JP3035504U - 園芸育苗用媒体 - Google Patents
園芸育苗用媒体Info
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- JP3035504U JP3035504U JP1996009024U JP902496U JP3035504U JP 3035504 U JP3035504 U JP 3035504U JP 1996009024 U JP1996009024 U JP 1996009024U JP 902496 U JP902496 U JP 902496U JP 3035504 U JP3035504 U JP 3035504U
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- Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ヤシ殻粉末を主材として圧縮成形した園芸育苗
用媒体であって、使用時にこれに水を吸収させて膨張復
元させる際に、短時間で吸水して膨張復元しうる園芸育
苗用媒体を提供する。 【解決手段】ヤシ殻粉末にヤシ殻活性炭4〜7重量%
(混合物全重量に対して)を混合した混合物を圧縮成形
して園芸育苗用媒体とする。必要に応じて、混合物中に
肥料成分を混合して圧縮成形することもできる。
用媒体であって、使用時にこれに水を吸収させて膨張復
元させる際に、短時間で吸水して膨張復元しうる園芸育
苗用媒体を提供する。 【解決手段】ヤシ殻粉末にヤシ殻活性炭4〜7重量%
(混合物全重量に対して)を混合した混合物を圧縮成形
して園芸育苗用媒体とする。必要に応じて、混合物中に
肥料成分を混合して圧縮成形することもできる。
Description
【0001】
本考案は、ヤシ殻粉末を主原料としてこれを圧縮成形し、加水により膨張復元 させて植栽形態に戻して使用することができる園芸育苗用媒体に関するものであ る。
【0002】
天然ヤシ実からヤシ繊維を採取する過程で出る粒状の副産物であるヤシ殻粉末 を素材として、鉢植え用や育苗用の植栽媒体とすることについては、従来から種 々の提案がなされている。例えばヤシ殻粉末をブロック状に圧縮成形し、使用の 際には水を加えて膨張復元させるもの、ヤシ殻粉末に複合肥料を混合し、必要に 応じて酵素、植物ビタミン類のごとき助材を加えて脱水圧縮成形したもの(例え ば実用新案登録3006475号)等が知られている。
【0003】 かようなヤシ殻粉末を圧縮成形した園芸育苗用媒体は、軽量コンパクト化され ているため、使用前の運搬、保存、保管等に優れるという利点がある。
【0004】
上述したごとき従来のヤシ殻粉末を主材として圧縮成形したものは、これに水 を加えて膨張復元させる際に吸水性、通水性があまり良好でないため、吸水して 膨張復元するまでにかなりの長時間を要するという問題があった。
【0005】 そこで本考案は、ヤシ殻粉末を主材として圧縮成形した園芸育苗用媒体であっ て、使用時にこれに水を吸収させて膨張復元させる際に、短時間で吸水して膨張 復元しうる園芸育苗用媒体を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
すなわち本考案の園芸育苗用媒体は、ヤシ殻粉末にヤシ殻活性炭4〜7重量% (混合物全重量に対して)を混合した混合物を圧縮成形してなることを特徴とす るものである。
【0007】 本考案によれば、ヤシ殻粉末に混合するヤシ殻活性炭が吸水性、吸湿性が高い ため、これらの混合物の圧縮成形体に水を加えて膨張復元させる際に、迅速に吸 水して圧縮成形体全体を膨張させ短時間で復元させることができる。
【0008】 本考案の園芸育苗用媒体においては、上記したヤシ殻粉末とヤシ殻活性炭との 混合物に、必要量の肥料成分を混合して圧縮成形することもできる。これによっ て、育苗時の施肥の煩わしさを簡素化することが可能となる。
【0009】
ヤシ殻粉末は、天然ヤシ実からヤシ繊維を取り出す際に必ず生成される副産物 である。すなわち、天然ヤシ実から種子殻部分(ミルク、オイル)を取り出した 後の果皮繊維質殻を一定期間(約2〜4年)自然乾燥腐食させ、さらに一定期間 水中で腐食させる。かような処理を施された果皮繊維質殻からヤシ繊維を取り出 す際に、繊維を取り巻いていたスポンジ状の微粒状繊維物質が副生されるが、こ れを一般にヤシ殻粉末と称している。
【0010】 本考案で用いるヤシ殻粉末としては、塩分やタンニン等の有害物質を除去する ために上記の副生ヤシ殻粉末を一定期間(約2年以上)自然環境の中に放置し、 異物除去、撹拌機による粒子の整粒、熱処理による殺菌などの処理を施した後、 水分含有量を約20%以下に乾燥したものが好ましく使用できる。
【0011】 ヤシ殻活性炭は、ヤシ殻粒子を炭化、賦活化させたものであり、一般的には次 のような方法で製造される。すなわち、ヤシ殻粒子を約700〜800℃に加熱 乾留して有機物を分解除去した後、得られた炭化物を賦活ガス(水蒸気、炭酸ガ ス等)の存在下で約900〜1000℃に加熱して水性ガス反応を利用して内部 に細孔を生成させ、次いで洗浄、乾燥、篩分して製品とされる。
【0012】 かようなヤシ殻活性炭は、多孔質により内部表面積が通常280〜300m2 /gにもなる。そのため吸着性、吸臭性、吸湿性が高く、空気、水、肥料等を吸 着して菌根菌等の連作障害を防止し、有益微生物の生育を促し、病害微生物の繁 殖を抑えることにより土壌病害を防止することができる。またヤシ殻活性炭は浄 化、解毒、殺菌、脱臭作用があるため、水の浄化やカビ、悪臭の発生防止の効果 もある。
【0013】 特に本考案においては、ヤシ殻粉末にヤシ殻活性炭を所定量混合した混合物を 圧縮成形体としたため、これを加水して膨張復元させる際に、ヤシ殻活性炭の優 れた吸湿性により圧縮成形体全体の吸水速度が高まり、膨張復元時間が著しく短 縮できる。ヤシ殻活性炭の混合割合は、混合物全重量に対して4〜7重量%、好 ましくは5〜6重量%の範囲とする。4重量%より少ない混合割合では、所望の 復元時間短縮を図ることができず、さらには水の浄化やカビ、悪臭発生防止効果 も十分に得られない。一方、7重量%よりも多量に混合した場合には、混合物の 圧縮成形が困難になるだけでなく、吸湿性が高くなり過ぎるため、植栽使用時に カビが発生や、根腐れ等が生じやすくなる。
【0014】 本考案による園芸育苗用媒体の圧縮成形体の形状は、例えば園芸資材として運 搬、取扱がし易く、加水による膨張復元操作が一般家庭でも簡単にできるよう に、図1に示したようなブロック状あるいはレンガ状とすることが好ましい。し かしながら圧縮成形体の形状は圧縮機の型枠を変えることによって、任意な形状 とすることができ、必ずしも図示のような形状に限定されるものではない。
【0015】 ヤシ殻粉末とヤシ殻活性炭との混合物には、要すれば肥料成分をさらに混合す ることができる。肥料成分としては、本考案の園芸育苗用媒体を用いて栽培、育 苗がなされる植物の種類、あるいは植物の成長時期に応じて好適な肥料成分を混 合すればよく、特に育苗用として本考案の媒体を使用する場合には、N、P、K を含有する初期育苗用の配合肥料を混合することが好ましい。
【0016】
ヤシ繊維採取後の副産物であるヤシ殻粉末を自然環境中に放置して塩分、タン ニン等の有害物質を除去した後、約1〜2.5cm目の金網で篩分けして異物を 除去し、熱処理して殺菌、乾燥したヤシ殻粉末(水分含有量約20重量%以下) を使用した。
【0017】 このヤシ殻粉末に所定量のヤシ殻活性炭と肥料を混合し、圧縮機にて圧縮成形 して、本考案の圧縮成形体を製造した。得られた圧縮成形体の容量は約0.8L (リットル)(約10cm×20cm×6.5cmのブロック状)、重量は65 0〜700g、圧縮成形体1m3 当たりのヤシ殻活性炭重量は33g、窒素肥 料、リン酸肥料、カリ肥料重量は各々12gであった。
【0018】 この圧縮成形体1個に水4Lを加えて膨張復元させたところ、約5〜8分以内 で復元し、全体の容量が約8Lとなり、容量比で約10倍、重量比で約15倍に 増量した。
【0019】 なお比較のため、ヤシ殻活性炭を混合しなかった以外は上記と同様にしてヤシ 殻粉末と肥料との混合物を圧縮成形した成形体を、上記と同様に加水して膨張復 元させたところ、復元するまでに約20〜30分を要した。
【0020】 上記のようにして膨張復元させた本考案の媒体はpH5.8〜6.2を示し、 主要な化学的成分は次の通りであった(単位:重量%)。 (Ash:2.5)(C:45)(N:0.50)(C/N比:84.4)(C a:0.21)(Mg:0.19)(K:0.14)(Na:0.30)(P: 0.015)。その他の成分は僅少であり、重金属の凝縮はなく、硫黄含有量は 微量であった。
【0021】 加水して膨張復元した媒体を長期間にわたって観察した結果、4Lの水を加え た媒体は6カ月間約10重量%の保水性を示した。また、ヤシ殻活性炭により肥 料成分、塩素(カルキ)、臭い、鉄分、有機物等が吸着され、アンモニア等を除 去して水をアルカリ性にするため、約6週間は追肥を必要としなかった。
【0022】
以上の説明からわかるように本考案の園芸育苗用媒体は、ヤシ殻粉末に所定量 のヤシ殻活性炭を混合した混合物を圧縮成形したものであるため、圧縮成形体に 水を加えて膨張復元させるに際し、迅速に吸水して復元時間を短縮することがで きる。
【0023】 またヤシ殻活性炭を混合してあるため、植栽形態で使用する場合に、浄化、解 毒、殺菌、脱臭作用があるため、病害微生物の繁殖を抑え、カビや悪臭の発生を 防止し、根腐れを防止する効果が期待でき、さらには圧縮成形体中にあらかじめ 肥料成分を混合する場合には、肥料成分を吸着して肥効の持続性を高めるため、 初期育苗肥料の追肥の必要をなくすこともできる。
【0024】 さらに本考案の園芸育苗用媒体は100%天然資材を利用しているため、膨張 復元させて植栽媒体として使用した後は、そのまま一般の土壌に混ぜ合わせるこ とにより土壌改良材としての利用したり、あるいは使用後の媒体を乾燥して、工 場等の床掃除材や畜舎の床敷き材等として利用することもでき、リサイクル利用 の観点からも優れた効果を有するものである。
【図1】本考案による園芸育苗用媒体をブロック状に圧
縮成形した実施例を示す斜視図。
縮成形した実施例を示す斜視図。
Claims (2)
- 【請求項1】 ヤシ殻粉末にヤシ殻活性炭4〜7重量%
(混合物全重量に対して)を混合した混合物を圧縮成形
してなることを特徴とする園芸育苗用媒体。 - 【請求項2】 ヤシ殻粉末にヤシ殻活性炭4〜7重量%
(混合物全重量に対して)および必要量の肥料成分を混
合した混合物を圧縮成形してなることを特徴とする園芸
育苗用媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996009024U JP3035504U (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 園芸育苗用媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996009024U JP3035504U (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 園芸育苗用媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3035504U true JP3035504U (ja) | 1997-03-28 |
Family
ID=43170315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1996009024U Expired - Lifetime JP3035504U (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 園芸育苗用媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3035504U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021023211A (ja) * | 2019-08-05 | 2021-02-22 | 渡辺 憲臣 | 植物の培地に使用される圧縮培地と植物の栽培方法 |
-
1996
- 1996-09-06 JP JP1996009024U patent/JP3035504U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021023211A (ja) * | 2019-08-05 | 2021-02-22 | 渡辺 憲臣 | 植物の培地に使用される圧縮培地と植物の栽培方法 |
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