JP3037193U - ポスター類吊下げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポスター類吊り下げ装置の巻上げ紐の昇降速度
を調節するとともに、昇降運動における巻上げ紐やポス
ター類吊下げ用バーのよじれや不要な回転を防いで、ポ
スター類の取付け、交換、位置調整等の作業を効率的か
つ安全に行なうことのできるポスター類吊下げ装置を提
供する。 【解決手段】自動巻上げ器２に速度調節機構８を設け、
この自動巻上げ器２の巻上げ紐１２を幅広のベルトで構
成し、この巻上げ紐の昇降を行なうモータ２０を自動巻
上げ器２に取付け、この自動巻上げ器とは別体に、この
モータ２０を駆動を制御する制御スイッチ２６を備えた
リモートコントローラ２５を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、商品展示場あるいは売場等の天井から、商品名や売場名等が書かれ たポスター類を吊り下げるためのポスター類吊下げ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、商品展示場あるいは売場等の天井に取り付けられるポスター類吊下げ 装置では、この吊下げ装置の巻上げ器部分が天井に固定されており、この巻上げ 器の下面から垂下される巻上げ紐を介して、ポスター類吊り下げ用バーを昇降さ せることによって、この吊下げ用バーへのポスター類の取付け、交換、吊下げ位 置の調節等を行なっている。このポスター類吊下げ用バーの昇降は、作業者が、 脚立等の補助台を用いて直接行なうか、または先端が鈎状に加工された操作棒等 の補助具を用いて行なっているが、自動停止機構付きの自動巻上げ器では、吊下 げ位置を調節する場合、たとえば巻上げ紐を巻き上げられた状態から一旦下方へ 引き下げ、所望高さで引き下げ動作を中止して手を離すことによって、その位置 でポスター類吊下げ用バーを停止させていた。そして、このポスター類吊下げ用 バーを、前記停止状態から再度少しばかり下方へ引き下げて手を離すことによっ て、巻上げ紐を渦巻状に捲回された板ばねの弾性によりすべて巻き上げてポスタ ー類吊下げ用バーを上昇させ、最後に巻上げ器下面収納部の所定位置に収納して いた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の自動停止機構付きのポスター類吊下げ装置は、ポス ター類の吊下げ位置の調節には有効であるが、ポスター類吊下げ用バーを巻上げ 器の所定位置に収納する場合に、板ばねの弾性による巻上げ紐の巻上げ速度が調 節できないため、この巻上げ紐の上昇に従って吊下げ用バーも板ばねの弾性によ り一気に上昇してしまい、その結果、吊下げ用バーが巻上げ器の収納部に衝突し 、この作動の繰返しにより巻上げ紐の切断事故の発生や巻上げ器自体の寿命を短 くすることがあるという問題点があった。

【０００４】 また、吊り下げられるポスター類は、原則として、常に特定方向を向いて吊下 げられる必要があるが、巻上げ紐がテグス等の紐である場合、巻上げ紐の昇降運 動によって、この紐にねじれが生じ、このねじれのためにポスター類吊下げ用バ ー側にもねじれが生じたり、または不要に回転するなどして吊下げが不安定にな るとともに、この吊下げ用バーを巻上げ器下面に収納する際に、吊下げ用バーが ねじれたまま、あるいは回転した状態で上昇するため、巻上げ器の所定位置に収 納できないという問題点があった。

【０００５】 さらに、ポスター類の取付け、交換、吊下げ位置の調節を行なう度に、脚立等 の補助台や操作棒等の補助具を用いる作業は、商品展示場や売場が混雑している ような場合に、作業自体が捗らないことに加え、これら道具類の使用自体が外観 上好ましくなく、これら道具類の転倒等による事故の危険性もあって、安全性の 面からも好ましくなかった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案では、上記の問題点を解決するため、停止機構を有する自動巻上げ器と 、この自動巻上げ器の巻上げ紐に吊り下げられたポスター類吊下げ用バーとを備 えた、天井に取り付けられるポスター類吊下げ装置において、自動巻上げ器に速 度調節機構を設けるとともに、自動巻上げ器の巻上げ紐を幅広のベルトで構成し 、さらに、この自動巻上げ器の巻上げ紐の昇降を行なうモータを自動巻上げ器に 設けるとともに、このモータを駆動する制御スイッチをリモートコントローラに 備えたことを特徴とするものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案に係るポスター類吊下げ装置では、自動巻上げ器内に周側に小円弧状の 切欠部を有する円板と複数のプーリからなる回動部、およびこれと別体のプーリ と、自動停止機構及び速度調節機構とが収納されている。

