JP3038154U - ゴルフクラブのグリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴルフクラブのグリップに関し、手触りが良
く、使用者に合わせて機能性を高めることができ、又、
汚れを簡単に取ることができるとともに、交換をする必
要がなく、しかも、使い込むほど重厚感が増すと共に手
になじむようにしたゴルフクラブのグリップを提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 グリップを黒檀などの木材で形成するこ
とにより、木製品独特の優れた手触りと銘木独特の色つ
やや重厚感が得られ、又、使用者の手の形、握る時の
癖、スィングの癖などに合わせて削ることによりバラン
ス、長さ、重さなどを調整して所望の機能を得る。更に
汚れが着き難く、汚れを一拭きで取れるので、交換する
必要がなくなり、交換に伴う問題をなくすことができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ゴルフクラブのグリップに関し、特に交換をする必要がなく、しか も、現在のラバー素材のグリップに比べて劣化するとこがなく、長く使用できる 上、使い込むほど手になじむようにしたゴルフクラブのグリップに関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ゴルフクラブは、シャフトと、その一端に固定されたヘッドと、この ヘッドの反対側の端部に固定されるグリップとを備えており、このグリップはゴ ムで形成されている。

【０００３】 このグリップというものはクラブを買えば勝手についてくるものであり、ヘッ ドやシャフトと同様に何時までも使えると思っているがそうではない。クラブを 長年使って古くなっても、ヘッドだけを交換したり、シャフトだけを交換したり することはあまりないが、グリップだけは比較的頻繁に交換される。

【０００４】 グリップが交換される理由は、ゴム系の素材を使用していることにある。つま り、ゴム系の素材を使用すると、使っている間に握りの部分が擦り減り易く、又 、使わずに放置しておいても硬く変質したりする。又、最近のソフトタイプのグ リップは摩耗や変質はし難いが、それでも感触が変わってくる。このため、例え ば毎日クラブを使用するプロのプレーヤの場合には三ヶ月〜半年で交換するほど である。

【０００５】 そして、ゴルフクラブにおいては、ヘッドの素材、形状やシャフトの性能にこ だわっても、なぜかグリップについては以外と軽視されている。特に、パターは 、１４本のクラブの中でも繊細なタッチを要求されるクラブの１本である。

【０００６】 このグリップは使用者の身体とクラブとの唯一の接点であるにもかかわらず、 クラブの機能性を追求する上ではほとんど顧みられておらず、古くなって手にな じむようになる頃には汚れがひどくなり、安易に交換されている。

【０００７】 しかし、なじみ、握り心地の良さを望むのであれば、グリップがどんなもので あっても良いはずはなく、古くなったから、汚れが酷くなったからなどの理由だ けで取り替えるという問題では済まされない。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

上述したように、グリップはやっと手に馴染んだ頃になって、握りの減りや、 変質、汚れを伴って交換を余儀なくされている。交換に際しては、２〜３本のグ リップを握ってみて、その中から好みのもを選ぶという方法が採られているが、 グリップには、材質の硬軟、重量、太さなどが異なり、しかも、それらの違いが 複雑に組み合わされているので、使用中のクラブに合ったグリップを選び出すこ とは非常に難しく、グリップを交換したらストロークがし難くなったという経験 を持ったゴルファは多い。

【０００９】 即ち、グリップの交換には硬軟、軽重、長短、太さ、センターのずれなど、ク ラブの機能に非常に重要な問題があり、これらが複雑に組み合わさっているにも かかわらず、交換時にはこれらの問題をほとんど気にせずに交換しているゴルフ ァが多いのである。

【００１０】 例えば、重量が５７ｇのグリップを重量が７６ｇのグリップに取り替えると、 重量差が１９ｇあり、バランスはＣ５．４からＣ１．０に４ポイントも下がり、 グリップを代えただけでヘッドが軽く感じられるようになる。グリップを軽いも のに取り替えると逆にヘッドが重く感じられるようになる。しかし、このことを 気にするゴルファはほとんどいない。

【００１１】 又、グリップの長さは２４〜２８ｃｍとされており、前述の５７ｇのグリップ と７６ｇのグリップでは２ｃｍの差がある。交換の前後にシャフトの振動数は交 換前が３６０ｃｐｍ、交換後が３６８ｃｐｍと少し硬くなっている。その理由は 、グリップの重さが重い分ヘッドのバランスが軽くなり、ヘッドの利き具合が軽 くなってヘッドの振幅が小さくなり、振動数が高くなるからである。又、グリッ プが長くなっただけシャフトの剥き出し部分が短くなるからであるとも考えられ る。しかし、グリップの長さを気にするゴルファもほとんどいない。

【００１２】 更に、グリップは上面が平らに形成されているが、このグリップの上面とヘッ ドのフェイス面とが直角になっていることが必要である。しかし、製造の段階で すらフェイス面がグリップの上面に対して直角にならず、右を向いたり左を向い たりしてクラブ、特にパターの個性を損なってしまうことがある。増して、交換 時にはこのセンターのズレが生じ易く、この微妙な違いによってパットが入り易 くなったり、入り難くなったりするのである。

【００１３】 このように、グリップの交換には種々の問題が伴うにもかかわらず、ゴルフク ラブを長期間使用する間にはヘッドやシャフトが交換されることはほとんどなく 、グリップだけが安易に交換されているのである。本当に自分に合ったクラブに するためには、グリップについてもヘッドやシャフト以上に感心をもつべきであ る。

