JP3038688B2 - 撮影装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野〕 本発明は電子内視鏡装置、Ｘ線診断装置、PACS等に用
いられる撮影装置に関する。

（従来の技術） 電子内視鏡装置等においては、CCD等の固体撮像素子
を用いて被検者の患部等を撮影しこれを表示器上に表示
している。

第10図はこのような電子内視鏡装置の一例を示すブロ
ック図である。

この図に示す電子内視鏡装置はCCD101が設けられたス
コープ102と、このスコープ102から出力される画像信号
を処理する装置本体103と、この装置本体103によって処
理された画像を表示するCRT104とを備えており、CCD101
によって得られた画像を装置本体103のカメラコントロ
ールユニット（以下CCUという）105を介して取り込んだ
後、マスク処理部106によって不要部分をマスクしてCRT
104上に表示させる。

（発明が解決しようとする課題） ところでこのような電子内視鏡においては、スコープ
102の先端部を小型化して体腔内へ挿入しやすくするた
め光学系の寸法が限定されることや、汎用に設計された
CCD素子を利用するため、光学系が被検体の像を結像す
るCCD101の結像面の大きさは、CCD素子の有効面の大き
さより小さく、CCD101の有効面には、画像から映像信号
への変換に寄与しない領域があった。

しかしながら、通常のTVカメラ用CCDを元にして電子
内視鏡用のCCD101を作っている関係上、画像の出力タイ
ミング等は通常のTVカメラと同じくなる。

このため、第11図や第12図に示す如くスコープ102内
のCCD101から出力される信号はTV信号の表示期間に比べ
て有効映像信号期間が短く、逆に表示に使用されていな
い期間が長く、期間の無駄が多いという問題があった。

また、CRT104に表示される内容も、第13図に示す如く
CCD101の撮影内容を表示する部分107が小さく、それ以
外の部分108がかなりの比重を占めているため、表示の
無駄もかなり多かった。

また、このようなCCD101は製造時のバラツキによって
色誤差を持っているため、各CCD101毎に色補正を行なう
必要がある。

このため、CCD101を単体またはスコープ単位で取り替
えたとき、装置本体103側の調整を行なわなければなら
ないが、このときスコープ102を開いてCCD101のロット
番号等を直接見て確認し、このロット番号に応じて本体
装置103側を調整しなければならないため、作業が面倒
であるという問題があった。

そこでこのような不都合を除くために、スコープ102
側にID情報発生器を搭載したものも開発されているが、
このような方法ではスコープ102と装置本体103間の信号
線数が多くなってしまうという問題があった。

本発明は上記の事情に鑑み、CCDから出力される信号
中の無駄期間にCCDロット番号等の素子付随情報を多重
化して信号の無駄を小さくすることができ、これによっ
てCCD等を交換したときCCDのロット番号等の情報を表示
画面上に表示させたり、このロット番号等を利用して色
補正を自動化させることができる撮影装置を提供するこ
とを目的としている。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため本発明は、被写体を撮影して
画像信号を得る固体撮像素子を有する撮影装置におい
て、前記固体撮像素子と独立して設けられ、前記固体撮
像素子に関する素子付随情報を出力する情報発生手段
と、前記画像信号に前記素子付随情報を時分割多重化す
る多重化手段と、前記素子付随情報に基づいて前記画像
信号に対して所定の信号処理を施す信号処理手段とを具
備することを特徴とする。

（作用） 本発明によれば、画像信号と固体撮像素子に関する素
子付随情報を時分割多重化させることにより、固体撮像
素子と信号処理手段との間の信号線を必要以上に増加さ
せることなく、素子付随情報を伝送することができる。
また本発明によれば、固体撮像素子に関する素子付随情
報に基づいて画像信号に対して信号処理を施しているた
め、固体撮像素子等を交換した場合に、素子付随情報を
表示画面上に表示させたり、素子付随情報を利用して分
光特性の補正等の信号処理を自動的に行うことができ
る。

