JP3035884U - コンクリ−ト境界ブロック用目地板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は製造コストを低減すると共に天候に
余り左右されず且つ接着作業が省略できるコンクリ−ト
境界ブロック用目地板を提供することを目的とする。 【解決手段】 境界ブロックの端面と同一形状で且つ板
状の目地板本体１の両面全体に、粘着層２と剥離紙３を
設けるものと成す。この目地板本体１にはゴム板或いは
軟質合成樹脂板などの弾性材を用いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は道路工事又は土地境界に使用するコンクリ−ト境界ブロック用目地板 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、道路工事や土地境界の施工などの土木工事に於いて、コンクリ−ト境界 ブロックを使用する際には、境界ブロックを先に並べて置き、該境界ブロックの 間の気密性を保持させるために、セメントを細い左官コテでその間に押し込んで いた。しかしセメント作業は天候に左右され、工期が遅れたり、その作業に熟練 技能を必要とするため素人が容易に作業出来なかった。このため、本考案者が実 用新案登録第３００６８１５号「コンクリ−ト境界ブロック用目地板」や実用新 案登録第３０２２２３１号「目地板を有するコンクリ−ト境界ブロック」などを 提案したところである。これを使用して施工すれば、天候に余り左右されず、且 つ作業が簡単で誰にでもコンクリ−ト境界ブロックの施工が出来るようになった 。この目地板の構造は弾力性を有した材料で目地板本体が形成され、表面側には 接着用の溝穴を設け、上面には前記溝穴と連通する充填溝を設けたものである。 そして前記充填溝から接着剤を流し込むことにより、境界ブロック間が接着され て気密性を保持するものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、実用新案登録第３００６８１５号の目地板本体には充填穴や溝 穴があるため、必ず金型を製作してから、その金型で一枚一枚目地板本体を成型 しなければならず、コスト高になっていた。また目地板本体は予め並べられた境 界ブロックの間に挿入する際、目地板本体が境界ブロックの上部や横部から出て ずれたり、接着作業に熟練技術が必要であった。一方、実用新案登録第３０２２ ２３１号の目地板付き境界ブロックは、接着作業が必ず行われるので、接着汚れ が生じ易く、接着剤の充填に時間が多く掛ると共に接着剤が乾く迄の待ち時間が 必要であった。しかも、上記同様に目地板本体を製作するためには金型が必要で あり、その金型で一枚一枚目地板本体を成型しなければならないため、コスト高 になる等の問題点があった。

【０００４】 本考案は製造コストを低減すると共に天候に余り左右されず且つ接着作業が省 略できるコンクリ−ト境界ブロック用目地板を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記問題点を解決するために本考案は成されたものであり、つまり、境界ブロ ックの端面と同一形状で且つ板状の目地板本体の両面全体に、粘着層と剥離紙を 設けるものと成す。この目地板本体にはゴム板或いは軟質合成樹脂板などの弾性 材を用いる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

図１は本考案の実施形態を示す図であり、これに基づき説明する。（１）は境 界ブロック（４）の端面（41）と同一形状で且つ板状の目地板本体であり、この 材料としては、ゴム板或いは軟質合成樹脂板などの弾性材を用いる。また目地板 本体（１）の厚さとしては15mm前後のものを用いる。尚、前記ゴムの種類には天 然ゴムや合成ゴムを用いる。（２）は目地板本体（１）の両面全体に設けた粘着 層であり、その粘着材としてはブチルゴム系粘着材，アクリルゴム系粘着材など を用いる。（３）は粘着層（２）の表面に被着する剥離紙である。

【０００７】 次に本考案品を製作する場合について説明する。先ず所定厚さの弾性材である 板材を用意し、その片面全体に粘着材を塗布して粘着層（２）を形成させると共 に該粘着層（２）の表面に剥離紙（３）を被着する。次に前記板材を反転させて その表面全体に上記要領で粘着材を塗布して粘着層（２）を形成させると共に該 粘着層（２）の表面に剥離紙（３）を被着する。この結果、板材の両面には粘着 層（２）と剥離紙（３）が設けられるのである。これを用途に合わせた所定の大 きさに裁断すれば本考案品が完成されるのである。又、本考案品の製作コストを 更に低下させるために、先ず所定厚さの前記板材がロ−ル状に巻回されたものを 用意する。そして前記板材の先端が送り出されて他方のロ−ルに巻き取られる間 に、板材の両面へ同時に粘着材が塗布される手段を設けると共に、形成される粘 着層（２）を被着するために、その後方にはロ−ル状に巻回された剥離紙（３） が繰り出される手段を備えることにより、前記板材の両面には粘着層（２）と剥 離紙（３）が同時に設けられ、且つその状態のものを巻回したロ−ル状のものが ストックできれば、必要に応じ、且つ目地板の用途に合わせた所定の大きさに、 プレスなどで裁断すれば多種類の目地板が安価に提供することが可能となる。ま た板材の両面に粘着層（２）と剥離紙（３）が設けられたロ−ル状のものを製作 しておき、それを利用すれば、簡単な設備だけで本考案品を製作することが出来 るものとなるのである。

【０００８】 次に本考案品を用いて道路工事又は土地境界の施工を行う場合について説明す る。予め境界ブロック（４）を用意すると共にその両端面（41）の汚れなどを奇 麗に落しておく。先ず目地板本体（１）に設けた粘着層（２）の剥離紙（３）を 一面だけ剥がし［図３（ａ）参照］、それを境界ブロック（４）の一端面（41） に貼着させる［図３（ｂ）参照］。このように境界ブロック（４）の一端面（41 ）にだけ目地板本体（１）を貼着させたものを必要数施工前に用意する。その後 、一端面（41）にだけ目地板本体（１）を貼着させた境界ブロック（４）を所定 位置に配置する。配置後、目地板本体（１）の剥離紙（３）を剥がすと共に次の 境界ブロック（４）を配置しながら押し付けて貼着させる［図３（ｃ）参照］。 この簡単な作業を繰り返して所定数量の境界ブロック（４）を配置すれば、道路 の縁石や土地境界の工事が完了するのである。この時、目地板本体（１）は境界 ブロック（４）,（４）の間を密着した状態に確保するのである。

【０００９】 又、施工されたコンクリ−ト境界ブロック（４）が長期間経過すると、境界ブ ロック（４）が破損したり、目地板本体（１）が摩耗や損傷したりするので、そ の修理が必要になる。この時の修理方法について説明すれば、破損した境界ブロ ック（４）を修理する場合には、先ずそれを粉砕させて除去する。次に目地板本 体（１）が貼着されていない一般の境界ブロック（４）を用意し、それを嵌め込 む。この時は、境界ブロック（４）の両側の目地板本体（１）を外すが、粘着層 （２）は硬く固化しないので簡単に両側の境界ブロック（４）から外れる。そし て目地板本体（１）が外された境界ブロック（４）の端面（41）を奇麗にしてか ら一般の境界ブロック（４）をセットし、その間に、本考案者が提案した接着タ イプの目地板本体（１）を挿入し、上面から接着を流し込むことにより、境界ブ ロック（４）の交換及び修理が簡単に完了するのである。次に摩耗や損傷した目 地板本体（１）を修理する場合には、先ずそれを垂直方向に引張れば、容易に外 れて除去することが出来る。次に境界ブロック（４）の端面（41）を奇麗にして から本考案者が提案した接着タイプの目地板本体（１）を挿入し、上面から接着 を流し込むことにより、目地板本体（１）の交換及び修理が完了するのである。

【００１０】

【考案の効果】

本考案はこのように構成させたことにより、下記に記載する効果を有する。

【００１１】 請求項１に示すように目地板本体（１）の両面に粘着層（２）と剥離紙（３） を設けることにより、製作する際に簡単な設備だけで良く、従来のような金型が 不要であると共にまとめてプレス加工で打ち抜けば安価な製品として提供するこ とが出来る。しかも多種少量生産であっても従来の型物製品よりも安価に提供す ることが可能なものとなる。又、本考案品を使用することにより、最初から境界 ブロック（４）の端面（41）に合わせて目地板本体（１）の一面を境界ブロック （４）の一端に貼着できるので、境界ブロック（４）の工事が簡略化できると共 に工事のスピ−ド化と設計価格引下げに寄与でき、且つ境界ブロック（４）,（ ４）の間は目地板本体（１）によって密着状態が確保できる。また従来のような 接着剤などの注入が不要となり、その汚れや乾く迄の待ち時間がなくなり、施工 時間が短縮できるものとなる。しかも天候に影響されず誰にでも簡単に行えるた め、工期が計画通りに進行されて完了させることが可能となる。更に本考案品を 用いて境界ブロック（４）を配置させたものには接着剤が塗布されていないので 、境界ブロック（４）,（４）の間から摩耗や損傷した目地板本体（１）や破損 した境界ブロック（４）の交換や修理が極めて簡単となる。

【００１２】 請求項２に示すように目地板本体（１）として弾性材を用いることにより、境 界ブロック（４）,（４）の間に前記目地板本体（１）が押圧された状態で取付 け出来るので、目地部がより一層密着され、且つ、気候条件の変化による境界ブ ロック（４）の伸縮等で目地部の隙間に変動を生じても、目地板本体（１）の弾 性によって充分に追従でき、長期間に渡る気密性の確保が可能となる。

【００１３】 請求項３に示すように目地板本体（１）としてゴム板を用い、そのゴム板にＥ ＰＴ，ＥＰＤＭを用いると耐老化性と耐摩耗性が良好となり、且つ、ＮＢＲを用 いると耐油性や耐摩耗性が良好なものとなる。又、軟質合成樹脂板を用いると、 各種の特性の付与が容易であり、色付けも容易なものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施形態を示す斜視図である。

【図２】図１のＸ−Ｘ線に沿う拡大断面である。

【図３】本考案の作用を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 目地板本体 ２ 粘着層 ３ 剥離紙 ４ 境界ブロック 41 端面

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 境界ブロック（４）の端面（41）と同一
   形状で且つ板状の目地板本体（１）の両面には、前記境
   界ブロック（４）と貼着可能な粘着層（２）を設けると
   共に該粘着層（２）の表面に剥離紙（３）を被着させた
   ことを特徴とするコンクリ−ト境界ブロック用目地板。
2. 【請求項２】 前記目地板本体（１）が弾性材である請
   求項１記載のコンクリ−ト境界ブロック用目地板。
3. 【請求項３】 前記目地板本体（１）がゴム板或いは軟
   質合成樹脂板である請求項１記載のコンクリ−ト境界ブ
   ロック用目地板。