JP3034897B2 - 副甲状腺機能亢進症治療剤 - Google Patents
副甲状腺機能亢進症治療剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はビタミンD誘導体を有効成分として含有する
副甲状腺機能亢進症の治療剤に関する。更に詳しくは、
本発明は下記一般式で示されるビタミンD類による副甲
状腺機能亢進症の治療剤の発明である。
副甲状腺機能亢進症の治療剤に関する。更に詳しくは、
本発明は下記一般式で示されるビタミンD類による副甲
状腺機能亢進症の治療剤の発明である。
〔式中Rは、1〜2個の水酸基で置換されている炭素数
4〜6の分岐状のアルキル基、又は(1−シクロプロピ
ル−1′−ヒドロキシ)メチル基を意味する〕 従来技術・発明が解決しようとする問題点 副甲状腺機能亢進症、特に二次性の副甲状腺機能亢進
症は腎透析患で多発する疾患である。この疾患の治療剤
として、活性型ビタミンD3である1α、25−ヒドロキシ
ビタミンD3が有効であることが報告されている(J.Cli
n.Invest.,74:2136−3143,1984)。
4〜6の分岐状のアルキル基、又は(1−シクロプロピ
ル−1′−ヒドロキシ)メチル基を意味する〕 従来技術・発明が解決しようとする問題点 副甲状腺機能亢進症、特に二次性の副甲状腺機能亢進
症は腎透析患で多発する疾患である。この疾患の治療剤
として、活性型ビタミンD3である1α、25−ヒドロキシ
ビタミンD3が有効であることが報告されている(J.Cli
n.Invest.,74:2136−3143,1984)。
副甲状腺機能亢進症は副甲状腺ホルモン(PTH)の分
泌が亢進しその作用が異常に増強された疾患である。こ
の疾患に対し1α、25−ジヒドロキシビタミンD3が有効
であるのは、1α、25−ジヒドロキシビタミンによる血
中カルシウムの上昇作用によるものと考えられていた。
つまりPTHは血中のカルシウム量の減少に伴い分泌され
る。またPTHは1α、25−ヒドロキシビタミンD3の腎に
おける生合成を促進する。その結果、1α、25−ジヒド
ロキシビタミンD3により血中カルシウム量が増加し、負
のフィードバック機構が働きPTHの分泌が抑制されると
されていた。
泌が亢進しその作用が異常に増強された疾患である。こ
の疾患に対し1α、25−ジヒドロキシビタミンD3が有効
であるのは、1α、25−ジヒドロキシビタミンによる血
中カルシウムの上昇作用によるものと考えられていた。
つまりPTHは血中のカルシウム量の減少に伴い分泌され
る。またPTHは1α、25−ヒドロキシビタミンD3の腎に
おける生合成を促進する。その結果、1α、25−ジヒド
ロキシビタミンD3により血中カルシウム量が増加し、負
のフィードバック機構が働きPTHの分泌が抑制されると
されていた。
1α、25−ジヒドロキシビタミンD3は、現在では腎疾
患による副甲状腺機能亢進症の治療薬として常用されて
いる。しかしながら1α、25−ジヒドロキシビタミンD3
は血中カルシウムの上昇作用が強く、連続的に用いた場
合、高カルシウム血症を引きおこすという欠点を有して
いる。
患による副甲状腺機能亢進症の治療薬として常用されて
いる。しかしながら1α、25−ジヒドロキシビタミンD3
は血中カルシウムの上昇作用が強く、連続的に用いた場
合、高カルシウム血症を引きおこすという欠点を有して
いる。
本発明者等は、副甲状腺機能亢進症の治療薬として使
い得るビタミンD類の研究を鋭意進めた結果、血中カル
シウムに対し殆ど影響がないか、又は比較的弱いビタミ
ンD類の中に有意にPTHの分泌を抑制するものを見出し
た。本発明の化合物は血中カルシウム値に対する影響が
弱いにもかかわらず、骨髄性白血病細胞の分化誘導能に
おいては、1α、25−ジヒドロキシビタミンD3と、ほぼ
同等乃至10倍強いという特徴を有している。従来から血
中カルシウム値の上昇作用の強いビタミンD誘導体、例
えば1α、25−ジヒドロキシビタミンD3とPTH分泌抑制
作用との関係は論じられているが、本発明の化合物のよ
うに血中カルシウムに対する影響が弱いビタミンD誘導
体であってもPTHの分泌を抑制するというのは文献未記
載の新知見といえる。また本発明の化合物は、連続的に
用いても高カルシウム血症を引きおこすことがないとい
う優れた特性も備えている。
い得るビタミンD類の研究を鋭意進めた結果、血中カル
シウムに対し殆ど影響がないか、又は比較的弱いビタミ
ンD類の中に有意にPTHの分泌を抑制するものを見出し
た。本発明の化合物は血中カルシウム値に対する影響が
弱いにもかかわらず、骨髄性白血病細胞の分化誘導能に
おいては、1α、25−ジヒドロキシビタミンD3と、ほぼ