（実施例） 第１図は本発明による撮影装置の第１実施例を示すブ
ロック図である。

この図に示す撮影装置はインターライン型のCCD1を有
するスコープ２と、このスコープ２から出力される画像
信号を処理する装置本体３と、この装置本体３によって
処理された画像を表示するCRT4とを備えており、CCD1か
ら出力される信号を装置本体３のCCU5によって画像信号
と素子付随情報であるCCD情報とに分離した後、加算部
６によって前記画像信号に文字スーパーを加えてCRT4上
に表示させるとともに、前記CCD情報をCPU7に供給して
処理させる。

スコープ２に設けられているCCD1は第２図に示す如く
マトリックス状に配置される複数のフォトダイオード9a
a〜9nnと、これら各フォトダイオード9aa〜9nnの一端に
配置される複数のROM10a〜10nと、垂直転送クロック端
子11a〜11dに入力されるクロック信号に応じて前記各RO
M10a〜10nおよび前記各フォトダイオード9aa〜9nnの信
号を取り込むとともにこれらの信号を順次シフトする複
数の垂直CCD12a〜12nと、水平転送クロック端子13a、13
bに入力されるクロック信号に応じて前記各垂直CCD12a
〜12nからシフトアウトされる信号を取り込んで順次シ
フトする水平CCD14と、この水平CCD14からシフトアウト
された信号を増幅した後、出力端子16から出力して前記
装置本体３に供給する出力バッファアンプ15とを備えて
いる。

そして、垂直転送クロック端子11a〜11dおよび水平転
送クロック端子13a、13bに入力されるクロック信号に応
じて前記各ROM10a〜10nおよび前記各フォトダイオード9
aa〜9nnの信号を取り込むとともに、これらの信号を順
次シフトしてシリアルな信号を生成しこれを前記装置本
体３に供給する。

この場合、各ROM10a〜10nは各フォトダイオード9aa〜
9nnの最後の列になっているので、第３図に示す如く１
垂直期間の１ライン目から最終ラインの１つ前まで各フ
ォトダイオード9aa〜9nnによって得られた画像信号が出
力され、最終ラインで前記各ROM10a〜10nに書き込まれ
ているCCD情報信号が出力される。

装置本体３は前記CCD1から出力される信号を取り込ん
で画像信号とCCD情報とに分離するCCU5と、このCCU5に
よって分離されたCCD情報を処理するCPU7と、前記CCU5
によって分離された画像信号に文字スーパ等の情報を重
畳させる加算部６とを備えており、前記スコープ２のCC
D1から信号が供給されたとき、これを画像信号とCCD情
報とに分離するとともに、画像信号に文字スーパ等の情
報を重畳させてCRT4上に表示させるとともに、前記CCD
情報等に基づいて色補正等の各種処理を行なう。

このようにこの実施例においては、CCD1内にROM10a〜
10nを配置し、このROM10a〜10nに書き込んでおいたCCD
情報と各フォトダイオード9aa〜9nnによって得られる画
像信号とを多重化させて装置本体３に供給するようにし
ているので、CCD1から出力される信号中の無駄期間にCC
D1の名称、製造工場、製造年月日、CCDロット番号等のC
CD情報を多重化させることができ、これによって信号の
無駄を少なくすることができるとともに、CCD1等を交換
したときCCD1のロット番号等の情報を表示画面上に表示
させたり、このロット番号等を利用して色補正の切換を
自動化させることができる。

また上述した第１実施例においては、CCD1内にROM10a
〜10nを設けるようにしているが、ROM10a〜10nに代えて
EPROM、UVEPROM、EEPROM等を設け、CCD情報を書き換え
自在にしても良い。

また、上述した第１実施例においてはCCD1内にROM10a
〜10nを設けているが、第４図に示す如く分光フィルタ1
8a〜18nとフォトダイオード（図示は省略する）とを重
ねて設けるようにしても良い。

