JP3035233B2 - 液体封入型防振装置 - Google Patents

液体封入型防振装置

Info

Publication number
JP3035233B2
JP3035233B2 JP27848896A JP27848896A JP3035233B2 JP 3035233 B2 JP3035233 B2 JP 3035233B2 JP 27848896 A JP27848896 A JP 27848896A JP 27848896 A JP27848896 A JP 27848896A JP 3035233 B2 JP3035233 B2 JP 3035233B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
orifice
liquid chamber
diaphragm
vibration
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27848896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10122294A (ja
Inventor
晋吾 畠山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd filed Critical Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Priority to JP27848896A priority Critical patent/JP3035233B2/ja
Publication of JPH10122294A publication Critical patent/JPH10122294A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3035233B2 publication Critical patent/JP3035233B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のパワーユ
ニットマウントに用いられる液体封入型防振装置に関す
るもので、とりわけ、数種の特性の異なる振動を効果的
に低減することのできる液体封入型防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンでは幅広い周波数域に
おいて振動が起こり、とりわけ、10Hz付近でエンジン
シェイク、20〜40Hz付近でアイドル振動、80〜2
00Hz付近でこもり音や加速時振動を生じることが知
られている。
【0003】このため、エンジンを含むパワーユニット
の支持に用いられる防振装置として、近年、複数の周波
数域の振動を効果的に低減できるようにしたものが開発
されている。この種の防振装置の技術としては、例え
ば、特開昭62−215143号公報に示されるような
ものがある。
【0004】以下、この防振装置について、図11,図
12に基づいて簡単に説明する。
【0005】この防振装置は、液体を内部に封入した所
謂液体封入型の防振装置であり、パワーユニット側の取
付金具1と車体側の取付金具2が互いに対向して配置さ
れ、この両取付金具1,2がゴム弾性体3によって連結
されると共に、一方の取付金具2側に、ゴム弾性体3と
の間で液室4を構成する第1ダイヤフラム5と、前記液
室4の内部をゴム弾性体3側の主液室6と第1ダイヤフ
ラム5側の第1副液室7とに隔成する仕切部材8とが取
り付けられている。そして、仕切部材8には、第2ダイ
ヤフラム9によって隔成される第2副液室10が設けら
れると共に、主液室6と第1副液室7を連通する第1オ
リフィス11と、主液室6と第2副液室10を連通する
第2オリフィス12とが設けられており、第2副液室1
0の上壁には、主液室6と第2副液室10を連通する第
3オリフィス13(複数の連通孔)が形成され、さら
に、所定振幅以上の振動の入力時に第3オリフィス13
の液体の流動を規制する流動規制バルブ14が設けられ
ている。また、オリフィス11〜13の等価質量は、第
1オリフィス11のものが第2オリフィス12のものよ
りも大きく、そして第3オリフィス13のものが最も小
さくなるように設定されており、ダイヤフラム5,9の
拡張弾性は、第2ダイヤフラム9のものが第1ダイヤフ
ラム5のものよりも大きく設定されている。尚、図12
において、K,Kはゴム弾性体3の支持弾性と拡張弾
性を夫々示し、K2,K3は第1ダイヤフラム5と第2ダ
イヤフラム9の各拡張弾性を示すものとする。
【0006】この防振装置は以上のような構成であるた
め、エンジンシェイクのような低周波数域の大振幅の振
動の入力時には、流動規制バルブ14が第3オリフィス
13の液体の流動を規制し、こもり音や加速時騒音等の
原因となる高周波数域の小振幅の振動の入力時には、流
動規制バルブ14が第3オリフィス13の液体の流動を
許容する。このため、低周波数域(10Hz前後)の大振
幅の振動の入力時には、第1オリフィス11の等価質量
と第1ダイヤフラム5及びゴム弾性体3の拡張弾性、若
しくは、第2オリフィス12の等価質量と第2ダイヤフ
ラム9及びゴム弾性体3の拡張弾性によるロスファクタ
ーのピークの大きい共振が生じ、また、高周波数域(8
