JP2003158918A - 育苗用人工培養土及びその製造方法 - Google Patents

育苗用人工培養土及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003158918A
JP2003158918A JP2001363342A JP2001363342A JP2003158918A JP 2003158918 A JP2003158918 A JP 2003158918A JP 2001363342 A JP2001363342 A JP 2001363342A JP 2001363342 A JP2001363342 A JP 2001363342A JP 2003158918 A JP2003158918 A JP 2003158918A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
natural
soil
culture soil
fiber
artificial culture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001363342A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaji Kuraoka
正次 倉岡
Hitoshi Tofun
仁史 藤墳
Keiichi Yamamoto
慶市 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KEIPURASU KK
Original Assignee
KEIPURASU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KEIPURASU KK filed Critical KEIPURASU KK
Priority to JP2001363342A priority Critical patent/JP2003158918A/ja
Publication of JP2003158918A publication Critical patent/JP2003158918A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】稲、芝等の各種植物の幼苗の発芽、生育、移植
時に最適で、軽量かつ取り扱い易い育苗用人工培養土及
びその製造方法を提供すること。 【解決手段】植物繊維パルプを解繊する第1工程と、解
繊された植物繊維パルプ11に対して天然無機接合剤1
30及び又は天然有機接合剤131により繊機相互間1
8を繊維本体部111を形成するよう接合する第2工程
と、前記天然無機接合剤130及び又は天然有機接合剤
131は、少なくとも天然無機土壌改良材、天然有機土
壌改良材15、天然鉱物加工体から選ばれた1種又は1
種以上の疎水性物質と攪拌混合する第3工程と、第3工
程により得られた混合物を造粒成形する第4工程と、第
3工程より得られた造粒成形物と植物分解酵素10、抗
菌性物質101、三要素の肥料4、水素イオン緩衝剤、
微量栄養素から選ばれた1種又は1種以上の後添物質を
混合する工程とから成ることを特徴とする育苗用人工培
養土1の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、稲、芝等の各種植
物の幼苗を発芽、生育、移植する時等に使用する育苗用
人工培養土及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】育苗用人工培養土の一例として、例えば特
開平5−244820号公報には、下記の要旨を発明と
する技術が開平されている。
【構成】
【手段1】水溶性ウレタンプレポリマーの硬化物と、有
機物、無機物および土壌のうち少なくとも1種の構成成
分を含む多孔体からなる、チップ状、粒状、ペレット状
または麺状の植物栽培用多孔性人工土壌体であって、水
硬性を有する石こうを含有することを特徴とする植物栽
培用多孔性人工土壌体。
【手段2】水溶性ウレタンプレポリマーと、有機物、無
機物および土壌のうち少なくとも1種の構造成分と、石
こうと、水性分散媒とを含む分散液を硬化させて製造し
た、チップ状、粒状、ペレット状または麺状の多孔体を
熱処理して、石こうに水硬性を付与することを特徴とす
る植物栽培用多孔性人工土壌体の製造方法。
【手段3】熱処理の温度が50〜150℃の範囲内であ
る請求項2記載の植物栽培用多孔性人工土壌体の製造。 (以下、これらの発明を従来技術1という。)