【００１４】 ところで、古来より、農耕具、刀剣などの握りの部分は木が使用されているの は、その肌触り、強い香など故に愛着が抱かれているからであり、手入れもこれ といって気にすることもない。そして、古くなればそれなりの味わいや色あいが 出る。

【００１５】 本考案は、上記の事情を鑑みて、手触りが良く、使用者に合わせて機能性を高 めることができ、又、汚れを簡単に取ることができるとともに、交換をする必要 がなく、しかも、使い込むほど重厚感が増すと共に手になじむようにしたゴルフ クラブのグリップを提供することを目的とするものである。

【００１６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るゴルフクラブのグリップは、上記の目的を達成するため、グリッ プ本体を木材で形成すし、本体の中心にシャフト取付穴を形成したことを特徴と する。

【００１７】 前述したように、木材はその肌触り、強い香など故に愛着が抱かれており、手 入れもこれといって気にすることもない。そして、古くなればそれなりの味わい や色あいが出る。従って、この木材でグリップを形成することにより、手触りが 良く、使用者に合わせて機能性を高めることができ、又、汚れを簡単に取ること ができるとともに、交換をする必要がなく、しかも、使い込むほど重厚感が増す と共に手になじむようにしたゴルフクラブのグリップが得られる。

【００１８】 このような木の中でも、黒檀や紫檀は、世界で最も著名な銘木であり、古来我 が国においては鉄刀木と並んで代表的な唐木として珍重されている。そして、堅 く、耐久力があり、肌理の緻密さ、油脂ようの感触の出る光沢がある良質材とし て、高級建築材、装飾用家具、彫刻などに用いられ、その製品の放つ気品、重厚 感などは洋の東西を問わず高く評価されている。

【００１９】 黒檀は、インドネシアのセレベス縞中央部のみが原産地であり、心材が灰色と 黒色との縞模様になっていることから縞黒檀とも呼ばれ、磨けば美しい縞模様が 引き立ち、優雅な気品と独特の重厚な光沢が出る。

【００２０】 又、紫檀はタイ、ラオス、インド南部が原産地であり、心材は暗紫紅色である ことから紅物材とも呼ばれ、材質は緻密で固い。この紅物材の中でも最高の材質 である本紫檀は、縞黒檀と並んで、仏壇、高級家具、装飾具に用いられ、磨けば 紫紅色で独特の美しい波状板の木目が浮かび、渋い光沢が出る。

【００２１】 そして、これら黒檀や紫檀は資源保護の観点から伐採が禁止されたり、丸太で の輸出が禁止されることにより、我が国では原木不足となり、益々その希少価値 が高くなっている。

【００２２】 本考案は、このような特質を有する紫檀又は黒檀で形成されているので、手触 りが良く、使用者に合わせて形状の修正をして機能性を高めることができる。 又、使い込んで汚れが着いても、例えば濡れ雑巾で一拭きしたり、乾拭きした りするだけで簡単に汚れを取ることができるので、交換をする必要がない上、使 い込むほど重厚感が増すと共に手になじむようになる。

【００２３】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて具体的に説明するが、この実施例は 本考案をパターのグリップに適用したものであり、図１の側面図、図２の平面図 及び図３の正面図に示すように、このグリップのグリップ本体１は木材例えば紫 檀、黒檀からなり、例えば高さ３７ｍｍ、幅２６ｍｍ、長さ３３０ｍｍの黒檀材 から従来のゴム製のグリップとほぼ同じ形状に削り出される。

【００２４】 即ち、このグリップ１は、平面視において、先端から手元に向かって一定の距 離にわたっては緩やかに幅が増大し、それよりも手元側では一定の幅になるよう に形成される。又、その上面３は、幅方向に水平で、側面視において、手先側か ら直線的に少し高くなった後、水平になり、手元側で直線的に低くなるように形 成されている。更に、その下面は、手先側から手元近くまで直線的に低くなり、 手元近くで更に大きく直線的に低くなるようにしている。

【００２５】 加えて、その断面の輪郭形状は、手先側端部では円形に、手先から上面３が高 くなる範囲よりも手元側では上側が角を丸めた角軸状に形成され、下側は円形か ら次第に外膨れのＶ字形状に変化するように形成される。

【００２６】 このグリップ本体１には、先端から所定の深さにわたって図示しないシャフト を差し込むシャフト取付穴２が形成されている。

【００２７】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案のグリップはグリップ本体を木材で形成してい るので、汚れが着き難く、使い込んで汚れが着いても、例えば雑巾で一拭きする だけで簡単に汚れを取ることができるので、交換をする必要がなく、グリップの 交換により生じるバランス変化、重量変化、長さの変化などを防止することがで きる上、使い込むめば使い込むほど銘木独特の色つやが出て、重厚感が増す効果 が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の側面図である。

【図２】本考案の平面図である。

【図３】本考案の正面図である。

【符号の説明】

１ グリップ本体 ２ シャフト取付穴

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 グリップ本体を木材で形成し、本体の中
   心にシャフト取付穴を形成したことを特徴とするゴルフ
   クラブのグリップ
2. 【請求項２】 前記木材が黒檀、紫檀又は他の天然木も
   しくはこれらの合板である請求項１に記載のゴルフクラ
   ブのグリップ。