この場合、これらの各分光フィルタ18a〜18nは第５図
に示すような分光特性を持っているので、CCD1に光が当
てられたとき、第６図に示す如く光源のスペクトルデー
タが作成され、これがCCD1から出力されて装置本体３側
に供給され、この装置本体３によって光源色による色補
正が行なわれる。

また、このような分光フィルタ18a〜18nに代えてその
直下に設けられたフォトダイオードをCCD情報に応じて
選択的に遮光する遮光マスクを配置し、CCD1に光が当て
られたとき、これら遮光マスクのレイアウトに対応する
CCD情報を出力させるようにしても良い。

また、CCD情報に応じて選択的に遮光する遮光マスク
の配置方法としては、最初に連続して配置された複数の
フォトダイオードを一様にマスクし、次いで、レーザ光
等を用いてCCD情報に対応したレイアウトで各遮光マス
クに穴を形成しても良い。

また、上述した各実施例においては、各フォトダイオ
ード9aa〜9nnの一端にROM10a〜10nや分光フィルタ18a〜
18n、遮光マスクを配置するようにしているが、最も左
にあるフォトダイオード9na〜9nnの列の左側にROM（ま
たは、分光フィルタ、遮光マスク）と垂直CCDとを１列
ないし数列配置し、これらROM等に書き込まれているCCD
情報を出力させるようにしても良い。

第７図は本発明による撮影装置の第２実施例を示すブ
ロック図である。なおこの図において第１図の各部と対
応する部分には同じ符号が付してある。

この図に示す撮影装置が第１図に示す装置と異なる点
は、電子内視鏡用のCCDとして一般的に使用されているC
CD20と、素子付随情報であるCCD情報が格納されたROM23
とを有するCCD回路1bをスコープ２内に設け、装置本体
３から出力されるクロック信号、HPタイミング信号に基
づいてCCD20の出力とROM23の出力とを多重化するように
したことである。

この場合、前記CCD回路1bは通常使用されている電子
内視鏡用のCCD20と、前記クロック信号、HPタイミング
信号に基づいた各種タイミング信号を発生するタイミン
グ発生ゲートアレイ21と、このタイミング発生ゲートア
レイ21によって作られたＨクロック信号、Ｖクロック信
号を取り込んで前記CCD20を駆動するドライバ22と、前
記タイミング発生ゲートアレイ21によって作られたアド
レスデータに基づいて予め格納されているCCD情報をシ
リアルに出力するROM23と、このROM23から出力される信
号のレベルを予め設定されているレベルに変換するレベ
ルコンバータ24と、前記タイミング発生ゲートアレイ21
によって作られた切換信号に基づいて前記CCD20の出
力、前記レベルコンバータ24の出力のいずれか一方を選
択するアナログスイッチ25と、このアナログスイッチ25
の出力を増幅するドライバ26とを備えている。

そして、前記装置本体３から出力されるHPタイミング
信号、クロック信号に基づいて第８図（ａ）、（ｂ）に
示す如くCCD20から画像信号を出力させるとともに、ROM
23からCCD情報を出力させ、かつこのとき第８図（ｃ）
に示す如く切換信号を発生させる。

これによって、アナログスイッチ25によりCCD20から
画像信号が出力されているときには、この画像信号が選
択され、この画像信号がなくなれば、ROM23から出力さ
れるCCD情報が選択されて第８図（ｄ）に示す如く信号
が合成されこれが装置本体３に供給される。

このようにこの実施例においては、CCD20と独立させ
てROM23を設けて、このROM23に書き込んであるCCD情報
とCCD20から出力される画像信号とを時分割多重化して
いるので、上述した実施例と同様にCCD回路1bから出力
される信号中の無駄期間にCCDロット番号等のCCD情報を
多重化させることができ、これによって信号の無駄を小
さくすることができるとともに、CCD回路1b等を交換し
たときCCD回路1bのロット番号等の情報を表示画面上に
表示させたり、このロット番号等を利用して色補正の切
換を自動化させることができる。更に、この実施例にお
いては、ROM23を独立させているので、かなり多くのCCD
情報を多重化させることができる。

また、この実施例においては、CCD20からの画像信号
出力が終了した時点から１垂直期間が終了するまでの有
効素子期間中にROM23からCCD情報を出力させるようにし
ているが、CCD20から出力される画像信号が終了した時
点から１水平期間が終了するまでの有効素子期間中にRO
M23からCCD情報を出力させるようにしても良い。

また、上述した各実施例においては、スコープ２から
出力されるCCD情報をCCU5によって分離してCPU7に供給
するようにしているが、これと並行して第９図に示す如
くCRT4上の空きエリア30に表示させるようにしても良
い。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、固体撮像素子と
信号処理手段との間の信号線を必要以上に増加させるこ
となく、素子付随情報を伝送することができると共に、
固体撮像素子等を交換した場合に、素子付随情報を表示
画面上に表示させたり、素子付随情報を利用して分光特
性の補正等の信号処理を自動的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による撮影装置の第１実施例を示すブロ
ック図、第２図は第１図に示すCCDの詳細なブロック
図、第３図は第１図に示すCCDの出力タイミング図、第
４図は第１図に示す第１実施例の変形例を示すブロック
図、第５図は第１図に示す第１実施例の変形例を示す分
光特性図、第６図は第５図に示す変形例を説明するため
の分光図、第７図は本発明による撮影装置の第２実施例
を示すブロック図、第８図は第７図に示すCCD回路の出
力タイミング図、第９図は本発明による撮影装置の他の
表示例を説明するための模式図、第10図は従来から知ら
れている電子内視鏡の一例を示すブロック図、第11図は
第10図に示すCCDの出力タイミング図、第12図は第10図
に示すCCDの出力タイミング図、第13図は第10図に示すC
RTの表示例を示す模式図である。 １……CCD ３……画像処理部（装置本体） 10a〜10n……情報発生部（ROM） 12a〜12n……多重化制御部（垂直CCD） 14……多重化部（水平CCD）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ Ｈ０４Ｎ 5/321 Ｈ０４Ｎ 5/321 5/335 5/335 Ｚ 7/18 7/18 Ａ Ａ６１Ｂ 6/00 ３０３Ｃ (56)参考文献 特開 昭62−193462（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−293087（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−47977（ＪＰ，Ａ)

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被写体を撮影して画像信号を得る固体撮像
   素子を有する撮影装置において、 前記固体撮像素子と独立して設けられ、前記固体撮像素
   子に関する素子付随情報を出力する情報発生手段と、 前記画像信号に前記素子付随情報を時分割多重化する多
   重化手段と、 前記素子付随情報に基づいて前記画像信号に対して所定
   の信号処理を施す信号処理手段と、を具備することを特
   徴とする撮影装置。
2. 【請求項２】前記情報発生手段は、前記固体撮像素子か
   ら前記画像信号が出力されていないときに前記素子付随
   情報を出力するものであることを特徴とする請求項１記
   載の撮影装置。
3. 【請求項３】前記素子付随情報は、前記固体撮像素子の
   名称、製造工場、製造年月日、ロット番号、分光特性の
   うち少なくともいずれかであることを特徴とする請求項
   １又は請求項２記載の撮影装置。
4. 【請求項４】前記信号処理手段は、前記素子付随情報に
   基づいて色補正を行う機能を備えたことを特徴とする請
   求項１記載の撮影装置。
5. 【請求項５】前記信号処理手段は、前記素子付随情報ま
   たはその解読結果と前記画像信号とを表示画面上に並列
   表示する機能を備えたことを特徴とする請求項１記載の
   撮影装置。