【0003】次に、培養土の一例として、例えば特開平
11−46577号公報には、下記の要旨を発明とする
技術が開示されている。
【構成】有機性廃棄物と珪藻土とを含有してなる混合物
を造粒し、得られた造粒物を炭化してなる、炭素分の含
有量が8.0〜60重量%で、灰分の含有量が92〜4
0重量%の培養土又は必要に応じて破砕してなる有機性
廃棄物を炭化させ粉末化してなる炭粉と珪藻土とを含有
してなる混合物を造粒し、得られた造粒物を炭化してな
る、炭素分の含有量が8.0〜60重量%で、灰分の含
有量が92〜40重量%の培養土。 (以下、この発明を従来技術2という。)
【0004】そして、特開平11−56095号公報に
は、ヤシガラを含む人工壌が開示されている(以下、こ
の発明を従来技術3という)。
【0005】また、育苗用苗床としては、例えば特開平
7−308120号公報に、稲、又は芝等の育苗用苗床
を製造するに当り、「ピートモス、ヤシガラピート、コ
コナツピートを高圧圧縮することにより復元性の大なる
ことを利用して、稲・芝等に最適の苗床」を提案するこ
とが開示されている。(以下、これを従来技術4とい
う。)
【0006】しかしながら、従来技術1〜4には、次に
示すような未解決の課題がある。即ち、従来技術1に
は、水溶性ウレタンプレポリマーの硬化物が使用されて
いる。
【0007】そのため、この高分子樹脂プレポリマー
は、一般には短期間、例えば半年から1年位では土壌中
において分解し難い。仮に、これが生分解性プラスチッ
クの一種であって、短期間中に分解しても、その原料の
一つであるイソシアネート化合物などの未反応化学物質
や分解中間生成物が植物の生育不良(障害)、さらには
土壌汚染などの環境問題を生じる。
【0008】次に、従来技術2には、次のような未解決
の課題がある。即ち、有機性廃棄物等の有機物質は殆ど
炭素分として炭化されていることが明らかである。
【0009】そのため、灰分の含有量が極めて高く、こ
の灰分の全部が植物の生育中に有効利用されるとは限ら
ない。一方、有機性廃棄物中に重金属物質が微量でも含
有されていると、やはり土壌汚染の問題を生じ、環境保
全上好ましくない。
【0010】また、この培養土の用途は、ビル等の屋上
緑化用土壌や観葉植物生育用等の人工土壌が例示されて
いるが、比重が大きい場合には取扱いの困難性を生じる
場合がある。
【0011】上記従来技術3及び4には、少なくともヤ
シガラ繊維が用いられている。これは、一般に植物培養
土というよりも法面用緑化用資材として適しており、育
苗用人工培養土としては、下記の理由により適さないか
らであると推察される。
【0012】則ち、第1にピートモス、ヤシガラピー
ト、ココナツピートを高圧圧縮成形をしているために、
これらの天然繊維中に含有されているリグニン樹脂成分
で強固に加熱圧縮され強靱な苗床が形成されることにな
る。
【0013】そのため、育苗用苗床としての役割を果た
した後において、とくにリグニン樹脂が強固に加熱成形
されているので難分解性となり、リサイクル利用が不可
能で不要となった苗床の廃棄処分も容易でない。
【0014】例えば、焼却処分使用しようとしても土壌
が付着していたり、水分が含有されている土、不完全燃
焼を起こして有害なオキシダント等を生じ、環境汚染の
原因となる。また、埋め立て処分すると難分解性のた
め、土壌汚染の原因となる。
【0015】そして、上記従来技術1〜4のいずれの場
合も、通常の土壌の比重、例えば2.5〜3.5よりも
小さく、一般には比重が0.5〜1.0位であることが
推定されるが、この程度の重量であっても作業従事への
労力負担は大きい。
【0016】一方、従来一般に稲や芝などの育苗に当っ
ては、季節として4〜5月頃に育苗が行われている。良
好な育苗条件としては、(1)根張りが良く、(2)苗
の背並び(苗揃い)が良好で、(3)葉や茎が垂直に立
ち、(4)立枯病や馬鹿苗病、苗いもち病などの発生が
ないことが要求されている。
【0017】しかしながら、育苗に際しては、一般に土
壌を用いて行われている場合が多く、土壌中のウィルス
や各種の土壌菌により上記(4)に示した立枯病や馬鹿
苗病等が発生し易いという問題点がある。
【0018】そのため、種播きに当り、種もみの消毒が
行われており、例えばスミチオン乳剤とヘルシードTフ
ロアブル混液やスミチオンとスポルタック乳剤の混液が
使用されている。
【0019】しかしながら、これらの消毒液を使用する
ことは、農薬の使用と同様に、土壌や水田の水汚染など