同等乃至10倍強いという特徴を有している。従来から血
中カルシウム値の上昇作用の強いビタミンD誘導体、例
えば1α、25−ジヒドロキシビタミンD3とPTH分泌抑制
作用との関係は論じられているが、本発明の化合物のよ
うに血中カルシウムに対する影響が弱いビタミンD誘導
体であってもPTHの分泌を抑制するというのは文献未記
載の新知見といえる。また本発明の化合物は、連続的に
用いても高カルシウム血症を引きおこすことがないとい
う優れた特性も備えている。
問題点を解決するための手段 本発明の治療剤として使い得るのは、前記一般式
(I)で示される化合物である。この一般式に含まれる
化合物として具体的には、例えば以下に記す(a)〜
(e)等の化学構造を有する化合物である。
(I)で示される化合物である。この一般式に含まれる
化合物として具体的には、例えば以下に記す(a)〜
(e)等の化学構造を有する化合物である。
本発明の化合物の化合構造上の特徴は、前記一般式
(I)によって特徴づけられるが、その生物活性から見
た特徴としては、インビトロの実験系において骨髄性の
白血病細胞株、例えばHL−60細胞株の分化誘導活性が、
1α、25−ジヒドロキシビタミンD3と、ほぼ同等乃至10
倍程度強いという点および血清カルシウム値におよぼす
影響が殆どないか若しくは1α、25−ジヒドロキシビタ
ミンD3に比較して弱いという点である。
(I)によって特徴づけられるが、その生物活性から見
た特徴としては、インビトロの実験系において骨髄性の
白血病細胞株、例えばHL−60細胞株の分化誘導活性が、
1α、25−ジヒドロキシビタミンD3と、ほぼ同等乃至10
倍程度強いという点および血清カルシウム値におよぼす
影響が殆どないか若しくは1α、25−ジヒドロキシビタ
ミンD3に比較して弱いという点である。
前記(a)〜(e)に例示した化合物は公知化合物で
あり、例えば特開昭60−248664号公報、特公表62−5003
01号公報、同62−501505号公報、同63−500661号公報に
記載の方法に従って製造される。
あり、例えば特開昭60−248664号公報、特公表62−5003
01号公報、同62−501505号公報、同63−500661号公報に
記載の方法に従って製造される。
本発明において副甲状腺機能亢進症とは、PTHの分泌
が亢進しその作用が異常に増強された疾患である。本発
明の治療剤は副甲状腺機能亢進症の中でも特に、腎不全
等に伴う二次性(続発生)の副甲状腺機能亢進症の治療
剤として有用である。
が亢進しその作用が異常に増強された疾患である。本発
明の治療剤は副甲状腺機能亢進症の中でも特に、腎不全
等に伴う二次性(続発生)の副甲状腺機能亢進症の治療
剤として有用である。
本発明において、本発明の化合物の投与は、例えば二
次性の副甲状腺機能亢進症の治療薬として用いる場合、
経口又は非経口的(静注)に投与される。静注の場合、
投与量は0.01μg〜10μg/1回の範囲で、経口的に投与
する場合は0.01μg〜10μg/日の範囲で適宜選択され
る。
次性の副甲状腺機能亢進症の治療薬として用いる場合、
経口又は非経口的(静注)に投与される。静注の場合、
投与量は0.01μg〜10μg/1回の範囲で、経口的に投与
する場合は0.01μg〜10μg/日の範囲で適宜選択され
る。
本発明の化合物は投与方法に応じ、所望の形に製剤化
することが可能である。例えば経口的に投与する場合、
カプセル、錠剤等に製剤化される。なおこの場合投与量
が極微量なところから、本発明化合物を植物油、脂肪酸
のトリグリセライドに溶解した後、ソフトカプセル剤と
するのが好ましい。
することが可能である。例えば経口的に投与する場合、
カプセル、錠剤等に製剤化される。なおこの場合投与量
が極微量なところから、本発明化合物を植物油、脂肪酸
のトリグリセライドに溶解した後、ソフトカプセル剤と
するのが好ましい。
以下に本発明の化合物のPTHの分泌抑制を見た実験例
を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
実 験 例 i)動物:SD/Jcl雄性ラット(40〜45g、3週令)を購入
後16日間0.003%Ca/D欠食で飼育したものを用いた。
後16日間0.003%Ca/D欠食で飼育したものを用いた。
ii)投与剤:本発明の化合物として前記(e)の化合物
(MC−903)プロピレングリコールに溶解して用いた。
なお対照として1α、25−ジヒドロキシビタミンD3を用
い、コントロールとしてはプロピレングリコールのみを
用いた。
(MC−903)プロピレングリコールに溶解して用いた。
なお対照として1α、25−ジヒドロキシビタミンD3を用
