JP3034892B2 - 電子的撮像装置 - Google Patents

電子的撮像装置

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JP3034892B2
JP3034892B2 JP2016550A JP1655090A JP3034892B2 JP 3034892 B2 JP3034892 B2 JP 3034892B2 JP 2016550 A JP2016550 A JP 2016550A JP 1655090 A JP1655090 A JP 1655090A JP 3034892 B2 JP3034892 B2 JP 3034892B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子的撮像装置、詳しくは、撮像素子であ
るイメージャを入射光軸に対して直交する方向に変位可
能とする、所謂、シフト機能を有する電子的撮像装置に
関する。
[従来の技術] 写真撮影において、特に、建築物の撮影を行うような
場合、被写体各部までの距離差による倍率の違いを補正
する必要が生じることはよく知られている。そこで、従
来はこの補正を行うため、撮影レンズとフィルムの関係
位置を撮影レンズ光軸に直交する方向に相対的に変位
(以下、シフトと称する)させ、即ち、平行アオリを行
って、シフト撮影を行っていた。このようなシフト撮影
について、撮像素子を用いたカメラの場合、上記銀塩フ
ィルムによる場合よりも、比較的にシフト動作が容易に
行うことができる。そこで、撮像素子を用いた電子的撮
像装置によるアオリ撮影に関するものが種々提案されて
いるが、まず、本出願人による実公平1−15258号公報
に開示された撮像記録装置における固体撮像素子の移動
装置は上記撮像素子の受光面を撮影レンズの光軸に対し
て傾斜アオリ、即ち、ティルトさせると共に、垂直方向
にシフトさせる機構を有する装置を提案したものであ
る。また、特開平1−91574号公報に開示されたテレビ
ジョンカメラ光電変換面アオリ装置は撮像用光電変換面
を傾斜アオリ動作と平行アオリ動作を連続して行わせる
ことができる撮像管または撮像素子の可動型支持装置に
関するものである。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上述のような従来提案された装置におい
て、固体撮像素子等(以下、イメージャと称す)をシフ
トさせるという技術は示されているものの、実際のカメ
ラ用に適用した場合、次のような不具合があった。
即ち、光学ファインダを用いる撮影系に適用した場
合、イメージャがシフトするとファインダとの視野のず
れが生じてファインダ機能を果たさなくなってしまう。
また、カメラがレンズ交換式のものである場合、レンズ
の撮影許容範囲を示すイメージサークルサイズの違いに
より、シフト時に撮像にケラレが生じることがある。更
に、また、シフト撮影は撮影レンズのイメージサークル
の周辺部を用いるので、光軸付近の画質に比較して撮影
画質の劣化が生じるなどのような不具合が生じることが
予想されるものであった。
上記の各不具合点を解決するため、本発明の第1の目
的は、イメージャとファインダ光学系を所定の位置関係
を保ってイメージャをシフト、即ち光軸と直交する方向
に変位させるようにして、シフト撮影時にファインダの
視野のずれが生じないようにし、また、第2の目的は、
イメージャのシフト領域を撮影レンズのイメージサーク
ル情報に対応して規制するようにして、複数の交換レン
ズに対してもシフト撮影を実行できるようにし、更にま
た、第3の目的は、通常撮影に対してイメージャをシフ
トさせて撮影する場合はシフト撮影に適した撮影プログ
ラムを選択するようにしてシフト撮影による画質劣化を
防止することの可能な電子的撮像装置を提供するにあ
る。
[課題を解決するための手段および作用] 本発明による電子的撮像装置は、イメージャと、該イ
メージャに被写体像を結像せしめる撮像光学系と、該撮
像光学系中に配設された分岐光学系によって分岐された
TTLファインダ光学系と、上記イメージャと上記ファイ
ンダ光学系の各々が両者の光学的位置関係を上記イメー
ジャの撮影領域とファインダの視野が一致するように維
持しつつ、各々の光軸に対して垂直な方向に変位可能な
連動機構とを具備してなることを特徴とする。
また、本発明による電子的撮像装置は、変位可能に支
持されたイメージャと、該イメージャの変位量を指定す
るための変位量入力手段と、適用する撮影レンズからそ
れのイメージサークルに関する情報を受ける情報認識手
段と、上記イメージャの変位領域を上記情報認識手段に