0〜200Hz)の小振幅の振動の入力時には、第2,第
3オリフィス12,13の等価質量と第2ダイヤフラム
9及びゴム弾性体3による共振が生じて小さな動ばね定
数が得られるようになる。したがって、これにより特性
の異なる二種の振動をそれぞれ効果的に低減することが
できる。尚、第1オリフィス11と第1ダイヤフラム5
及びゴム弾性体3による共振のピーク周波数(ロスファ
クターのピーク周波数)は5〜8Hz付近に設定され、第
2オリフィス12と第2ダイヤフラム9及びゴム弾性性
体3による共振のピーク周波数(ロスファクターのピー
ク周波数)は13〜18Hz付近に設定されており、それ
によって5〜18Hzの周波数範囲の振動(エンジンシェ
イク)を一様に大きなロスファクターでもって低減でき
るようにしている(図7中の破線参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の防
振装置においては、動ばね定数が問題となる20Hz以降
の小振幅の振動に対しては一つの周波数域のみでしか共
振を得ることができないため、上記のようにこもり音や
加速時騒音の低減を狙いとして80〜200Hzの周波数
域で共振が得られるように設定した場合には、20〜4
0Hzの周波数域での動ばね定数が大きくなり(図8中の
破線参照)、その結果、この周波数域で起こるアイドル
振動等の振動を充分に低減することができなくなるとい
う不具合がある。
【0008】そこで本発明は、エンジンシェイク等の1
0Hz前後の周波数域の大振幅の振動と、こもり音や加速
時騒音等の80〜200Hzの周波数域の小振幅の振動に
加えて、アイドル振動等の20〜40Hzの周波数域の小
振幅の振動をも効果的に低減することのできる液体封入
型防振装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
解決するための手段として、互いに対向して配置される
パワーユニット側の取付金具と車体側の取付金具をゴム
弾性体で連結し、前記いずれか一方の取付金具側に、前
記ゴム弾性体との間で液室を成す第1ダイヤフラムと、
前記液室をゴム弾性体側の主液室とこの第1ダイヤフラ
ム側の第1副液室に隔成する仕切部材とを取り付け、こ
の仕切部材に、前記第1ダイヤフラムよりも拡張弾性の
大きい第2ダイヤフラムによって隔成される第2副液室
を設け、前記主液室と第1副液室とを第1オリフィスに
より、前記第2副液室と第1副液室とを第2オリフィス
により夫々連通させ、前記主液室と第2副液室とを、前
記第1オリフィスと第2オリフィスの合成等価質量より
も等価質量の小さい第3オリフィスで連通させると共
に、この第3オリフィスに、所定振幅以上の振動の入力
時にその内部の液体の流動を規制する流動規制バルブを
設けるようにした。
【0010】この装置に、エンジンシェイク等の10Hz
前後の周波数域の大振幅の振動が入力されると、流動規
制バルブが第3オリフィスの液体の流動を規制する結
果、第2オリフィスでも液体の流動を生じなくなる。こ
れにより、入力振動は第1オリフィスの等価質量と第1
ダイヤフラム及びゴム弾性体の拡張弾性とによる共振に
よってロスファクターのピークは大きくなり、10Hz前
後の周波数域の大振幅の振動は効果的に低減される。ま
た、この装置に、アイドル振動等の20〜40Hzの周波
数域の小振幅の振動が入力されると、変動規制バルブが
第3オリフィスの液体の流動を規制しなくなる結果、液
体は第1オリフィスに加えて、第3オリフィス及び第2
オリフィスを流動するようになる。これにより、入力振
動は第1及び第2オリフィスの合成等価質量と第1ダイ
ヤフラム及びゴム弾性体の拡張弾性とによる共振によっ
て低減される。さらにまた、この装置に、こもり音や加
速時騒音等の80〜200Hzの周波数域の小振幅の振動
が入力されると、前記とは別の共振系である、第3オリ
フィスの等価質量と第2ダイヤフラム及びゴム弾性体の
拡張弾性とによる共振が生じ、入力振動はこの共振によ
って低減される。
【0011】前記流動規制バルブは、液体の圧力変動に
応動するバルブ本体が規制板でその変位を剛的に規制さ
れる構造としても良い。このようにした場合、大振幅の
振動の入力時に第3オリフィスでの液体の流動が常に確
実に規制され、充分に大きなロスファクターのピークを
得ることが可能になる。さらに、第3オリフィスは、規
制板に形成された連通孔としても良い。このようにした
場合には、第3オリフィスを設けるための特別な部材を
付加する必要が無くなる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施例を図1〜
図8に基づいて説明する。
【0013】この液体封入型防振装置20は、パワーユ
ニット側に取り付けられる取付金具21と、車体側に取
り付けられる取付金具22とを備え、これらの取付金具
21,22が互いに対向した状態でゴム弾性体23によ
って連結されている。車体側の取付金具22は有底円筒
状の底部金具24と略円筒状の上部金具25の2部品か
ら成り、底部金具24の上縁の外周フランジ24aに対
して上部金具25の下縁部をかしめることにより、両者
が一体に結合されている。
【0014】そして、この車体側の取付金具22の内部
にはゴム弾性体23との間で液室26を成す第1ダイヤ
