JP3039448B2 - マイクロ波管電力増幅装置 - Google Patents

マイクロ波管電力増幅装置

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JP3039448B2
JP3039448B2 JP9142446A JP14244697A JP3039448B2 JP 3039448 B2 JP3039448 B2 JP 3039448B2 JP 9142446 A JP9142446 A JP 9142446A JP 14244697 A JP14244697 A JP 14244697A JP 3039448 B2 JP3039448 B2 JP 3039448B2
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道典 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロ波管電力増
幅装置に関し、特に小型可搬局無線通信装置に設けられ
るマイクロ波管電力増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にマイクロ波管電力増幅装置では、
適正な増幅を行うためにはマイクロ波管のカソードを規
定時間だけヒータにより予熱する必要がある。このた
め、図3に示すように、従来のマイクロ波管電力増幅装
置では、マイクロ波管15のカソード16を加熱するた
めのヒータ11と、このヒータ11を加熱するためのヒ
ータ電源回路12と、このヒータ電源回路12を制御す
るためのコントロール回路13が設けられている。前記
ヒータ電源回路12は、商用電源あるいは発電機からの
供給電源を変圧、整流して前記ヒータ11に所要の電圧
を供給する回路として構成されている。そして、災害時
等のような主に緊急出動用に供せられる小型可搬局無線
通信装置を、災害地において設置したときに、当該通信
装置を商用電源または発電機に接続し、前記ヒータ電源
回路12を用いて前記ヒータ11によるカソードの予熱
を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のマイ
クロ波管電力増幅装置では、小型可搬局無線通信装置を
災害地等に設置し、かつ商用電源等に接続して始めてヒ
ータ電源回路12によるヒータ11の通電、およびヒー
タ11によるカソードの予熱が開始される。このため、
少なくとも通信装置を設置した時点から予熱が完了され
るまでの前記した規定時間の間、マイクロ波管電力増幅
装置における増幅作用ができなくなり、通信装置の設置
と同時に通信を開始することができず、一刻を争う際の
緊急通信に対応することができないという問題がある。
【0004】本発明の目的は、設置と同時にマイクロ波
管電力増幅装置の増幅作用を可能にして通信を開始する
ことを可能にしたマイクロ波管電力増幅装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、マイクロ波管
のカソード予熱用のヒータを内蔵し、かつこのヒータに
電力を供給するヒータ電源回路を備える増幅装置本体
と、前記増幅装置本体に対して着脱可能とされ、かつ前
記ヒータを予熱可能な蓄電池を内蔵した蓄電器とを備え
ており、増幅装置本体に蓄電器を装填したときに、前記
蓄電池が前記ヒータ電源回路と並列に接続されるように
構成したことを特徴とする。
【0006】ここで、前記蓄電器には、前記ヒータの予
熱時間を計時して予熱計時信号を出力する手段を備え、
前記増幅装置本体には、前記予熱計時信号に基づいて前
記ヒータ電源回路を制御するコントロール回路を備え
る。さらに、前記コントロール回路は、前記予熱計時信
号により規定時間の予熱が完了されたことを認識したと
きには、前記ヒータ電源回路によるヒータ予熱は行わ
ず、前記予熱計時時間により前記規定時間未満の予熱し
か行われていないことを認識したときには、前記規定時
間を満たす残り時間だけ前記ヒータ電源回路によるヒー
タ予熱を行うように構成される。さらに、前記蓄電器に
は、前記蓄電池が正常電圧に充電されていることを表示
する表示器と、前記蓄電池によるヒータの予熱が前記規
定時間以上行われたことを表示する表示器とを備えるこ
とが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明のマイクロ波管電力増
幅装置の一実施形態のブロック回路図である。増幅装置
本体10内には、マイクロ波管電力増幅器15のカソー
ド16を予熱するためのヒータ11と、このヒータ11