の環境汚染の問題を生じ易い。
【0020】しかも、発芽に当っては、種もみの消毒の
ほか、床土や覆土の準備をしなければならず、土壌の嵩
比重が2.5〜3.5位である場合には、生育箱と称さ
れる木製やプラスチック製のトレーを用いる。これは高
年齢者にとっては重労働の原因となる。
【0021】この場合、畑土は一般に苗の病気を生じ易
いため、山土をくずし、これを前年の秋頃より当年の3
月頃までに土壌の準備をしておく必要がある。
【0022】そして、土の塊をくだいたり、土壌中のゴ
ミを篩で除去したり、乾燥させておく必要がある。その
ため、これらの土壌処理費も年々高騰し、さらには水素
イオン緩衝剤42(中和剤)を用いて酸度(pH)を
4.0〜5.0位に調整しておく必要もある。
【0023】しかも、発芽(芽出し)に当っては、発芽
温度を30〜32℃に調整しつつ、図9に示すごとく、
(1)の「ハト胸」状態にする必要がある。しかしなが
ら、図9の(2)や(3)に示すごとく、「芽のばし」
の状態に、温度の調整のいかんによってなり易い。
【0024】このように「芽伸ばし」の状態になると、
矢印で示した当りの部分で、図5に示す種播き工程にお
いて折れてしまい、発芽不良や種播き機械の中で目詰ま
りの原因を生じ易い。
【0025】しかも、図8の(イ)、(ロ)、(ハ)、
(ニ)に示すように、色々な状態の問題点を生じる。図
8の(イ)の状態は、覆土51が持ち上がることなく、
正常な発芽としての幼苗56の生育を示す。
【0026】次に、図8の(ロ)の状態は、「X印」で
示した部分の根が死ぬ場合がある。そして、図8の
(ハ)の状態では、植物毛根35の発芽力により、覆土
51が持ち上がり、床土52との間に隙き間を生じるこ
とになる。
【0027】そして、図8の(ニ)の状態では、かん
(灌)水した後に、種子(モミ)30の一部が発芽異常
を生じたり、種子30の全部が水の浮力で覆土51の表
面に露出して、生育不良の幼苗56が発生する。
【0028】本発明は、前記問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的とするところは、少なくと
も軽量で稲や芝などの幼苗の生育時や苗移時の取扱い性
が優れ、かつ覆土を必要とせず水稲苗などの病気が発生
せず、衛生的で環境汚染の問題の発生がなくしかも効率
的に生産性が良好で量産に適した育苗用人工培養土及び
製造方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】従来技術1〜4に示した
前記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明の
採った手段は、下記に示す通りである。ここで、請求項
1の発明を説明するに当って、これを後述する実施例及
びこれらに使用する図面等で使用する符号を用いて、具
体的に説明すると次の通りである。
【0030】図1〜図5は、本発明の係る図面であっ
て、請求項1の採った手段は、「解繊された植物繊維パ
ルプ11、ピートモス12が天然無機接合剤130及び
又は天然有機接合剤131により繊機相互間18におい
て繊維空隙部110を形成した状態で接合されてなる
稲、芝等の育苗用人工培養土1であって、前記繊維空隙
部110には天然無機土壌改良材14、天然有機土壌改
良材15、天然鉱物加工体16から選ばれた1種または
1種以上の充填物19と、植物分解酵素10、抗菌性物
質101、三要素の肥料4、水素イオン緩衝剤42、微
量栄養素41から選ばれた1種又は1種以上の充填物1
9を吸着活性化材17に転着混合され、造粒成形されて
成ることを特徴とする育苗用人工培養土1。」である。
また、請求項2の採った手段は、「植物繊維パルプを解
繊する第一工程と、改選された植物繊維パルプ11に対
して天然無機接合剤130及び又は天然有機接合剤13
1により繊機相互間18において繊維本体部111を形
成するよう接合する第二工程と、前記天然無機接合剤1
30及び又は天然有機接合剤131は、少なくとも天然
無機土壌改良材14、天然有機土壌改良材15、天然鉱
物加工体16から選ばれた1種又は1種以上の疎水性物
質と撹拌混合する第三工程と、第三工程により得られた
混合物を造粒成形する第四工程と、第三工程より得られ
た造粒成形物と、植物分解酵素10、抗菌性物質10
1、三要素の肥料4、水素イオン緩衝剤4242、微量
栄養素41から選ばれた1種又は1種以上の後添加物質
を混合する第五工程とから成ることを特徴とする育苗用
人工培養土1の製造方法。」である。