フラム27と、液室26内をゴム弾性体23側(図中上
方側)の主液室28と第1ダイヤフラム27側(図中下
方側)の第1副液室29とに隔成する仕切部材30が取
り付けられている。この仕切部材30は、厚肉の円板状
に形成された仕切本体31と、この仕切本体31の上面
に固定される円板状の規制板32と、仕切本体31の下
面に固定される環状のリテーナプレート33とから成
り、規制板32と仕切本体31を重合した状態において
規制板32の外周縁部上面をゴム弾性体23の段差部2
3aに当接させ、さらに仕切本体31の下縁フランジ3
1aにリテーナプレート33及び前記第1ダイヤフラム
27の外周縁部を重合して、これらを前記底部金具24
と上部金具25のかしめ部分で挟圧することにより、第
1ダイヤフラム27と共に車体側の取付金具22に取り
付けられている。尚、第1ダイヤフラム27の下面と底
部金具24の底面の間には空気室34が設けられてい
る。
【0015】前記仕切本体31は、その上面中央に浅い
凹部31b、下面中央部に深い凹部31cが夫々形成さ
れ、これらの凹部31b,31c間の仕切壁31dが、
以下に説明する流動規制バルブ35の一方の規制板と第
2副液室36の上壁とを成すようになっている。
【0016】即ち、流動規制バルブ35は、仕切本体3
1の上面側の凹部31bと規制板32に囲まれた空間内
に、薄いゴム板から成るバルブ本体37が収容され、こ
のバルブ本体37が仕切壁31dと規制板32の間で設
定微小ストロークだけ上下に変動できるようになってい
る。そして、仕切壁31dと規制板32には夫々複数個
の連通孔38が形成され、これらの連通孔38が本発明
における第3オリフィスCを構成するようになってい
る。尚、バルブ本体37は、主液室28の圧力を受けて
上下方向に変動するが、その圧力の変動幅(入力振動の
振幅)が前記の設定微小ストロークの範囲内であれば連
通孔38を何ら閉塞せずに液体の流動を許容し、圧力の
変動幅(入力振動の振幅)が前記の設定微小ストローク
の範囲以上になると、連通孔38を閉塞してその連通孔
38の液体の流動を規制する。一方、第2副液室36
は、仕切本体31の下面側の凹部31cに、リテーナプ
レート33の内周側の円筒フランジ33aが嵌入され、
この円筒フランジ33aに固着された第2ダイヤフラム
39によって凹部が密閉された構造となっている。
【0017】また、上部金具25に密接する仕切本体3
1の外周面には、ほぼ一周半の長さの溝40が形成され
ており、この溝40の一端が仕切本体31と規制板32
の開口41a,41bを通して主液室28に連通すると
共に、溝40の他端が仕切本体31とリテーナプレート
33の開口42a,42bを通して第1副液室29に連
通している。この溝40と開口41a,41b,42
a,42bは本発明における第1オリフィスAを構成す
るようになっている。さらに、リテーナプレート33に
密接する仕切本体31の下面には、前記第2副液室36
に近接して一周弱の長さの溝43が形成されており、こ
の溝43の一端が仕切本体31の開口44を通して第2
副液室36に連通すると共に、溝43の他端がリテーナ
プレート33の開口45を通して第1副液室29に連通
している。この溝43と開口44,45は本発明におけ
る第2オリフィスBを構成するようになっている。
【0018】ここで、各オリフィスA〜Cとダイヤフラ
ム27,39の設定について説明すると、第3オリフィ
スCの等価質量は第1,第2オリフィスA,Bの合成等
価質量よりも小さく(第3オリフィスCの等価質量は、
第1,第2オリフィスA,Bの夫々の等価質量よりも小
さい。)設定されており、第2ダイヤフラム39の拡張
弾性は第1ダイヤフラム27の拡張弾性よりも大きく設
定されている。
【0019】この液体封入型防振装置20は以上のよう
な構成であるため、エンジンシェイク等の10Hz付近の
周波数域の大振幅の振動、アイドル振動等の20〜40
Hzの周波数域の小振幅の振動、こもり音や加速時騒音等
の80〜200Hzの周波数域の小振幅の振動に対して夫
々以下のようにして作動し、これらの特性の異なる各振
動を効果的に低減する。尚、以下の説明では、図6の模
式図を参照するが、同図においては、図1〜図5に示し
た部分と同一機能部分に対し同一符号を付してある。
【0020】即ち、10Hz付近の周波数域の大振幅の振
動が入力された場合には、流動規制バルブ35のバルブ
本体37が規制板32または仕切壁31dの連通孔38
(第3オリフィスC)を閉塞して、主液室28と第2副
液室36の間の液体の流動を規制するようになる。この
ため、振動の入力に伴って取付金具21,22間が上下
に相対変位すると、主液室28と第1副液室29を連通
する第1オリフィスAのみで液体の流動を生じるように
なり、入力振動は、第1オリフィスAの等価質量と第1
ダイヤフラム27及びゴム弾性体23の拡張弾性による
共振作用によって大きなピークのロスファクターでもっ
て効果的に低減される(図7中の一点鎖線参照)。
【0021】また、20〜40Hzの周波数域の小振幅の
振動が入力された場合には、流動規制バルブ35のバル
ブ本体37が規制板32や仕切壁31dの連通孔38を
閉塞しない範囲で上下方向に変動するため、主液室28
と第1副液室29とを連通する第1オリフィスAで液体
