン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−MsNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −benzene)(((R,R)−N−メ
タンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミ
ン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−MsNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −p−cymene)(((S,S)−N
−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジア
ミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−MsNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −p−cymene)(((R,R)−N
−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジア
ミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−MsNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −mesitylene)(((S,S)−N
−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジア
ミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−MsNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −mesitylene)(((R,R)−N
−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジア
ミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−TfNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −benzene)(((S,S)−N−ト
リフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチ
レンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−TfNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −benzene)(((R,R)−N−ト
リフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチ
レンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−TfNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −p−cymene)(((S,S)−N
−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニル
エチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−TfNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −p−cymene)(((R,R)−N
−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニル
エチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−TfNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −mesitylene)(((S,S)−N
−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニル
エチレンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−TfNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH〕(η6 −mesitylene)(((R,R)−N
−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニル
エチレンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−C6 5 SO2 NCH(C6 5
CH(C6 5 )NH〕(η6 −benzene)(((S,
S)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエ
チレンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−C6 5 SO2 NCH(C6 5
CH(C6 5 )NH〕(η6 −benzene)(((R,
R)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエ
チレンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−C6 5 SO2 NCH(C6 5
CH(C6 5 )NH〕(η6 −p−cymene)
(((S,S)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−ジ
フェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテ
ニウム) Ru〔(R,R)−C6 5 SO2 NCH(C6 5
CH(C6 5 )NH〕(η6 −p−cymene)
(((R,R)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−ジ
フェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテ
ニウム) Ru〔(S,S)−C6 5 SO2 NCH(C6 5
CH(C6 5 )NH〕(η6 −mesitylene)
(((S,S)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−ジ
フェニルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテ
ニウム) Ru〔(R,R)−C6 5 SO2 NCH(C6 5
CH(C6 5 )NH〕(η6 −mesitylene)
(((R,R)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−ジ
フェニルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテ
ニウム) Ru〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohexan
ediamine〕(η6 −benzene)(((S,S)−N−p−
トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミ
ン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−p−Ts−1,2−cyclohexan
ediamine〕(η6 −benzene)(((R,R)−N−p−
トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミ
ン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohexan
ediamine〕(η6 −p−cymene)(((S,S)−N−
p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジア
ミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−p−Ts−1,2−cyclohexan
ediamine〕(η6 −p−cymene)(((R,R)−N−
p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジア
ミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohexan
ediamine〕(η6 −mesitylene)(((S,S)−N−
p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジア
ミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−p−Ts−1,2−cyclohexan
ediamine〕(η6 −mesitylene)(((R,R)−N−
p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジア
ミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−N−Ms−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −benzene)(((S,S)−N−メタンス
ルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミン)(η6
ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−Ms−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −benzene)(((R,R)−N−メタンス
ルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミン)(η6
ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−N−Ms−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −p−cymene)(((S,S)−N−メタ
ンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミン)(η
6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−Ms−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −p−cymene)(((R,R)−N−メタ
ンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミン)(η
6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−N−Ms−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −mesitylene)(((S,S)−N−メタ
ンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミン)(η
6 −メシチレン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−Ms−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −mesitylene)(((R,R)−N−メタ
ンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミン)(η
6 −メシチレン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−N−Tf−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −benzene)(((S,S)−N−トリフル
オロメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミ
ン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−Tf−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −benzene)(((R,R)−N−トリフル
オロメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミ
ン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−N−Tf−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −p−cymene)(((S,S)−N−トリ
フルオロメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジ
アミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−Tf−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −p−cymene)(((R,R)−N−トリ
フルオロメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジ
アミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−N−Tf−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −mesitylene)(((S,S)−N−トリ
フルオロメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジ
アミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−Tf−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −mesitylene)(((R,R)−N−トリ
フルオロメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジ
アミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−N−C6 5 SO2 −1,2−cycl
ohexanediamine〕(η 6 −benzene)(((S,S)−N
−ベンゼンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミ
ン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−C6 5 SO2 −1,2−cycl
ohexanediamine〕(η 6 −benzene)(((R,R)−N
−ベンゼンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミ
ン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−N−C6 5 SO2 −1,2−cycl
ohexanediamine〕(η 6 −p−cymene)(((S,S)
−N−ベンゼンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジ
アミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−C6 5 SO2 −1,2−cycl
ohexanediamine〕(η 6 −p−cymene)(((R,R)
−N−ベンゼンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジ
アミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) Ru〔(S,S)−N−C6 5 SO2 −1,2−cycl
ohexanediamine〕(η 6 −mesitylene)(((S,S)
−N−ベンゼンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジ
アミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) Ru〔(R,R)−N−C6 5 SO2 −1,2−cycl
ohexanediamine〕(η 6 −mesitylene)(((R,R)
−N−ベンゼンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジ
アミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) 式(I)のm,nが同時に1の場合のものとしては、次
のものも例示される。なお、ここにおいてηは、不飽和
配位子のうちで、金属と結合している炭素原子の数を表
わすのに用い、ヘキサハプト(金属と炭素原子が6個結
合したもの)はη6 と表わし、p−Tsはp−トルエン
スルホニル基、Msはメタンスルホニル基、Tfはトリ
フルオロメタンスルホニル基を示す。
【0026】RuH〔(S,S)−p−TsNCH(C
6 5 )CH(C6 5 )NH2 〕(η6 −benzene)
(ヒドリド−((S,S)−N−p−トルエンスルホニ
ル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −ベ
ンゼン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH2 〕(η6 −benzene)(ヒドリド−
((R,R)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−
ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテ
ニウム) RuH〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH2 〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド
−((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)
ルテニウム) RuH〔(R,R)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH2 〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド
−((R,R)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)
ルテニウム) RuH〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH2 〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド
−((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)
ルテニウム) RuH〔(R,R)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH2 〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド
−((R,R)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)
ルテニウム) RuH〔(S,S)−MsNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −benzene)(ヒドリド−
((S,S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェ
ニルエチレンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウ
ム) RuH〔(R,R)−MsNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −benzene)(ヒドリド−
((R,R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェ
ニルエチレンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウ
ム) RuH〔(S,S)−MsNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −p−cymene)(ヒドリド−
((S,S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェ
ニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム) RuH〔(R,R)−MsNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −p−cymene)(ヒドリド−
((R,R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェ
ニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム) RuH〔(S,S)−MsNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −mesitylene)(ヒドリド−
((S,S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェ
ニルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウ
ム) RuH〔(R,R)−MsNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −mesitylene)(ヒドリド−
((R,R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェ
ニルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウ
ム) RuH〔(S,S)−TfNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −benzene)(ヒドリド−
((S,S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−
1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −ベンゼ
ン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−TfNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −benzene)(ヒドリド−
((R,R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−
1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −ベンゼ
ン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−TfNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −p−cymene)(ヒドリド−
((S,S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−
1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シ
メン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−TfNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −p−cymene)(ヒドリド−
((R,R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−
1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シ
メン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−TfNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −mesitylene)(ヒドリド−
((S,S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−
1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −メシチ
レン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−TfNCH(C6 5 )CH(C
6 5 )NH2 〕(η 6 −mesitylene)(ヒドリド−
((R,R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−
1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −メシチ
レン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−C6 5 SO2 NCH(C
6 5 )CH(C6 5 )NH2 〕(η6 −benzene)
(ヒドリド−((S,S)−N−ベンゼンスルホニル−
1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −ベンゼ
ン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−C6 5 SO2 NCH(C
6 5 )CH(C6 5 )NH2 〕(η6 −benzene)
(ヒドリド−((R,R)−N−ベンゼンスルホニル−
1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −ベンゼ
ン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−C6 5 SO2 NCH(C
6 5 )CH(C6 5 )NH2 〕(η6 −p−cymen
e)(ヒドリド−((S,S)−N−ベンゼンスルホニ
ル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p
−シメン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−C6 5 SO2 NCH(C
6 5 )CH(C6 5 )NH2 〕(η6 −p−cymen
e)(ヒドリド−((R,R)−N−ベンゼンスルホニ
ル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p
−シメン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−C6 5 SO2 NCH(C
6 5 )CH(C6 5 )NH2 〕(η6 −mesitylen
e)(ヒドリド−((S,S)−N−ベンゼンスルホニ
ル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −メ
シチレン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−C6 5 SO2 NCH(C
6 5 )CH(C6 5 )NH2 〕(η6 −mesitylen
e)(ヒドリド−((R,R)−N−ベンゼンスルホニ
ル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −メ
シチレン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohex
anediamine〕(η6 −benzene)(ヒドリド−((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘ
キサンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−N−p−Ts−1,2−cyclohex
anediamine〕(η6 −benzene)(ヒドリド−((R,
R)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘ
キサンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohex
anediamine〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド−
((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−
シクロヘキサンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニ
ウム) RuH〔(R,R)−N−p−Ts−1,2−cyclohex
anediamine〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド−
((R,R)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−
シクロヘキサンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニ
ウム) RuH〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohex
anediamine〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド−
((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−
シクロヘキサンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニ
ウム) RuH〔(R,R)−N−p−Ts−1,2−cyclohex
anediamine〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド−
((R,R)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−
シクロヘキサンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニ
ウム) RuH〔(S,S)−N−Ms−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −benzene)(ヒドリド−((S,S)−
N−メタンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミ
ン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−N−Ms−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −benzene)(ヒドリド−((R,R)−
N−メタンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミ
ン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−N−Ms−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド−((S,
S)−N−メタンスルホニル−1,2−シクロヘキサン
ジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−N−Ms−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド−((R,
R)−N−メタンスルホニル−1,2−シクロヘキサン
ジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−N−Ms−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド−((S,
S)−N−メタンスルホニル−1,2−シクロヘキサン
ジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−N−Ms−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド−((R,
R)−N−メタンスルホニル−1,2−シクロヘキサン
ジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−N−Tf−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −benzene)(ヒドリド−((S,S)−
N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−シクロヘ
キサンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−N−Tf−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −benzene)(ヒドリド−((R,R)−
N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−シクロヘ
キサンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−N−Tf−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド−((S,
S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−シ
クロヘキサンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム) RuH〔(R,R)−N−Tf−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド−((R,
R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−シ
クロヘキサンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム) RuH〔(S,S)−N−Tf−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド−((S,
S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−シ
クロヘキサンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウ
ム) RuH〔(R,R)−N−Tf−1,2−cyclohexaned
iamine〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド−((R,
R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−シ
クロヘキサンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウ
ム) RuH〔(S,S)−N−C6 5 SO2 −1,2−cy
clohexanediamine〕(η6 −benzene)(ヒドリド−
((S,S)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−シク
ロヘキサンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) RuH〔(R,R)−N−C6 5 SO2 −1,2−cy
clohexanediamine〕(η6 −benzene)(ヒドリド−
((R,R)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−シク
ロヘキサンジアミン)(η6 −ベンゼン)ルテニウム) RuH〔(S,S)−N−C6 5 SO2 −1,2−cy
clohexanediamine〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド−
((S,S)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−シク
ロヘキサンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム) RuH〔(R,R)−N−C6 5 SO2 −1,2−cy
clohexanediamine〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド−
((R,R)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−シク
ロヘキサンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム) RuH〔(S,S)−N−C6 5 SO2 −1,2−cy
clohexanediamine〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド−
((S,S)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−シク
ロヘキサンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウ
ム) RuH〔(R,R)−N−C6 5 SO2 −1,2−cy
clohexanediamine〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド−
((R,R)−N−ベンゼンスルホニル−1,2−シク
ロヘキサンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウ
ム) この発明の一般式(I)で表わされる化合物のうちの
m,nが同時に0である錯体は、次のごとくして製造す
ることができる。即ち、 Ru〔(S,S)−,(R,R)−TsNCH(R1
CH(R2 )NH〕(η6 −p−cymene)(((S,
S)及び(R,R)−N−トルエンスルホニル−1,2
−二置換エチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテ
ニウム (式中、R1 及びR2 は前記の記載の定義通りであり、
Tsはp−トルエンスルホニル基である。)は、例え
ば、文献J.Chem.Soc., Dalton Trans., 233−241
頁(1974)の方法によって調製した〔RuCl
2 (η6 −p−cymene)〕2 (テトラクロロビス(η6
−p−シメン)二ルテニウム)を原料とし、これを
(S,S)−,(R,R)−TsNHCH(R1 )CH
(R2 )NH2 ((S,S)及び(R,R)−N−p−
トルエンスルホニル−1,2−二置換エチレンジアミ
ン)を水酸化アルカリ金属又はアルカリ金属アルコラー
トの存在下、溶媒中にて反応せしめることにより容易に
合成することができる。
【0027】この反応は通常、〔RuCl2 (η6 −p
−cymene)〕2 (テトラクロロビス(η6 −p−シメ
ン)二ルテニウム)1モルと(S,S)−,(R,R)
−TsNHCH(R1 )CH(R2 )NH2 (((S,
S)及び(R,R)−N−p−トルエンスルホニル−
1,2−二置換エチレンジアミン)2モルを不活性溶媒
中で窒素、ヘリウム或いはアルゴン等の不活性ガス気流
下に、−10〜50℃の温度で30分〜3時間、水酸化
アルカリ金属又はアルカリ金属アルコラートと反応せし
めた後、反応物を静置し、分液操作を行い、水層を除
き、溶媒を減圧下にて留去することで定量的に行われ
る。
【0028】水酸化アルカリ金属又はアルカリ金属アル
コラートとしては、具体的には、NaOH、NaOCH
3 、NaOC2 5 、KOH、KOCH3 、KOC2
5 、LiOH、LiOCH3 、LiOC2 5 である。
好ましくは、NaOH又はKOHが挙げられる。水酸化
アルカリ金属又はアルカリ金属アルコラートの量はルテ
ニウムに対して5〜10倍モルである。不活性溶媒とし
て適するものは、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンの様な炭化
水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及び1,4
−ジオキサンの様なエーテル;クロロホルム、塩化メチ
レン及びクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素が
ある。
【0029】また、別途の方法で製造することができ
る。即ち、 Ru〔(S,S)−,(R,R)−TsNCH(R1
CH(R2 )NH〕(η6 −p−cymene)(((S,
S)及び(R,R)−N−トルエンスルホニル−1,2
−二置換エチレンジアミン(η6 −p−シメン)ルテニ
ウム) (式中、R1 及びR2 は前記の記載の定義通りであり、
Tsはp−トルエンスルホニル基である。)は、例え
ば、文献J.Am.Chem.Soc., Vol.117,7562−75
63頁(1995)、J.Am.Chem.Soc., Vol.118,2
521−2522頁(1996)及びJ.Am.Chem.Soc.,
Vol.118,4916−4917頁(1996)の方法
によって〔RuCl2 (η6 −p−cymene)〕2 (テト
ラクロロビス(η6 −p−シメン)二ルテニウム)と
(S,S)−,(R,R)−TsNHCH(R1 )CH
(R2 )NH2 ((S,S)及び(R,R)−N−p−
トルエンスルホニル−1,2−二置換エチレンジアミ
ン)と三級アミン(例えば、トリエチルアミン)とを反
応して調製したRuCl〔(S,S)−,(R,R)−
TsNCH(R1 )CH(R2 )NH2 〕(η6 −p−
cymene)(クロロ−((S,S)及び(R,R)−N−
p−トルエンスルホニル−1,2−二置換エチレンジア
ミン)(η6 −p−シメン)ルテニウムを原料とし、こ
れを水酸化アルカリ金属又はアルカリ金属アルコラート
の存在下、溶媒中にて反応せしめることにより容易に合
成することができる。
【0030】この反応は通常、RuCl〔(S,S)
−,(R,R)−TsNCH(R1 )CH(R2 )NH
2 〕(η6 −p−cymene)(クロロ−((S,S)及び
(R,R)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−二
置換エチレンジアミン(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム)1モルを不活性溶媒中で窒素、ヘリウム或いはアル
ゴン等の不活性ガス気流下に、−10〜50℃の温度で
30分〜3時間、水酸化アルカリ金属又はアルカリ金属
アルコラートと反応せしめた後、反応物を静置し、分液
操作を行い、水層を除き、溶媒を減圧下にて留去するこ
とで定量的に行われる。
【0031】水酸化アルカリ金属又はアルカリ金属アル
コラートとしては、具体的には、NaOH、NaOCH
3 、NaOC2 5 、KOH、KOCH3 、KOC2
5 、LiOH、LiOCH3 、LiOC2 5 である。
好ましくは、NaOH又はKOHが挙げられる。水酸化
アルカリ金属又はアルカリ金属アルコラートの量はルテ
ニウムに対して1〜2倍モルである。不活性溶媒として
適するものは、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンの様な炭化
水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及び1,4
−ジオキサンの様なエーテル;クロロホルム、塩化メチ
レン及びクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素が
ある。
【0032】さらに、この発明の一般式(I)におい
て、mおよびnが同時に1である化合物である錯体は、
次のごとくして製造することができる。即ち、 RuH〔(S,S)−,(R,R)−TsNCH
(R1 )CH(R2 )NH2〕(η6 −p−cymene)
(ヒドリド−((S,S)及び(R,R)−N−トルエ
ンスルホニル−1,2−二置換エチレンジアミン(η6
−p−シメン)ルテニウム) (式中、R1 及びR2 は前記の記載の定義通りであり、
Tsはp−トルエンスルホニル基である。)は、例え
ば、Ru〔(S,S)−,(R,R)−TsNCH(R
1 )CH(R2 )NH〕(η6 −p−cymene)
(((S,S)及び(R,R)−N−トルエンスルホニ
ル−1,2−二置換エチレンジアミン(η6 −p−シメ
ン)ルテニウム)(式中、R1 及びR2 は前記の記載の
定義通りであり、Tsはp−トルエンスルホニル基であ
る。)を原料とし、これをアルコール溶媒中にて反応せ
しめることにより容易に合成することができる。
【0033】この反応は通常、Ru〔(S,S)−,
(R,R)−TsNCH(R1 )CH(R2 )NH〕
(η6 −p−cymene)(((S,S)及び(R,R)−
N−トルエンスルホニル−1,2−二置換エチレンジア
ミン(η6 −p−シメン)ルテニウム) (式中、R1 及びR2 は前記の記載の定義通りであり、
Tsはp−トルエンスルホニル基である。)をアルコー
ル溶媒中で不活性ガス気流下に、0〜100℃の温度で
3分〜1時間、水素移動反応せしめた後、溶媒を減圧下
にて留去することで定量的に行われる。アルコール溶媒
として適するものは、例えば、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、iso−ブタノール、及びsec−ブタノールが
ある。
【0034】さらにまた、別途の方法で次のごとくして
製造することができる。即ち、 RuH〔(S,S)−,(R,R)−TsNCH
(R1 )CH(R2 )NH2〕(η6 −p−cymene)
(ヒドリド−((S,S)及び(R,R)−N−トルエ
ンスルホニル−1,2−二置換エチレンジアミン(η6
−p−シメン)ルテニウム) (式中、R1 及びR2 は前記の記載の定義通りであり、
Tsはp−トルエンスルホニル基である。)は、例え
ば、Ru〔(S,S)−,(R,R)−TsNCH(R
1 )CH(R2 )NH〕(η6 −p−cymene)
(((S,S)及び(R,R)−N−トルエンスルホニ
ル−1,2−二置換エチレンジアミン(η6 −p−シメ
ン)ルテニウム)(式中、R1 及びR2 は前記の記載の
定義通りであり、Tsはp−トルエンスルホニル基であ
る。)を原料とし、これを溶媒中にて加圧水素下で反応
せしめることにより容易に合成することができる。
【0035】この反応は通常、RuH〔(S,S)−,
(R,R)−TsNCH(R1 )CH(R2 )NH2
(η6 −p−cymene)(ヒドリド−((S,S)及び
(R,R)−N−トルエンスルホニル−1,2−二置換
エチレンジアミン(η6 −p−シメン)ルテニウム)
(式中、R1 及びR2 は前記の記載の定義通りであり、
Tsはp−トルエンスルホニル基である。)を不活性溶
媒中で加圧水素下に、0〜50℃の温度で30分〜24
時間(好ましくは、1〜10時間)水素化反応せしめた
後、溶媒を減圧下にて留去することで定量的に行われ
る。水素の圧力は、1〜150気圧の範囲で好ましく
は、20〜100気圧である。
【0036】不活性溶媒として適するものは、例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンの様な炭化水
素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及び1,4−
ジオキサンの様なエーテルがある。
【0037】光学活性ジアミンの次式 (S,S)−,(R,R)−R3 NHCH(R1 )CH
(R2 )NH2 ((S,S)及び(R,R)−N−置換−1,2−二置
換エチレンジアミン類) (式中、R1 、R2 及びR3 は前記の定義の通りであ
る。)のものは、例えば(S,S)−,(R,R)−N
2 CH(R1 )CH(R2 )NH2 ((S,S)及び
(R,R)−1,2−二置換エチレンジアミン類)を原
料とし、慣用法〔Protective Groups in Organic Synth
esis 2巻 309−405頁(1991)〕によって
合成できる。即ち、R3 がp−トルエンスルホニル基の (S,S)−,(R,R)−TsNHCH(R1 )CH
(R2 )NH2 ((S,S)及び(R,R)−N−p−トルエンスルホ
ニル−1,2−二置換エチレンジアミン類) (式中、R1 及びR2 は前記の定義の通り、Tsはp−
トルエンスルホニル基を示す。)は、例えば、(S,
S)−,(R,R)−NH2 CH(R1 )CH(R 2
NH2 ((S,S)及び(R,R)−1,2−二置換エ
チレンジアミン類)を原料とし、これをTsCl(p−
トルエンスルホニルクロリド)をアルカリ(例えば、三
級アミン、アルカリ金属塩等)の存在下、溶媒中にて反
応せしめることにより容易に合成することができる。
【0038】この反応は通常、(S,S)−,(R,
R)−NH2 CH(R1 )CH(R2)NH2 ((S,
S)及び(R,R)−1,2−二置換エチレンジアミン
類)1モルとTsCl(p−トルエンスルホニルクロリ
ド)1モルを不活性溶媒(例えば、トルエン、テトラヒ
ドロフラン、塩化メチレン)中で窒素、ヘリウム或いは
アルゴン等の不活性ガス気流下に、0〜50℃の温度で
30分〜3時間、アルカリ(例えば、トリエチルアミ
ン)と反応せしめた後、水を加え、反応物を静置し、分
液操作を行い、水層を除き、溶媒を減圧下にて留去する
ことで定量的に行われる。
【0039】光学活性ジアミン (S,S)−,(R,R)−NH2 CH(R1 )CH
(R2 )NH2 ((S,S)及び(R,R)−1,2−二置換エチレン
ジアミン類) (式中、R1 及びR2 は前記の定義の通りである。)
は、公知であり、場合によっては市販されているか又は
慣用法及び慣用ラセメートの分割によって製造すること
ができる。(Tetrahedron Lett., Vol.32,999−1
002頁)(1991)、 Tetrahedron Lett., Vol.3
4,1905−1908頁)(1993))。(S,
S)及び(R,R)−1,2−ジフェニルエチレンジア
ミン、(S,S)及び(R,R)−1,2−シクロヘキ
サンジアミンは市販されている。
【0040】例えば、一般式(e)の光学活性ジアミン
は下記の方法(Tetrahedron Lett.,Vol.32,999−
1002頁(1991))により、製造することができ
る。即ち、次式、
【0041】
【化6】
【0042】(式中、R1 及びR2 は前記の定義の通り
である。)で示されるように、光学活性な1,2−二置
換エチレンジオール類を原料として、シクロスルファー
トとし、アミジンと反応させイミダゾリンを得、これを
酸触媒で開環させることにより容易に高収率で一般式
(e)の光学活性ジアミン((S,S)及び(R,R)
−1,2−二置換エチレンジアミン類)を合成すること
ができる。
【0043】この発明のルテニウム−ジアミン錯体は、
単離して使用してもよいが、反応液中で生成させつつ不
斉合成等の触媒として利用することもできる。次にこの
発明の錯体を水素移動触媒として利用した光学活性2級
アルコール類の製造方法についてさらに説明する。基質
として用いられるラセミ体の2級アルコール類あるいは
メソ型のジオール類としては、前記の式(II)(III )
で示される。式(II)において、この場合のラセミ体の
2級アルコール類としては、具体的には、1−フェニル
エタノール、1−(2−メチルフェニル)エタノール、
1−(2−エチルフェニル)エタノール、1−(2−イ
ソプロピルフェニル)エタノール、1−(2−tert
−ブチルフェニル)エタノール、1−(2−メトキシフ
ェニル)エタノール、1−(2−エトキシフェニル)エ
タノール、1−(2−イソプロポキシフェニル)エタノ
ール、1−(2−tert−ブトキシフェニル)エタノ
ール、1−(2−ジメチルアミノフェニル)エタノー
ル、1−(3−メチルフェニル)エタノール、1−(3
−エチルフェニル)エタノール、1−(3−イソプロピ
ルフェニル)エタノール、1−(3−tert−ブチル
フェニル)エタノール、1−(3−メトキシフェニル)
エタノール、1−(3−エトキシフェニル)エタノー
ル、1−(3−イソプロポキシフェニル)エタノール、
1−(3−tert−ブトキシフェニル)エタノール、
1−(3−ジメチルアミノフェニル)エタノール、1−
(4−メチルフェニル)エタノール、1−(4−エチル
フェニル)エタノール、1−(4−イソプロピルフェニ
ル)エタノール、1−(4−tert−ブチルフェニ
ル)エタノール、1−(4−メトキシフェニル)エタノ
ール、1−(4−エトキシフェニル)エタノール、1−
(4−イソプロポキシフェニル)エタノール、1−(4
−tert−ブトキシフェニル)エタノール、1−(4
−ジメチルアミノフェニル)エタノール、1−クメニル
エタノール、1−メシチルエタノール、1−キシリルエ
タノール、1−(1−ナフチル)エタノール、1−(2
−ナフチル)エタノール、1−フェナントリルエタノー
ル、1−インデニルエタノール、1−(3,4−ジメト
キシフェニル)エタノール、1−(3,4−ジエトキシ
フェニル)エタノール、1−(3,4−メチレンジオキ
シフェニル)エタノール、1−フェロセニルエタノー
ル、1−フェニルプロパノール、1−(2−メチルフェ
ニル)プロパノール、1−(2−エチルフェニル)プロ
パノール、1−(2−イソプロピルフェニル)プロパノ
ール、1−(2−tert−ブチルフェニル)プロパノ
ール、1−(2−メトキシフェニル)プロパノール、1
−(2−エトキシフェニル)プロパノール、1−(2−
イソプロポキシフェニル)プロパノール、1−(2−t
ert−ブトキシフェニル)プロパノール、1−(2−
ジメチルアミノフェニル)プロパノール、1−(3−メ
チルフェニル)プロパノール、1−(3−エチルフェニ
ル)プロパノール、1−(3−イソプロピルフェニル)
プロパノール、1−(3−tert−ブチルフェニル)
プロパノール、1−(3−メトキシフェニル)プロパノ
ール、1−(3−エトキシフェニル)プロパノール、1
−(3−イソプロポキシフェニル)プロパノール、1−
(3−tert−ブトキシフェニル)プロパノール、1
−(3−ジメチルアミノフェニル)プロパノール、1−
(4−メチルフェニル)プロパノール、1−(4−エチ
ルフェニル)プロパノール、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)プロパノール、1−(4−tert−ブチルフ
ェニル)プロパノール、1−(4−メトキシフェニル)
プロパノール、1−(4−エトキシフェニル)プロパノ
ール、1−(4−イソプロポキシフェニル)プロパノー
ル、1−(4−tert−ブトキシフェニル)プロパノ
ール、1−(4−ジメチルアミノフェニル)プロパノー
ル、1−クメニルプロパノール、1−メシチルプロパノ
ール、1−キシリルプロパノール、1−(1−ナフチ
ル)プロパノール、1−(2−ナフチル)プロパノー
ル、1−フェナントリルプロパノール、1−インデニル
プロパノール、1−(3,4−ジメトキシフェニル)プ
ロパノール、1−(3,4−ジエトキシフェニル)プロ
パノール、1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)
プロパノール、1−フェロセニルプロパノール、1−フ
ェニルブタノール、1−(2−メチルフェニル)ブタノ
ール、1−(2−エチルフェニル)ブタノール、1−
(2−イソプロピルフェニル)ブタノール、1−(2−
tert−ブチルフェニル)ブタノール、1−(2−メ
トキシフェニル)ブタノール、1−(2−エトキシフェ
ニル)ブタノール、1−(2−イソプロポキシフェニ
ル)ブタノール、1−(2−tert−ブトキシフェニ
ル)ブタノール、1−(2−ジメチルアミノフェニル)
ブタノール、1−(3−メチルフェニル)ブタノール、
1−(3−エチルフェニル)ブタノール、1−(3−イ
ソプロピルフェニル)ブタノール、1−(3−tert
−ブチルフェニル)ブタノール、1−(3−メトキシフ
ェニル)ブタノール、1−(3−エトキシフェニル)ブ
タノール、1−(3−イソプロポキシフェニル)ブタノ
ール、1−(3−tert−ブトキシフェニル)ブタノ
ール、1−(3−ジメチルアミノフェニル)ブタノー
ル、1−(4−メチルフェニル)ブタノール、1−(4
−エチルフェニル)ブタノール、1−(4−イソプロピ
ルフェニル)ブタノール、1−(4−tert−ブチル
フェニル)ブタノール、1−(4−メトキシフェニル)
ブタノール、1−(4−エトキシフェニル)ブタノー
ル、1−(4−イソプロポキシフェニル)ブタノール、
1−(4−tert−ブトキシフェニル)ブタノール、
1−(4−ジメチルアミノフェニル)ブタノール、1−
クメニルブタノール、1−メシチルブタノール、1−キ
シリルブタノール、1−(1−ナフチル)ブタノール、
1−(2−ナフチル)ブタノール、1−フェナントリル
ブタノール、1−インデニルブタノール、1−(3,4
−ジメトキシフェニル)ブタノール、1−(3,4−ジ
エトキシフェニル)ブタノール、1−(3,4−メチレ
ンジオキシフェニル)ブタノール、1−フェロセニルブ
タノール、1−フェニルイソブタノール、1−(2−メ
チルフェニル)イソブタノール、1−(2−エチルフェ
ニル)イソブタノール、1−(2−イソプロピルフェニ
ル)イソブタノール、1−(2−tert−ブチルフェ
ニル)イソブタノール、1−(2−メトキシフェニル)
イソブタノール、1−(2−エトキシフェニル)イソブ
タノール、1−(2−イソプロポキシフェニル)イソブ
タノール、1−(2−tert−ブトキシフェニル)イ
ソブタノール、1−(2−ジメチルアミノフェニル)イ
ソブタノール、1−(3−メチルフェニル)イソブタノ
ール、1−(3−エチルフェニル)イソブタノール、1
−(3−イソプロピルフェニル)イソブタノール、1−
(3−tert−ブチルフェニル)イソブタノール、1
−(3−メトキシフェニル)イソブタノール、1−(3
−エトキシフェニル)イソブタノール、1−(3−イソ
プロポキシフェニル)イソブタノール、1−(3−te
rt−ブトキシフェニル)イソブタノール、1−(3−
ジメチルアミノフェニル)イソブタノール、1−(4−
メチルフェニル)イソブタノール、1−(4−エチルフ
ェニル)イソブタノール、1−(4−イソプロピルフェ
ニル)イソブタノール、1−(4−tert−ブチルフ
ェニル)イソブタノール、1−(4−メトキシフェニ
ル)イソブタノール、1−(4−エトキシフェニル)イ
ソブタノール、1−(4−イソプロポキシフェニル)イ
ソブタノール、1−(4−tert−ブトキシフェニ
ル)イソブタノール、1−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)イソブタノール、1−クメニルイソブタノール、1
−メシチルイソブタノール、1−キシリルイソブタノー
ル、1−(1−ナフチル)イソブタノール、1−(2−
ナフチル)イソブタノール、1−フェナントリルイソブ
タノール、1−インデニルイソブタノール、1−(3,
4−ジメトキシフェニル)イソブタノール、1−(3,
4−ジエトキシフェニル)イソブタノール、1−(3,
4−メチレンジオキシフェニル)イソブタノール、1−
フェロセニルイソブタノール、1−フェニルペンタノー
ル、1−(2−メチルフェニル)ペンタノール、1−
(2−エチルフェニル)ペンタノール、1−(2−イソ
プロピルフェニル)ペンタノール、1−(2−tert
−ブチルフェニル)ペンタノール、1−(2−メトキシ
フェニル)ペンタノール、1−(2−エトキシフェニ
ル)ペンタノール、1−(2−イソプロポキシフェニ
ル)ペンタノール、1−(2−tert−ブトキシフェ
ニル)ペンタノール、1−(2−ジメチルアミノフェニ
ル)ペンタノール、1−(3−メチルフェニル)ペンタ
ノール、1−(3−エチルフェニル)ペンタノール、1
−(3−イソプロピルフェニル)ペンタノール、1−
(3−tert−ブチルフェニル)ペンタノール、1−
(3−メトキシフェニル)ペンタノール、1−(3−エ
トキシフェニル)ペンタノール、1−(3−イソプロポ
キシフェニル)ペンタノール、1−(3−tert−ブ
トキシフェニル)ペンタノール、1−(3−ジメチルア
ミノフェニル)ペンタノール、1−(4−メチルフェニ
ル)ペンタノール、1−(4−エチルフェニル)ペンタ
ノール、1−(4−イソプロピルフェニル)ペンタノー
ル、1−(4−tert−ブチルフェニル)ペンタノー
ル、1−(4−メトキシフェニル)ペンタノール、1−
(4−エトキシフェニル)ペンタノール、1−(4−イ
ソプロポキシフェニル)ペンタノール、1−(4−te
rt−ブトキシフェニル)ペンタノール、1−(4−ジ
メチルアミノフェニル)ペンタノール、1−クメニルペ
ンタノール、1−メシチルペンタノール、1−キシリル
ペンタノール、1−(1−ナフチル)ペンタノール、1
−(2−ナフチル)ペンタノール、1−フェナントリル
ペンタノール、1−インデニルペンタノール、1−
(3,4−ジメトキシフェニル)ペンタノール、1−
(3,4−ジエトキシフェニル)ペンタノール、1−
(3,4−メチレンジオキシフェニル)ペンタノール、
1−フェロセニルペンタノール、1−インダノール、
1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフトール、2−
シクロペンテン−1−オール、3−メチル−2−シクロ
ペンテン−1−オール、2−シクロヘキセン−1−オー
ル、3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オール、2
−シクロヘプタン−1−オール、3−メチル−2−シク
ロヘプタン−1−オール、2−シクロオクタン−1−オ
ール、3−メチル−2−シクロオクタン−1−オール、
4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンが例示
される。さらに式(III) で表わされるメソ型ジオールと
しては、具体的にはメソ−2−シクロペンテン−1,4
−ジオール、メソ−2−シクロヘキセン−1,4−ジオ
ール、メソ−2−シクロヘプタン−1,4−ジオール、
メソ−2−シクロオクタン−1,4−ジオール、5,8
−ジヒドロキシ−1,4,4a,5,8,8a−ヘキサ
ヒドロ−エンド−1,4−メタノナフタレン等が挙げら
れる。
【0044】この発明の水素移動型不斉還元反応に使用
するルテニウム−ジアミン錯体としては、前記一般式
(I)における配位子ジアミンとして光学活性なもの、
つまり(R,R)体または(S,S)体を用いればよ
く、その選択により所望する絶対配置の目的物を得るこ
とができる。かかるルテニウム−ジアミン錯体は、基質
である化合物に対して1/10000〜1/10倍モ
ル、好ましくは1/2000〜1/200倍モル使用す
ることができる。
【0045】反応を実施するには、例えばアルゴン雰囲
気下において基質化合物とルテニウム−ジアミン錯体と
を適当なケトン単独もしくはケトンと不活性溶媒との混
合溶媒に加えて均一溶液とし、反応温度0〜100℃、
好ましくは、10〜50℃で1〜100時間、好ましく
は3〜50時間反応させることにより行われる。使用す
るケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、ジ
エチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチル−ter
t−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノ
ン等が挙げられる。さらに好ましくはアセトンが好適で
ある。これらのケトンは単独もしくは不活性溶媒と混合
して用いることができる。用いるケトンの量は、基質の
種類によっては0.1〜30倍(容量/重量)で用いる
ことができるが、好ましくは2〜5倍(容量/重量)で
用いることが望ましい。
【0046】不活性溶媒として適するものは、例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンの様な炭化水
素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及び1,4−ジ
オキサンの様なエーテルがある。
【0047】この発明における反応は反応形式がバッチ
式においても連続式においても実施することができる。
生成物の精製はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等
の公知の方法により行うことができる。
【0048】
【実施例】以下実施例を示し、さらに詳しくこの発明方
法について説明するが、この発明はこれら実施例に限定
されるものではない。なお、代表例として用いるラセミ
体の2級アルコール類あるいはメソ型のジオール類につ
いては表1に、ルテニウム−ジアミン錯体については表
2にまとめて例示した。
【0049】また、本実施例中で用いる略号は次の通り
である。 η:不飽和配位子のうちで、金属と結合している炭素原
子の数を表わすのに用い、ヘキサハプト(金属と炭素原
子が6個結合したもの)はη6 と表わす。また、機器分
析は次の機種によった。 NMR:JEOLGSX−400/ Varian Gemini−2
00( 1H−NMR内部標準:TMS) GLC:SHIMADZU GC−17A(column: c
hiral CP−Cyclodextrin−b−236−M19) HPLC:JASCO GULLIVER(column:CH
IRALCEL OJ,OB−H,OB,OD−H,OD)
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】参考例1 RuCl〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )C
H(C6 5 )NH2〕(η6 −p−cymene)(クロロ
((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−
ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ル
テニウムの合成 あらかじめ、真空乾燥、アルゴン置換したシュレンク反
応器に、〔RuCl2(η6 −p−cymene)〕2 (テト
ラクロロビス(η6 −p−シメン)二ルテニウム)1.
53g(2.5mmol)と(S,S)−p−TsNC
H(C6 5 )CH(C6 5 )NH2 ((S,S)−
N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチ
レンジアミン)1.83g(5.0mmol)及びトリ
エチルアミン1.4ml(10mmol)を2−プロパ
ノール50mlで溶解する。反応液を80℃で1時間攪
拌した後、濃縮し得られた結晶を濾別し、少量の水で結
晶を洗浄し、減圧下で乾燥して、2.99gのオレンジ
色の結晶を得た。収率は94%である。
【0053】m.p.>100℃(分解) IR(KBr)〔cm-1〕:3272,3219,31
42,3063,3030,2963,28741 H−NMR(400MHz、重クロロホルム、δ):
ppm 1.32(d,3H),1.34(d,3H),2.1
9(s,3H),2.28(s,3H),3.07
(m,1H),3.26(m,1H),3.54(m,
1H),3.66(d,1H),5.68(d,1
H),5.70(d,1H),5.72(d,1H),
5.86(d,1H),6.61(m,1H),6.2
9−7.20(m,14H) 元素分析 (C3135ClN2 2 RuS) C H N Cl Ru 計算値(%) 58.53 5.54 4.40 5.57 15.89 実測値(%) 58.37 5.44 4.36 5.75 18.83 また、本錯体をX線結晶解析によって試験したところ、
よく分析結果を満たす構造をとっていることがわかっ
た。参考例2 RuCl〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )C
H(C6 5 )NH2〕(η6 −mesitylene)(クロロ
−((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)
ルテニウム)の合成 〔RuCl2 (η6 −p−cymene)〕2 (テトラクロロ
ビス(η6 −p−シメン)二ルテニウム)の代わりに
〔RuCl2 (η6 −mesitylene〕〕2 (テトラクロロ
ビス(η6 −メシチレン)二ルテニウム)を用いて、参
考例1と同様に操作して上記の錯体をオレンジ色の結晶
として得た。収率は64%である。
【0054】m.p. 218.6−222.5℃(分
解)1 H−NMR(400MHz、重水素化クロロホルム、
δ):ppm 2.24(3H),2.38(s,9H),3.69
(dd,1H),3.79(d,1H),3.99(d
d,1H),4.19(brd,1H),5.30
(s,3H),6.65−6.93(m,9H),7.
06−7.15(m,3H),7.35(d,2H)参考例3 RuCl〔(S,S)−N−p−Ts−cyclohexane −
1,2−diamine 〕(η6 −p−cymene)(クロロ−
((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−
シクロヘキサンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニ
ウム)の合成 (S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH2 ((S,S)−N−p−トルエンスルホニル
−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)の代わりに
(S,S)−N−p−Ts−cyclohexane −1,2−di
amine ((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−
1,2−シクロヘキサンジアミン)を用いて、参考例1
と同様に操作して上記の錯体をオレンジ色の結晶として
得た。収率は60%である。参考例4 RuCl〔(S,S)−N−p−Ts−cyclohexane −
1,2−diamine 〕(η6 −mesitylene)(クロロ−
((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−
シクロヘキサンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニ
ウム)の合成 (S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH2 ((S,S)−N−p−トルエンスルホニル
−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)の代わりに
(S,S)−N−p−Ts−cyclohexane −1,2−di
amine ((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−
1,2−シクロヘキサンジアミン)を用いて、参考例2
と同様に操作して上記の錯体をオレンジ色の結晶として
得た。収率は58%である。実施例1−a Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −p−cymene)((S,S)
−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエ
チレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム)の
合成 あらかじめ、真空乾燥、アルゴン置換したシュレンク反
応器に、〔RuCl2(η6 −p−cymene)〕2 (テト
ラクロロビス(η6 −p−シメン)二ルテニウム)30
6.2mg(0.5mmol)と(S,S)−p−Ts
NCH(C6 5 )CH(C6 5 )NH2 ((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)366.4mg(1.0mmo
l)及び水酸化カリウム400mg(7.1mmol)
を塩化メチレン7mlで溶解する。反応液を室温で5分
間攪拌した後、反応液に水7mlを加えることにより、
反応液の色がオレンジから深紫へと変化した。有機層を
分離し、水7mlで洗浄した。水素化カルシウムで乾燥
し、溶媒を留去した後、減圧下で乾燥して、522mg
の深紫色の結晶からなる表2のNo.10の錯体を得
た。収率は87%である。
【0055】m.p.>80℃(分解) IR(KBr)〔cm-1〕:3289,3070,30
17,2968,2920,28591 H−NMR(400MHz、重水素化トルエン、
δ):ppm 1.20(d,3H),1.25(d,3H),2.0
5(s,3H),2.22(s,3H),2.53
(m,1H),4.08(d,1H),4.89(s,
1H),5.11(d,1H),5.27(d,1
H),5.28(d,1H),5.39(d,1H),
6.64(brd,1H),6.87(d,2H),
7.67(d,2H),7.2−7.7(m,10H) 元素分析 (C31342 2 RuS) C H N Ru 計算値(%) 62.09 5.71 4.67 16.85 実測値(%) 62.06 5.77 4.66 16.47 また、本錯体をX線結晶解析によって試験したところ、
よく分析結果を満たす構造をとっていることがわかっ
た。実施例1−b Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −p−cymene)(((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム)の別途合成 あらかじめ、真空乾燥、アルゴン置換したシュレンク反
応器に、参考例1で合成したRuCl〔(S,S)−p
−TsNCH(C6 5 )CH(C6 5 )NH2
(η6 −p−cymene)(クロロ−((S,S)−N−p
−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジ
アミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム)318.6
mg(0.5mmol)と水酸化カリウム200mg
(3.5mmol)を塩化メチレン7mlで溶解する。
反応液を室温で5分間攪拌した後、反応液に水7mlを
加えることにより、反応液の色がオレンジから深紫へと
変化した。有機層を分離し、水7mlで洗浄した。水素
化カルシウムで乾燥し、溶媒を留去した後、減圧下で乾
燥して、522mgの深紫色の結晶を得た。収率は87
%である。実施例2−a Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −mesitylene)(((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム
の合成 〔RuCl2 (η6 −p−cymene)〕2 (テトラクロロ
ビス(η6 −p−シメン)二ルテニウム)の代わりに
〔RuCl2 (η6 −mesitylene〕〕2 (テトラクロロ
ビス(η6 −メシチレン)二ルテニウム)を用いて、実
施例1−aと同様に操作して紫色の結晶からなる表2の
No.11の錯体を得た。収率は80%である。
【0056】1H−NMR(400MHz、重水素化ト
ルエン、δ):ppm 1.91(s,9H),1.99(s,3H),3.8
3(d,1H),4.51(s,1H),4.95
(s,3H),5.92(brd,1H),6.38〜
7.71(m,14H)実施例2−b Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −mesitylene)(((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウ
ム)の別途合成 RuCl〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )C
H(C6 5 )NH2〕(η6 −p−cymene)(クロロ
−((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)
ルテニウム)の代わりに、参考例2で合成したRuCl
〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH2 〕(η6 −mesitylene)(クロロ−
((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−
ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)ル
テニウム)を用いて、実施例1−bと同様に操作して上
記の錯体を紫色の結晶として得た。収率は90%であ
る。実施例3−a Ru〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohexan
ediamine〕(η6 −p−cymene)(((S,S)−N−
p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジア
ミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム)の合成 (S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH2 ((S,S)−N−p−トルエンスルホニル
−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)の代わりに
(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohexanediami
ne((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−シクロヘキサンジアミン)を用いて、実施例1−aと
同様に操作して紫色の結晶として表2のNo.14の錯
体を得た。収率は58%である。実施例3−b Ru〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohexan
ediamine〕(η6 −p−cymene)(((S,S)−N−
p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジア
ミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム)の別途合成 RuCl〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )C
H(C6 5 )NH2〕(η6 −p−cymene)(クロロ
−((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)
ルテニウム)の代わりに、参考例3で合成したRuCl
〔(S,S)−N−p−Ts−cyclohexane −1,2−
diamine 〕(η6 −p−cymene)(クロロ((S,S)
−N−p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサ
ンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウム)を用い
て、実施例1−bと同様に操作して上記の錯体を紫色の
結晶として得た。収率は62%である。実施例4−a Ru〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohexan
ediamine〕(η6 −mesitylene)(((S,S)−N−
p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジア
ミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム)の合成 (S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH(C6
5 )NH2 ((S,S)−N−p−トルエンスルホニル
−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)の代わりに、
(S,S)−N−p−Ts−cyclohexane −1,2−di
amine ((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−
1,2−シクロヘキサンジアミン)を用いて、実施例1
−aと同様に操作して表2のNo.15の錯体を紫色の
結晶として得た。収率は60%である。実施例4−b Ru〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohexan
ediamine〕(η6 −mesitylene)(((S,S)−N−
p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジア
ミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム)の別途合成 RuCl〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )C
H(C6 5 )NH2〕(η6 −p−cymene)(クロロ
−((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)
ルテニウム)の代わりに、参考例4で合成したRuCl
〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohexanedia
mine〕(η6 −mesitylene)(クロロ−((S,S)−
N−p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘキサン
ジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム)を用い
て、実施例1−bと同様に操作して上記の錯体を紫色の
結晶として得た。収率は62%である。実施例5−a RuH〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH2 〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド
−((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)
ルテニウム)の合成 あらかじめ、真空乾燥、アルゴン置換したシュレンク反
応器に、実施例1で合成したRu〔(S,S)−p−T
sNCH(C6 5 )CH(C6 5 )NH〕(η6
p−cymene)(((S,S)−N−p−トルエンスルホ
ニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6
p−シメン)ルテニウム)600mg(1.0mmo
l)を2−プロパノール10mlで溶解する。反応液を
室温で15分間攪拌した。室温にて減圧下溶媒を回収
し、黄褐色の化合物を得た。冷ペンタンで洗浄した後、
メタノールで再結晶することにより、420mgのオレ
ンジ色の結晶として表2のNo.12の錯体を得た。収
率は85%である。
【0057】m.p.>60℃(分解) IR(KBr) 〔cm-1〕:3335,3317,3228,315
3,3060,3025,2960,2917,286
1 H−NMR(400MHz、重水素化トルエン、
δ):ppm −5.47(s,1H),1.53(d,3H),1.
59(d,3H),2.29(d,3H),2.45
(s,3H),2.79(m,1H),2.93(m,
1H),3.80(d,1H),4.02(m,1
H),5.15(d,1H),5.19(d,1H),
5.29(m,1H),5.43(d,1H),5.5
8(d,1H),6.49(d,2H),6.9−7.
3(m,10H),7.59(d,2H) 元素分析 (C31362 2 RuS) C H N Ru 計算値(%) 61.88 6.02 4.66 16.80 実測値(%) 61.79 5.94 4.70 16.56 また、本錯体をX線結晶解析によって試験したところ、
よく分析結果を満たす構造をとっていることがわかっ
た。実施例5−b RuH〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH2 〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド
−((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)
ルテニウム)の別途合成 あらかじめ、真空乾燥、アルゴン置換したオートクレー
ブに、実施例2で合成したRu〔(S,S)−p−Ts
NCH(C6 5 )CH(C6 5 )NH〕(η6 −p
−cymene)(((S,S)−N−p−トルエンスルホニ
ル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −p
−シメン)ルテニウム)306.2mg(0.5mmo
l)をトルエン7mlを加え、水素圧80atmで室温
にて18時間反応させた。溶媒を留去した後、冷ペンタ
ンで洗浄した後、メタノールで再結晶することにより、
420mgのオレンジ色の結晶を得た。収率は70%で
ある。実施例6−a RuH〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH2 〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド
−((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)
ルテニウム)の合成 Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −p−cymene)(((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム)の代わりに実施例2で合成したRu〔(S,S)−
p−TsNCH(C6 5 )CH(C6 5 )NH〕
(η6 −mesitylene)(((S,S)−N−p−トルエ
ンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)
(η6 −メシチレン)ルテニウム)を用いて、実施例5
−aと同様に操作して表2のNo.13の錯体を得た。
収率は60%であった。実施例6−b RuH〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH2 〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド
−((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2
−ジフェニルエチレンジアミン)(η6 −メシチレン)
ルテニウム)の別途合成 Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −p−cymene)(((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム)の代わりに実施例2で合成したRu〔(S,S)−
p−TsNCH(C6 5 )CH(C6 5 )NH〕
(η6 −mesitylene)(((S,S)−N−p−トルエ
ンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)
(η6 −メシチレン)ルテニウム)を用いて、実施例5
−bと同様に操作して上記の錯体を得た。収率は60%
である。実施例7−a RuH〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohex
anediamine〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド−
((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−
シクロヘキサンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニ
ウム)の合成 Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −p−cymene)(((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム)の代わりに実施例3で合成したRu〔(S,S)−
N−p−Ts−1,2−cyclohexanediamine〕(η6
p−cymene)(((S,S)−N−p−トルエンスルホ
ニル−1,2−シクロヘキサンジアミン)(η6 −p−
シメン)ルテニウム))を用いて、実施例5−aと同様
に操作して表2のNo.16の錯体を得た。収率は54
%である。実施例7−b RuH〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohex
anediamine〕(η6 −p−cymene)(ヒドリド−
((S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−
シクロヘキサンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニ
ウム)の別途合成 Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −p−cymene)(((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム)の代わりに実施例3で合成したRu〔(S,S)−
N−p−Ts−1,2−cyclohexanediamine〕(η6
p−cymene)(((S,S)−N−p−トルエンスルホ
ニル−1,2−シクロヘキサンジアミン)(η6 −p−
シメン)ルテニウム)を用いて、実施例5−bと同様に
操作して上記の錯体を得た。収率は55%である。実施例8−a RuH〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohex
anediamine〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘ
キサンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム)の
合成 Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −p−cymene)(((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム)の代わりに実施例4で合成したRu〔(S,S)−
N−p−Ts−1,2−cyclohexanediamine〕(η6
mesitylene)((S,S)−N−p−トルエンスルホニ
ル−1,2−シクロヘキサンジアミン)(η6 −メシチ
レン)ルテニウム)を用いて、実施例5−aと同様に操
作して表2のNo.17の錯体を得た。収率は52%で
ある。実施例8−b RuH〔(S,S)−N−p−Ts−1,2−cyclohex
anediamine〕(η6 −mesitylene)(ヒドリド((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−シクロヘ
キサンジアミン)(η6 −メシチレン)ルテニウム)の
別途合成 Ru〔(S,S)−p−TsNCH(C6 5 )CH
(C6 5 )NH〕(η 6 −p−cymene)(((S,
S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミン)(η6 −p−シメン)ルテニウ
ム)の代わりに実施例4で合成したRu〔(S,S)−
N−p−Ts−1,2−cyclohexanediamine〕(η6
mesitylene)((S,S)−N−p−トルエンスルホニ
ル−1,2−シクロヘキサンジアミン)(η6 −メシチ
レン)ルテニウム)を用いて、実施例5−bと同様に操
作して上記の錯体を得た。収率は48%である。実施例9 (R)−1−インダノールの合成 あらかじめ、真空乾燥、アルゴン置換したシュレンク反
応器に実施例1で合成したRu〔(S,S)−p−Ts
NCH(C6 5 )CH(C6 5 )NH〕(η6 −p
−cymene)(((S,S)−N−p−トルエンスルホニ
ル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)ルテニウム
−η6 −p−シメンメシチレン)6.0mg(10μm
ol)と、1−インダノール671mg(5mmol)
を秤取し、アセトン2.5mlを加えて、28℃で6時
間攪拌した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶離液;酢酸エチル−ヘキサン=1:
3)にて分離し、無色結晶の(R)−1−インダノール
286mgを得た。収率は84%である。
【0058】m.p.71−72℃ 〔α〕D24=−30.1°(c=1.96,クロロホル
ム) 得られた(R)−1−インダノールを高速液体クロマト
グラフィーにて分析を行った結果、目的とする(R)−
1−インダノールの光学純度は97%eeであった。 <高速液体クロマトグラフィー分析条件> カラム :Chiralcel OB(ダイセル化学工業株式会社
製) 展開溶液:イソプロパノール:ヘキサン=10:90 液 量 :0.5mL/分 保持時間:(S)−1−インダノール 18.6分 (R)−1−インダノール 12.9分実施例10〜23 実施例9の方法に準じて、反応基質として表1に示すラ
セミ体の2級アルコール類あるいはメソ型のジオール類
に対して光学活性ルテニウム−ジアミン錯体、反応時間
の反応条件下にて反応を行い、それぞれ対応する光学活
性2級アルコールを高収率で得た。表3にまとめてその
結果を示した。
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】以上の如く、この発明のルテニウム−ジ
アミン錯体は、不斉収率に優れた触媒として、不斉合成
反応等の有機合成に用いることのできる工業的に有用な
ものである。特に、ラセミ体の2級アルコール類あるい
はメソ型のジオール類の水素移動型不斉還元反応触媒と
して利用すれば、効率的に医薬の製造中間体として有用
な光学活性2級アルコール類を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 35/18 C07C 35/18 35/32 35/32 35/36 35/36 35/37 35/37 41/34 41/34 43/23 43/23 C 213/10 213/10 215/68 215/68 C07D 317/64 C07D 317/64 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 碇屋 隆雄 愛知県名古屋市千種区汁谷町8−1 茶 屋ヶ坂コータース907号 (72)発明者 松村 和彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字下鴨田 50−1 オークコートS203号 (72)発明者 橋口 昌平 大阪府豊中市中桜塚1丁目10番17号 (72)発明者 藤井 章雄 愛知県瀬戸市東赤重町1−125 アイコ ーサンハイツ408 (72)発明者 野依 良治 愛知県日進市梅森町新田135−417 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 15/00 B01J 31/18 C07B 53/00 C07C 29/74 C07C 33/22 C07C 35/18 C07C 35/32 C07C 35/37 C07C 41/34 C07C 43/23 C07C 213/10 C07C 215/68 C07D 317/64 C07B 61/00 300 C07C 35/36 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I) 【化1】 (式中、*は不斉炭素原子を示し,R1 及びR2 は、同
    一であっても互いに異なっていてもよく、アルキル基、
    アルキル基を有していてもよいフェニル基またはシクロ
    アルキル基、もしくはR1 及びR2 が一緒になって非置
    換またはアルキル基置換の脂環式環を形成することを示
    し、R3 は、メタンスルホニル基、トリフルオロメタン
    スルホニル基、ナフチルスルホニル基、カンファースル
    ホニル基、もしくはアルキル基、アルコキシル基、また
    はハロゲン原子が置換していてもよいベンゼンスルホニ
    ル基、アルコキシカルボニル基、またはアルキル基が置
    換していてもよいベンゾイル基を示し、R4 は、水素原
    子またはアルキル基を示し、Xは、アルキル基を置換し
    ていてもよい芳香族化合物を示し、mおよびnは、同時
    に0また1を示す)で表わされる光学活性ルテニウム−
    ジアミン錯体。
  2. 【請求項2】 R1 及びR2 が各々フェニル基である
    か、一緒になって非置換またはアルキル基置換の脂環式
    環を形成している請求項1の光学活性ルテニウム−ジア
    ミン錯体。
  3. 【請求項3】 ラセミ体の2級アルコール類あるいはメ
    ソ型のジオール類を、請求項1の光学活性ルテニウム−
    ジアミン錯体の存在下に水素移動反応させることを特徴
    とする光学活性2級アルコール類の製造方法。
  4. 【請求項4】 ラセミ体の2級アルコール類が、一般式
    (II)で表わされるラセミ体の2級アルコール類または
    一般式(III)で表わされるメソ型のジオール類である請
    求項3の製造方法。 【化2】 (式中、R5 は、置換基を有してもよい単環または多環
    の芳香族炭化水素基、もしくは異項原子を含む単環また
    は多環のヘテロ環基、あるいはフェロセニル基を、R6
    は、置換基を有してもよい飽和または不飽和の炭化水素
    基を示し、あるいはR5 とR6 は結合して、置換基を有
    してもよい、環状ケトンを与える飽和または不飽和の脂
    環式基を形成する。また、R7 およびR8 は、各々、同
    じく、置換基を有してもよい飽和または不飽和の炭化水
    素基を示し、あるいはR7 およびR8 は結合して、置換
    基を有してもよい飽和または不飽和の脂環式基を形成す
    る。nは1または2である。)
JP8284233A 1995-12-06 1996-10-25 ルテニウム−ジアミン錯体及びこれを触媒とする光学活性アルコール類の製造方法 Expired - Lifetime JP3040353B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8284233A JP3040353B2 (ja) 1996-10-25 1996-10-25 ルテニウム−ジアミン錯体及びこれを触媒とする光学活性アルコール類の製造方法
US09/077,787 US6184381B1 (en) 1995-12-06 1996-12-06 Process for preparing optically active compounds
CA002239970A CA2239970C (en) 1995-12-06 1996-12-06 Process for preparing optically active compounds
DE69635874T DE69635874T2 (de) 1995-12-06 1996-12-06 Verfahren zur Herstellung von optisch aktiven Alkoholen
EP02025508A EP1300381B1 (en) 1995-12-06 1996-12-06 Process for preparing optically active alcohols
DE69634639T DE69634639T2 (de) 1995-12-06 1996-12-06 Verfahren zur herstellung optische aktive verbindungen
EP96941186A EP0916637B1 (en) 1995-12-06 1996-12-06 Process for preparating optically active compounds
PCT/JP1996/003573 WO1997020789A1 (fr) 1995-12-06 1996-12-06 Procede de preparation de composes optiquement actifs
US09/661,560 US6887820B1 (en) 1995-12-06 2000-09-14 Method for producing optically active compounds

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8284233A JP3040353B2 (ja) 1996-10-25 1996-10-25 ルテニウム−ジアミン錯体及びこれを触媒とする光学活性アルコール類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10130289A JPH10130289A (ja) 1998-05-19
JP3040353B2 true JP3040353B2 (ja) 2000-05-15

Family

ID=17675902

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8284233A Expired - Lifetime JP3040353B2 (ja) 1995-12-06 1996-10-25 ルテニウム−ジアミン錯体及びこれを触媒とする光学活性アルコール類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3040353B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021177287A1 (ja) 2020-03-03 2021-09-10 高砂香料工業株式会社 ルテニウム錯体を吸着した活性炭を含む触媒、及びそれを用いた還元生成物の製造方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4309686B2 (ja) 2003-01-17 2009-08-05 関東化学株式会社 光学活性化合物の製造方法
JP4077863B1 (ja) 2007-05-31 2008-04-23 タヒボジャパン株式会社 抗癌活性を有する光学活性2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製法
WO2009031526A1 (ja) 2007-09-06 2009-03-12 National University Corporation Hokkaido University 光学活性3-キヌクリジノール誘導体の製造方法
US8207379B2 (en) 2008-04-07 2012-06-26 Nippon Soda Co., Ltd. Ruthenium compound and method for producing optically active aminoalcohol compound
CN113559939B (zh) * 2019-04-22 2023-06-23 郑州大学 一种腈的α烷基化反应催化剂及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021177287A1 (ja) 2020-03-03 2021-09-10 高砂香料工業株式会社 ルテニウム錯体を吸着した活性炭を含む触媒、及びそれを用いた還元生成物の製造方法
KR20220138054A (ko) 2020-03-03 2022-10-12 다카사고 고료 고교 가부시키가이샤 루테늄 착체를 흡착한 활성탄을 포함하는 촉매 및 이를 이용한 환원 생성물의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10130289A (ja) 1998-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69635874T2 (de) Verfahren zur Herstellung von optisch aktiven Alkoholen
CA2082166C (en) Chiral phospholane transition metal catalysts
US11708316B2 (en) Hydrogenation of esters to alcohols in the presence of a Ru-PNN complex
JP4144814B2 (ja) 光学活性アルコール化合物の製造方法
JP2731377B2 (ja) 光学活性アルコール類の製造方法
JP2962668B2 (ja) 光学活性アルコール類の製造方法
US6887820B1 (en) Method for producing optically active compounds
JP3040353B2 (ja) ルテニウム−ジアミン錯体及びこれを触媒とする光学活性アルコール類の製造方法
JP5001861B2 (ja) ケトンの不斉ヒドロシリル化法
JP2014040457A (ja) ホスホロアミド化合物及び光学活性アルコールの製造方法
JP3159661B2 (ja) 光学活性アルコール類の製造方法
JP2005525426A (ja) ルテニウム錯体を触媒として用いた不活性イミンの水素添加法
US5780692A (en) Process for producing optically active benzhydrol compounds
JP2972887B1 (ja) 光学活性ビスホスフィノメタン並びにそれらのロジウム又は銅錯体を用いる不斉合成
Meriç et al. New functional chiral P-based ligands and application in ruthenium-catalyzed enantioselective transfer hydrogenation of ketones
US20150329452A1 (en) Method for producing optically active isopulegol and optically active menthol
CA2253888C (en) Process for manufacture of trans-(r,r)-actinol
EP2275427B1 (en) Ruthenium-diamine complex and methods for producing optically active compounds
US20200055037A1 (en) Transition metal isonitrile catalysts
JP2000119228A (ja) 光学活性ベンジルアミン類の製造法
JP2001294594A (ja) ホスフィン含有アミノ化合物、その製造方法、ルテニウム錯体およびアルコールの製造方法
JP2000344694A (ja) 光学活性3−ペンチン−2−オールの製造方法
WO2011033022A2 (en) Osmium complexes usable as catalysts for the reduction of carbonyl compounds
CN116063347A (zh) 一类手性苯环骨架的膦-1,2-二苯基乙二胺配体及其制备方法和应用
JP2006520748A (ja) チプラナビルの合成における中間体のエナンチオ選択的水素化

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000201

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090303

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110303

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130303

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140303

Year of fee payment: 14

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term