JP3038442B2 - 原子炉圧力容器 - Google Patents

原子炉圧力容器

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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、沸騰水型原子炉圧力容器に係り、特に新型
の沸騰水型原子炉圧力容器におけるインターナルポンプ
ケーシングの落下防止ブラケットを非耐圧領域に備えた
原子炉圧力容器に関する。
〔従来の技術〕
新型沸騰水型原子炉圧力容器は、第5図の概念図に示
すように、原子炉圧力容器(以下RPVと称す)1の内部
での冷却水の循環流gを炉心領域2付近に形成させるた
め、RPV1の下方にインターナルポンプ9を設置してい
る。
インターナルポンプ9の構造は、第6図に示すよう
に、インターナルポンプ9を内蔵するインターナルポン
プケーシング6と、RPV1炉内の冷却水の循環を促進させ
るための羽根形状のインペラ10と、インターナルポンプ
9の駆動水の冷却を促進させるための熱交換機11とから
主として構成されており、RPV1の下鏡3にインターナル
ポンプケーシング6が溶接部14で取り付けられている。
新型沸騰水型RPV1においては、第7図に側断面図とし
て示すように、前記インターナルポンプ9のRPV1の下鏡
3下方に設けているため、支持スカート12がRPV1の胴体
20の中腹部に円錐形状で取り付ける構造となっている。
この円錐形状の支持スカート12は、第8図に矢印で示す
インターナルポンプ9のメンテナンスルートをインター
ナルポンプケーシング6の下方に設ける必要があるこ
と、及びインターナルポンプ9用の熱交換器11をインタ
ーナルポンプ9の近傍に設置する必要があることから、
RPV1の胴体20の中腹部に取り付けられる円錐支持スカー
ト12構造は、主としてRPV1の回りの構造物主体の設計か
ら決定されたものである。
また、第9図に示すようにRPV1の下鏡3にインターナ
ルポンプケーシング6の落下防止ブラケット13,13がそ
れぞれインターナルポンプケーシング6の両脇に設けら
れている。
このインターナルポンプケーシング6の落下防止ブラ
ケット13は、万一RPV1とインターナルポンプケーシング
6の溶接部14が破断しインターナルポンプケーシング6
の自重やRPV1の内圧により、インターナルポンプケーシ
ング6およびインターナルポンプ9がミサイルのように
飛び出して、他の構造物を破壊することを防止するこ
と、およびRPV1の炉内の冷却水が急激に漏洩しないよう
にするために設けられている。
このインターナルポンプケーシング6は、溶接部14で
RPV1の下鏡3に取り付き支えられており、落下防止サポ
ート8と落下防止ブラケット13に挟まれており、通常は
落下防止サポート8と落下防止ブラケット13によってイ
ンターナルポンプケーシング6の自重を支えているもの
ではない。これは、インターナルポンプケーシング6の
熱による伸びと落下防止サポート8の熱による伸びとの
差を吸収できるよう落下防止サポート8には、がたを設
けており、インターナルポンプケーシング6を常時支え
ているものではない。すなわち、インターナルポンプケ
ーシング6は第9図に示すように溶接部14により吊り下
げられて支持されているが、溶接部14の破損などの場合
には落下防止ブラケット13に連結された落下防止サポー
ト8で支持することになる。
この落下防止ブラケット13は、第10図に示すようにRP
V1の下鏡3に溶接部25で取り付けられており、落下防止
ブラケット13の近傍に、RPV1の下鏡3のペタル16aとド
ーム16bとの溶接部19がある。この溶接部19の供用期間
中検査(以下ISIと称す)において、下鏡3の外面から
超音波探傷試験(以下UTと称す)を実施する必要があ
り、斜角UTが実施できる範囲まで下鏡3の外面にUTのた
めのISI必要スペース17を設ける必要があるめに、落下
防止ブラケット13はL型形状にする必要があった。
また、落下防止ブラケット13は下鏡3の高応力部18に
取り付けられており、その上、落下防止ブラケット13
は、L型形状によりモーメント荷重を受ける構造とな
り、強度の面から落下防止ブラケット13と下鏡3との溶
接部25の溶接面積を大きくとる必要がある。また、下鏡
3と落下防止ブラケット13の溶接部25は、第1種容器に
直接取り付ける構造物であるために、通産省の検査を受
けるものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記、従来の原子炉圧力容器構造では、第7図に示す
ようにRPV1の胴体20の中腹部に円錐形状の支持スカート
12となり、第11図に示すRPV胴体20と支持スカート12と
の溶接が難しい問題がある。
RPV胴体20と支持スカート12との溶接部22は規格上・
強度上の点から、完全溶け込み溶接とする必要がある。
溶接方法としては、第11図に示すように裏あて金23を設
けた溶接方法で、表側hから溶接後、裏側iの裏あて金
23を取り除き完全溶込み溶接としている。裏側iからの
裏あて金23の除去作業は、支持スカートフランジ21下方
からRPV胴体20と支持スカート12との間へ入り込み(矢
印24)溶接作業を行なう。しかし、PRV胴体20と支持ス
カート12との間は狭く、しかも支持スカートフランジ21
の下面から約1.5mも奥行があるため作業が難しい。
また、この溶接部22は、ISIの要求がある溶接部であ
り、UTを実施する個所である。しかし、この溶接作業領
域は、第7図に示すように、炉心領域2の直下であり、
ISI作業時かなりの高放射線領域となり、ISI作業者の被
爆の点から好ましくない。実際には、RPV胴体20と支持
スカート12との溶接部22のISI作業は、自動ISI装置によ
る作業であるが、装置を溶接部側22へ移動設置して、装
置の監視作業を溶接部22の近傍で実施する必要がある。
さらに、第9図,第10図に示すようにインターナルポ
ンプケーシング6の落下防止ブラケット13は、RPV下鏡
3のペタル16aとドーム16bの溶接部19のISIのため、L
型形状に制約され、モーメントを受ける構造となり、大
型の構造となる。しかも、PRV1の下鏡3の高応力部18に
取り付けることとなり、RPV下鏡3の構造上好ましいも
のでない。また、落下防止ブラケット13がRPV下鏡3に
直接取付く構造物となることから、製造検査上の要求を
より厳しく抑える必要がでてくる。本発明の目的は、作
業の安全性と作業性の向上を図り、供用期間中検査の短
縮化を図ることができる原子炉圧力容器を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、原子炉圧力容器下鏡下部に突出部を設
け、この突出部に円筒形状、又は円錐形状の支持スカー
トを溶接により接続し、インターナルポンプケーシング
の落下防止ブラケットを原子炉圧力容器の非耐圧領域に
位置する前記支持スカートに取り付けることによって達
成される。
〔作用〕
支持スカートを下鏡下方に設けることにより、RPV胴
体と支持スカートの溶接部の裏あて金取り除きのための
作業スペースが確保されるとともに、溶接部が炉心領域
から離れるため、ISI作業時の線量当量が低く押さえら
れる。
また、支持スカートにインターナルポンプケーシング
の落下防止ブラケットが設けられており、下鏡の高応力
部にブラケットを設ける必要がなく、しかも非耐圧部で
あるRPV支持構造物に取り付けられる付属構造物として
の取扱いができ、検査項目の合理化ができる。
ここで、検査項目の合理化とは、落下防止ブラケット
をRPVの下鏡に取付けた場合、第一種容器に取り付けら
れる構造物として、通産省の検査を必要とする溶接部の
取扱いとなる。しかし、落下防止ブラケットを非耐圧の
扱いとなる支持スカートに取り付けた場合、非耐圧領域
に取り付けられた付属構造物の扱いとなり、通産省の検
査は必要としないものになる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の原子炉圧力容器の全体概略構成図、
第2図は第1図のA部拡大部、第3図(A)は第2図の
B−B線断面図、第3図(B)は第3図(A)の左側面
図である。
第1図に示すように原子炉圧力容器1の下鏡3の下方
に円筒形状又は円錐形状の支持スカート4が溶接部5を
介して固定されている。この支持スカート4の内側にイ
ンターナルポンプケーシング6が設けられている。
前記支持スカート4の内側には、インターナルポンプ
ケーシング6の落下を防止するための一対の落下防止ブ
ラケット7,7が取り付けられている。この落下防止ブラ
ケット7,7には、縦方向に延設された長孔が形成されて
おり、この長孔に連結具のボルトが挿通され、この連結
具には落下防止サポート8の上端部が接続されている。
したがって、落下防止サポート8は、落下防止ブラケッ
ト7に対して、所謂、ガタを有する構造となっている。
そして、インターナルポンプケーシング6の上部は、従
来の場合同様に溶接によって固定されている。
上記した原子炉圧力容器の場合、第2図に示すよう
に、支持スカート4をRPV下鏡3下方に設けることによ
り、下鏡3と支持スカート4の溶接部5の裏あて金の取
り除きのための作業スペースが確保され、作業性が向上
する。すなわち、第4図に示すように、下鏡3と支持ス
カート4の溶接部5を溶接する時は、第4図中、2点鎖
線で示す、インターナルポンプケーシング6,落下防止ブ
ラケット7は、取り付けられていないため、作業スペー
スfが広くなる。
さらに、第1図に示すように下鏡3と支持スカート4
の溶接部5は、炉心領域2から離間された領域にあるた
め、溶接部5のISI作業時の線量当量が低減される。
また、第2図に示すように、支持スカート4にインタ
ーナルポンプケーシング6の落下防止ブラケット7が設
けられており、下鏡3の高応力部へ落下防止ブラケット
7を設ける必要がなくなり、さらに、RPV1の非耐圧部に
取り付けられる付属構造物としての取扱いができ、通産
省の検査が不要となり、検査項目の合理化となる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、RPV本体と支持スカートの溶接部の
溶接作業スペースが確保されるため作業性が向上する。
RPV本体と支持スカートの溶接部が炉心領域から離れ
れた位置となり、本溶接部のISI作業時の作業員の線量
当量の低減が図れる。
RPV本体に直接、落下防止ブラケットを設けることな
く支持スカートに落下防止ブラケットを設けることがで
き、非耐圧部に取り付けられる付属構造物としての取り
扱いができるため、検査項目の合理化が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原子炉圧力容器の全体概略構成図、第
2図は第1図のA部拡大部、第3図(A)は第2図のB
−B線断面図、第3図(B)は第3図(A)の左側面
図、第4図は本発明の原子炉圧力容器における下鏡と支
持スカートの溶接時の状態を示す説明図、第5図は新型
沸騰水型原子炉の概念図、第6図はインターナルポンプ
およびその付帯機器の構造を一部断面図で示す概略的構
成図、第7図は従来のRPVの外形を示す側断面図、第8
図はRPVとインターナルポンプとRPV建屋の状況を示す側
断面図、第9図(A)は従来のインターナルポンプケー
シングと落下防止ブラケットとの関係を示す構造図、第
9図(B)は第9図(A)の要部側面図、第10図は第9
図の要部説明図、第11図(A)は従来の支持スカートの
構造図を示す側断面図、第11図(B)は第11図(A)の
要部説明図である。 1……原子炉圧力容器、 2……炉心領域、 3……下鏡、 4……支持スカート、 5……溶接部(下鏡と支持スカート)、 6……インターナルポンプケーシング、 7……落下防止ブラケット、 8……落下防止サポート。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沸騰水型原子炉圧力容器の原子炉圧力容器
    下鏡下部に突出部を設け、この突出部に円筒形状、又は
    円錐形状の支持スカートを溶接により接続し、インター
    ナルポンプケーシングの落下防止ブラケットを原子炉圧
    力容器の非耐圧領域に位置する前記支持スカートに取り
    付けたことを特徴とする原子炉圧力容器。
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