より受けたイメージサークルに関する情報に基づき制限
する変位領域制限手段とを具備してなることを特徴とす
る。
更にまた、本発明による電子的撮像装置は、イメージ
ャを通常位置及びその他の位置において支持し得るイメ
ージャ支持手段と、イメージャを通常位置以外の位置に
変位させて撮影を行うよう条件が設定されたことを認識
する設定認識手段と、上記設定認識手段による認識に基
づいてゲインを含む露出調定に関する撮影プログラムを
選択する露出プログラム選択手段とを具備してなること
を特徴とする。
[実 施 例] 以下、図示の実施例により本発明を説明する。
第2図は、本発明の第一実施例を示す電子的撮像装置
の制御部のブロック構成図である。マイクロコンピュー
タで構成されるシステムコントローラ101は本装置のコ
ントロールを司るものである。被写体撮影光はイメージ
ャ32によって取り込まれ、その撮像信号は、プロセス回
路等の信号処理回路と記録回路を含む撮像記録系112に
よって、磁気媒体あるいは固体メモリ等に記録される。
そして、測光素子102は、上記撮影光の測光を行いシス
テムコントローラ101に入力する。イメージャ32の露出
コントロールを行う露出調定系111は絞りアクチュエー
タ103と、シャッタ104と、撮像ゲインコントローラ105
と、ストロボ装置106とによって構成されている。
通常撮影かシフト撮影かのモードの選択用シフトモー
ド切換スイッチ107はスライドスイッチで構成され、そ
のコモン接点は電源電圧Vccによってプルアップされて
いる。また、シフトボリューム108は上記シフト撮影選
択時のシフト量を指定するものであり、スライドボリュ
ームで構成され基準電圧Vrefが供給される。その出力は
A/D変換回路109を介してシステムコントローラ101に入
力される。また、基準電圧Vrefが供給されるシフト位置
エンコーダ31eはイメージャ32がシフトされた位置を検
出し、その出力はシステムコントローラ101にA/D変換回
路110を介して入力される。システムコントローラ101に
内蔵されるROMテーブル101aには露出調定系111の動作の
ための基準データあるいは使用レンズに対応する最大許
容シフト量データ等が記憶されており、必要に応じてそ
のデータが読み出される。シフトアクチュエータ72はイ
メージャ32およびファインダ光学系の視野枠部(第
1図参照)を指定のシフト位置まで変位させる駆動用モ
ータである。
次に、本実施例の電子的撮像装置の撮影光学系の構成
を、第1図によって説明する。上記光学系はハーフミラ
ーを有する第1ミラー部を内蔵するベースブロック1
と、撮像素子であるイメージャ32を有する撮像部3と、
ファインダ光学系、即ち、本件ではTTL(Through the
Taking Lens)光学系、および、上記撮像部3とファ
インダ光学系の視野枠部をシフト変位させる駆動部7
によって構成されている。そして、上記ファインダ光学
系は、ファインダ像の結像用のマット42を支持する視野
枠部と、ファインダ用のハーフミラーを有する第2ミ
ラー部と、ファインダ部と、測光部によって構成
されている。
上記第1ミラー部の構造の詳細は第3図に示され
る。ハーフミラーである第1ミラー22は、第1ミラー受
け21の開口部にクッション24を介して当接させ、そし
て、ビス25により取付穴23aを介してミラー押え23で上
記第1ミラー22を押圧し、取付穴21aを有する面に対し
て斜設して固定される。
なお、第1ミラー部はベースブロック1に取付けら
れるが、その取付状態においては入射する撮影光(第1
図の光軸Oとする)が上記第1ミラー22にて、一部はそ
のまま透過しイメージャ32の光電変換面上にて結像す
る。その他の撮影光は光軸O2方向(第1図参照)に反射
して、ファインダ用マット42にファインダ像として結像
する。
また、上記撮像部3の構造の詳細は第4図に示され
る。固体撮像素子であるイメージャ32は、支持枠31のイ
メージャ取付窓31aに取付けられ、ビス穴33aを有する押
え板33を介してビス34によって固定される。上記支持枠
31の上部にはシフト変位のガイド用貫通穴31bが設けら
れ、また、下方にはガイド用の軸穴31cが配設されてい
る。なお、上記穴31b、および31cの軸方向はイメージャ
の光電変換面に平行とする。更に、支持枠31の下方に
は、シフト駆動用のラック31dが形成されている。その
ラックのピッチ線方向は上記軸方向と平行である。また
支持枠31の上部端面にはシフト量を検出するための電気
抵抗被膜であるシフト位置エンコーダ31eが配設されて
いる。
次に、上記視野枠は第5図に示されるように、マッ