【０００８】 自動巻上げ器には、上記別体のプーリに捲回された板ばねの一端が回動部のプ ーリへ張り渡されており、この回動部のプーリを回動させることにより板ばねの 弾性を利用して、回動部に巻込回転力が与えられる既知のものが用いられている 。そして、これら複数のプーリと別体のプーリのプーリ間に、速度調節機構を介 在させ、回動部のプーリの軸の一端側に取り付けられたギアと、この速度調節機 構のギアとを咬合させて、回動部の回転速度を所定速度に調節するとともに、こ の回動部のプーリの軸の他端側には周側に小円弧状の切欠部を有する円板を介し て、自動停止機構が連設されている。

【０００９】 自動停止機構は、たとえば、停止機構に設けられた梃子部分（図示せず）と、 前記切欠部を有する円板の切欠部との断続的な咬み合わせの運動が、前記回動部 の断続的な回転を生ずるように構成された既知のものが使用され、速度調節機構 としては、たとえば、この機構内での増速ギアに付属するゴム摩擦板の回転によ って生ずる変形を利用して摩擦力を得、これをブレーキ力として前記回動部の回 動速度を制御する構成のものを用いている。

【００１０】 したがって、ポスター類吊下げ用バーが下端に取り付けられた巻上げ紐の昇降 は、これら自動停止機構と速度調節装置とが巻上げ器内の回動部の回動と連係す ることによって、制御されている。すなわち、自動停止機構を介在させることに よって、回動部のプーリの回動を断続的な回動に変化させ、ポスター類吊下げバ ーの昇降範囲を一定範囲内に限定することによって、この吊下げ用バーの吊下げ 位置の調節を行なう一方で、この回動部のプーリの軸の一端にあるギアを介して 、上記回動部の回動が速度調節機構側のギアに伝達され、速度調節機構が作動す る。そして、この速度調節機構内のゴム摩擦板が回転によって変形して摩擦が生 じると、この摩擦が速度調節機構のブレーキ力として上記回動部に反作用して、 回動部のプーリの回動を抑制することになる。こうして、巻き上げ紐の昇降速度 が抑制される。

【００１１】 本考案では、自動停止機構と速度調節機構とが自動巻上げ器内部に収納されて いるが、調節や交換を容易にするために、これらの機構を巻上げ器の外部に取り 付けてもよい。

【００１２】 自動巻上げ器内に収納される巻上げ紐は、吊り下げられるポスター類の大きさ や重量にもよるが、少なくともこの吊り下げられたポスター類が垂下されている 間によじれを生じないだけの幅を有することが好ましく、たとえば１０センチ以 上の吊り下げベルトとすれば、こうした巻上げ紐のよじれ、及びこのよじれから 生ずる不要の回転を回避することができる。

【００１３】 なお、自動巻上げ器内にリバーシブルモータを設け、巻き上げ紐の昇降を電気 的に行なうこともできる。また、このモータに加えて、電源部と受光部とを巻き 上げ器内部に設けるとともに、モータのオン・オフを制御する制御スイッチを備 えたリモートコントローラを別体に構成して、巻き上げ紐の昇降運動を遠隔操作 してもよい。

【００１４】

【実施例】

以下本考案に係るポスター類吊下げ装置の実施例を添付図面に基づいて説明す る。 図１は本考案に係るポスター類吊下げ装置１の平面図であって、この装置の自 動巻き上げ器２内に収納された円板４と複数のプーリ５、１０を含む回動部３お よび別体としてのプーリ７、自動停止機構９、速度調節機構８の配置を示してい る。

