JP3036461U - 連結要素 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 一定の、例えば略Ｘ形又はＨ形の横断面と対をなして協
働する弾性脚部（２、３；４、５）とを有するレール断
面の形態をなした、例えば木製の、溝付き構造部材
（１）を連結するための連結要素（Ｖ）であって、力の
作用によって前記脚部を互いの方へ曲げることができ、
取付け状態において、脚部（２、３；４、５）が、付勢
力を受けて溝（Ｎ）の側壁（Ｆ）に対をなして当接す
る、連結要素が開示されている。

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、好ましくは木または同様な機械的性質を有する材料を連結するため の連結要素に関する。連結すべき構造部材は、互いに、取り外し可能に或いは取 り外し不能に連結される。

家具の製造分野における連結要素は、従来技術によって十分に知られている。

したがって、たとえば、連結すべき部材に、連結要素として合わせピンが挿入さ れる小穴が形成される。取り外し不能な連結では、さらに接着が行われる。ま
た、 あり継ぎ形の溝が形成された構造部材およびこれに合致する挿入部分を互いに連 結する連結が知られている。

従来技術のこれらの及び同様な機能を果たす連結要素は、多くの欠点を有して いる。取り外し可能な連結では、数回の取り外しと再連結を行った後は、嵌め合 い精度の悪化を予想しなければならず、引っ張り力（すなわち、連結を外すのに 必要な力）も減少する。取り外し不能な連結では、接着剤が硬化するまで、部材 を機械的な外圧の下で維持しなければならない。この圧力は一般に、クランプ装 置によって生成される。これらのクランプ装置（たとえば、ねじクランプ）は、 取扱いが複雑であり、大量製造ラインには十分に適合しない。

かくして、本考案の目的は、取り外し可能な連結と取り外し不能な連結の両方 に使用することができ、取り外し可能な連結では、嵌め合い精度又は引っ張り力 を実質的に減少させることなしに頻繁な取り外しを保証し、取り外し不能な連結 では、外部クランプ手段を使用することなしに利用できる連結要素を提供するこ とである。

本考案の目的は、請求の範囲第１項の特徴によって達成される。

連結要素は、好ましくはアンダーカット溝に押し込まれ或いは側方に挿入され る。好ましくは、溝の上縁部に、面取り部が設けられる。かくして、連結要素
は、 その弾性のため溝に確実にスナップ嵌めされる。連結要素は、係止後に連結要素 が元の形状を取ることがないように、溝に対して寸法決めされており、かくし
て、 持続する機械的弾性のため、押込式の係止に加えて、連結要素と連結すべき部材 との間に非押込式の係止も形成される。２つの部材を相互連結しようとする場合 には、溝は、連結要素の弾性により連結すべき部材が互いに引っ張られるよう
に、 連結要素の寸法と形状に対して寸法決めされている。

取り外し可能な連結が提供される場合には、連結要素の弾性は、溝の製造公差 ならびに頻繁な連結の取り外しと再連結の際に形成される溝の拡張の両方に対処 する。

取り外し不能な連結では、連結すべき表面に更に、接着剤が提供される。連結 要素の弾性のため、連結すべき表面は、外部のクランプ装置を使用することなし に、互いに押しつけられる。

本考案に関する有利な別の展開が、請求の範囲のうち従属項の要旨となってい る。かくして、あご部として作用する縁部と摺動又は案内側面とを各々有する矢 じり形端部を弾性脚部が備えている、特別に設計された押出品を使用してもよ
い。

さらに、脚部の弾性性状を増大させるため、継手のように作用する凹部を設け てもよい。連結要素の溝への位置決め精度の改良は、好ましくは溝の面取り部に 当接する調整用受台によって達成される。引っ張り力を増加させるため、連結要 素の弾性脚部の間に、ブロック手段を更に導入してもよい。このブロック手段
は、 隙間の形状に適合する断片材料で形成してもよく、発砲材料又は弾性押縁で形成 してもよい。連結要素に固定要素を設けてもよい。これらの固定要素は、接着
板、 ねじ止め板、ねじ付きピン、又はクギとして設計してもよい。２つのスロット溝 によって連結を形成してもよい。押出品として設計された大きな寸法の連結要素 では、使用する材料を減らすため、連結要素の横断面に凹部を設けてもよい。

次に、図面を参照して、好ましい典型的な実施例によって本考案を説明する
が、 この実施例は、限定的なものではない。

第１図は、溝に挿入された、ばね鋼製の連結要素を示した図である。第２図
は、 押出品で形成された連結要素を示した図である。第３図は、押出品で形成された 連結要素の作動を示した図である。第４図は、第２図および第３図に対応した連 結要素ならびに面取り部を備えたあり継ぎ溝を示した図である。第５図は、ブロ ック要素と共に適所にある連結要素を示した図である。第６図は、調整用受台を 有する連結要素を示した図である。第７図は、固定板を有する連結要素を示した 図である。第８図は、２つのスロット溝を有する連結部材の連結を示した図であ る。第９図は、使用材料を減らすため、凹部が設けられた連結要素を示した図で ある。

第１図は、あり継ぎ形の溝Ｎが設けられた木の構造部材１を示しており、溝Ｎ の側面Ｆの開口側には、面取り部８が設けられている。溝Ｎに挿入するため、２ つの部分Ｔ１、Ｔ２によって形成されている、ばね鋼製の連結要素Ｖが提供され ており、部分Ｔ１、Ｔ２は、ロール状に互いに溶接されＸ形要素を形成するよう に連結されており、溶接によって形成されたウェブＳに対向して２対の協働する 平行な脚部２と３及び４と５が形成されており、これらの脚部は、対をなしてＶ 形に発散しており、弾性圧縮によって関連した溝Ｎに各々挿入される。取付け状 態での最終位置において、脚部２と３及び４と５は、弾性付勢力によって溝Ｎの 側面Ｆに当接する。

１対の脚部、例えば脚部４と５を溝Ｎに押し込むとき、面取り部８は、脚部を 案内し溝Ｎへの押し込みを容易にする。これは、脚部２、３及び４、５の端部に 設けられた角度部分２１、３１及び４１、５１によっても助けられる。角度部分 ２１、３１及び４１、５１は又、溝Ｎの側面Ｆを、脚部２、３及び４、５の尖っ た端部によって傷付けないようにする。対向して溝Ｎに配置されている脚部２、 ３は、構造部材１と連結しようとする（第１図に示されていない）別の構造部材 の溝に挿入され、構造部材１は、弾性変形した脚部２、３と関連した溝の傾斜側 面との付勢力によって互いに緊密に引っ張られる。

このような連結部材Ｖは、面取り部８を備えた開口部分の側から（すなわち、 第１図においては上方から）構造部材の開口溝に押し込むのがよい。しかしなが ら、連結要素Ｖを溝Ｎの長さ方向において溝Ｎの前側から溝Ｎに挿入することも 可能であり、これは、構造部材が任意の形態に予め組み立てられ、溝の開口部分 の側に自由に接近できない場合に有用である。

第２図は、現時点において特に好ましい連結要素Ｖの異なる実施例を示してお り、第２図の実施例は、合成材料で形成された押出部分の一部であるという点に おいて第１図の実施例と相違している。

第２図の実施例では、対応する部分は、第１図の実施例と同じ参照符号によっ て示されている。第２図の実施例による押出品の場合には、２対の脚部２と３お よ及び４と５は、中央ウェブＳから両方向に延びているが、合成材料がばね鋼と 同じ強度を有していないので、より大きな壁厚が必要である。合成材料の弾性係 数は、鋼の弾性係数の少なくとも０．２倍である。ウェブＳとそれぞれの脚部は 一緒になって略Ｕ形の溝Ｋを形成し、脚部２と３または４と５は、溝Ｋが脚部の 端部に向かってＶ形に外方に広がるように角度αをなしている。脚部２、３、
４、 ５の自由端は、矢じり形の先端２２、３２、４２、５２を形成しており、これら の先端の横断面の厚さは、ウェブＳに近接した領域における脚部の横断面と比較 して、溝Ｋに向かう内方と外方の両方で変化しており、先端２２、３２、４２、 ５２の外側には、側面２４、３４、４４、５４を摺動しあるいは案内するあご部 ２３、３３、４３、５３が形成されている。ウェブＳの領域には、溝Ｋが脚部の 端部に向かって外方にＶ形に広がるように、凹部７が各々設けられている。ウェ ブＳの領域には、連結要素Ｖの両方の外側に、連結要素の長さ方向延長部にわた って、凹部７が各々設けられており、凹部７は、脚部を圧縮して溝に押し込むと きに弾性変形が可能となる程度まで、ウェブＳの遷移部のところで、隣接する脚 部２、３、４、５の横断面を減らしている。

第３図は、第２図の連結要素Ｖが２つの連結部材１、１を連結している状態を 示している。この連結部材Ｖの挿入は、第１図を参照して説明したのと同じ方法 で行われる。第３図に示されるように、連結要素Ｖの２対の脚部２と３及び４と ５は協働して２つの構造部材１、１を互いに連結している。

第４図は、対の脚部４、５を溝Ｎに押し込むとき、摺動する側面又は脚部４、 ５の表面４ａ、５ａが面取り部８に関連してどのような状態で弾性的に協働する のかを明瞭に示しており、溝Ｎの最狭箇所を通過すると、脚部は再び広がって溝 Ｎにスナップ嵌めされる。

第２図の連結要素Ｖの保持効果を増大させるため、第５図の溝Ｋに、脚部２、 ３又は４、５の圧縮を阻止して組立後に連結部材１、１が別々に引っ張られるの を阻止するブロック手段１２を充填してもよい。溝Ｋを完全に充填し所望の引張 抵抗を有するように選定された材料によって構成される材料部分が、ブロック手 段１２として適している。

ブロック手段１２は、前側の一方から連結要素Ｖの溝Ｋに挿入される押出品で もよい。さらに、連結要素Ｖの協働する脚部２と３又は４と５の間に、ブロック 手段１２として弾性押縁部分（図示せず）をクランプしてもよい。

第６図は、第２図の連結要素を変形した連結要素を示しており、ウェブＳの両 方の外側に、連結要素Ｖの取付け時に互いに対向して配置される構造部材１、１ の面取り部８に当接する楔形の調整用受台９が形成されている。

第７図には、上述の連結要素Ｖと比較して１対のみの脚部２、３を有する連結 要素Ｖが示されており、連結要素Ｖは、基本設計が第２図の押出品に対応してい る（即ち、ウェブＳと脚部２、３および脚部端部が対応して設計されている）合 成材料の押出品の一部である。この例では、ウェブＳに隣接して、連結要素Ｖと 一体に押し出され、それぞれの基部に固定するのに役立つ固定要素１０が設けら れている。

接着板又はねじ止め板として使用される、この板状の固定要素の代わりに、ウ ェブＳの脚部２、３に対向した側に、クギ又は木ねじのねじ部分の形態を有する 異なる設計の固定要素を設けてもよい。

第８図によれば、連結要素Ｖを収容するため、あり継ぎ形の溝Ｎの代わりに、 各脚部２、３、４、５に対して別々の傾斜スロット１４を設けた溝設計が示され ており、傾斜スロット１４間に形成される楔形のウェブ１３が、対をなして協働 する脚部２と３及び４と５の間に位置決めされ、脚部を楔のように別々に押して 脚部を傾斜スロット１４の各外側面に押付けている。

大きな寸法の連結要素Ｖが必要とされる場合には、第９図に示されるように、 脚部２、３、４、５の矢じり端部およびウェブＳに凹部またはキャビティ１１を 設けることによって、使用材料を減らすことができるが、キャビティ１１は、押 出工程の際に自動的に形成することができる。

連結要素Ｖの長さは、連結すべき構造部材１で決まるが、測定および切断が必 要な場合には、押出部分から逸脱して決定してもよい。しかしながら、市販の寸 法に合った均一長さ或いは多様な長さの連結要素Ｖを提供することも可能であ
る。

溝を前側で覆うため、連結要素Ｖの脚部２と３及び４と５の間で溝Ｋに挿入で きるようにブロック手段１２が構成されている、板状の被覆要素（図示せず）を 使用してもよく、板状の被覆要素は、この位置で溝Ｎの前側を確実に被覆する。

【図面の簡単な説明】

テキストで一行上の図面の簡単な説明と、この文章を削
除して下さい。

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【手続補正書】

【提出日】平成８年３月１５日

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (24)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一定の横断面と対をなして協働する少なく
   とも２つの弾性脚部（２、３；４、５）とを有するレー
   ル断面の形態をなした、例えば木製の、溝付き構造部材
   （１）を連結するための連結要素（Ｖ）であって、力の
   作用によって前記脚部を互いの方へ曲げることができ、
   取付け状態において、脚部（２、３；４、５）が、付勢
   力を受けて溝（Ｎ）の側壁（Ｆ）に対をなして当接す
   る、連結要素。
2. 【請求項２】対をなして協働し、実質的にＸ形に配列さ
   れた４つの弾性脚部（２、３；４、５）を備え、協働す
   る脚部（２、３；４、５）間の角度が等しい、請求の範
   囲第１項に記載の連結要素。
3. 【請求項３】対をなして協働する脚部（２、３；４、
   ５）間の角度（α）が、１０°〜６０度である、請求の
   範囲第２項に記載の連結要素。
4. 【請求項４】ばね鋼板で形成されている、請求の範囲第
   １項に記載の連結要素。
5. 【請求項５】対をなして協働する弾性脚部（２、３；
   ４、５）の端部（２１、３１、４１、５１）が、互いの
   方に向かって角度が付けられている、請求の範囲第４項
   に記載の連結要素。
6. 【請求項６】ばね鋼の弾性係数の少なくとも０．２倍の
   弾性係数を有する材料で形成され、押出品として設計さ
   れ、ウェブ（Ｓｂ）が対をなして協働する脚部（２、
   ３；４、５）を連結している、請求の範囲第１項に記載
   の連結要素。
7. 【請求項７】弾性脚部（２、３；４、５）が、あご部と
   して作用する縁部（２３、３３、４３、５３）および摺
   動又は案内側面（２４、３４、４４、５４）を各々有す
   る矢じり形端部（２２、３２、４２、５２）を備えてい
   る、請求の範囲第６項に記載の連結要素。
8. 【請求項８】継手のように作用し、弾性脚部の特定運動
   を助けるように且つ溝の縁部のところで突出する機械加
   工した出張りを収容することができるウェブ（Ｓ）又は
   ウェブ（Ｓ）の近傍の脚部（２、３、４、５）に設けら
   れた凹部（７）を有している、請求の範囲第６項又は第
   ７項に記載の連結要素。
9. 【請求項９】請求の範囲第７項に記載の連結要素（Ｖ）
   と構造部材との連結体であって、溝（Ｎ）が、連結要素
   （Ｖ）を溝（Ｎ）に挿入し易くするための面取り部
   （８）を有している、連結体。
10. 【請求項１０】面取り部（８）に当接し連結要素（Ｖ）
    が溝（Ｎ）に深く入り込むのを阻止する調整用受台
    （９）が、ウェブ（Ｓ）の近傍に配置されている、請求
    の範囲第９項に記載の連結体のための、請求の範囲第７
    項に記載の連結要素
11. 【請求項１１】一対の弾性脚部（２、３）を有する請求
    の範囲第１項に記載の連結要素であって、脚部を相互に
    連結するウェブ（Ｓ）が、連結要素（Ｖ）を下側で固定
    するための固定要素（１０）を備えている、連結要素。
12. 【請求項１２】固定要素（１０）が、ウェブ（Ｓ）の両
    側に延びた板として設計されている、請求の範囲第１１
    項に記載の連結要素。
13. 【請求項１３】固定要素（１０）が、クギとして設計さ
    れている、請求の範囲第１１項に記載の連結要素。
14. 【請求項１４】固定要素（１０）が、例えば木ねじのよ
    うなねじのねじ付き部分として設計されている、請求の
    範囲第１１項に記載の連結要素。
15. 【請求項１５】凹部（１１）が、材料の横断面、好まし
    くはウェブ（５）および脚部端部に設けられている、請
    求の範囲第６項又は第７項に記載の連結要素。
16. 【請求項１６】弾性脚部（２、３；４、５）間にブロッ
    ク手段（１２）が設けられている、請求の範囲第１項〜
    第１５項のいずれか１項に記載の連結要素。
17. 【請求項１７】ブロック手段（１２）が、断面形状が脚
    部（２、３；４、５）間の溝（Ｋ）の横断面形状に略相
    当するロッド部分である、請求の範囲第１６項に記載の
    連結要素。
18. 【請求項１８】ブロック手段（１２）が、脚部（２、
    ３；４、５）間の溝（Ｋ）に押し込むことができる押出
    品である、請求の範囲第１６項に記載の連結要素。
19. 【請求項１９】ブロック手段（１２）が、脚部（２、
    ３；４、５）間の溝（Ｋ）に押し込むことができる弾性
    押縁部分である、請求の範囲第１６項に記載の連結要
    素。
20. 【請求項２０】ブロック手段（１２）が、溝（Ｎ）の前
    側を覆うカバープレートと連結されている、請求の範囲
    第１６項に記載の連結要素。
21. 【請求項２１】請求の範囲第１項〜第２０項のいずれか
    １項に記載の連結要素（Ｖ）を有する連結体であって、
    連結すべき構造部材（１）の溝（Ｎ）が、あり継ぎ形に
    アンダーカットされている、連結体。
22. 【請求項２２】請求の範囲第２１項に記載の連結要素
    （Ｖ）を有する連結体であって、対をなす脚部（２、
    ３；４、５）間に押し込まれる楔形のウェブ（１３）
    が、構造部材（１）の関連した溝（Ｎ）の横断面に形成
    されている、連結体。
23. 【請求項２３】溝の側壁（Ｆ）が湾曲しており、対をな
    す関連した脚部（２、３；４、５）の外壁が、溝の側壁
    （Ｆ）の湾曲に適合している、請求の範囲第１項に記載
    の連結要素。
24. 【請求項２４】請求の範囲第１項〜第２３項のいずれか
    １項に記載の連結要素（Ｖ）と少なくと２つの構造部材
    （１）との連結体であって、構造部材（１）が、引っ張
    りを受けても、分離しないように互いに確実に保持され
    ている、連結体。