ト受け41に設けられた視野枠41aにマット42を取付け、
マット受け41に設けられた2つの爪41b(1つの爪は図
示されていない)で係止して固定される。また、上記撮
像部3と同様に、マット受け41にはシフト変位のための
ガイド用貫通穴41cと軸穴41d、更に、下方にはシフト駆
動用のラック41eが設けられている。そして、これらの
穴41c,41dの軸方向およびラック41eのピッチ線方向は互
いに平行とし、更にマット42の結像面とも平行となるよ
うに配設されている。
次に、第2ミラー部は第6図に示されるように、フ
ァインダ用のハーフミラーである第2ミラー52を第2ミ
ラー受け51のミラー開口部51aに、取付穴51dが配設され
る面に斜設した状態で取付け、そして、ビス54によりミ
ラー押え53の取付穴53aを介してネジ穴51bに螺着し、第
2ミラーを押圧し固定する。なお、第2ミラー受け51に
はファインダ部との嵌合部51cが設けられている。
測光部は、第7図に示されるように、測光素子(図
示せず)の取付開口部61aを有する測光枠61に測光用集
光レンズ63およびフィルタ62を重ねて取付け、測光枠61
に設けられた2つの爪61bで係止して固定する。なお測
光枠61に取付穴61cが配設されている。
シフト駆動部7の構成は第8図に示されている。駆動
モータであるシフトアクチュエータ72は、その出力軸に
モータギヤー73を固着した状態でギヤー取付板71に設け
られた切欠部71aに挿入し、ビス82によって取付穴71iを
介して固定支持される。ギヤー取付板71には各ギヤー列
を軸支するための軸71b,71c,71d,71e,71f,71g,71hが植
設されている。なお、軸71d,71hは段付軸とする。大小
ギヤーからなる複列ギヤー74,75およびギヤー76はそれ
ぞれ上記の軸71b,71c,71dに軸支され相互に噛合して一
つの減速ギヤー列を形成する。そして、複列ギヤー74は
上記モータギヤー73に噛合し、ギヤー76はその組付状態
において、撮像部3のラック31dと噛合する。
また、ギヤー78,複列ギヤー79,80およびギヤー81は上
記の軸71e,71f,71g,71hに軸支され、相互に噛合して他
の一つの減速ギヤー列を形成する。そして、上記ギヤー
78は上記モータギヤー73と噛合し、ギヤー81は、その組
付状態において、視野枠部のラック41eと噛合する。
また、上記の2つのギヤー列の減速比は、イメージャ32
とファインダ光学系の視野枠41aの光軸OまたはO2に対
する相対位置関係が固定されるように、即ち、シフト量
が等量となるような値が選定されている。なお、上記ギ
ヤー76の軸方向の抜け止めは止め輪77を用いて行われ、
他のギヤーについても同様に止め輪を用いるものとする
(但し、図示はしない)。
上記各部要素は、第1図に示すようにベースブロック
1等に順次組付けられるものであり、まず、第1ミラー
はビス26によって第1ミラー受け21の穴21aを介し
てベースブロック1に固定される。そして、撮像部3
は、ベースブロック1の各2つの軸穴1aと盲穴1bとに挿
入される支持メンバの2本のガイド軸11によって貫通孔
31bと穴31cを介して摺動自在に支持される。なお、ガイ
ド軸11の固定は、ビス15を取付穴13bに通してベースブ
ロック1のネジ穴1gに螺着して、止め板13を固定し、そ
の止め板13の軸押え用盲穴13aを介して固定が行われ
る。同様に、視野枠部は、前記光軸O2と直交する方向
であるベースブロック1の各2つの軸穴1cと盲穴1dに挿
入される、支持メンバである2本のガイド軸12によって
貫通穴41cと穴41dを介して摺動自在に支持される。な
お、ガイド軸12の固定は、ビス16を取付穴14bに通して
ベースブロック1のネジ穴1hに螺着して止め板14を固定
し、その止め板14の軸押え用盲穴14aを介して行われ
る。
第2ミラー部は、第2ミラー受け51の穴51dを介し
てビス55をネジ穴1eに螺着してベースブロック1に固定
される。更に、測光部6は、測光枠61の取付穴61cを介
して、ビス65をネジ穴51eに螺着して第2ミラー受け51
に固定される。そして、測光枠61の素子取付開口部61a
には測光素子64が固着される。ファインダ部は図示さ
れない本電子的撮像装置の本件に支持され、そのリレー
レンズ環部8aは第2ミラー受け51のファインダ嵌合部51
cに嵌入される。
駆動部7は、ベースブロック1にギヤー取付板71の取
付穴71jを介してビス83をネジ穴1fに螺着して固定支持
される。そして、駆動モータであるシフトアクチュエー
タ72によって連動して駆動されるギヤー76および81は、
上記撮像部3の支持枠31に設けられるラック31dおよび
視野枠部の支持部であるマット受け41に設けられるラ
ック41eと、それぞれその取付状態において噛合するも
のとする。
なお、この撮影光学系は組付状態において、第1図に
示すように撮影者から見た通常の使用状態においてA方
向が前方向,B方向が上方向,C方向が右手方向を示す。
以上のように構成された撮影光学系の動作について説
明すると、まず、第1ミラー部に入射し、第1ミラー
22上で、一部の撮影光が光軸O2方向に反射され、マット
42上にてファインダ像が結像される。一方、第1ミラー
を透過した撮影光はイメージャ32の光電変換面上にて結
像する。上記ファインダ像は第2ミラー52上で反射し、
ファインダ部を介して観察される。同時に、第2ミラ
ー52で一部の光束は透過し、測光部の集光レンズ63,
フィルタ62を介して、測光素子64に入射される。
また、シフト動作は、システムコントローラ101のシ
フト指示に基づいて、アクチュエータ72が指定の方向に
回動し、ギヤー76とラック31dを介してイメージャ32を
シフト変位させる。同時にギヤー81とラック41eを介し
て視野枠41aがイメージャに連動して所定の光学的位置
関係を保ちながら移動するので被写体の視野が外れてし
まうことなく移動する。またイメージャ32と視野枠41a
の具体的なシフト方向は、第1図においてイメージャ32
が矢印G方向に移動すればであれば、視野枠41aは矢印
H方向に移動する。
第9図は、本実施例の電子的撮像装置の外観を示す図
である。カメラ本体120には、撮影レンズ121を有するレ
ンズ鏡筒が装着され、また、ストロボ用窓106aが被写体
側に記録媒体出入口124が撮影者の左手方向に配設され
る。更に、本体120の上面にはテレ,ワイドのズームス
イッチ釦122,レリーズスイッチ釦123,表示部125、シフ
トモード切換スイッチツマミ107aおよびシフトボリュー
ムツマミ108aがそれぞれ配設されている。
次に、本実施例の電子的撮像装置のカメラのシフトモ
ード撮影動作につて、第21図のフローチャートを用いて
説明する。
まず、ステップS101において、シフトモード切換スイ
ッチ107がシフトモードに設定されているかどうかのチ
ェックがなされる。シフトモードが設定されていなけれ
ばステップS108にジャンプし、シフト状態のリセット動
作が行われる。即ち、イメージャ32がシフト位置にある
場合シフトボリューム108の値如何に係わらず、イメー
ジャ3をその光電変換面中心が光軸Oに合致する位置ま
で移動させる。そしてステップS109においてシフトモー
ドフラグFを0にリセットしてステップS105に進む。
一方、ステップS101のチェックにおいてシフトモード
が設定されていると判断されれば、ステップS102に進
み、シフトモードフラグFを1にセットする。そして、
ステップS103において、シフトボリューム108によって
指定されているシフト量データを読み取り、続いてステ
ップS104において、上記シフト量に対応してアクチュエ
ータ72によりシフト駆動が行われ、イメージャ32および
視野枠41aが連動して移動する。続いて、ステップS105
に進む。
ステップS105において、カメラのパワースイッチのオ
ン・オフの判別がなされ、オフであれば直ちに撮影動作
を終了する。また、オンであれば、ステップS106におい
て、レリーズ釦123が押圧され撮影トリガ信号がオンと
なったかどうかの判別がなされる。信号がなければ、再
びステップS101に戻り、前述の処理を繰返す待機状態と
なる。そして、オン信号が出力されればシステムコント
ローラ101による撮影シーケンスが実行され、撮影が行
われる。その後、再びステップS101に戻り撮影の待機状
態となる。
このようにして本実施例の電子的撮像装置によるシフ
ト撮影ではイメージャ32のシフト動作に連動して視野枠
もシフトされるので、シフトすることによって被写体
がファインダの視野から外れてしまうようなことがなく
なり、シフト撮影を容易に行うことができる。なお、本
実施例はイメージャ32と視野枠部とは機械的に連動さ
れる構造を採用したものであるが、必ずしも機構的な連
動システムを必要とするものではなく、双方を独立した
駆動源を用いて駆動し、シフト動作を行わせるような場
合、すなわち、所謂、電気的連動システムによっても、
本発明の要旨をそのまゝ適用することができるものであ
る。
次に本発明の第2実施例を示す電子的撮像装置の撮像
光学系について説明する。上述の第一実施例のものに対
してこの実施例のものはシフト機構が異なるものであっ
て、その特徴とするところは、イメージャのシフト方向
(第1方向)とファインダ光学系の分岐方向(第2方
向)を垂直に設定することにより、機構の単純化を計っ
たことにある。第10図は本実施例の撮像光学系の平面配
置図であって、フレーム90は第1ミラー22′が斜設され
るベースブロック1′を支持しており、フレーム90上の
駆動機構を介して上下に駆動されるベース板99には撮像
部3′と、視野枠部′と、第2ミラー52′を斜設する
第2ミラー部′と、測光部′およびファインダ部
′がそれぞれ固定的に支持されている。上記第1ミラ
ー22′や撮像部3′などの各構成要素は第1実施例のも
のとその支持部が異なるのみであって、それ以外の構成
部品は同等である。第10図および第11図においてA方向
が前方、B方向が上方向、C方向が右手方向を示す。そ
して、イメージャと視野枠とは同時に上下(第1方向)
にシフトされる。
第11図は、上記実施例における撮影光学系シフト機構
部の縦断面図である。駆動モータであるシフトアクチュ
エータ91はビス92によってフレーム90に取付けられてい
る。また、フレーム90にはギヤー列軸支用の軸90a,90b,
90cが植設され、更に、カム筒98を支持する内径部90fを
有するボス部90gが配設され、ボス部90gの上方にカムギ
ヤー97を軸支するカムギヤー嵌合部90dが設けられてい
る。そして、上記各軸90a,90b,90cには減速ギヤー列を
構成するギヤー94,複列ギヤー95,ギヤー96がそれぞれ挿
入され、軸方向は止め輪85で固定される。そして、ギヤ
ー94は上記モータギヤー93に噛合し、更に、ギヤー96は
カムギヤー97に噛合している。従って、シフトアクチュ
エータ91によってカムギヤー97が回転駆動されることに
なる。
更に、第12図および第11図のJ−J断面図である第13
図に示されるように、カムギヤー97はギヤー嵌合部90d
に挿入され、止め輪87によって軸方向の固定がなされ、
回動自在に支持される。一方、ボス内径部90fに摺動自
在に挿入されるカム筒98の上方のフランジ部98cを介し
て、ビス88によって上記ベース板99が固定されている。
また、上記カム筒98は回転止め溝98aを有し、この溝に
ボス部90gの内径部に設けられた突起90eを嵌入させ、カ
ム筒98の回転運動を制止させる。
また、カム筒の円筒部には3つの同一のリード角をも
つカム溝98bが設けられている。一方、カムギヤー97の
内径側に上記溝98bにそれぞれ嵌入する3つの駆動ピン8
6が固着されている。カムギヤー97が嵌合しているカム
ギヤー嵌合部90dは、その回動範囲の幅だけ駆動ピン86
を逃げる必要があり、切欠のある形状とする。そして、
シフト駆動に際しては、カムギヤー97がギヤー列を介し
て回動させられ、上記駆動ピン86がカム筒98のカム溝98
b部のカム面を押圧するがカム筒98はその回転運動が突
起90eによって阻止されているので、第1方向に変位す
ることになる。従って、カム筒98に固定されるベース板
が同様第1方向に変位することになる。つまり上下にシ
フトされることになる。
なお、上記撮像光学系以外の電気制御装置等は前記第
一実施例のものと同等のものである。
以上のように構成された本実施例の電子的撮像装置の
撮像光学系のシフト動作について説明すると、システム
コントローラよりシフト駆動の指示によりアクチュエー
タ91が駆動される。そして、ギヤー列を介してカムギヤ
ー97が回動し、カム筒98は上または下方へ移動する。カ
ム筒98の移動に伴いベース板99に固定されたイメージャ
を有する撮像素子3′、および、視野枠を有する視野枠
′以下のファインダ光学系を同時に第1方向に、つ
まり上または下にシフト駆動されることになる。
このように本実施例のシフト機構は第一実施例のもの
のようにイメージャ用とファインダ光学系用との2組の
シフト機構を必要とせず、単一のものでよく、機構の単
純化およびシフト精度の向上が実現できるものである。
次に、本発明の第三実施例を示す電子的撮像装置につ
いて説明する。本実施例のものは、レンズ交換可能な、
シフト撮影機能付のカメラに関するものであって、その
外観は第16図に示される。第14図(A),(B)はそれ
ぞれ異なる撮影レンズL1,L2に対する結像面K1,K2での有
効撮像画面範囲であるイメージサークルE1,E2を示して
いる。また、第15図は、各イメージサークルE0,E1,E2
対するイメージャの光電交換面Iの許容シフト量Sを示
したものである。レンズが小さく、そのイメージサーク
ルがE0の場合、シフトは不可能であるが、レンズが大き
くなりそのイメージサークルE1、または、E2である場
合、許容シフト量はそれぞれS1,S2で示され、その値が
各撮影レンズに対するシフト許容範囲、即ち、イメージ
ャの変位領域の制限データとなる。
第16図は、本実施例の電子的撮像装置を適用した交換
レンズ式のカメラの外観図であるが、カメラ本体130の
レンズマウント部130aには、交換レンズのイメージサー
クルに関する情報を受ける情報認識手段である接点群13
2が配設されている。また、上記カメラに装着され、撮
影レンズ131aを有する交換レンズ鏡筒131のマウント部
には上記撮影レンズ131aのイメージサークルに関する情
報を表わす表示手段である接点群133が配設されてい
る。これら接点群133は、例えば、接点の有無あるいは
接点間の抵抗値等のデータによって、上記のイメージサ
ークル情報を与えるものとなる。なお、接点群132,133
は凹凸による機械的検出機構を適用してもよく、あるい
は、光学センサ、磁気センサ等を適用してもよい。
第17図は、本実施例のカメラの制御部のブロック構成
図のうち第一実施例と異なる部分のみを示したものであ
る。イメージサークル情報識別手段の接点群132,133の
信号は、レンズ情報デコーダ回路134に入力されコード
化される。そのコード化されたイメージサークル情報は
システムコントローラ135に入力される。そしてシステ
ムコントローラ135に内蔵するROMテーブル135aは上記イ
メージサークル情報に対応する前記イメージャ変位領域
の制限データが記憶されており、レンズ装着時にそのデ
ータが読み出され、最大シフト量として設定される。
なお、本実施例の撮影光学系のシフト駆動機構等に
は、前述の第一実施例あるいは第二実施例のものと同等
のものが適用される。
以上のように構成された本実施例の電子的撮像装置の
作用について、第21,22図のフローチャートによって説
明する。
まず、カメラ本体130に交換レンズ鏡筒131を装着した
時点、あるいはカメラのパワースイッチをオンにした時
点で、第22図に示される最大シフト量設定のサブルーチ
ンがコールされる。そして、該当する交換レンズのイメ
ージサークル情報が接点群132,133を介して入力される
(ステップS201)。続いて、ステップS202にいて、ROM
テーブル135aに記録される上記イメージサークルに対応
するシフト制限データを読み出し、最大シフト量として
設定し、リターンする。
続いて、第21図に示されるようなシフト撮影処理が開
始されるが、その処理は、前述の第一実施例のものと同
等の処理が遂行される。但し、ステップS104のシフトア
クチュエータ駆動の処理において、常に前述の最大シフ
ト量が参照されそのシフト量を超える指定があった場
合、シフト不可の表示あるいは警告を発し、シフト撮影
を行わないようにする。
上記イメージサークル情報に対応するシフト制限デー
タは交換レンズ内に設けられたROMに記憶させておいて
もよく、シフト撮影時に、交換レンズ側からイメージサ
ークルデータではなく、シフト制限データを、直接、シ
ステムコントローラに取り込むようにしてもよい。
また、通常、35mm用一眼レフレックスカメラ用の交換
レンズはそのイメージサークルの大きさが電子的撮像装
置のイメージャの光電変換面に比較して充分大きい。こ
のことから、イメージャを用いた電子的撮像装置のシフ
ト撮影用の交換レンズとしてすでに開発されている上記
35mm用交換レンズを流用することが可能である。そのよ
うな場合、本実施例の電子的撮像装置を適用するなら
ば、より好適な適用例となる。
更に、本実施例のカメラは、そのファインダが電子ビ
ューファインダ(EVF)であるカメラにも適用すること
ができる。この場合は、前記のもののようにファインダ
の機械的な駆動はなされないが、シフトに応じてイメー
ジャ上の被写体像がファインダであるLCD等のディスプ
レイ上に表示される。そして、撮影レンズに応じてシフ
ト量の制限が実施される。
次に、本発明の第四実施例に示す電子的撮像装置につ
いて説明する。
通常、シフト撮影はイメージサークルのうち、その周
辺部を利用するものであるから、撮影レンズの性能上、
その画質劣化は避けられない。そこで、本実施例のもの
は、シフト撮影時には、通常撮影よりも更に絞り込むよ
うにして、上記の性能の劣化を改善しようとするもので
ある。また、上記のように絞り込みを行う場合、当然、
光量が不足するが、イメージャを用いる電子的撮像装置
においてはフィルムを使用するカメラと異なりイメージ
ャの信号増幅回路のゲインを上げることが可能である。
従って、本実施例においては必要に応じてその操作によ
り光量の不足を補うようにする。
なお、本実施例の撮像光学系のシフト機構は前記第
一,二実施例のものと同等のものを適用する。また、制
御装置の各要素についても同様に前記第一または第二の
