JP3035356U - エンドレスチエーンのガイドレール構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は被搬送物を搬送するエンドレスチェ
ーンのガイドレールの長寿命化を図ることを目的とす
る。 【解決手段】 周回するエンドレスチェーンコンベアの
横振れを防止するチェンーンコンベアのガイド部分に硬
質アルマイト、硬質クロームメッキ等の表面処理を施す
ことにより、ガイド部分の耐摩耗性を向上させるととも
にチェーンベルトの横振れ防止、チェーンベルトコンベ
アガイドの交換による工程の時間的損失を防止する。
また、チェーンベルトから発生する音も防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する分野】

本考案は、作業の省力化のために被搬送物すなわち、製造工程であれば、半製 品、製品、又、物流、サービス関係であれば包装された商品等の搬送用エンドレ スチェーンコンベアのチェーンをガイドするエンドレスチェーンのガイドレール 構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、工場等で製造工程においては、加工機械から次の加工機械に搬送する方 法としてトレイを用い、それを人手による搬送を行っていたりしていた。 本来 、自動化をするためには、加工機械の自動化、省人化に着目しがちであるが、工 程間の搬送の自動化、省人化が出来れば自動化は半分が完成したと言われるぐら い、搬送の自動化は重要な課題といえる。

【０００３】 また、物流、サービス関係においては荷物の移動、運搬が仕事の大きなウエイ トを占める所から省人化するには対処すべき最適な場所であり、省人化の効果も 大である。

【０００４】 このような省人化を進めるための搬送系として、実開平６ー２０３３３号「チ ェーンガイドレール構造」がすでに公開されている。 すなわち、図６は、実開平６ー２０３３３号の実施例に係るチェーンガイドレ ール構造の一部を切欠した状態の正面中央縦断面図であり、図７は、同考案のレ ール部材の一部拡大斜視図である。

【０００５】 図６において、５１はチェーンガイドレールの構造であり、５２は対向配置さ れたレール部材であり、レール部材５２の対向する壁面側にチェーン周回路を形 成する様に上下段に上ガイド溝５３と下ガイド溝５４が設けられている。 そして、前記上ガイド溝５３及び下ガイド溝５４内に突設された上支持突部５ ５と搬送品Ｈの幅方向位置決め部５６とが設けられ、同支持控え部５７、上支持 突部５５ａ及び下方向突部５５ｂと前記搬送品Ｈの幅方向位置決め部５６は一体 成形として設けられているものである。

【０００６】 なお、５８は、搬送機のエンドレスチェーンベルトであり、上ガイド溝５３及 び下ガイド溝５４の内部に突設された上支持突部５５ａを案内としてエンドレス チェーンが離脱しないように作られてる。 また、搬送品の幅Ｈは必ずしも一定しない所からハンドル５９により、レール 部材５２の間隙を調整可能としている。 そして、６０はその調整ネジである。 また、６１ａは、レール部材５２に設けられたボルト嵌合溝である。

【０００７】 図７のレール部材５２の拡大斜視図において、６１、６１ａのボルト嵌合溝に 対し、６２はボルト頭部の嵌合溝であって、レール部材５２を固定するとか、エ ンドレスチェーンの押さえ板を固定する等の溝であり、レール部材５２に平行な 取付け孔により自由に固定することができる。

【０００８】 なお、レール部材５２の頂部に設けられた支持控え部６１と、レール部材５２ のチェーン周回路を形成する上ガイド溝５３と下ガイド溝５４を除くレール部材 の頂部に設けられた支持控え部６１ａは同一のものであり、これらの長手方向の 自由な位置に固定するための方法としては、一般的にＴスロットと呼ばれる溝が あり、例えば、フライス盤、ロータリー盤のテーブル面上に被加工物なり、治具 等を固定する方法として従来から用いられているものである。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

このように、レール部材５２を一体で加工し、現実に使用する段階で下記のよ うな問題が発生した。 即ち、現実にレール部材５２上で稼働するものはエンドレスチェーンベルトで あり、他の支持控え溝６１及び６１ａは、ただ単にレール部材５２を固定し、位 置決めするための取付けボルトの溝で、長時間、又は長期間の使用に対しては上 ガイド溝５３と下ガイド溝５４の部分、そのうちでも特に上支持突部５５の摩耗 が著しいという問題が判明した。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

