JP3040024U - 耐薬品性に優れた押圧式取出容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 侵食性を有する流体を適宜に押圧方式によっ
て取出すようにした容器において、比較的簡易な構成に
より耐用性に優れた押圧式取出容器を提供する。 【構成】 容器本体１０の口部１１に取付けられたキャ
ップ１に基筒部体２を取付け、該基筒部体２に弾性材３
を介して昇降軸体４を取付け、該昇降軸体４と前記キャ
ップ１との間に圧下部５を有する軸筒６を介装し、該軸
筒６と上記基筒部体２との間にシール部７を配設し、上
記した容器本体内１０の流体を上述した基筒部体２内お
よび上記軸筒６と前記昇降軸体４間の間隙部を介して軸
筒６の圧下部５に形成された取出口１５から噴出させる
ようにしたものにおいて、上記した軸筒６の基端側に同
軸環状部８を突設すると共に該同軸環状部８の先端部に
上記基筒部体２における上部内面に接合するリップ部１
４を形成し、しかも前記昇降軸体４の基端側に形成され
た弾性材受座１３に対し上記基筒部体２に形成されたガ
イド部１２を臨ませ、前記弾性材受座１３には該ガイド
部１２の内面に接合するもう１つのリップ部１７を形成
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は耐薬品性に優れた押取式取出容器に係り、侵食性を有する流体を適宜 に押圧方式によって取出すようにした容器において比較的簡易な構成により耐用 性に優れた取出容器を提供しようとするものである。

【０００２】

【従来の技術】

アトマイザー方式またはディスペーサー方式などによって各種液状体などを取 出すことについては従来から種々に実施されて来たところであり、必要とする適 量を押出式によって平易に分取することができるメリットがある。

【０００３】 上記のような押出方式による取出容器としては、容器本体の口部に取付けられ たキャップに基筒部体を取付け、該基筒部体に弾性材を介して昇降軸体を取付け 、該昇降軸体と前記キャップとの間に圧下部を有する軸筒を介装し、該軸筒と上 記基筒部体との間にシール材を配設し、上記した容器本体内の目的流体を上述し た基筒部体内および上記軸筒と前記昇降軸体間の間隙部を介して軸筒の圧下部に 形成された取出口から滴状または霧状として取出すようにしたもので、上記した ようなシール材としてはブチルゴム、シリコンゴムなどの耐薬品性を有する弾性 材を用いることが行われている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが上記したような従来の取出容器がハーブオイルなどのそれなりの侵食 性をもった液体の取出した採用された場合においてはそのシール材、即ちシール 材として耐薬品性を考慮して選ばれたシリコンゴムなどであっても好ましい耐食 性が得られず、若干の使用によって廃棄せざるを得ない不利があり、実用的に有 効な耐用性を得難い欠点を有している。

【０００５】 また上記のような従来のものにおいては前記シール材が取出容器構成部材とは 別体として製作準備されたものを機構内に組付けセットすることが必要であって 、機構成形のための部材点数が多くなり、組付工数が嵩むなどの不利を有し、ま たこのようにして組立てられたものは別体成形して取付けられたシール材が使用 操作時に脱落するなどの欠点が認められる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記したような従来技術における課題を解消することについて検討を 重ねた結果、前記したようにシリコンゴムやブチルゴムなどによって別体成形さ れたシール材を用いることなしに押圧操作による圧力を利用した液状物などの取 出しを可能とすることに成功したものであって以下の如くである。

【０００７】 (1) 容器本体の口部に取付けられたキャップに基筒部体を取付け、該基筒部 体に弾性材を介して昇降軸体を取付け、該昇降軸体と前記キャップとの間に圧下 部を有する軸筒を介装し、該軸筒と上記基筒部体との間にシール部を配設し、上 記した容器本体内の流体を上述した基筒部体内および上記軸筒と前記昇降軸体間 の間隙部を介して軸筒の圧下部に形成された取出口から噴出させるようにしたも のにおいて、上記した軸筒の基端側に同軸環状部を突設すると共に該同軸環状部 の先端部に上記基筒部体における上部内面に接合するリップ部を形成し、しかも 前記昇降軸体の基端側に形成された弾性材受座に対し上記基筒部体に形成された ガイド部を臨ませ、前記弾性材受座には該ガイド部の内面に接合するもう１つの リップ部を形成したことを特徴とする耐薬品性に優れた押圧式取出容器。

【０００８】 (2) 軸筒の基端側に設けられた同軸環状部のリップ部および弾性材受座のリ ップ部がポリエチレンによって形成され、ハーブオイルの取出し用とされたこと を特徴とする前記（１）項に記載の耐薬品性に優れた押圧式取出容器。

【０００９】

【考案の実施の形態】

上記したような本考案によるものの具体的な実施態様を添附図面に示すものに ついて説明すると、容器としての全般的な外観構成の１例は図１〜図３に示す如 くであって、硝子質または合成樹脂質、あるいはステンレスなどによる容器本体 １０に設けられたキャップないし押出機構部分に対し蓋体９が施されたものであ る。図示では蓋体９が透明質部材とされ、従って内部の圧下部５やキャップ１が 透視されるように成っている。

【００１０】 然して上記したような蓋体９の施されたキャップ５部分の構成は別に図２およ び図３として示す如くであり、容器本体１０の口部１１に取付けられたキャップ １に基筒部体２を取付けると共に該基筒部体２に弾性材３を介して昇降軸体４を 取付け、該昇降軸体４と前記キャップ１との間に圧下部５を有する軸筒６を介装 し、該軸筒６と上記基筒部体２との間にシール部７を配設し、上記した容器本体 １０内の流体を上述した基筒部体２内の間隙部２２および上記軸筒６と前記昇降 軸体４間の間隙部２３を介して軸筒４の圧下部５に形成された取出口１５から滴 出または噴出させるようにしたものであることにおいては上述した従来からのも のと同様である。