実施例のものが適用される。
本実施例の電子的撮像装置のシフト撮影の動作につい
て、第21図および第23図のフローチャートによって説明
する。シフト撮影処理は、前述の第一実施例の場合と同
様に第21図のフローチャートに基づいて処理されるが、
ステップS107における撮影シーケンスが実行するに先立
って、第23図に示されるようなシフト撮影モードの設定
認識手段の認識に基づいて撮影処理手段(撮影プログラ
ム)を選択する、シフト撮影対応の露出制御処理を行う
かどうかの切換サブルーチンがコールされる。そして、
ステップS301において、第21図のフローチャートのサブ
ルーチン処理のステップS102またはステップS109で設定
されたシフトモードフラグFの判別を行い、フラグFが
0、即ち、通常撮影モードであった場合、ステップS303
にジャンプし、通常撮影を行うためのノーマル処理が選
択されてリターンする。
一方フラグFが1、即ち、シフト撮影モードであった
場合、ステップS302に進みシフト撮影に適応した撮影を
行う絞り込み処理が選択され、リターンする。この絞り
込み処理は露出調定のコントロールに関するものであっ
て、第2図に示される絞りアクチュエータ103が、通常
の絞りよりも、更に絞り込むように働き、シャッタ速度
を所定量だけ遅く設定するような撮影シーケンスを採用
するものである。また、その変形例として撮像ゲインコ
ントローラ105によって、イメージャの撮像信号のゲイ
ンを上げることにとよって、絞り込みによる光量の低下
に対処する撮影シーケンスを採用することも可能であ
る。
上記撮影シーケンスのノーマル処理と絞り込み処理の
調光のコントロールについて、第18,19,20図によって詳
細に説明する。
第18図は、ノーマル処理である通常撮影時における被
写体輝度Bvに対する適正設定絞り値Fの関係の線図をシ
ャッタ秒時Tをパラメータにして示したものである。第
23図のステップS303においては、図の実線に沿って絞り
とシャッタ秒時が決定される。この例では、絞り値Fは
2.8〜16、またシャッタ秒時は1/60〜1/1000秒が選択さ
れ、撮影ゲインでISO100に設定されたものである。但
し、必要に応じてISO200のハイゲインも設定は可能とす
る。このノーマル処理では、被写体の動きや、手振れの
影響を考慮して比較的高速のシャッタが設定される。
次に、第19図の適正絞り値の線図は第23図のフローチ
ャートのステップS302において選択指定される絞り込み
処理に対する絞りおよびシャッタ秒時の設定値を示すも
のであって、前記のノーマル処理のものに比較し、より
絞り込んで設定され、画面周辺の画質を大いに改善する
ことのできるものである。しかし、極端に絞り込み過ぎ
ると、光の回折作用によって、逆に画質の劣化を招くこ
とになる。従って、本設定例によると絞り値の範囲をF
5.6〜11に制限し、撮像ゲインアップも施さないで最良
画質を得るものである。
第20図の適正絞り値の線図は、第23図のフローチャー
トのステップS302において選択指定される絞り込み処理
の変形例に対する絞り値およびシャッタ秒時の設定値を
示したものであって、この変形例においては、被写体輝
度Bvの所定の値、例えば、値9以下においてはイメージ
ャの撮像ゲインをISO200相当に上げて設定し、対応する
シャッタ速度を上げて設定することを可能とするもので
ある。従って、本変形例によれば手振れ等の発生もな
く、また、かなりの低輝度の被写体であっても、ストロ
ボを使用することなく、撮影できることになる。
なお、本実施例のカメラは、そのファインダが電子ビ
ューファインダ(EVF)であるものに対しても適用する
ことがきる。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明の第1の発明によれば、イ
メージャを変位させて撮影する場合、TTLファインダ光
学系も該イメージャへの撮像光学系と光学的位置を一定
に保って変位させるのでイメージャの変位に伴ってファ
インダ光学系の視野枠が被写体から外れてしまうような
不具合が生じるじことがなく、また、第2の発明によれ
ば、装着されるレンズのイメージサークルに関する情報
を取り込むようにして、そのデータに基づいてイメージ
ャの変位量を制限するものであるから、レンズのイメー
ジサークルを外れて撮影してしまうことが予め防止で
き、交換レンズに対応するような場合好適である。また
更に、第3の発明によれば、イメージャを変位させて撮
影する場合、絞り込み撮影処理を行わせるようにしたの
で、レンズのイメージサークルの周辺部を利用しても良
好な画質を得る撮影を行うことができる、等の顕著な効
果を有する電子的撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第2図の電子的撮像装置の撮像光学系の分解
斜視図、 第2図は、本発明の第一実施例を示す電子的撮像装置の
制御部のブロック構成図、 第3図は、上記第1図の撮像光学系の第1ミラー部の分
解斜視図、 第4図は、上記第1図の撮像光学系の撮像部の分解斜視
図、 第5図は、上記第1図の撮像光学系の視野枠部の分解斜
視図、 第6図は、上記第1図の撮像光学系の第2ミラー部の分
解斜視図、 第7図は、上記第1図の撮像光学系の測光部の分解斜視
図、 第8図は、上記第1図の撮像光学系のシフト駆動部の分
解斜視図、 第9図は、上記第2図の電子的撮像装置のカメラの外観
を示す斜視図、 第10図は、本発明の第二実施例を示す電子的撮像装置の
撮像光学系の平面図、 第11図は、上記第10図の撮像光学系のシフト駆動部の縦
断面図、 第12図は、上記第11図のシフト駆動部の要部分解斜視
図、 第13図は、上記第11図のJ−J断面図、 第14図(A),(B)は、それぞれ撮影レンズのイメー
ジサークルを示す図、 第15図は、イメージサークルとシフト制限量の関係を示
す図、 第16図は、本発明の第三実施例を示す電子的撮像装置の
カメラおよび交換レンズの斜視図、 第17図は、上記第16図のカメラの制御部の要部ブロック
構成図、 第18図は、本発明の第四実施例の電子的撮像装置の撮影
処理のノーマル撮影処理に適用される適正絞りおよびシ
ャッタ秒時を示す線図、 第19図は、上記第18図の電子的撮像装置の撮影処理の絞
り込み撮影処理に適用される適正絞りおよびシャッタ秒
時を示す線図、 第20図は、上記第18図の電子的撮像装置の撮影処理の絞
り込み撮影処理の変形例に適用される適正絞りおよびシ
ャッタ秒時を示す線図、 第21図は、上記第2図の電子的撮像装置のシフト撮影処
理のフローチャート、 第22図は、上記第16図のカメラの撮影処理における最大
シフト量設定のサブルーチンのフローチャート、 第23図は、上記第18図の電子的撮像装置の撮影処理にお
けるシフト対応露出制御処理切換サブルーチンのフロー
チャートである。 ……第1ミラー部(入射光学系) ……視野枠部(ファインダ光学系) ……第2ミラー部(ファインダ光学系) ……測光部(ファインダ光学系) ……ファインダ部(ファインダ光学系) 11,12……ガイド軸(支持メンバ) 32……イメージャ 132,133……接点部(イメージサークル情報認識手段) S301……フラグF判別(イメージャ変位撮影設定の認識
手段) S302……絞り込み処理選択(プログラム選択手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 5/232 H04N 5/232 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/222 - 5/257

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イメージャと、 該イメージャに被写体像を結像せしめる撮像光学系と、 該撮像光学系中に配設された分岐光学系によって分岐さ
    れたTTLファインダ光学系と、 上記イメージャと上記ファインダ光学系の各々が両者の
    光学的位置関係を上記イメージャの撮影領域とファイン
    ダの視野が一致するように維持しつつ、各々の光軸に対
    して垂直な方向に変位可能な連動機構と、 を具備してなることを特徴とする電子的撮像装置。
  2. 【請求項2】変位可能に支持されたイメージャと、該イ
    メージャの変位量を指定するための変位量入力手段と、 適用する撮影レンズからそれのイメージサークルに関す
    る情報を受ける情報認識手段と、 上記イメージャの変位領域を上記情報認識手段により受
    けたイメージサークルに関する情報に基づき制限する変
    位領域制限手段と、 を具備してなることを特徴とする電子的撮像装置。
  3. 【請求項3】イメージャを通常位置及びその他の位置に
    おいて支持し得るイメージャ支持手段と、 イメージャを通常位置以外の位置に変位させて撮影を行
    うよう条件が設定されたことを認識する設定認識手段
    と、 上記設定認識手段による認識に基づいてゲインを含む露
    出調定に関する撮影プログラムを選択する露出プログラ
    ム選択手段と、 を具備してなることを特徴とする電子的撮像装置。
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