即ち、エンドレスチェーンコンベアで特に荷重のかかる上ガイド溝５３の上支 持突部５５が重要となる（下ガイド溝５４の上支持突部５５ａはエンドレスチェ ーンベルトの周回路で荷重はチェーンベルトの自重だけのため、摩耗は極端な程 少ない）。 このため、チェーンガイドレールを構成するレール部材５２は、軽 量化のためアルミニウム材が用いられているが、その一部にアルミニューム材で 表面の硬化処理を施した材料をあとから取付けるか、他の金属材料で硬質クロー ムメッキを施したものにするか、又は、軟質の高分子材料を用いることにより、 耐摩耗性にすると共に消音化をも実現しようとするものである。

【００１１】

【考案の実施の形態】

エンドレスチェーンベルトを周回させることによるエンドレスチェーンベルト のガイドをする突出部又は突出部周辺までを含めて硬質表面処理を行うことによ り、エンドレスチェーンベルトとの接触による摩耗を防止することが出来、エン ドレスチェーンガイドの長寿命化が図れる。

【００１２】

【実施例１】 以下、本実施例について図１から図４にもとづき説明する。 図１は、本考案になるエンドレスチェーンのガイドレール構造の概要を示す平 面図、図２はその側面図である。 図３は、ガイドレール部材の側面図で、図４ は一対のガイドレールの対向した状態を示す斜視図である。

【００１３】 図１において、１は固定側エンドレスチェーンガイド、２は可動側エンドレス チェーンガイド、そして、３はスプライン軸で、モーター４からの回転力をエン ドレスチェーンガイド１及び２に伝達させるもので、軸強度を低下させないため に軸そのものに直接キーを削り出して作られている。 また、５はスプライン軸 のボスである。 また、６はハンドルであり、固定側エンドレスチェーンガイド １に対し、可動側エンドレスチェーンガイド２を被搬送物（図４参照）の幅に調 整するためのものであり、７はその調整ネジで、８は架台である。 さらに、９はモーター４からの回転力をスプライン軸３に伝達するための歯車 である。

【００１４】 図２に、モーター４とスプライン軸３の端部に設けられた歯車９は、チェーン で連結されており、モーター４の回転力がスプライン軸３を回転させ、さらに、 スプライン軸３上のボス５に直結された歯車１０を回転させる。 そして、歯車 １０には、固定側エンドレスチェーンガイド１１及び可動側エンドレスチェーン ガイド１２の一部が噛み合っているため、エンドレスチェーンベルト１１及び１ ２は同一方向に同一のスピードで移動することになる。

【００１５】 図３で、１は固定側エンドレスチェーンガイド１（２は可動側エンドレスチェ ーンガイドで対向する内壁部にエンドレスチェーンベルトがあり、対称的になっ ている。 エンドレスチェーンベルト１１に対し、エンドレスチェーンベルト１ ２も対称的である。）は、エンドレスチェーンベルト装置を、強度を持ち、かつ 軽量化することが必要である所から、エンドレスチェーンガイド１及び２はアル ミニューム材で作られるのが一般的であり、さらに、その周囲にはボルト嵌合溝 １３のほか、軽量化のための中空部１４がある。 特に、この中空部により、エ ンドレスチェーンガイドの折曲強度が強くなる所から、被加工物の荷重に対する 強度が強くなってくる。

【００１６】 次に、１５は耐摩耗性材であり、１６は、複数箇所、エンドレスチェーンガイ ド１又は２に固定されている固定ビスである。 そして、１７は、耐摩耗性材１ ５の一部の突出部であり、エンドレスチェーンベルト１１又は１２の横振れ止め の役目を果たしている。 なお、１８は、エンドレスチェーンベルト１１又は１ ２が周回するためのリターン側チェーンベルトであり、この部分に荷重は掛かっ ていない所から、突出部１９は耐摩耗材とすることでも良いが、特に耐摩耗性に こだわらないくても良い。

【００１７】 なお、１５の耐摩耗性材は、母材をアルミニュームの場合には硬質アルマイト 処理を施すか、例えば、黄銅などの金属材料の表面に硬質クロームメッキ等の表 面処理を施すことによって耐摩耗性を向上させることができる。

【００１８】 図４は、固定側エンドレスチェーンガイド１と可動側エンドレスチェーンガイ ド２を対向させ、それぞれのエンドレスチェーンガイド１及び２のエンドレスチ ェーン上に被搬送物２０を置いた状態を示す斜視図である（なお、本図では架台 ８は図示していない）。 そして、エンドレスチェーンベルト１１及び１２のガイドとなる耐摩耗性材を １６の固定ビスにより取付けた状態を示している。 この固定ビス１６の代わり にボルト嵌合溝１３のような溝にしても良く、また、さらに一般的なＴスロット の如くして表面よりナットで固定出来ることは言うまでもない。

【００１９】 〔実施例２〕 図５は、他の実施例を示すもので、実施例１においては耐摩耗性材１５に硬質 アルマイトなり、硬質クロームメッキ等の表面処理を施した材料を用いることに したが、本考案は、耐摩耗性材１５の部分は特に表面処理をせず、上突出部２３ に対応する幅をもった所定の凹溝２２に施したバー２１に圧入し、エンドレスチ ェーン１１，１２に対し摩耗しにくい高分子材料（例えば、軟質の６６ーナイロ ン系統のもの）の薄板を前記凹溝２２にはめ込み突出部とすることにより、エン ドレスチェーンベルトの走行ブレを防止することができる。 また、凹溝２２を 施したバー２１の代わりに、耐摩耗性材１５と同一形状の高分子材料により作ら れたものでも良い。

【００２０】 〔実施例１〕の突出部が表面処理を施した金属であるのに対し、〔実施例２〕 では高分子材料よりなるため、エンドレスチェーンが走行することによる音の発 生を防止できる効果もある。 なお、エンドレスチェーンベルトのガイドとして は、実施例１及び実施例２を組み合わせることでも大きな効果が得られる。

【００２１】

【考案の効果】

本考案によれば、エンドレスチェーンベルトの搬送系において、エンドレスチ ェーンベルトの走行時の横ブレ等を規制する突出部に耐摩耗性材を用いることに より長寿命化が図れると同時に補修などの工事、補修工事に伴う作業工程の停止 による損失等が解消される。 さらに、作業工程においてコンベアの稼働による発生音を軽減することが出来 る等大きな効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるエンドレスチェーンのガイドレ
ール構造を示す平面図である。

【図２】本考案にかかるエンドレスチェーンのガイドレ
ール構造を示す図１の側面図である。

【図３】本考案にかかるエンドレスチェーンのガイドレ
ール構造のガイドレール部材の側面図である。

【図４】本考案にかかるエンドレスチェーンのガイドレ
ール構造の一対のガイドレールの対向した状態を示す斜
視図である。

【図５】本考案にかかるエンドレスチェーンのガイドレ
ール構造の図３の他の実施例を示す側面図である。

【図６】従来例を示す正面中央縦断側面図である。

【図７】従来例を示す図６の一部拡大斜視図である。

【符号の説明】

１ 固定側エンドレスチェーンガイド ２ 可動側エンドレスチェーンガイド ３ スプライン軸 ４ モーター ５ ボス ６ ハンドル ７ 調整ネジ ８ 架台 ９ 歯車 １０ 歯車 １１ 固定側エンドレスチェーンベルト １２ 可動側エンドレスチェーンベルト １３ ボルト嵌合溝 １４ 中空部 １５ 耐摩耗性材 １６ 固定ビス １７ 突出部 １８ チェーンベルト １９ 突出部 ２０ 被搬送物 ２１ 凹溝を施したバー ２２ 凹溝 ２３ 上突出部 ５１ チェーンガイドレール構造 ５２ レール部材 ５３ 上ガイド溝 ５４ 下ガイド溝 ５５ａ 上支持突部 ５５ｂ 下支持突部 ５６ 幅方向位置決め部 ５７ 支持控え部 ５８ エンドレスチェーンベルト ５９ ハンドル ６０ 調整ネジ ６１ ボルト嵌合溝 ６１ａ ボルト嵌合溝 ６２ ボルト頭部の嵌合溝

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【手続補正書】

【提出日】平成８年２月９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項３

【補正方法】変更

【補正内容】

【請求項３】請求項１の耐摩耗性材料として、軟質の高
分子材料を用いたことを特徴とするエンドレスチェーン
のガイドレール構造。 ─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成８年９月１０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項２

【補正方法】変更

【補正内容】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項３

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】被搬送物すなわち半製品、製品等をエンド
   レスチェーン上に積載し搬送する搬送系で対向配置され
   たエンドレスチェーンのガイド溝にそって周回し、かつ
   載置された搬送物を移動させるエンドレスチェーンのガ
   イドレール構造であって、 その上ガイド溝にエンドレスチェーンの中央部に相当す
   る部位に嵌合される突出部により搬送物の横方向の位置
   決めをするとともに、嵌合される突出部をガイドレール
   部を耐摩耗材料で構成したことを特徴とするエンドレス
   チェーンのガイドレール構造。
2. 【請求項２】耐摩耗性材料として軽量のアルミニューム
   材の表面に硬質アルマイト又は他の金属材においては、
   その表面に硬質クロームメッキ等表面処理により耐摩耗
   性を持たせたことを特徴とする請求項１のエンドレスチ
   ェーンのガイドレール構造。
3. 【請求項３】請求項２の耐摩耗性材料として、軟質の高
   分子材料を用いたことを特徴とするエンドレスチェーン
   のガイドレール構造。