【0031】
【発明の実施の態様】以下、本発明の育苗用人工培養土
1及び製造方法につき、より詳しく内容を説明、並びに
天然無機接合剤130、天然有機接合剤131、天然無
機土壌改良材14、天然有機土壌改良材15、天然鉱物
加工体16、吸着活性化材17、植物分解酵素10、抗
菌性物質101、繊維空隙部110、水分保持部11
2、ゼオライト161、ベントナイト132、セルロー
スパルプ111、微量栄養素41、水素イオン緩衝剤4
242がもたらす作用(効果)を種子30、植物根毛3
4、植物根系35又は水田土壌5、畑地土壌50との関
係において説明する。
【0032】まず、植物繊維パルプ11としては、例え
ば針葉樹、闊葉樹などの各種樹脂のセルロースパルプ1
11のほか麻、綿コウゾウ、ミツマタなどセルロースパ
ルプ111がある。また、ピートモス12としては、例
えば水こけや山こけなどがある。そして、必要に応じて
岩錦、ガラス繊維、セラミック繊維を混入することも出
来る。また、天然無機接合剤130としては、ベントナ
イト132、モンモリロナイト133、その他各種の重
粘土鉱物や無機質のケイ酸ソーダ接着剤(水ガラス)等
がある。そして、天然有機接合剤131としては、澱
粉、デキストリン、にかわ(膠)、カゼイン、キトサ
ン、ゼラチン、寒天、こんにゃく粉、大豆グルー、血膠
などがある。また、これらには粘性付与剤及びその誘導
体などでもよい。そして、これらのうち、生分解性プラ
スチックとして、例えばキトサン、でんぷんと変性ポリ
ビニルアルコール(PVA)、微生物系セルローズやカ
ードラン、プルラン、ポリヒドロキシブチレートなどが
有る。これらは、水田土壌や畑地土壌内で短期間(例え
ば半年位)で分解する。
【0033】一方、天然無機土壌改良材14としては、
例えばベントナイト132、ゼオライト161、ベルミ
ライト(又はバーミキュライト)、パーライト、オーヤ
ダイト(大谷石の粉末)などがある。これらは、その豊
富な塩基の作用(CEC)に基づいている。
【0034】また、天然有機土壌改良材15としては、
例えば泥炭、亜炭、褐炭などの若年炭、木材パルプ廃液
などで、その主成分はリグノセルローズ・フミン酸系、
リグニン分解中間物、メチルセルローズ(CMC)など
がある。一方、天然鉱物加工体16としては、例えば合
成ゼオライト、ボーキサイトカス、けい酸カルシウム
(珪カル)、珪藻土などのけい酸資料などがある。
【0035】吸着活性化材17としては、もみがら活性
炭、ヤシガラ活性炭、コーヒーガラ活性炭などの各種活
性炭や竹炭などの吸着性能性が優れたものがある。ま
た、植物分解酵素10としては、セルラーゼ、菌根菌
(VA菌)、好気性微生物などの微生物の他、各種有機
酸、特にアスコルビン酸、グロン酸、アルトーゼ類、ケ
ートゼ類、多糖類の誘導体が有る。そして、抗菌性物質
101としては、上記植物分解酵素10と併用して同様
の効果を有する微生物や有機酸の活性酵素吸収力を有す
る各種の抗菌作用を発揮する銅剤や銅水和物などの抗菌
剤を有利に用いることが出来る。
【0036】三要素の肥料4としては、窒素、リン酸、
カリの各種肥料、例えば硫安、塩安、尿素、過りん酸石
灰、カーナリット、カイニット、シルビット、シルビニ
ットなどがある。この他に、石灰質資材、けい酸質資
材、りん酸質資材、含鉄資材などがある。これらは、カ
ルシウムの供給効果として、水素イオン緩衝剤42とし
ても作用したり、老朽化水田防止のほか、図3に示すご
とく、水田土壌5又は畑地土壌50において、各種の作
物培地として、主に化学的性質や物理的性質を改良する
効果がある。
【0037】その結果、図4に示すごとく、活性水(抗
菌)やミネラル化、更には抗菌性、耐久性、通気性、保
水性、保肥性などを向上させたり、窒素固定、微生物、
特に好気性土壌菌、善玉菌などの繁殖を助長して、作物
の生育の促進に役立つことになる。
【0038】一方、微量栄養素41としては、例えばマ
ンガン、鉄、亜鉛、銅、モリブデン、ニッケル、ほう素
などがある。これらは、稲や各種の作物の栄養障害を防
止するほか、水稲の秋落ち防止や芝の黄変防止、更には
水稲の赤枯れや開田病などを防止する効果がある。その
ため、稲の移植後2〜4週間において幼苗の葉や茎など
の変色を防止することにもなる。
【0039】次に、本発明の育苗用人工培養土1におけ
る最も基本的な理念としての技術的思想の創作の主要点
について説明する。まず、第1に従来の稲や芝などの各
種植物の育苗に当り、良い苗を生育するには、(1)苗
の根張りが良いこと、(2)種子30の苗揃いが良くて
均一に生育すること、(3)幼苗の葉又は茎が略垂直に
生育し、葉色板で3.0〜4.0の葉色を有すること、
(4)馬鹿苗病、立枯病、苗いもち病、開田病などを発
生しないこと、そして、(5)軽量であって、かつ衛生
的であり、環境汚染などを発生しないことを主眼におい
ている。
【0040】そのため、従来使用していた土壌、例えば
覆土51や床土52に使用されていた山土の代替品とし
て、土壌の比重の約5〜10分の1位の比重の人工培養
土とすること。これにより、農作業の労力の負担を著し
く軽減したり、作物の生育に最適の環境を原則として天
然材料を用いて、その各種材料の適宜な配合割合や添加
物の各種を適宜に組み合せることにより、上記目的を達
成し諸効用(効果)を発揮するものである。
【0041】ここで、育苗用人工培養土1の製造方法の
概要について説明する。まず、図1に示すごとく、植物
繊維パルプ11やピートモス12が絡み合った状態を形
成する必要がある。そのためには、まず第一工程とし
て、植物繊維パルプ11やピートモス12を各種の解繊
機を用いて、天然繊維状物のセルロースパルプ111を
形成する。次に、解繊された植物繊維パルプ11に対し
て天然無機接合剤130及び又は131により繊機相互
間18において、繊維空隙部110を形成する。
【0042】前記繊維空隙部110は、図2に示すごと
く、土壌空隙部58に相当する気相部分である。これに
より、健全な土壌、特に畑地土壌50において空気の占
める割合が約30%に相当する空隙部が形成される。そ
して、前記繊維本体部111が、図2における土壌粒子
から成る固相部分(約40%)を形成する。これにより
植物根系34は支えられることになる。特に幼苗56の
根張りが相互に絡み合って完結し、植物根系34を支え
る必要がなくなるまで、図1に示すごとく、繊維本体部
111が絡み合った状態を維持継続することになる。し
かも、幼苗56の根張りが完結したり、苗の種植が終了
した後には徐々に分解して土壌に戻る。
【0043】そのため、数ヶ月から1年間位でその大半
が腐食分解し得る、天然繊維状物としてのセルロースパ
ルプ111としての植物繊維パルプ11を使用すること
が肝要となる。そして、この分解を各組成物や自然の環
境条件、例えば温度や好気性菌などの作用等により促進
することになる。これにより、図4に示すごとく、作物
の幼苗56の生育環境として最適の状態を実現すること
が出来る。
【0044】次に、図2に示すごとく、健全な土壌にお
いては、特に畑地土壌50や湛水していない乾田として
の水田土壌5では、液相部分である水分が約30%であ
ることが望ましい。そのため、本発明にあっては、繊維
本体部111の絡み合った繊維空隙部110の一部にお
いて、天然無機土壌改良材14、天然有機土壌改良材1
5、天然鉱物加工体16,吸着活性化材17を繊維相互
間18において充填物19として部分的に充填させる。
これにより、稲、芝などの発芽、幼苗56の生育に必要
な水分が保持される。特に、吸着活性化材17の一例で
ある活性炭や粘土鉱物であるゼオライト161、ベント
ナイト133、更には天然無機土壌改良材14や天然有
機土壌改良材15及び16が植物繊維パルプ11やピー
トモス12を相互に接合する天然無機接合剤130及び
又は天然有機接合剤131によって繊維本体部111と
繊維空隙部110によって、あたかも土壌の団粒構造で
ある空間や育苗用人工培養土1の各種形状を構成し、繊
維空隙部110と水分保持部112と繊機相互間18に
充填された充填物19の絡み合い構造を形成する。
【0045】そのためには、図7に示すごとく、各種の
造粒成形機3を有利に使用して、図6に示すごとき、各
種粒形、例えば米粒状粒子(図6の(A)に示す粒
形)、飼料などのペレット形状粒子(図6(C)に示す
略円柱体粒形)、更には、このペレット形状粒子が膨潤
し、乾物ペレット形状が崩壊し始めた様なペレット膨潤
形状(図6の(B)に示すごとく小さな木炭様ペレット
形状)を造粒成形することが出来る。
【0046】これにより、図5に示すごとく、灌(か
ん)水6の工程、種播き7の工程、ならし灌水61の工
程、覆培養土8の工程、更には生育ハウスや移植田など
の各程において、トレー9内において、最も安定して取
り扱い易く、しかも植物根系34や植物根毛35が根張
りの形成に最適の繊維空隙部110、繊維本体部11
1,水分保持部112が相互に均衡良く形成される。
【0047】そのため、図2に示すごとく、上記各工程
において、植物根系34や植物根毛35が土壌粒子間
(繊機相互間18、充填物19、繊維空隙部110、繊
維本体部111、水分保持部112に相当する空間)が
形成される。これにより、稲や芝などの各種植物の幼苗
56、植物根系34、植物根毛35が正常な生育や発芽
(図8の(イ)参照)が促進され、従来技術の問題点が
解消される。
【0048】
【実施例】
【実施例1】本例は、育苗用人工培養土1の最も代表的
な試作品の製造方法につき説明する。まず、図1に示す
ごとく、育苗用人工培養土1は図6の(A)に示すごと
き、略米形状の造粒品である。育苗用人工培養土1は、
図1に示すごとく、微視的に観察すると、解繊された植
物繊維パルプ11やピートモス12が天然無機接合剤1
30と天然有機接合剤131により繊機相互間18にお
いて繊維空隙部110を形成し、この繊維空隙部110
の一部に充填物19が充填されて成る。この充填物19
の中には、天然無機土壌改良材14、天然有機土壌改良
材15、天然鉱物加工体16、吸着活性化材17、植物
分解酵素10、抗菌性物質101が含有されている。天
然無機土壌改良材14は、ゼオライト161とベントナ
イト132とが約1:5の割合で含有されている。また
天然鉱物加工体16は珪藻と合成ゼオライト161とよ
りなり、その配合比率は約1:3(重量%)である。吸
着活性化材17としては、もみがら活性炭を用い、その
配合割合は前記ゼオライト161と略同量である。植物
分解酵素10としては、菌根菌(VA菌)と牛糞を乾燥
し、かつ脱塩処理したものを用いる。この牛糞には、当
初約16%(重量)の塩分(NaCl換算)含有されて
いたものが土ヘルプ(商品名)を用いることにより、約
2%まで低減させたものである。これにより、稲の幼苗
56(図8(イ)参照)には塩害を与えることなく生育
した。抗菌性物質101としては、硫酸マグネシウムと
硫酸鉄とアスコルビン酸とより成る、前記土ヘルプを使
用した。ここで、育苗用人工培養土1の製造方法につ
き、図5及び図7を用いて説明する。まず、図5に示す
ごとく、トレー9内に床土52としての育苗用人工培養
土1を約半量均一にならした状態で充填し、トレー9の
上方より灌(かん)水6を行う。次に、この床土52に
コンベアー上で搬送しながら、種播き7の工程を図5に
示すごとく、種播き機81を用いて自動的に連結作業で
稲の種子30を種播きした。そして、トレー9でならし
灌水61を行った後に、覆培養土搬入機82により、床
土52及び種子30の上方より覆培養土8の被覆作業を
行う。これにより、図2に示すごとく、幼苗56の植物
根系34及び植物根毛35は、繊維空隙部110、繊維
本体部111、水分保持部112(図1参照)があたか
も土壌粒子57、土壌空隙58、水分子59に相当する
空間構造が形成された。これは、あたかも図1及び図2
に示すごとき、育苗用人工培養土1の空間構成と同様で
あった。その結果、図3における水田土壌5において
は、図4に示すごとき、作物環境を形成した。
【0049】
【実施例2】本例は、実施例1における天然無機接合剤
130及び天然有機接合剤131をベントナイト132
のみを使用し、天然無機土壌改良材14はゼオライト1
61とベントナイト132の割合を3:5(重量%)と
し、吸着活性化材17として竹炭を用いたことの他は、
実施例1と同様とした。
【0050】
【発明の効果】本発明は、前記請求項1及び請求項2の
構成を採用しているため、下記のごとき効果を発揮し
た。 (1)育苗用人工培養土1の重量は土壌の重量の約10
分の1に軽減された。 (2)育苗用人工培養土1は図1及び図2に示すごと
き、稲や芝などの各種作物の幼苗56の植物根系34及
び植物根毛35が図8(イ)に示すごとく、正常な発芽
状体を示し、その後も正常な生育とする。 (3)育苗用人工培養土1を使用することにより、植物
分解酵素10、抗菌性物質101、吸着活性化材17の
作用効果により開田病、立枯病は殆んど生じなかった。 (4)育苗用人工培養土1は保水性、保肥性、透水性、
透気性などに優れているため、健全な土壌構造(図1及
び図2参照)を呈した。 (5)また、育苗用人工培養土1を使用することによ
り、図2及び図4に示すごとく、稲、芝などの各種作物
の発芽、幼苗の生育及び移植時に、極めて作業効率を向
上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明に係る育苗用人工培養土の拡
大断面図である。(B)は、健全な土壌の三相状態を示
す説明図である。
【図2】植物の根系と土壌環境を示す説明図である。
