JP3037163U

JP3037163U - 蘭用の磁器鉢などの植物栽培用鉢

Info

Publication number: JP3037163U
Application number: JP1996010803U
Authority: JP
Inventors: 惠蘭林
Original assignee: 惠蘭林
Priority date: 1995-10-25
Filing date: 1996-10-24
Publication date: 1997-05-06
Anticipated expiration: 2002-10-24

Abstract

(57)【要約】【課題】蘭鉢が有する美感を生かし、蘭の根に適切か
つ効果的に空気を供給することを目的とする。【解決手段】本体の底部に開口部を有する蘭用の磁器
鉢において、本体の内側面に、本体の底部のボトムから
本体の上端部までつながる空気供給部を本体と一体化す
るように形成して、本体の底部から流入した空気が本体
の内側面部を通って蘭鉢内部へ拡散するようになし、蘭
の根に効果的に空気を供給することによって蘭の発育成
長を促進し、空気供給部が外部に露出しないので蘭鉢が
有する美感を充分に生かすことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は観賞用の蘭を育てる磁器鉢その他の植物栽培用鉢に関し、より詳しくは空気供給部を一体的に構成した蘭用の磁器鉢などの植物栽培用鉢に関する。

【０００２】

【従来の技術】

通常、蘭は室内で観賞用として育てられるので、蘭の本来の姿に似合った磁器鉢に植栽している。

【０００３】このような磁器鉢は独特な美感を有し、非常に廣く愛用されているが、一般の上藥をかけない土鉢と異なり、空気の流れが遮断されるので、別途の空気供給手段を設けないと、蘭の根が深く伸びず、腐りやすい。

【０００４】このような理由から、通常、蘭鉢の側面に空気孔を穿設した磁器鉢を用いて空気を鉢の内部へ流入させることにより、根の腐敗を防いでいる。しかし、このような空気孔は外部に露出し、磁器がもつ独特な趣を害する要因となり、水蘚などが生じて外観を害する問題点がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このような問題点を解決するために、大韓民國實用公開第９１−５７５０号に開示された植木鉢は、磁器鉢とその内部において磁器鉢と結合した土鉢から構成されている。また、大韓民國實用公告第９３−１６０２号に示すように、外鉢と内鉢とからなり２つの鉢の間に空気が通るようにした二重鉢が公知である。しかし、これらの鉢は、外鉢と内鉢との二重に構成することによって、蘭の植栽と管理が煩雑となり、外鉢の形状や大きさが内鉢の形状や厚さにより制約されて、重くまた不体裁な形状を有し、室内観賞用の蘭鉢としては不都合である一方、大韓民國實用公開第９４−２１５７１号のものは、空気供給手段として、蘭鉢と一体に形成した棒状の中空体が蘭鉢の内部の底面の中央部から突出し、この中空体に多數の通孔が形成されている。このような構造の蘭鉢は、空気供給装置が蘭鉢の中央に位置しているので、蘭を植栽するときに、蘭根の自然な状態を維持することが難しく、蘭根に傷をつける可能性が多い。また、蘭根に空気が過剰に供給されやすく、蘭根に外気温度が直接影響を及ぼすことによって、凍死するおそれがあり、また、蘭根が中空体の周りにおいてのみ成長し、中空体に絡まることにより移植や分離が難しい問題点があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の目的は、鉢の外部へ空気孔が露出しない磁器鉢を提供し、これにより、従来の磁器鉢において空気孔が露出することにより美感が低下する問題点を解決し、同時に、空気を効率よくかつ適切に供給する手段を提供することにより、蘭の根の発育生長が早く、蘭の根が蘭鉢の全体にわたって均等に分布拡散されて、栄養を充分に攝取することができるようにする処にある。また、この考案の他の目的は、同様の技術思想を適用した蘭用の磁器鉢以外の植物栽培用鉢を提供する処にある。

【０００７】請求項１の蘭用の磁器鉢は、本体の底部に開口部を有する蘭用の磁器鉢において、本体の内側面に、本体の底部のボトムから本体の上端部までつながる空気供給部を本体と一体化するように形成して、本体の底部から流入した空気が本体の内側面部を通って蘭鉢内部へ拡散されるように構成したものである。

【０００８】請求項２の蘭用の磁器鉢は、前記空気供給部は、底部に形成された貫通孔とつながり本体の内側面に接してこれと一体化した構造の中空柱状体として本体の内側面に分散形成され、中空柱状体の各々には内部通路と連通した複數の通孔を設けて、底部のボトムの貫通孔から流入した空気が通路および通孔を通って拡散、循環できるように構成したものである。

【０００９】請求項３の蘭用の磁器鉢は、前記空気供給部は本体の内側において本体と同形の内面体をさらに備えて構成され、前記内面体はその上部において本体と結合して一体化し結合部以下では本体との間に空気流通路が形成されるようにスペースを置いて配され、前記内面体の壁体には多數の通孔を形成し、底部及び開口部は内面体の底部に設けられたものである。

【００１０】請求項４に記載の植物栽培用鉢は、本体内面において下部から上部にかけて延びる空気供給通路を有し、この空気供給通路はその下端が外気と通じており、その途中において鉢内部と通じる通孔を有し、本体の底部側から流入した空気が鉢内部へ供給されるようになしたものである。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、添附図面に基づいて本考案の構成と効果とを詳細に説明する。