【００１５】 上記回動部３内のプーリ５には、別体に構成されたプーリ７に巻回されている 板ばね１１の一端の遊端が取りつけられており、回動部３の巻き上げの回転力は この板ばね１１の弾性によって確保されている。そして、ポスター類吊下げ用バ ー１４が、図２に示されるように、自動巻上げ器２の下面の収納部２７に収納さ れている時、この板ばね１１の弾性は最小となるように設定されている。

【００１６】 回動部３は、半周にわたって一定幅の切欠部４ａを有する円板４と、板ばね１ １が巻回されている第１のプーリ５と、さらに巻上げ紐１２が巻回されている第 ２のプーリ１０と、末端のギア６とが同軸上に組み合わされて固定されている。 上記円板４は、自動巻き上げ器２の内部壁面に取りつけられた既知の自動停止機 構９と連接して取り付けられている。第２のプーリ１０は、巻上げ紐１２を介し てポスター類吊下げ用バー１４を支承している。さらに回動部３の末端のギア６ は速度調節機構８側のギア１３と噛み合っている。

【００１７】 ポスター類吊下げ用バー２０にポスターを取り付ける場合、作業者が直接に、 または補助具等を用いて、自動巻き上げ器２の下面の収納部２７に収納されてい るポスター吊下げ用バー１４のフック２８を下方に引き下げると、この吊下げ用 バー１４の下降に従って、回動部３の第２のプーリ１０に巻回された巻き上げ紐 １２が引き出され、回動部３が回動して、円板４、第１のプーリ５、ギア６も同 方向へと一体に回動する。この時、前記別体のプーリ７から第１のプーリ５に張 り渡されている板ばね１１は、この回動によって、第１のプーリ５側に巻回され 、ばねのひずみエネルギーが増大してゆく。

【００１８】 巻き上げ紐１２の引き下げが停止すると、円板４の回動も同様に停止し、自動 停止機構９はこの停止位置で円板４の反転回動を抑止するように働くので、再度 巻上げ紐１２を下方に引き下げて円板４を回動させない限り、この停止位置から 巻上げ紐１２が上方へ巻き戻ることはない。

【００１９】 つぎに、上記停止の状態から、再度巻上げ紐１２を少しばかり引き下げると、 前記自動停止機構９の抑止が解除された状態になるので、回動部３は、第１のプ ーリ５に生じた板ばね１１のひずみエネルギーの発散によって、巻上げ方向、す なわち別体のプーリ７の方向に回動する。したがって、第２のプーリ１０も同方 向に回動して、巻き上げ紐１２を巻き上げ、第２のプーリ１０に巻込むことにな る。

【００２０】 この時、上記回動部３のギア６の回動は、ギア１３を介して速度調節機構８に 伝達され、ゴム摩擦板（図示せず）の回転時の変形によるブレーキ作用が、速度 調節機構８のギア１３を介して、回動部３のギア６に抑止力として反作用し、急 激な巻上げ紐１２の上昇を抑止している。

【００２１】 この巻上げ紐１２の巻上げとともに、この巻上げ紐１２の下端に取り付けられ たポスター類吊下げ用バー１４も上昇して、自動巻上げ器２の下面の収納部２７ に達すると、自動停止機構９が作動して、回動部３の回動を抑止するので、第２ のプーリ１０の回動も停止する。そして、速度調節機構８も、回動部３のギア６ の回動が停止すると同時に、作動を停止することになる。