【図3】水田土壌と畑地土壌との比較断面図である。
【図4】本発明の最も代表的な稲や芝などの根系の周辺
の効果説明図である。
【図5】本発明の育苗用人工培養土の製造方法に関する
工程説明図である。
【図6】本発明の育苗用人工培養土の代表的な外観形状
を示す斜視図である。
【図7】製造方法で使用する造粒成形機の斜視図であ
る。
【図8】(イ)が正常発芽状態、(ロ)〜(ニ)が異常
発芽状態を示す説明図である。
【図9】稲の発芽の時の径列的な説明図である。
【符号の説明】
1 育苗用人工培養土 3 造粒成形機 10 植物分解酵素 11 植物繊維パルプ 12 ピートモス 14 天然無機土壌改良材 17 吸着活性化材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤墳 仁史 不破郡垂井町表佐1838番地 (72)発明者 山本 慶市 大垣市宿地町1045番地の6 Fターム(参考) 2B022 AA05 BA01 BA02 BA03 BA04 BA12 BA13 BA16 BB01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 解繊された植物繊維パルプ、ピートモス
    等の天然繊維状物が天然無機接合剤及び又は天然有機接
    合剤により繊維相互間において繊維空隙部を形成した状
    態で接合されてなる稲、芝等の育苗用人工培養土であっ
    て、 前記天然繊維状物の空隙部には、天然無機土壌改良材、
    天然鉱物加工体、天然有機土壌改良材、天然鉱物加工体
    から選ばれた1種又は1種以上の充填物質と、植物分解
    酵素、抗菌性物質、三要素肥料、水素イオン緩衝剤、微
    量栄養素から選ばれた1種又は1種以上の充填物質を吸
    着活性化材に添着混合され造粒成形されて成ることを特
    徴とする育苗用人工培養土。
  2. 【請求項2】 植物繊維パルプ、ピートモス等の天然繊
    維状物を解繊する第1工程と、解繊された天然繊維状物
    に対して天然無機接合剤及び又は天然有機接合剤により
    繊機相互間18を繊維本体部においてこれらを接合する
    第2工程と、前記天然無機接合剤及び又は天然有機接合
    剤は、少なくとも天然無機土壌改良材、天然有機土壌改
    良材、天然鉱物加工体から選ばれた1種又は1種以上の
    疎水性物質と共に攪拌混合する第3工程と、第3工程に
    より得られた混合物を造粒成形する第4工程と、第3工
    程より得られた造粒成形物と植物分解酵素、抗菌性物
    質、三要素の肥料、水素イオン緩衝剤、微量栄養素から
    選ばれた1種又は1種以上の後添物質を混合する工程
    と、から成ることを特徴とする育苗用人工培養土の製造
    方法。
JP2001363342A 2001-11-28 2001-11-28 育苗用人工培養土及びその製造方法 Pending JP2003158918A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001363342A JP2003158918A (ja) 2001-11-28 2001-11-28 育苗用人工培養土及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001363342A JP2003158918A (ja) 2001-11-28 2001-11-28 育苗用人工培養土及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003158918A true JP2003158918A (ja) 2003-06-03

Family

ID=19173701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001363342A Pending JP2003158918A (ja) 2001-11-28 2001-11-28 育苗用人工培養土及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003158918A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006254902A (ja) * 2005-02-18 2006-09-28 Iris Ohyama Inc 粒状培養土