の流動を生じると共に、主液室28と第2副液室36を
連通する第3オリフィスC(連通孔38)、第2副液室
36と第1副液室29を連通する第2オリフィスBでも
液体の流動を生じる。このとき、第3オリフィスCの等
価質量が第1オリフィスAと第2オリフィスBの合成等
価質量に比較して充分に小さく、しかも、第2ダイヤフ
ラム39の拡張弾性が第1ダイヤフラム27の拡張弾性
よりも大きく設定されていることから、入力振動に対し
ては、主に第1,第2オリフィスA,Bの合成等価質量
と第1ダイヤフラム27及びゴム弾性体23の拡張弾性
による共振が生じる。この結果、この周波数域における
防振装置の動ばね定数が低下し、入力振動は、この低下
した動ばね定数でもって効果的に低減される(図8中の
実線参照)。
【0022】また、80〜200Hzの周波数域の小振幅
の振動が入力された場合には、流動規制バルブ35がや
はり第3オリフィスC(連通孔38)を解放するもの
の、入力振動が第1,第2オリフィスA,Bの合成等価
質量と第1ダイヤフラム27及びゴム弾性体23の拡張
弾性による共振の共振周波数を遥かに越えた周波数域の
振動であることから、これらによる共振は生じない。し
かし、入力振動の周波数域が80〜200Hzになると、
第3オリフィスCの等価質量と第2ダイヤフラム39及
びゴム弾性体23の拡張弾性による共振が新たに生じ、
この周波数域における防振装置の動ばね定数が低下し
て、入力振動がこの低下した動ばね定数でもって効果的
に低減される(図8中の実線参照)。
【0023】この防振装置20の場合、以上のようにし
て三つの異なる特性の振動を効果的に低減することがで
きるが、大振幅の振動の入力時と小振幅の振動の入力時
で流路を切り換える変動規制バルブ35が、板状のバル
ブ本体37の変位を上下両側の規制板32,31dによ
って剛的に規制する構造となっているため、バルブ本体
をゴム材によって弾性的に支持する構造のものに比較し
て、大振幅の振動が入力されたときの第3オリフィスC
の液体の流動を確実に抑制することができ、そのため
に、図7中の一点鎖線で示すように非常に大きなロスフ
ァクターのピークでもって10Hz前後の大振幅の振動を
確実に低減することができる。
【0024】ところで、この発明の実施例は以上で説明
したものに限るものでなく、例えば、仕切部材は図9,
図10に示すように、すべて金属製の板材を基にしてプ
レス成形によって形成することも可能である。
【0025】この実施例の仕切部材50は、中央の円筒
フランジ51aで第2ダイヤフラム39を支持するリテ
ーナプレート51と、このリテーナプレート51の上部
に嵌合される有底円筒状の第1プレート52と、この第
1プレート52の上部にさらに嵌合される同じく有底円
筒状の第2プレート53とから構成され、これらのプレ
ート51,52,53が各下縁フランジ51b,52
b,53bを互いに重合した状態において第1ダイヤフ
ラム27と共に底部金具24と上部金具25のかしめ部
によって挾圧固定されている。
【0026】そして、リテーナプレート51は環状の段
部51dを備えており、第1プレート52は、その円筒
部52cをリテーナプレート51の段部51dの周壁に
嵌合し、その上壁下面にリテーナプレート51の円筒フ
ランジ51a上端を突き当てることにより、リテーナプ
レート51との間で小径の環状通路54を形成するよう
になっている。また、第1プレート52の中央部には浅
い凹部52dが形成されており、この凹部52dの底壁
と、リテーナプレート51の円筒フランジ51a及びこ
の円筒フランジ51aに取り付けられた第2ダイヤフラ
ム39との間で第2副液室36を形成するようになって
いる。さらに第2プレート53は、第1プレート52の
円筒部52cに嵌合される円筒部53cの下縁に環状の
段部53dを備え、第1プレート52と嵌合した状態に
おいてこの段部53dが第1プレート52との間で大径
の環状通路55を形成するようになっている。
【0027】また、前記第1プレート52の凹部52d
には薄板状のバルブ本体37が収容され、第2プレート
53の上壁と第1プレート52の凹部52dの底壁とに
より、バルブ本体37の上下の変動を規制する規制板を
構成するようになっている。尚、第2プレート53の上
壁と第1プレート52の底壁には夫々複数の連通孔56
が形成され、この連通孔56によって第3オリフィスC
を構成するようになっている。そして、第2プレート5
3の段部53dの上面と、第1プレート52及びリテー
ナプレート51の下縁フランジ51b,51bには前記
大径の環状通路55に連通する開口57a,57b,5
7cが夫々形成され、リテーナプレート51の円筒フラ
ンジ51aと段部51d上面には前記小径の環状通路5
4に連通する開口58a,58bが夫々形成されてお
り、開口57a,57b,57cは大径の環状通路55
と共に第1オリフィスAを構成し、開口58a,58b
は小径の環状通路54と共に第2オリフィスBを構成す
るようになっている。
【0028】この実施例の防振装置120は、振動の低
減に関する機能については図1〜図6に示した防振装置
20とまったく同様であるが、仕切部材50がすべて金
属製の板材を基にしてプレス成形によって形成されるた
