JP3036684B2 - 4方バタフライ弁 - Google Patents

4方バタフライ弁

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JP3036684B2
JP3036684B2 JP8237065A JP23706596A JP3036684B2 JP 3036684 B2 JP3036684 B2 JP 3036684B2 JP 8237065 A JP8237065 A JP 8237065A JP 23706596 A JP23706596 A JP 23706596A JP 3036684 B2 JP3036684 B2 JP 3036684B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、地震等の発生時に
生活水等を確保する緊急用貯水設備に主として設けられ
る4方バタフライ弁に関する。 【0002】 【従来の技術】地震等の発生時に、管路破壊に伴う水の
流失を防止し、地域住民の生活水や消火用水等を確保す
る目的から、道路や校庭、あるいは公園の地下等に貯水
タンクを設け、該貯水タンクの入口と出口に接続された
2本の配水管を水道の本管に接続することにより貯水タ
ンクを水道管路の一部に構成して滞留に起因する水の腐
敗を防止するとともに、緊急時においては、貯水タンク
と本管の連絡を断って貯水タンク内に水を残留させる緊
急用貯水設備が提案されている。 【0003】上記従来の緊急用貯水設備は、第6図に示
すように、本管1から分岐された配水管2,3を貯水タ
ンク4の入口4aと出口4bに接続し、上記配水管2,
3の間の本管1に緊急開放弁5を、また配水管2,3に
緊急遮断弁6,7をそれぞれ設け、平常時は緊急開放弁
5を閉じるとともに、緊急遮断弁6,7を開けて水を貯
水タンク4を通して下流に流し、また地震発生時には、
緊急遮断弁6,7を閉じて貯水タンク4内に水を確保す
るとともに、緊急開放弁5を開けて下流への水の供給を
継続して火災発生等に備えることができるようにされて
いる(実開昭58ー143387号公報)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記緊急開
放弁5における水の流れ方向の流路の形状は、流路断面
が激しく変化しているために、常時、流入している水に
対する抵抗が大きく、その結果、常に振動が発生しやす
く、永年の使用中には、故障が発生しやすくなるという
問題がある。 【0005】本発明は、流路抵抗を可及的に少なくし
て、永年の使用中でも故障を少なくすることができる
方バタフライ弁を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、弁箱体の一側に、第1流入路10Aお
よび第1流出路10Bを設けるとともに、弁箱体10の
他側に、第2流入路10Cおよび第2流出路10Dを設
け、第1流入路10Aおよび第1流出路10Bと、第2
流入路10Cおよび第2流出路10Dとの間に、回動可
能に弁体17を設け、第1流入路10Aおよび第1流出
10Bを、第1弁座13の一側によって仕切るととも
に、第2流入路10Cおよび第2流出路10Dを、第1
弁座13の他側によって仕切り、弁箱体10の内周に、
第1弁座13と直交する円形の第2弁座14を設け、弁
体17を第1弁座13に着座させて開状態にして第1
入路10Aから第2流出路10Dと第2流入路10Cか
ら第1流出路10Bとに流体を流し、弁体17を第2弁
座14に着座させて閉状態にして第1流入路10Aと第
流出路10Dとの間を遮断しかつ第2流入路10Cと
第1流出路10Bとの間を遮断して第1流入路10Aか
ら第1流出路10Bへと流体を流すようにした4方バタ
フライ弁において、第1流入路10Aおよび第2流出路
10Dと、第2流入路10Cおよび第1流出路10Bと
は、前記弁体17の回動範囲でかつ開位置の弁体17に
直交する面で、流路断面形状と断面積が実質的に同一で
かつ一様に連続することを特徴とする。 【0007】 【作用】弁体が第1弁座に当接した平常時の状態では、
弁体が開状態となっているので、上流側を通って送られ
てきた水は、第1流入路から第2流出路に流れて貯水タ
ンクに入り、また貯水タンクの水は、第2流入路と第1
流出路を通って下流側に流れる。 【0008】地震等の異常事態が発生して異常検知手段
が異常を検知すると、自動閉鎖装置が作動して弁軸を動
かし、弁体を第2弁座に当接させる。この状態では、弁
体が閉状態となっているので、それまで連絡されていた
第1流入路と第2流出路、及び第2流入路と第1流出路
がそれぞれ遮断されるとともに、それまで遮断されてい
た第1流入路と第1流出路、及び第2流入路と第2流出
がそれぞれ連絡されるようになる。 【0009】その結果、上流側から弁箱体の第1流入路
に入った水は、弁箱体内でバイパスし、第1流出路を通
って下流側の本管に流れるとともに、貯水タンクの水
は、弁体による第2弁座の閉塞によって外部に流出する
ことなく、そのまま貯水タンク内に残されることにな
る。 【0010】 【発明の実施の形態】第1図ないし第3図は本発明の一
実施の形態を示すものであり、符号10は弁箱(弁箱
体)である。この弁箱10は、接続フランジ11a,1
1bを有する管胴11と、接続フランジ12a,12b
を有する管胴12とを、それらの接続フランジ11a,
12aをボルト(図示せず)により相互に接続して一体
に結合して成り、その一側(第1図において左側)に第
流入路10Aと第1流出路10Bが並設され、また他
側に第2流入路10Cと第2流出路10Dが並設されて
いる。第1流入路10Aと第2流出路10Dは互いに直
線状に配設され、また第1流出路10Bと第2流入路
0Cは互いに直線状に、かつ上記第1流入路10A及び
第2流出路10Dと相互にほぼ平行に配設されている。
前記第1流入路10A・第1流出路10B・第2流出路
10C・第2流入路10Dは、後述する第1弁座13に
よって仕切られている。 【0011】上記弁箱10の中央部分には、円形の2個
の第1弁座13・第2弁座14が直交状態で設けられて
おり、その第1弁座13と第2弁座14の交差部分に弁
軸15が枢支されているとともに、弁軸15には、円形
の弁体17が支持されている。 【0012】上記第1弁座13は、平常時に水が流れる
方向に平行な弁体17を着座させるとともに、開位置の
弁体17とほぼ同一面に設けられている。 【0013】上記第2弁座14は、異常検出時に第1
入路10Aと第1流出路10Bとを連通させて本管24
・25側と貯水タンク26側との水の流れを遮断するよ
うに、弁体17の開位置に直交して弁体17を閉位置に
着座させるようになっている。 【0014】前記第1流入路10A・第1流出路10B
・第2流出路10C・第2流入路10Dは、前記弁体1
7の回動範囲において、かつ開位置の弁体17に直交す
る面(第1図では上下方向)において、ほぼ同一の半円
形の流路断面形状が一様に連続しているとともに、第1
弁座13と開位置の弁体17と協同して、上流側の本管
24から貯水タンク26への水の流れと貯水タンク26
から下流側の本管25への水の流れとを2分するように
構成されている。なお、弁体17が凸レンズ形状である
ために、弁体17が開状態の場合には、弁体17の厚さ
の変化に応じて、流路断面形状と断面積がわずかに変化
するが、要は、流路を流れる水の抵抗が実質的に大きく
ならないような形状で連続していれば良い。 【0015】前記弁軸15は、管路の破壊検知器や地震
検知器等の異常検知手段を有する後述の自動閉鎖装置2
8(第4図、第5図)や周知の操作装置16によって回
動させられるものである。上記弁箱10と弁軸15及び
弁体17は、4方バタフライ弁を構成している。 【0016】4方バタフライ弁の上記弁箱10の一側の
第1流入路10Aと第1流出路10Bには、相互に一体
に並設された接続管18a,18bを介して配水管1
9,20が接続され、また他側の第2流入路10Cと第
流出路10Dには、上記同様に相互に一体に並設され
た接続管21a,21bを介して第2配水管22・第1
配水管23が接続されている。なお、第1図に示すよう
に、管胴11,12は、弁軸15を第1図で左に外れた
位置で流入路10Aと流出路10Bの中心線に直交して
分割され、また、接続管18aと第1流入路10Aと第
流出路10D及び接続管21bと、接続管18bと第
流出路10Bと第2流入路10C及び接続管21aと
は、弁軸15を直角に横切る第1図で水平な中央線に対
して対称とされている。 【0017】緊急用貯水設備は、上流側の本管24に配
水管19を、また下流側の本管25に配水管20をそれ
ぞれ接続し、また貯水タンク26の入口26aに第1配
水管23を、出口26bに第2配水管22をそれぞれ接
続して成る。 【0018】次に上記のように構成された本発明に係る
4方バタフライ弁の作用を説明する。第1図の2点鎖線
は、弁体17が第1の回動位置Xにあって弁座13に当
接した平常時の状態を示すもので、この状態では、上流
側の本管24を通って送られてきた水は、配水管19→
接続管18a→第1流入路10A→第2流出路10D→
接続管21b→第1配水管23の順に流れて貯水タンク
26に入り、また貯水タンク26から、第2配水管22
→接続管21a→第2流入路10C→第1流出路10B
→接続管18b→配水管20の順に流れ出て本管25を
通って下流に流れる。この際、弁体17は、弁座13を
閉じて第1流入路10Aから弁箱10内に入った水が第
流出路10Bから直ちに流出するのを防止し、水を貯
水タンク26内に確実に巡回させるため、滞留によって
水が腐敗することはない。 【0019】地震等の緊急異常事態が発生した場合は、
自動閉鎖装置28や操作装置16により弁軸15を動か
して弁体17を第1図の2点鎖線の状態から90度回動
させ、実線のように第2の回動位置Yに着けて弁座14
に当接させる。この状態では、それまで連絡されていた
第1流入路10Aと第2流出路10D、及び第2流入路
10Cと第1流出路10Bがそれぞれ遮断されるととも
に、それまで遮断されていた第1流入路10Aと第1
出路10B、及び第2流入路10Cと第2流出路10D
がそれぞれ連絡されるようになる。 【0020】その結果、上流側の本管24から配水管1
9と接続管18aを通って第1流入路10Aから弁箱1
0内に入った水は、弁箱10内でバイパスし、第1流出
10Bから接続管18bと配水管20を通って下流側
の本管25に流れるとともに、貯水タンク26の水は、
弁体17による弁座14の閉塞によって外部に流出する
ことなく、そのまま貯水タンク26内に残されることに
なる。 【0021】第4図と第5図は本発明の他の実施の形態
を示すものであり、第1流入路10Aと第1流出路10
B、及び第2流入路10Cと第2流出路10Dが上下に
配設された弁箱10内に、弁体17が水平に設けられた
弁軸15により垂直な面内で回動するように構成される
とともに、弁軸15に自動閉鎖装置28が連絡され、ま
たその自動閉鎖装置28に制動装置29が付設されてい
る。 【0022】上記自動閉鎖装置28は、緊急異常時に弁
軸15を自動的に回動させて弁体17を第1図において
X位置からY位置に回動させるためのものであり、弁軸
15に固着されたアーム30にウエイト31を取り付け
るとともに、アーム30にロック装置32を介して電磁
ソレノイド33を連設し、管路の破壊検知器や地震検知
器(いずれも図示せず)等の異常検知手段から検知信号
が電磁ソレノイド33に入ると、電磁ソレノイド33が
作動してロック装置32によるアーム30の係止が解除
され、ウエイト31によって弁軸15が回されて弁体1
7が第1図のX位置からY位置に回動するように構成さ
れている。 【0023】また、制動装置29は、自動閉鎖装置28
の閉鎖移動に制動を掛けて弁体17の回動速度を適度に
するもので、弁箱10に固着した取付け板39に枢軸3
4で取り付けられたシリンダ35のピストンロッド36
をアーム30に結合し、上記シリンダ35の上室と下室
とを、絞り弁37を備えたバイパス管38によって連絡
した構成とされている。 【0024】この例の緊急用貯水設備においては、弁体
17のX位置からY位置への回動が自動的になされると
ともに、垂直な面内で回動する以外、第1図のものと同
一である。なお、弁体17のY位置からX位置への回動
は操作装置16によって行う。 【0025】上記以外の実施の形態、あるいは他の技術
事項等について以下に列記する。 (1) 図のもののX位置とY位置の角度は90度とさ
れているが、これに限られるものではなく、他の角度で
もよい。 (2) 図の実施の形態のものは、X位置とY位置で弁
体17が弁座13,14に完全に当接して通路を密閉す
る構造となっているが、二つの位置X,Yで完全密閉す
る必要はなく、例えば、第1図の場合、X位置では多少
隙間が空いていてもよい(この状態も「当接」の意に含
める。)。 (3) 自動閉鎖装置28や制動装置29の構造や種類
は任意であり、図のものに限られるものではない。 (4) 保守点検をしやすくする等の目的で、本管2
4,25を直接接続し、その接続部分に通常の遮断弁を
設ける場合もある。 (5) 接続管18a,18b、21a,21bの接続
フランジを第2図と第4図に示すように一体に構成する
と、鋳造の場合湯が流れ易くなり製作が容易となり、強
度的にも強くなる。 (6) 接続管18a,18b、21a,21bは、第
4図のように上下に重なるように構成すると、配管に必
要な面積が狭くなるとともに、保守、管理上有利であ
る。 【0026】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の4方バタ
フライ弁は、平常時においては、第1弁座と開位置の弁
体とがほぼ同一面に設けられるともに、各流入路と各流
出路の流路断面形状と断面積が実質的に同一なので、流
体が流れる際の抵抗が少なく、その結果、振動が減少
し、故障の原因を可及的に減少させて、動作の確実性を
高めることができる。 【0027】さらには、実質的に同一の断面形状が屈曲
することなく一様に連続するように形成されているの
で、流体が流れる際の抵抗を、なおいっそう少なくする
ことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は、緊急用貯水設備に使用される4方バ
タフライ弁の一実施の形態を示す断面図である。 【図2】 図2は同じく、その正面である。 【図3】 図3は、緊急用貯水設備を示す平面略図であ
る。 【図4】 図4は、一部を破断して示した他の4方バタ
フライ弁の正面図である。 【図5】 図5は、自動閉鎖装置の側面図である。 【図6】 図6は、従来の緊急用貯水設備を示す平面略
図である。 【符号の説明】 10 弁箱(弁箱体) 10A 第1流入路 10B 第1流出路 10C 第2流入路 10D 第2流出路 13 第1弁座 14 第2弁座 17 弁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−133633(JP,A) 実開 昭50−105630(JP,U) 実開 昭56−113270(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 11/052 E03B 11/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.弁箱体の一側に、第1流入路10Aおよび第1流出
    10Bを設けるとともに、弁箱体10の他側に、第2
    流入路10Cおよび第2流出路10Dを設け、第1流入
    10Aおよび第1流出路10Bと、第2流入路10C
    および第2流出路10Dとの間に、回動可能に弁体17
    を設け、第1流入路10Aおよび第1流出路10Bを、
    第1弁座13の一側によって仕切るとともに、第2流入
    10Cおよび第2流出路10Dを、第1弁座13の他
    側によって仕切り、弁箱体10の内周に、第1弁座13
    と直交する円形の第2弁座14を設け、弁体17を第1
    弁座13に着座させて開状態にして第1流入路10Aか
    ら第2流出路10Dと第2流入路10Cから第1流出路
    10Bとに流体を流し、弁体17を第2弁座14に着座
    させて閉状態にして第1流入路10Aと第2流出路10
    Dとの間を遮断しかつ第2流入路10Cと第1流出路
    0Bとの間を遮断して第1流入路10Aから第1流出路
    10Bへと流体を流すようにした4方バタフライ弁にお
    いて、 第1流入路10Aおよび第2流出路10Dと、第2流入
    10Cおよび第1流出路10Bとは、前記弁体17の
    回動範囲でかつ開位置の弁体17に直交する面で、流路
    断面形状と断面積が実質的に同一でかつ一様に連続する
    ことを特徴とする4方バタフライ弁。 2.第1流入路10Aおよび第2流出路10Dと、第2
    流入路10Cおよび第1流出路10Bとは、平行にかつ
    直線状に配設されていることを特徴とする請求項1に記
    載の4方バタフライ弁。 3.前記第1弁座13は、弁体17の開位置において
    体の流れる方向に弁箱体10を仕切って2分する仕切部
    材であることを特徴とする請求項2に記載の4方バタフ
    ライ弁。
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