を加熱するためのヒータ電源回路12が設けられてお
り、商用電源や発電機等の電源に接続し、ヒータ電源回
路12で変圧、整流された電力を前記ヒータ11に供給
して予熱を行うようになっている。また、前記増幅装置
本体10内には、前記ヒータ電源回路12を制御可能な
コントロール回路13が設けられており、このコントロ
ール回路13には、後述する蓄電器装填警告信号S1
と、ヒータ予熱計時信号S2が入力されるように構成さ
れる。前記蓄電器装填警告信号S1は、増幅装置本体1
0内に後述する蓄電器20が装填されない場合にコント
ロール回路13に警報を出力するための信号である。ま
た、前記ヒータ予熱計時信号S2は、後述するように蓄
電器20による予熱を行ったときに、その時間情報を出
力するための信号である。
【0008】図2(a)に示すように、前記増幅装置本
体10の筐体101の一部には、蓄電器装填室102が
形成され、ヒンジ蓋103を固定ネジ104の締緩によ
って開閉して蓄電器20を装填あるいは取り出し可能と
されている。前記蓄電器20は、図2(b),(c)に
示すように、プラスチック等からなる矩形のケース20
1の背面に電極端子202が配設されており、前記蓄電
器装填室102に装填されたときに、増幅装置本体10
側に設けられた電極端子105(図1参照)に接触して
電気接続が行われる。また、ケース201の正面には、
正常電圧表示器203と予熱完了表示器204が配設さ
れており、それぞれ緑色LED、橙色LED等により構
成される。
【0009】前記蓄電器20は、図1に示したように、
電源としてのリチウム水素蓄電池等の蓄電池21と、図
示を省略する基準電圧源、コンパレータ、FETから構
成されて前記蓄電地21の電圧を検出してその電圧が正
常電圧の範囲にあるか否かを検出する正常電圧検出回路
22と、前記蓄電池21により増幅装置本体のヒータ1
1を加熱する時間を計時するヒータ加熱時間カウンタ回
路23と、このヒータ予熱時間カウンタ回路23で計時
されたヒータ予熱計時信号を前記コントロール回路13
に出力するためにフォトカプラで構成された送出回路2
4とを備えている。そして、前記正常電圧表示器203
は前記正常電圧検出回路22に接続され、蓄電池21の
正常電圧を検出したときに点灯される。また、前記予熱
完了表示器204は前記ヒータ予熱時間カウンタ回路2
3に接続され、このカウンタ回路23において予め設定
されている規定時間を計時したときに点灯される。
【0010】そして、前記蓄電器20が増幅装置本体1
0に装填されたときには、前記電極端子105,202
が相互に電気接続され、蓄電器20の蓄電池21は前記
ヒータ電源回路12の出力端に接続され、前記ヒータ1
1に電力を供給することができるような状態とされる。
なお、前記電極端子105とヒータ電源回路12との間
には、逆流防止回路としてのダイオード14が介挿さ
れ、ヒータ電源回路12と並列な状態に接続される。
【0011】この構成によれば、蓄電器20は、通常で
は増幅装置本体10より外され、図外の充電器により充
電されている。そして、正常電圧に充電が行われている
状態では、正常電圧検出回路22の出力により正常電圧
表示器203は点灯され、使用可能であることを表示し
ている。そして、災害時等の緊急用途として小型可搬局
無線通信装置の運用が決定された時点において、蓄電器
20は充電器より外され、増幅装置本体10の蓄電器装
填室102内に装填される。このとき、通信装置の運用
が決定されたとききに、蓄電器20が装填されない場合
には、蓄電器装填警告信号S1がコントロール回路13
に出力されるため、コントロール回路13は図外の警報
装置を作動させ、蓄電器20の未装填を警告することが
可能となる。運用決定時に蓄電器20が正しく装填され
ていれば、この装填によりコントロール回路13には蓄
電器装填警告信号S1が出力されることはなく、警告が
発生されることはない。
【0012】増幅装置本体10内に装填された蓄電器2
0内の蓄電池21の電力は、逆流防止回路14を通り、
並列接続されたヒータ電源回路12を経て、カソード加
熱用のヒータ11に供給され始める。また、これと同時
にヒータ予熱時間カウンタ回路23が始動する。小型可
搬局無線通信装置が組立てられ、その設置工事が行われ
ている間、ヒータ11は蓄電器20から供給される電力
により加熱され続けている。また、前記したカウンタ回
路23による予熱時間の計時が進行される。
【0013】そして、カウンタ回路23が規定時間を計
時すると、予熱完了表示器204が点灯して予熱が完了
されたことが表示される。また、これと同時に送出回路
24からはヒータ予熱計時信号が出力され、コントロー