【００１１】 本考案は上記したような構成のものにおいて前述した軸筒６の基端側に同軸環 状部８を突設すると共に、このような同軸環状部８の先端部に上述したような基 筒部体２における上記内面に接合するリップ部１７、１７を上下に形成し、しか も前記昇降軸体４の基端側に形成された弾性材受座１３に対し上記基筒部体２に 形成されたガイド部１２を臨ませ、前記弾性材受座１３には該ガイド部１２の内 面に接合するもう１つのリップ部１４を形成したものであり、容器本体１０の口 部上端とキャップ１との間には発泡ポリエチレンによるシール材１８が介装され ている。なお基筒部体２には吸上げパイプ１９が連結されていて容器本体１０内 の流動物を順次に吸上げるように成っている。

【００１２】 即ち容器本体１０内の流動物はスプリングのような弾性材３を収容している中 心室２１から中間室２２、昇降軸体４と軸筒６との間の間隙２３を介して圧下部 ５の内室２５に送られ、取出口１５に送り出される。取出口１５は単に開口状態 の場合はディスペーサー方式で放出されるが、図４のようにスプレーノズル２０ を図３のように設けることにより噴霧化されてアトマイザー方式による吐出を得 ることができる。

【００１３】 上記したような本考案によるものは、容器本体の口部に取付けられたキャップ に基筒部体を取付け、該基筒部体に弾性材を介して昇降軸体を取付け、該昇降軸 体と前記キャップとの間に圧下部を有する軸筒を介装し、該軸筒と上記基筒部体 との間にシール部を配設し、上記した容器本体内の流体を上述した基筒部体内お よび上記軸筒と前記昇降軸体間の間隙部を介して軸筒の圧下部に形成された取出 口から噴出させるようにしたものにおいて、上記した軸筒の基端側に同軸環状部 を突設すると共に該同軸環状部の先端部に上記基筒部体における上部内面に接合 するリップ部を形成したことにより軸筒とキャップとの間のシールを特別なゴム 質などによるシール材をセットすることなしに基筒部体自体によって有効にシー ルせしめ得る。

【００１４】 また本考案によるものは前記したような昇降軸体の基端側に形成された弾性材 受座に対し上記基筒部体に形成されたガイド部を臨ませ、前記弾性材受座には該 ガイド部の内面に接合するもう１つのリップ部を形成したことによって昇降軸体 を適正な同一軸心上において昇降操作せしめ、昇降軸体に作用する弾性材による 復動行程において目的流体をキャップの圧下部方向へ適切に送入する。

【００１５】 上記したような軸筒の基端側に設けられた同軸環状部のリップ部および弾性材 受座のリップ部がポリエチレンによって形成され、ハーブオイルの取出し用とさ れたことにより比較的少いポリエチレン部材により侵蝕性を有するハーブオイル を比較的簡易な構成で平易に取出さしめる。

【００１６】 上記したような本考案によるときはゴム質のようなシール材を特別に準備する ことなく、比較的簡易で少い必要部材により侵蝕性をもった流体を有効に取出さ しめ、耐用性に優れた押圧式取出容器を提供し得るものであるから実用上その効 果の大きい考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による押圧式取出容器の全般的な構成関
係を示した側面図である。

【図２】図１に示したものの頭部部分についての構成関
係を示した断面図である。

【図３】図２における一部を拡大した部分的断面図であ
る。

【図４】アトマイザー方式とした本考案による押圧式取
出容器の軸筒部体圧下部部分の断面図である。

【符号の説明】

１ キャップ ２ 基筒部体 ３ 弾性材 ４ 昇降軸体 ５ 圧下部 ６ 軸筒 ７ シール部 ８ 同軸環状部 ９ 蓋体 １０ 容器本体 １１ その口部 １２ ガイド部 １３ 弾性材受座 １４ 第２リップ部 １５ 取出口 １７ 第１リップ部 １８ シール材 １９ 吸上げパイプ ２０ スプレーノズル ２１ 中心室 ２２ 中間室 ２３ 間隙

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体の口部に取付けられたキャップ
   に基筒部体を取付け、該基筒部体に弾性材を介して昇降
   軸体を取付け、該昇降軸体と前記キャップとの間に圧下
   部を有する軸筒を介装し、該軸筒と上記基筒部体との間
   にシール部を配設し、上記した容器本体内の流体を上述
   した基筒部体内および上記軸筒と前記昇降軸体間の間隙
   部を介して軸筒の圧下部に形成された取出口から噴出さ
   せるようにしたものにおいて、上記した軸筒の基端側に
   同軸環状部を突設すると共に該同軸環状部の先端部に上
   記基筒部体における上部内面に接合するリップ部を形成
   し、しかも前記昇降軸体の基端側に形成された弾性材受
   座に対し上記基筒部体に形成されたガイド部を臨ませ、
   前記弾性材受座には該ガイド部の内面に接合するもう１
   つのリップ部を形成したことを特徴とする耐薬品性に優
   れた押圧式取出容器。
2. 【請求項２】 軸筒の基端側に設けられた同軸環状部の
   リップ部および弾性材受座のリップ部がポリエチレンに
   よって形成され、ハーブオイルの取出し用とされたこと
   を特徴とする請求項１に記載の耐薬品性に優れた押取式
   取出容器。