KR101059847B1 (ko) 2008-11-12 2011-08-29 한국원자력연구원 카폭 섬유를 함유한 농업용 상토
KR101271199B1 (ko) * 2011-07-11 2013-06-04 건국대학교 산학협력단 헴프섬유를 이용한 인공대체토양 및 이를 이용한 광합성 식물 배양방법
JP2015019652A (ja) * 2013-07-23 2015-02-02 東洋ゴム工業株式会社 人工土壌粒子
JP2015029449A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 東洋ゴム工業株式会社 人工土壌粒子、及び植物育成培地
CN112740865A (zh) * 2020-12-25 2021-05-04 安徽理工大学 采用生物菌和藓修复矿山爆后环境的方法和装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006254902A (ja) * 2005-02-18 2006-09-28 Iris Ohyama Inc 粒状培養土
KR101059847B1 (ko) 2008-11-12 2011-08-29 한국원자력연구원 카폭 섬유를 함유한 농업용 상토
KR101271199B1 (ko) * 2011-07-11 2013-06-04 건국대학교 산학협력단 헴프섬유를 이용한 인공대체토양 및 이를 이용한 광합성 식물 배양방법
JP2015019652A (ja) * 2013-07-23 2015-02-02 東洋ゴム工業株式会社 人工土壌粒子
JP2015029449A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 東洋ゴム工業株式会社 人工土壌粒子、及び植物育成培地
CN112740865A (zh) * 2020-12-25 2021-05-04 安徽理工大学 采用生物菌和藓修复矿山爆后环境的方法和装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101356889B (zh) 用于栽植蓝莓的专用培养土及其制备方法
CN100441090C (zh) 一种瓜菜育苗基质
KR101383445B1 (ko) 임해매립지 토양개량제 및 그 제조방법
CN106106106A (zh) 植物栽培基质及其模块
KR100779756B1 (ko) 해조류 부산물을 이용한 농업용 육묘상토 제조방법
CN106986711A (zh) 一种营养土
CN106631617A (zh) 一种盐碱地用节水营养钵及其制备方法
CN106831206A (zh) 一种供农作物幼苗发育的凹凸棒营养土及其制备方法
NZ277775A (en) Cultivation substrate; production from chopped plants
CN111543283A (zh) 一种可塑形固体基质及其制备方法和应用以及一种草坪砖的制备方法
CN112125746A (zh) 一种生物质肥料及其制备方法
KR101693317B1 (ko) 자연 활성 토양 개선방법
CN107912234B (zh) 一种缓渗沙体及其制备方法和应用
JPH0153013B2 (ja)
JP2003158918A (ja) 育苗用人工培養土及びその製造方法
CN110662732A (zh) 稳定的腐殖质-储水物混杂物
KR20130042979A (ko) 식물 섬유를 이용한 녹화재 조성물, 그 제조방법 및 이를 이용한 녹화시공방법
KR101382878B1 (ko) 솜이 포함되는 육묘용 상토 배지의 제조 방법
JP2003009654A (ja) 植物・動物性廃棄物の培地化処理法とその処理法により製造された培養土とそれを用いた育苗用基盤材と圧縮成形培土と生分解樹脂固形化肥料と緑化袋体。
CN109896897A (zh) 一种耐寒抗旱的水稻育苗基质及其制备方法
CN108191548A (zh) 一种有机缓释园艺生态营养土及其制备方法
CA2699263A1 (en) Granular organic fertilizer
JP4153587B2 (ja) 粒状培地及びこれを用いた混合培地
KR101948573B1 (ko) 식재용 포트 및 이를 이용한 수목 식재 방법
JP2002084877A (ja) 人工ゼオライト混合園芸用培養土

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040824