ル回路13に出力される。したがって、コントロール回
路13は、このヒータ予熱計時信号の値に基づいてヒー
タ11の予熱が完了したことを認識する。したがって、
この認識した後に小型可搬局無線通信装置の設置が完了
され、その運用が開始されたときには、コントロール回
路13は商用電源や発電機に接続されているヒータ電源
回路12からの電力によるヒータ11の予熱を行うこと
なく、電力増幅装置を直ちに始動させ、その運用を開始
することが可能となる。
【0014】なお、蓄電器20によるヒータ予熱が規定
時間に達する前に、通信装置の設置が完了され、内蔵の
ヒータ電源回路12に商用電源あるいは発電機が接続さ
れて、ヒータ電源回路12からの電力供給が可能な状態
になった場合は、コントロール回路13は蓄電器20に
よるヒータ予熱を停止するとともに、蓄電器20のカウ
ンタ回路23からのヒータ予熱計時信号に基づいてそれ
までの予熱時間を認識し、規定時間を満たすのに必要な
残りの時間だけヒータ電源回路12によるヒータ予熱を
実行させる。そして、この残りの時間が経過した時点
で、通信装置の運用を開始する。したがって、設置後に
ヒータ電源回路12によりヒータ予熱を行う場合に比較
して、蓄電器による予熱時間分だけ運用開始を早めるこ
とができる。
【0015】なお、前記実施形態における蓄電器装填警
告信号を発生するための構成は本発明においては特に必
要とされるものではない。また、増幅装置本体内にヒー
タの予熱時間を計時してヒータ電源回路を制御する構成
を備える場合には、蓄電器に設けているヒータ予熱時間
カウンタ回路は省略することも可能である。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、増幅装置
本体に対して着脱可能な蓄電器を設け、この蓄電器を増
幅装置本体に装着したときに内蔵する蓄電池により増幅
装置本体内のヒータを予熱するように構成しているの
で、小型可搬局無線通信装置の緊急運用が決定された時
点において増幅装置本体内のヒータ予熱を始めることが
できる。これにより、組立、設置後の即時運用が可能と
なり、緊急時での好適な運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロ波管電力増幅装置の実施形態
のブロック回路図である。
【図2】増幅装置本体と蓄電器の構成を示す図である。
【図3】従来のマイクロ波管電力増幅装置の一例のブロ
ック回路図である。
【符号の説明】
10 増幅装置本体 11 ヒータ 12 ヒータ電源回路 13 コントロール回路 14 逆流防止回路 20 蓄電器 21 蓄電池 22 正常電圧検出回路 23 予熱時間カウンタ回路 24 送出回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波管のカソード予熱用のヒータ
    を内蔵し、かつこのヒータに電力を供給するヒータ電源
    回路を備える増幅装置本体と、前記増幅装置本体に対し
    て着脱可能とされ、かつ前記ヒータを予熱可能な蓄電池
    を内蔵した蓄電器とを備え、前記増幅装置本体に前記蓄
    電器を装填したとき、前記蓄電池が前記ヒータ電源回路
    と並列に接続されるように構成したことを特徴とするマ
    イクロ波管電力増幅装置。
  2. 【請求項2】 前記蓄電器には、前記ヒータの予熱時間
    を計時して予熱計時信号を出力する手段を備え、前記増
    幅装置本体には、前記予熱計時信号に基づいて前記ヒー
    タ電源回路を制御するコントロール回路を備える請求項
    1に記載のマイクロ波管電力増幅装置。
  3. 【請求項3】 前記コントロール回路は、前記予熱計時
    信号により規定時間の予熱が完了されたことを認識した
    ときには、前記ヒータ電源回路によるヒータ予熱は行わ
    ず、前記予熱計時時間により前記規定時間未満の予熱し
    か行われていないことを認識したときには、前記規定時
    間を満たす残り時間だけ前記ヒータ電源回路によるヒー
    タ予熱を行うように構成される請求項2に記載のマイク
    ロ波管電力増幅装置。
  4. 【請求項4】 前記蓄電器には、前記蓄電池が正常電圧
    に充電されていることを表示する表示器と、前記蓄電池
    によるヒータの予熱が前記規定時間以上行われたことを
    表示する表示器とを備える請求項2または3に記載のマ
    イクロ波管電力増幅装置。
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