【００１２】図１は本考案の部分切開の斜視図であり、図２は本考案の断面図である。本考案は、本体１の底部２に開口部３を有する蘭用の磁器鉢である。本体１の内側面には、本体の底部のボトムから本体の上端部までつながる空気供給部４が本体と一体化して形成されている。これにより、本体１の底部から流入した空気が本体の内側面部を通って蘭鉢内部へ拡散するようにしたものである。

【００１３】開口部３は、鉢内の土が流出しないように、くつ石１１により塞がれている。この状態で鉢の内部の水分が排出され、底部のボトムから円滑に空気が流入する。これは、一般的な蘭鉢用の底部の構造と同じである。

【００１４】空気供給部４は本体の内側面に沿って空気が拡散、循環するようにしたものである。これにより、蘭鉢内部への空気の流れが円滑になり、蘭の根が鉢の内部全体に均等に伸びて、錯根と発育成長を促進する効果を発揮する。また、空気孔が蘭鉢の外周面に露出しないので、外観が美しい状態で蘭を育てることができ、磁器鉢がもつ高尚な美感を生かすことができる。

【００１５】空気供給部４は図３，４に示すように、本体と一体の中空柱状体６から構成することができる。また、図５に示すように、本体の内側に本体と同形の内面体１０をさらに備えて構成してもよい。

【００１６】中空柱状体６は底部に形成された貫通孔５とつながっている。この中空柱状体６は本体の内側面に接して一体化した円形体である。中空柱状体は、１つが本体の内側面に形成されているか、あるいは２つ以上が本体の内側面に分散形成されている。各中空柱状体６には、内部の通路７と連通した複數の通孔８が設けられており、底部のボトムの貫通孔から流入した空気が通路７および通孔８を通って拡散、循環するようになっている。

【００１７】また、前記の内面体１０は、その上部において本体と結合して一体化し、結合部以下では本体との間に空気流通路７´が形成されるようにスペースを置いて配されている。そして、前記内面体の壁体には多數の通孔８´が形成されており、底部２と開口部３とが内面体の底部に設けられている。

【００１８】このような構成の空気供給部４は、内面体の外周部において空気膜が形成され、この空気膜は内面体を取囲んでいる本体により保護されているものであり、これにより、空気の循環を円滑にし、また、内面体と本体とが一体化した構造であるので、二重の蘭鉢に比べて蘭鉢の取扱いが容易である。

【００１９】以上の実施例は蘭用の磁器鉢に関するものであるが、同様の技術思想をその他の植木鉢に適用したものもこの考案の範囲に属する。

【００２０】

【考案の効果】

以上のような蘭用の磁器鉢は、その断面形状に関係なく、磁器がもつ独特な美感を生かすことができ、底部のボトムから流入した空気が本体の内側面を通って拡散、循環することにより、蘭の根が鉢の内部全体に行き渡って拡散され、充分な栄養攝取により発育生長に優れ、鉢替え時に錯根が早いなどの効果を奏する。また、以上の基本的な考え方を植物栽培用鉢の全般に適用することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一部切開斜視図。

【図２】本考案の側断面図。

【図３】図２のＡ−Ａ線の断面図であり、空気供給部を
両側に対称に配した場合の図である。

【図４】空気供給部を３角対称点に形成した場合の図３
と同様の図。

【図５】内側面のわく全面にかけて空気供給部を形成し
た場合の図３と同様の図。

【符号の説明】

１本体２底部３開口部４空気供給部５貫通孔６中空柱状体７通路８，８´ 通孔１０内面体

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】本体の底部に開口部を有する蘭用の磁器
鉢において、本体の内側面に、本体の底部のボトムから
本体の上端部までつながる空気供給部を本体と一体化す
るように形成して、本体の底部から流入した空気が本体
の内側面部を通って蘭鉢内部へ拡散されるように構成し
たことを特徴とする蘭用の磁器鉢。
【請求項２】前記空気供給部は、底部に形成された貫
通孔とつながり本体の内側面に接してこれと一体化した
構造の中空柱状体として本体の内側面に分散形成され、
中空柱状体の各々には内部通路と連通した複數の通孔を
設けて、底部のボトムの貫通孔から流入した空気が通路
および通孔を通って拡散、循環できるように構成したこ
とを特徴とする請求項１に記載の蘭用の磁器鉢。
【請求項３】前記空気供給部は本体の内側において本
体と同形の内面体をさらに備えて構成され、前記内面体
はその上部において本体と結合して一体化し結合部以下
では本体との間に空気流通路が形成されるようにスペー
スを置いて配され、前記内面体の壁体には多數の通孔を
形成し、底部及び開口部は内面体の底部に設けられるこ
とを特徴とする請求項１記載の蘭用の磁器鉢。
【請求項４】本体内面において下部から上部にかけて
延びる空気供給通路を有し、この空気供給通路はその下
端が外気と通じており、その途中において鉢内部と通じ
る通孔を有し、本体の底部側から流入した空気が鉢内部
へ供給されるようになした植物栽培用鉢。