め、低コストでの製造が可能であるという利点がある。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明は、互いに対向して
配置されるパワーユニット側の取付金具と車体側の取付
金具をゴム弾性体で連結し、前記いずれか一方の取付金
具側に、前記ゴム弾性体との間で液室を成す第1ダイヤ
フラムと、前記液室をゴム弾性体側の主液室とこの第1
ダイヤフラム側の第1副液室に隔成する仕切部材とを取
り付け、この仕切部材の内部に、前記第1ダイヤフラム
よりも拡張弾性の大きい第2ダイヤフラムによって隔成
される第2副液室を設け、前記主液室と第1副液室とを
第1オリフィスにより、前記第2副液室と第1液室とを
第2オリフィスにより夫々連通させ、前記主液室と第2
副液室とを、前記第1オリフィスと第2オリフィスの合
成等価質量よりも等価質量の小さい第3オリフィスで連
通させると共に、この第3オリフィスに、所定振幅以上
の振動の入力時にその内部の液体の流動を規制する流動
規制バルブを設けるようにしたため、エンジンシェイク
等の10Hz前後の周波数域の大振幅の振動を大きなロス
ファクターでもって効果的に低減することができると共
に、こもり音や加速時騒音等の80〜200Hzの周波数
域の小振幅の振動と、アイドル振動等の20〜40Hzの
周波数域の小振幅の振動とを小さな動ばね定数でもって
効果的に低減することのできる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】同実施例を示す分解断面図。
【図3】同実施例を示す平面図。
【図4】同実施例を示す平面図。
【図5】同実施例を示す平面図。
【図6】同実施例を示す模式図。
【図7】同実施例の大振幅振動入力時の減衰特性を示す
グラフ。
【図8】同実施例の小振幅振動入力時のばね特性を示す
グラフ。
【図9】本発明の他の実施例を示す断面図。
【図10】同実施例を示す分解断面図。
【図11】従来の技術を示す断面図。
【図12】同技術を示す模式図示。
【符号の説明】
20…液体封入型防振装置、 21…パワーユニット側の取付金具、 22…車体側の取付金具、 23…ゴム弾性体、 26…液室、 27…第1ダイヤフラム、 28…主液室、 29…第1副液室、 30…仕切部材、 31d…仕切壁(規制板)、 32…規制板、 35…流動規制バルブ、 36…第2副液室、 37…バルブ本体、 39…第2ダイヤフラム、 A…第1オリフィス、 B…第2オリフィス、 C…第3オリフィス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/16 - 13/18 B60K 5/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向して配置されるパワーユニッ
    ト側の取付金具と車体側の取付金具をゴム弾性体で連結
    し、前記いずれか一方の取付金具側に、前記ゴム弾性体
    との間で液室を成す第1ダイヤフラムと、前記液室をゴ
    ム弾性体側の主液室とこの第1ダイヤフラム側の第1副
    液室に隔成する仕切部材とを取り付け、この仕切部材
    に、前記第1ダイヤフラムよりも拡張弾性の大きい第2
    ダイヤフラムによって隔成される第2副液室を設け、前
    記主液室と第1副液室とを第1オリフィスにより、前記
    第2副液室と第1副液室とを第2オリフィスにより夫々
    連通させ、前記主液室と第2副液室とを、前記第1オリ
    フィスと第2オリフィスの合成等価質量よりも等価質量
    の小さい第3オリフィスで連通させると共に、この第3
    オリフィスに、所定振幅以上の振動の入力時にその内部
    の液体の流動を規制する流動規制バルブを設けたことを
    特徴とする液体封入型防振装置。
  2. 【請求項2】 前記流動規制バルブは、液体の圧力変動
    に応動するバルブ本体が規制板でその変位を剛的に規制
    される構造であることを特徴とする請求項1に記載の液
    体封入型防振装置。
  3. 【請求項3】 前記第3オリフィスは、規制板に形成さ
    れた連通孔であることを特徴とする請求項2に記載の液
    体封入型防振装置。
JP27848896A 1996-10-22 1996-10-22 液体封入型防振装置 Expired - Fee Related JP3035233B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27848896A JP3035233B2 (ja) 1996-10-22 1996-10-22 液体封入型防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27848896A JP3035233B2 (ja) 1996-10-22 1996-10-22 液体封入型防振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10122294A JPH10122294A (ja) 1998-05-12
JP3035233B2 true JP3035233B2 (ja) 2000-04-24

Family