い、コントロールとしてはプロピレングリコールのみを
用いた。
iii)方法:前i)の動物およびii)の投与剤を用い、
腹腔内投与を行った後、24時間後より48時間後までの24
時間、動物を代謝ゲージに入れ、蓄尿した。尿中のC−
AMP量(PTH抑制の指標)はRIA法(ヤマサ製キット)に
よる。その結果を図面に示す。
腹腔内投与を行った後、24時間後より48時間後までの24
時間、動物を代謝ゲージに入れ、蓄尿した。尿中のC−
AMP量(PTH抑制の指標)はRIA法(ヤマサ製キット)に
よる。その結果を図面に示す。
iv)結果:図面に示すように本発明の化合物(e)(MC
−903)は、尿中のC−AMP量を対照として用いた1α、
25−25−ジヒドロキシビタミンD3〔1α、25−(OH)2D
3〕と同程度まで減少させた。これは血中へのPTHの分泌
をおさえた結果である。
−903)は、尿中のC−AMP量を対照として用いた1α、
25−25−ジヒドロキシビタミンD3〔1α、25−(OH)2D
3〕と同程度まで減少させた。これは血中へのPTHの分泌
をおさえた結果である。
図面は、本発明の化合物のPTH分泌抑制作用を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】下記一般式(I)で示される1α−ヒドロ
キシビタミンD類を有効成分として含有する副甲状腺機
能亢進症治療剤。 [式中Rは、1〜2個の水酸基で置換されている炭素数
4〜6の分岐状のアルキル基、又は(1−シクロプロピ
ル−1′−ヒドロキシ)メチル基を意味する] - 【請求項2】一般式(I)で示される化合物が下式a)
〜e)で示される化合物から選ばれるものである請求項
1記載の治療剤。 - 【請求項3】副甲状腺機能亢進症が、腎透析患者の二次
性副甲状腺機能亢進症である請求項1または2記載の治
療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2088669A JP3034897B2 (ja) | 1989-04-05 | 1990-04-03 | 副甲状腺機能亢進症治療剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1-87380 | 1989-04-05 | ||
JP8738089 | 1989-04-05 | ||
JP2088669A JP3034897B2 (ja) | 1989-04-05 | 1990-04-03 | 副甲状腺機能亢進症治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0347127A JPH0347127A (ja) | 1991-02-28 |
JP3034897B2 true JP3034897B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=26428668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2088669A Expired - Fee Related JP3034897B2 (ja) | 1989-04-05 | 1990-04-03 | 副甲状腺機能亢進症治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3034897B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102555373B1 (ko) | 2016-03-28 | 2023-07-13 | 엘지전자 주식회사 | 터보 기계 시스템의 탐지장치 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018159353A1 (ja) | 2017-03-01 | 2018-09-07 | Nok株式会社 | ポリフェニルスルホン多孔質中空糸膜の製造法 |
-
1990
- 1990-04-03 JP JP2088669A patent/JP3034897B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102555373B1 (ko) | 2016-03-28 | 2023-07-13 | 엘지전자 주식회사 | 터보 기계 시스템의 탐지장치 |
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JPH0347127A (ja) | 1991-02-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |