JP3038379U - 半田付け装置のワーク治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半田付け作業を容易にし、半田付けむらをな
くす。 【構成】 治具ベースの上面に、側面から半田付けワー
クの先端側を受入れる位置決め凹部を形成する。この治
具ベースの上方にワーク押え部材を枢着軸を支点として
揺動自在に枢着し、ワーク押え部材の先端押圧面が治具
ベースの前記位置決め凹部に対向するように配設する。
弾力的な付勢手段により、該ワーク押え部材の先端押圧
面を、前記治具ベースの位置決め凹部に嵌装されたワー
クに対して弾力的に押圧させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の利用分野】

本考案は位置決めコントロールユニットで作動する半田付けユニットで圧着端 子などのワークの半田付けを行う半自動半田付け装置のワーク治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、圧着端子にワイヤを結合する場合、ワイヤの先端に圧着端子の爪をかし め、このかしめ部分を半田付けして結合強度を高めることが行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来、この種の半田付け作業はワークを手作業で支えて行っているため、作業 が繁雑であるだけでなく、半田付け強度にむらが生ずることがさけられなかった 。

【０００４】 従って、本考案の目的は、圧着端子などの半田付けワークの半田付け作業を容 易にし、半田付けむらをなくすことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、半田付けユニットに対向して取付けら れる半田付け装置のワーク治具において、側面から半田付けワークの先端側を受 入れ、該先端側の位置決め凹部を上面に形成した治具ベースと、この治具ベース の上方に揺動自在に枢着され、先端押圧面が治具ベースの前記位置決め凹部に対 向するように配設されたワーク押え部材と、該ワーク押え部材の先端押圧面を、 前記治具ベースの位置決め凹部に嵌装されたワークに対して弾力的に押圧させる 付勢手段とを具備することを特徴とする。

【０００６】 ワーク押え部材の先端押圧面付勢手段として、好ましくはワーク押え部材の枢 着支点後部と治具ベース間にばね手段を介装する。また、このばね手段にばね圧 調整手段を具備させることが更に好ましい。

【０００７】 さらに好ましくは、前記治具ベースに、位置決め凹部に嵌め込まれたワークを 加熱する余熱手段を設け手もよい。

【０００８】

【作用】

治具ベースの上面に形成されているワーク位置決め凹部の側方入口にワーク先 端を向け、位置決め凹部とワーク押え部材の先端押え面の間に弾力的に挟んだ状 態でワーク先端を位置決め凹部の係止位置まで押し入れると、ワーク先端部分は 位置決め凹部に嵌め込まれた状態でワーク押え部材によって押圧され、ワンタッ チで治具ベースの所定位置に固定される。

【０００９】 ワーク先端部は位置決め凹部内では前後、左右の位置が規制され、また、ワー ク押え部材によって上下移動が規制されるので常に治具ベースの所定位置に所定 の姿勢でセットされる。

【００１０】 治具ベースに、位置決め凹部に嵌め込まれたワークを加熱する余熱手段を設け ると、半田付けワークが常温よりも高く制御された温度下で半田付けがなされる ので半田付け効率がよく、品質のよい製品がえられる。

【００１１】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。 図１は本考案の一実施例によるワーク治具ユニットの縦断面を示すもので、こ のワーク治具ユニット１は半田付けワーク２を受入れる治具ベース３と、治具ベ ース３に受入れられたワーク２を治具ベース３に支持させるワーク押え部材４と 、ワーク押え部材４のワーク押え面をワーク受入れ位置に弾力的に付勢させる 付勢手段５を備えている。

【００１２】 図の実施例の半田付けワーク２は圧着端子２ａのかしめ部２ｂにコード２ｃを 結合し、かしめ部２ｂの結合を半田付けで補強するワークを例示している。

【００１３】 治具ベース３は正面側（図１の左側）上面にワーク２の先端部を嵌め込み式 に載置するための位置決め凹部６を形成してある。 この位置決め凹部６は、ワークを手前（正面）から差し込むことができるよう に正面側先端から後方に向けて刻設してあり、また、差入れたワーク２の先端部 が所定位置で係止され、所定の姿勢に保持されるようにワーク先端部の外形に応 じた寸法、段差に形成されている。

【００１４】 すなわち、図１、図２の実施例のように、ワーク２の先端嵌込み部の巾に大径 部（圧着端子頭部）と小径部（圧着端子頚部）がある場合は、位置決め凹部６は 最大径の巾で形成した比較的浅い差入れ凹部６ａと先端嵌込み部の輪郭に沿った 比較的深い嵌込み凹部６ｂとに段差をつけて形成し、差入れ凹部６ａから差込ん だワーク２の先端嵌込み部が所定係止位置で嵌込み凹部６ｂに受容され、これに より、ワーク２の前後、左右の動きがロックされるようにしてある。 ちなみに、図１の実施例では差入れ凹部６ａの深さを０．５ｍｍ、嵌込み凹部 ６ｂの深さを１．２ｍｍに設計してある。

【００１５】 尚、図は省略したが、同様に、ワーク２の先端嵌込み部の下面に凹凸部がある 場合も、治具ベース３の位置決め凹部６はワーク２の凹凸部が嵌まる凹凸面に形 成し、ワークが所定位置に所定の姿勢で保持されるようにする。

【００１６】 ワーク押え部材４は前記治具ベース３の上方の取付支軸７に揺動自在に軸着さ れ、支軸前方の押え面８が治具ベース３の前記位置決め凹部６に対向するように して配設されている。

【００１７】 前記ワーク押え部材４は、前記付勢手段５によって押え面８が位置決め凹部６ に嵌め込まれたワーク２を弾力的に押圧するように付勢されている。

【００１８】 図１実施例の付勢手段５は、ワーク押え部材４の支軸後方部９と治具ベース３ 間に介装したばね５’で構成されており、ばね５’の弾発力でワーク押え部４の 支軸後方部９が図の上方に回動することによってワーク押え部４の支軸前方の押 え面８がワーク位置決め凹部６内のワーク２を弾発的に押圧するようにしてある 。もっとも、ワーク押え部材４の付勢手段５は上記の構造に限らない。要は、 押え面８を位置決め凹部６内に向けて付勢させるものであれば他のいかなる構成 でもよい。

【００１９】 ワーク押え部材４の付勢手段５は好ましくはばね圧を調整できるようにする。 例えば図３のようにばね５’の一端側に、ねじ１０によって図の上下に変位する 可動プレート１１を介装し、ねじ１０の回転でプレート１１を上下させることに より、ばね圧を調整するようにしてもよい。

【００２０】 より好ましい実施例として、図３の実施例では治具ベース３にヒータなどの余 熱手段１２を設け、位置決め凹部６に嵌め込んだワーク２に余熱を与えるように してある。この余熱手段１２はワーク２を３０゜Ｃ〜１００゜Ｃに加熱して半田 付け効率を良くするためのもので、位置決め凹部６近傍の治具ベース３の内部ま たは外側に設けることができる。

【００２１】 ワーク治具１は前記構造のユニットを単体で使用してもよいが、好ましくは、 図２のように、複数のワーク位置決め凹部６、６…を並列に形成した一連の治具 ベース３に、各ワーク位置決め凹部６、６…に対応する複数のワーク押え部材４ 、４…と付勢手段５、５…を組み付け、一つの治具ベース３に多数のワーク２ をセットできるようにする。

【００２２】 本考案の半田付けワーク治具１は、図４のように、半田ユニット１３及びこの 半田ユニット１３の動作を制御する位置決めコントローラ１４等を備えた半田付 け装置１５にセットして使用されるもので、このため、図１、図３のように、半 田付け装置のワークステーションに治具ベース３を備え付けるための嵌合孔１６ が、治具ベース３の下面に設けられている。

【００２３】 次に、本実施例の作用について述べれば、先ず、治具ベース３側方の位置決め 凹部６の入口にワーク２の先端を向け、位置決め凹部６とワーク押え部材４の先 端押え面８間の隙間にワーク２の先端を差し入れて押し込むと、ワーク２がワー ク押え面８を付勢手段５に抗して押し戻し、ワーク２が位置決め凹部６の差入れ 凹部６ａに沿って係止位置まで挿入される。ワーク２が係止位置まで挿入される とワーク先端部が位置決め凹部６の嵌込み凹部６ｂに嵌まり、前後、左右方向の 動きが不能になるとともにワーク押え部材４に押圧されてワーク２の上下の動き が係止される。 かくして、治具ベース３の位置決め凹部６にセットされた各ワーク２の位置と 姿勢が一定に揃う。

【００２４】 このようにして治具１に固定したワーク２の所定位置に半田ユニット１３を位 置決めコントローラ１４で作動させて半田付けを行う。

【００２５】 治具ベースに、位置決め凹部に嵌め込まれたワークを加熱する余熱手段を設け た場合は、ワークが常温よりも高く制御された温度下で半田付けがなされること になる。

【００２６】

【効果】

本考案は以上の構成になるので、各々のワークは治具ベースにワンタッチで同 じ姿勢に装着、固定される。 このように位置決めしたワークに半田付けユニットを作動させて半田付け作業 を行うことができるので、作業が容易になると共に、半田付け強度が一定となり 、作業能率及び品質が著しく向上する。

【００２７】 ワーク押え部材の付勢手段のばね圧を調整することにより、ワークの押圧力を 加減することができる。

【００２８】 治具ベースに余熱手段を設けることにより、半田付けの効率が良くなり、半田 付けの作業能率及び品質がさらに向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例によるワーク治具の縦断面図

【図２】 図１のワーク治具ユニットを一連に構成した
ワーク治具の一部切欠き平面図

【図３】 本考案のたの実施例によるワーク治具の縦断
面図

【図４】 本考案のワーク治具をセットした半田付け装
置の概略構成図

【符号の説明】

１…ワーク治具ユニット、 ２…半田付けワーク、 ２
ａ…圧着端子、 ２ｂ…かしめ部、 ２ｃ…コード、
３…治具ベース、 ４…ワーク押え部材、 ５…付勢手
段、 ５’…ばね、 ６…位置決め凹部、 ６ａ…差入
れ凹部、 ６ｂ…嵌込み凹部、 ７…取付支軸、 ８…
押え面、 ９…支軸後方部、 １０…ねじ、 １１…プ
レート、 １２…余熱手段、 １３…半田ユニット、
１４…位置決めコントローラ、 １５…半田付け装置、
１６…嵌合孔。

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【手続補正書】

【提出日】平成７年５月２６日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項３

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 半田付けユニットに対向して取付けられ
   る半田付け装置のワーク治具において、側面から半田付
   けワークの先端側を受入れ、該先端側の位置決め凹部を
   上面に形成した治具ベースと、この治具ベースの上方に
   揺動自在に枢着され、先端押圧面が治具ベースの前記位
   置決め凹部に対向するように配設されたワーク押え部材
   と、該ワーク押え部材の先端押圧面を、前記治具ベース
   の位置決め凹部に嵌装されたワークに対して弾力的に押
   圧させる付勢手段とを具備することを特徴とする半田付
   け装置のワーク治具
2. 【請求項２】 半田付けユニットに対向して取付けられ
   る半田付け装置のワーク治具において、側面から半田付
   けワークの先端側を受入れ、該先端側の位置決め凹部を
   上面に形成した治具ベースと、この治具ベースの上方に
   揺動自在に枢着され、先端押圧面が治具ベースの前記位
   置決め凹部に対向するように配設されたワーク押え部材
   と、該ワーク押え部材の先端押圧面を、前記治具ベース
   の位置決め凹部に嵌装されたワークに対して弾力的に押
   圧させる付勢手段とを具備し、前記ワーク押え部材の先
   端押圧面の付勢手段が、ワーク押え部材の枢着支点後部
   と治具ベース間に介装したばね部材であることを特徴と
   する半田付け装置のワーク治具
3. 【請求項３】 半田付けユニットに対向して取付けられ
   る半田付け装置のワーク治具において、側面から半田付
   けワークの先端側を受入れ、該先端側の位置決め凹部を
   上面に形成した治具ベースと、この治具ベースの上方に
   揺動自在に枢着され、先端押圧面が治具ベースの前記位
   置決め凹部に対向するように配設されたワーク押え部材
   と、該ワーク押え部材の先端押圧面を、前記治具ベース
   の位置決め凹部に嵌装されたワークに対して弾力的に押
   圧させる付勢手段とを具備し、前記ばねがばね圧調整手
   段を具備していることをさらに特徴とする半田付け装置
   のワーク治具
4. 【請求項４】 半田付けユニットに対向して取付けられ
   る半田付け装置のワーク治具において、側面から半田付
   けワークの先端側を受入れ、該先端側の位置決め凹部を
   上面に形成した治具ベースと、この治具ベースの上方に
   揺動自在に枢着され、先端押圧面が治具ベースの前記位
   置決め凹部に対向するように配設されたワーク押え部材
   と、該ワーク押え部材の先端押圧面を、前記治具ベース
   の位置決め凹部に嵌装されたワークに対して弾力的に押
   圧させる付勢手段とを具備し、さらに、前記治具ベース
   に、位置決め凹部に嵌め込まれたワークを加熱する余熱
   手段を設けたことを特徴とする半田付け装置のワーク治
   具