ID=17598033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27848896A Expired - Fee Related JP3035233B2 (ja) 1996-10-22 1996-10-22 液体封入型防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3035233B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010255664A (ja) * 2009-04-21 2010-11-11 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置
US8424854B2 (en) 2008-12-25 2013-04-23 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled type vibration damping device
US8573570B2 (en) 2009-02-23 2013-11-05 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled vibration damping device

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19955818B4 (de) * 1999-01-20 2004-08-05 Nsk Ltd. Verfahren zum Schleifen der Zugoberfläche einer halbringförmigen Scheibe eines stufenlosen Getriebes
DE19964368B4 (de) * 1999-01-20 2005-01-05 Nsk Ltd. Verfahren zum Schleifen der Zugoberfläche einer halbringförmigen Scheibe eines stufenlosen Getriebes
JP6153428B2 (ja) * 2013-09-17 2017-06-28 東洋ゴム工業株式会社 液封入式防振装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8424854B2 (en) 2008-12-25 2013-04-23 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled type vibration damping device
US8573570B2 (en) 2009-02-23 2013-11-05 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled vibration damping device
JP2010255664A (ja) * 2009-04-21 2010-11-11 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10122294A (ja) 1998-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2924317B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP5514508B2 (ja) 液圧式防振マウント及び該液圧式防振マウントを備えている車両
JPH0625727Y2 (ja) 流体封入式マウント装置
US5887844A (en) Fluid-sealed vibration isolating device
JP3035233B2 (ja) 液体封入型防振装置
JP2007139024A (ja) 流体封入式防振装置
JP4220107B2 (ja) 制御型の液封入式防振装置
JP3666484B2 (ja) 液封入式防振装置
KR100722311B1 (ko) 유체봉입식 마운트장치
JPH01224544A (ja) 流体封入型防振装置
JPH109333A (ja) 防振装置
JP4075066B2 (ja) 流体封入式エンジンマウント
WO2016175273A1 (ja) 防振装置
JP2003004088A (ja) 液封防振装置
JPH02129426A (ja) 流体封入式マウント装置
JPS63266242A (ja) 流体封入式マウント装置
JP3407616B2 (ja) 流体封入式防振装置
JPH0716126Y2 (ja) 流体封入式マウント装置
JPH07190135A (ja) 液体封入防振支持装置
JPH0729317Y2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP4231980B2 (ja) 液体封入式マウント
JPH08277878A (ja) 液封入防振装置
JP3628197B2 (ja) 切替型液封入式防振装置
JPH0624593Y2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP3934294B2 (ja) 液体封入式防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees