JP3036400U - 位置入力装置用パッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】マウス等の手持ち式位置入力装置を容易かつ高
精度に操作可能であるとともに、塵埃等による空滑りの
発生を可及的に阻止することを可能にし、かつ損耗が予
想される個所には予め図柄を積層し、パッドの局所的な
損耗からの保護を図る。 【解決手段】一面１２ａ側がテーブル等に載置される電
気絶縁部１２と、この電気絶縁部１２の他面１２ｂ側に
固着されてマウス２が直接載置される植毛部１４と、植
毛部１４に積層された図柄３０とを備え、前記電気絶縁
部１２と前記植毛部１４との間に芯材１６が介装され
る。マウス２は主として前記図柄３０上で操作される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、表示装置の表示画面上でカーソルを移動させるべく、例えば、マウ スを直接載置して移動させるための位置入力装置用パッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、表示装置の表示画面上でカーソルを移動させるために種々の位置入力 装置が使用されており、手持ち式位置入力装置として、例えば、マウスが広汎に 使用されている。

【０００３】 この場合、上記マウスを操作する際、通常、平板状のパッドが用いられており 、該マウスを構成するトラックボールがこのパッド上を転動することによって表 示画面上でカーソルを所望の方向に移動させるように構成されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、この種のパッドとしては、通常、ゴム製パッドが用いられており、 このゴム製パッドの上面にマウスを構成するトラックボールが圧接されるために 、ゴム製パッドの上面とトラックボールとの間に相当に大きな摩擦力が発生して しまい、マウスを所望の方向に円滑かつ容易に移動させることが困難なものとな る。しかも、パッドにトラックボールが圧接されることにより、ゴム製パッドの 上面が局所的に損耗し、且つ損耗屑が発生し易くなり、この損耗屑の除去作業が 頻繁に必要となるとともに、該損耗屑に起因するトラックボールの空滑り等によ り表示画面上でのカーソルの高精度な移動動作を得ることが困難となる問題が存 在していた。また、比較的硬質な合成樹脂系材料でパッドを形成した場合には、 パッド自体の損耗や塵埃等に起因するトラックボールの空滑りが発生し易く、操 作性が低下するという不具合もあった。

【０００５】 本出願人はこの種の問題を解決するべく、既に平成４年１２月４日付で特願平 ４−３３３３０２号（特開平６−１８０６２６号）で発明「位置入力装置用パッ ド」を提案している。

【０００６】 本考案は、前記発明「位置入力装置用パッド」に関連してなされたものであっ て、トラックボールの操作性に優れ、植毛部分の耐久性が向上し、特に、使用頻 度の高い部位の植毛部分を堅牢にし、楽しみながら手持ち式位置入力装置を利用 することができるパッドを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するために、本考案は、表示装置の表示画面上でカーソルを 移動させるべく手持ち式位置入力装置を載置移動させるための位置入力装置用パ ッドであって、 一面側がテーブル等に載置される電気絶縁部と、 前記電気絶縁部の他面側に固着されて前記手持ち式位置入力装置が直接載置さ れる植毛部と、 前記植毛部表面に形成された図柄等の印刷層と、 を備えることを特徴とする。

【０００８】 本考案に係る位置入力装置用パッドでは、絶縁部の一面側がテーブル等に載置 された状態で、この電気絶縁部の他面側に設けられている植毛部に手持ち式位置 入力装置、例えばマウスが直接載置される。そして、手持ち式位置入力装置が所 望の方向に移動されることにより、表示装置の表示画面上でカーソルが移動され る。その際、手持ち式位置入力装置がマウスであれば、このマウスを構成するト ラックボールが植毛部を構成する複数の繊維により接触保持されている。このた め、トラックボールと植毛部との間にはさほど大きな摩擦力が発生することがな く、しかも、該トラックボールと植毛部との間に塵埃等が介在することを阻止す ることができる。これによって、マウス等の手持ち式位置入力装置を円滑かつ容 易に移動させることが可能になるとともに、空滑りを有効に回避して高精度な位 置入力作業を遂行することができる。しかも、本考案では、トラックボールが頻 繁に転動する個所に印刷層を形成し、この部位の植毛部が局部的に損耗すること を回避し、かつ該印刷層を所望の図柄で構成している。従って、パッドを長期間 にわたって使用することができるため、図柄を使用者自らの好みによって選択す れば、位置入力装置を楽しみながら利用することが可能となる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案に係る位置入力装置用パッドについて好適な実施の形態を挙げ、添付の 図面を参照して以下に説明する。

【００１０】 図１および図２において、参照符号１０は、本実施の形態に係る位置入力装置 用パッドを示し、このパッド１０は、図示しない表示装置の表示画面上でカーソ ルを移動させるべく手持ち式位置入力装置であるマウス２を載置移動させる。こ のパッド１０は、一面１２ａ側がテーブル等に載置される電気絶縁部１２と、こ の電気絶縁部１２の他面１２ｂ側に固着されてマウス２が直接載置される植毛部 １４とを備え、前記電気絶縁部１２と前記植毛部１４との間に芯材１６が介装さ れている。

【００１１】 電気絶縁部１２は、天然ゴム、合成ゴムあるいは合成樹脂体からなる柔軟な板 体で形成されており、この電気絶縁部１２の他面１２ｂには芯材１６を介して植 毛部１４が固着保持される。この芯材１６は、電気絶縁部１２の他面１２ｂに溶 着されたホットメルト１８と、前記ホットメルト１８と共に植毛部１４を保持す る結合接着剤２０とを備えており、パッド１０全体に所望の硬さを付与すること ができる。このホットメルト１８は、粒状ポリエステルまたはナイロンからなり 、一方、結合接着剤２０は、水溶性アクリル樹脂系接着剤からなる。

【００１２】 植毛部１４は、複数のフロック繊維２２を備えており、このフロック繊維２２ は、ナイロン、レーヨン、ポリエステルまたは綿等の材質で構成されており、ほ ぼ０．６〜１．２ｍｍの長さを有している。該フロック繊維２２の形成方法につ いては、特開昭６４−６１２９９号公報に開示されている。

【００１３】 そこで、本考案では、前記フロック繊維２２の頂面に局所的に印刷層２４を形 成する。従って、好ましくは、該フロック繊維２２自体は明度の明るいもの、例 えば、白色若しくは薄灰色、薄緑色等に着色された繊維が選択されるとよい。印 刷層２４の形成については、先ず、所望の図柄３０をカラーコピー機によってコ ピーし、次いで、この図柄３０を転写フイルム２８に転写する。

【００１４】 図３は、この図柄３０と転写フイルム２８の縦断面図である。図３中、参照符 号２６は離型紙であり、この離型紙２６上に転写フイルム２８が配置されている 。そこで、予め選択された図柄３０をカラーコピーすると、逆の形の像が転写フ イルム２８に転写される。次に、この転写フイルム２８を前記フロック繊維２２ 上に載置して加温加圧する。所定時間経過後に該転写フイルム２８を剥離すれば 、図柄３０がフロック繊維２２の頂部に再度転写される。フロック繊維２２に対 する転写フイルム２８の図柄３０は、フロック繊維２２の全体にわたってもよい が、好ましくは、マウス２の最も頻繁に使用する可能性のある個所、例えば、平 面からみてパッド１０の中央部から右下隅角部にかけて配置すればよく、さらに 図柄３０自体も該パッド１０の使用者が自ら選択した好みのものをコピーすれば 良い。なお、図柄３０の厚さは、植毛部１４の可撓性の機能を損なわないように 、約１０〜３０μｍであることが好ましい。

【００１５】 次に、このように構成されるパッド１０の作用について説明する。

【００１６】 図２に示すように、マウス２が植毛部１４における図柄３０上に直接載置され 、矢印で示すように、この図柄３０上で所定の方向に移動されると、このマウス ２を構成するトラックボール３が該矢印方向に回転して図示しない表示装置の表 示画面上でカーソルが移動する。

【００１７】 本実施の形態では、トラックボール３が植毛部１４を構成するフロック繊維２ ２上に載置されるため、図２に示すように、このトラックボール３の下方に位置 する複数のフロック繊維２２は、撓んだ状態で該トラックボール３の外周面を点 接触により保持している。この場合、図柄３０は、フロック繊維２２の可撓力を 若干削減する。しかしながら、実際の使用には差し支えない。結局、トラックボ ール３は、マウス２の移動に伴って円滑かつ確実に回転することができる。すな わち、マウス２を容易かつ正確に所望の方向へと移動させることが可能となり、 特に、狭小な範囲でのカーソルの移動を効率的に遂行し得るという効果が得られ る。

【００１８】 さらに、フロック繊維２２を用いることにより、トラックボール３に塵埃等が 付着することがなく、その上、トラックボール３の移動に伴って摩耗屑等が発生 することもない。従って、前記トラックボール３の空滑りによるカーソルの移動 不良や該トラックボール３からの塵埃除去等による操作の中断を回避することが できる。これにより、マウス２を円滑かつ高精度に移動させることができるとと もに、作業の中断を可及的に回避して該マウス２の操作性を一挙に向上させるこ とが可能となる。

【００１９】 しかも、本考案によれば、フロック繊維２２上の特にマウスを使用する頻度の 高い個所に図柄３０を積層しているために、この部分の堅牢性が他の部位に比較 して増大するという効果が得られる。

【００２０】

【考案の効果】

本考案に係る位置入力装置用パッドによれば、以下の効果が得られる。

【００２１】 手持ち式位置入力装置が載置移動される部分に対応して植毛部が設けられるた め、この手持ち式位置入力装置との摩擦力を低減することができ、該手持ち式位 置入力装置を円滑に移動させることが可能になる。さらに、手持ち式位置入力装 置の移動に伴って損耗屑等が発生することがなく、また、塵埃等の付着も阻止で き、空滑りを確実に阻止してカーソルを所望の位置に高精度かつ容易に移動させ ることができる。しかもトラックボールを頻繁に使用する部位は、例えば、平面 において、パッドの中央部から右下隅角部にかけて積層された図柄で保護されて おり、従って、局所的にパッドが損耗することから回避できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るパッドの斜視説明図である。

【図２】前記パッドとマウスのトラックボールとの関係
を示す一部縦断面説明図である。

【図３】前記パッドに転写される図柄と転写フイルムの
一部縦断面説明図である。

【符号の説明】

２…マウス ３…トラック
ボール １０…パッド １２…電気絶
縁部 １４…植毛部 １６…芯材 １８…ホットメルト ２０…結合接
着剤 ２２…フロック繊維 ２６…離型紙 ３０…図柄

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表示装置の表示画面上でカーソルを移動さ
   せるべく手持ち式位置入力装置を載置移動させるための
   位置入力装置用パッドであって、 一面側がテーブル等に載置される電気絶縁部と、 前記電気絶縁部の他面側に固着されて前記手持ち式位置
   入力装置が直接載置される植毛部と、 前記植毛部表面に形成された図柄等の印刷層と、 を備えることを特徴とする位置入力装置用パッド。
2. 【請求項２】請求項１記載のパッドにおいて、前記印刷
   層は該植毛部を構成するフロック繊維の上端であって少
   なくとも平面からみて該パッドの中央部から右下隅角部
   に設けられていることを特徴とする位置入力装置用パッ
   ド。