【００２２】 以上のようなポスター類吊り下げ用バー１４の昇降運動は、巻上げ紐１２のよ じれやよじれによる回転が生じやすいので、この紐を、たとえば１０センチ前後 の吊下げベルト２１にすれば、これらよじれや不要な回転を回避できる。図３で は、自動巻上げ器２内に、この吊下げベルト２２を巻回したプーリ２１を取り付 けている。この吊り下げベルト２２の昇降は、前記の方法で行ってもよいが、図 ３のように、モータ２０の制御スイッチ２６を備えたリモートコントローラ２５ を別体に構成するとともに、自動巻上げ器２内に、このリモートコントローラ２ ５からのオン・オフ信号および上昇、下降信号を受光する受光部２４と、この受 光部２４からの信号によって電力を供給する電源部２３と、この電源部２３から 供給された電力で作動する正・逆両回転可能なリバーシブル・モータ２０とを組 み込んだポスター類吊下げ装置１Ａを構成すれば、吊下げ装置から離れた位置で も、吊下げ用バー１４の昇降及び位置調節を行なうことができる。

【００２３】 なお、本実施例ではポスター類吊下げ装置を直方体形状としているが、上述し た構成を備えたものであれば、設置場所や吊り下げるポスター類の大きさを考慮 して、適宜形状を選択することができる。

【００２４】

【考案の効果】

本考案は以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を 有する。 自動巻上げ器に速度調節機構を設けて、回動部のプーリの回動を制御すること ができるので、ポスター類吊下げ用バーの昇降速度の急激な変化を抑止できるか ら、巻上げ紐の巻き上げを行なってポスター類吊下げ用バーを自動巻上げ器に収 納する場合でも、吊下げ用バーが自動巻上げ器下面の収納部に衝突することがな いため、長期間使用しても巻上げ紐の切断や巻上げ器自体を破棄損することがな い。そして、自動停止機構と組み合わせて用いることによって、回動部のポスタ ー類吊下げ用バーの停止位置調節および昇降運動をより確実に行なうことができ 、ポスター吊下げ作業の迅速化が可能となる。

【００２５】 また、巻上げ紐を幅広の吊下げベルトとすることによって、巻上げ紐のよじれ や、このよじれから生ずるポスター類吊下げ用バーの不要な回転がなくなるので 、吊り下げられたポスター類を常に所定方向に掲示することができるともに、ポ スター類吊下げ用バーの昇降に際しても安定した吊下げが可能となり、吊下げ用 バーを巻上げ器下面の所定位置に確実に収納できる。

【００２６】 さらに、自動巻上げ器とは別体に制御スッチイを備えたリモートコントローラ を備えることによって、ポスター類の吊り下げ用バーの昇降作業が、装置本体か ら離れた場所で遠隔操作できるので、とりわけ混雑した展示場または売場内での 作業効率がよい上に、補助台や補助具等の転倒等による事故の危険性も回避でき て安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るポスター類吊下げ装置の実施例を
示す平面図である。

【図２】巻上げ器内部における速度調節機構と回動部と
の関連を示す本考案に係るポスター類吊り下げ装置の一
部を省略した正面図である。

【図３】ポスター類吊下げ装置の別の実施例の一部を省
略して示す正面図である。

【符号の説明】

１・・・ポスター類吊下げ装置 ２・・・自動巻上げ器 ３・・・回動部 ８・・・速度調節機構 ９・・・自動停止機構 １２・・巻上げ紐 １４・・ポスター類吊下げ用バー ２０・・モータ ２２・・吊下げベルト ２５・・リモートコントローラ ２６・・制御スイッチ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】停止機構（９）を有する自動巻上げ器
   （２）と、この自動巻上げ器（２）の巻上げ紐（１２）
   に吊り下げられたポスター吊下げ用バー（１４）とを備
   えた、天井に取り付けられるポスター類吊下げ装置
   （１）において、自動巻上げ器（２）に速度調節機構
   （８）を設けたことを特徴とするポスター類吊下げ装
   置。
2. 【請求項２】自動巻上げ器（２）の巻上げ紐（１２）が
   幅広の吊下げベルト（２２）である請求項１のポスター
   類吊下げ装置。
3. 【請求項３】巻上げ紐（１２）の昇降を行なうモータ
   （２０）が自動巻上げ器（２）に設けられ、このモータ
   （２０）を駆動する制御スイッチ（２６）がリモートコ
   ントローラ（２５）に備えられた請求項１または２のポ
   スター類吊下げ装置。