JP3034868B2 - 安定な水溶性ジオキセタン - Google Patents

安定な水溶性ジオキセタン

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JP3034868B2 JP11160303A JP16030399A JP3034868B2 JP 3034868 B2 JP3034868 B2 JP 3034868B2 JP 11160303 A JP11160303 A JP 11160303A JP 16030399 A JP16030399 A JP 16030399A JP 3034868 B2 JP3034868 B2 JP 3034868B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07F9/02Phosphorus compounds
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    • C07F9/655Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having oxygen atoms, with or without sulfur, selenium, or tellurium atoms, as the only ring hetero atoms
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    • C07F9/65512Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having oxygen atoms, with or without sulfur, selenium, or tellurium atoms, as the only ring hetero atoms the oxygen atom being part of a four-membered ring condensed with carbocyclic rings or carbocyclic ring systems

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、水溶性媒体中での分解により光
学的に検出可能な電磁エネルギーを放出することができ
る化学発光性1,2−ジオキセタン水溶性誘導体の精製
法における改良に関する。より詳しくは、本発明は水性
サンプル中の物質の存在、濃度または構造を決定するの
に使用される化学発光性1,2−ジオキセタン誘導体の
精製法の改良に関する。特に、そのような化学発光性化
合物が、公知のイムノアッセイ技術、化学アッセイまた
は核酸プローブアッセイによる化学的または生物学的物
質の定性的および定量的決定法に使用するタイプのもの
である場合、あるいは種々の分子(合成ポリマー、蛋白
質、糖蛋白質、ホスホリル化蛋白質、核酸等)の分子構
造または微細構造を研究するための直接的な化学的また
は/物理学的プローブとして使用される場合の化学発光
性1,2−ジオキセタン誘導体の精製法の改良に関す
る。
【0002】化学発光性化合物の電磁エネルギー、特に
光探知性エネルギー(通常可視光の形態による発光)の
放出を伴う分解は公知である。アナライト(即ち、その
存在、量および構造を決定される物質)を実際に確認ま
たは定量する方法として公知のイムノアッセイ、化学ア
ッセイ、核酸プローブアッセイおよび物理学的、化学的
プローブ技術に上記のような光発生反応物を導入するこ
とは近年、特に酵素開裂性水溶性1,2−ジオキセタン
類の出現により重要性を増してきた。
【0003】例えば、同時係属の1986年7月24日
出願のブロンステイン(Bronstein)の米国特許出願番
号889,823(ジオキセタン類の酵素誘導分解を使
用する物質の検知方法);1987年12月31日出願
のブロンステインらによる米国特許出願番号140,0
35(ジオキセタン類のアッセイにおける使用)および
1987年12月31日出願のエドワーズ等(Edwards
et al.)による米国特許出願番号140,197(1,
2−ジオキセタン類およびその中間体の合成)、および
1988年6月1日出願のボイタ等(Voyta et al.)に
よる米国特許出願番号286,725号(化学発光の増
大)を参照せよ。これらの化学発光性1,2−ジオキセ
タン誘導体が生物学的系中の物質の分析および研究に使
用される場合、生物学的系は水性であるので、化学発光
性化合物または使用化合物は極性プロトン性環境(特に
水性媒体)に溶解しなければならない。したがって本発
明は特に、1)分解することにより、環境の影響を感じ
易くさせる異極性を有するある部分を励起伏態において
生成することができ、そして2)極性プロトン性環境中
の物質、特に水性サンプル中の物質の存在、濃度、また
は構造を決定するのに使用し得る化学発光性1,2−ジ
オキセタン誘導体の精製に関する。
【0004】出願人は既知のジオキセタンに関する従来
の精製法においては、ジオキセタンは有機溶媒のみに可
溶性であるように設計されたものであった。即ちアダム
等〔Adam et al., J.オーグ.ケム.(J. Org. Che
m.), 49, 3920 (1984)〕はアリール置換の1,2−ジオ
キセタンのメチレン溶液を、減圧下溶媒を留去し、残渣
をシリカゲルで石油エーテル:メテレンクロライド
(4:1)から成る移動相中カラムクロマトグラフィを
行い、次いで有機溶媒から再結晶して、アリール置換
1,2−ジオキセタンを合成した。シャープ等〔Schaap
et al., テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Let
ters), 28, 935 (1987)〕は、真空中スチレンクロライ
ド溶媒を留去し、ペンタン/エーテルから再結晶してア
ダマンチルメトキシナフチル1,2−ジオキセタンを合
成した。ヒューメレン等〔Hummelen et al., 酵素学に
おける方法、133, 531 (1986)〕は、真空下有機溶媒を
留去し、さらなる精製は行わずに、アダマンチリデンア
ダマンタン1,2−ジオキセタンを基本とする一連の化
合物を合成し使用した。またシャープ等〔J.アメル.
ケム.ソク.(J. Amer. Chem. Soc.), 104, 3504 (198
2)〕は、単に真空下アセトン溶媒を留去し、さらなる精
製は行わずに合成した油状物のフェノール置換1,2−
ジオキセタンを使用した。シャープはヨーロッパ特許出
願番号EP87108978において有機溶媒でプレパ
ラティブ薄層クロマトグラフィー(PreparativeTL
C)を行い、次いでへキサンまたはペンタン中−25℃
で再結晶することによる水不溶性1,2−ジオキセタン
の精製法を開示している。水溶性1,2−ジオキセタ
ン、即ちホスホリル化キサントン誘導体がこのヨーロッ
パ出願に開示されるが、この化合物の精製に関しては何
ら報告されないまま使用されている。バウムスターク等
〔Baumstark, J.オーグ.ケム., 48, 3713 (1983)〕
は、3−メチル−3−エチル−1,2−ジオキセタンの
四塩化炭素溶液をペンタン中−30℃でシリカゲルカラ
ムを行って精製した。
【0005】ホスホリル化1,2−ジオキセタン、また
は類似の酵素的に、化学的にまたは熱的に開裂性の化学
発光性化合物以外の水溶性アリールホスフェート化合物
は、再結晶により精製されてきた。例えば、4−メチル
ウンベリフェリルホスフェートはエタノール/ジエチル
エーテルから低収率で再結晶された〔ファーンレイ,
H.(Fernlay, H.)等、バイオケム.J.(Biochem.
J.), 97, 95 (1965)〕。バリウム塩または有機塩基(例
えばシクロへキシルアミン)の塩が有機ホスフェート分
子の結晶化度を高めるのに度々使用されてきたが〔リー
ゼ,C.B.(Reese,C. B.)等、J.ケム.ソク.(C)
(J. Chem. Soc. (C))、2092 (1970)〕、ホスホリル化
または非ホスホリル化ジオキセタンとアミンは両立し得
ない〔リー,D.C−S.(Lee, D.C-S.)等、「化学
発光と生物発光」、編集者コーミヤ,M.J.(Cormie
r, M .J.)等、ニューヨーク、プレナム・パブリッシン
グ・コープ(Plenum Publishing Corp.), 1973, p26
5〕。(−)−5−エノールピルビルシキメート−3−
ホスフェートNa4 は、トリエチルアンモニウム重炭
酸塩緩衝液勾配を用いイオン交換クロマトグラフィーに
より、うまく精製された〔コウイナード(Chouinard)
等、J.オーグ.ケム., 51, 76 (1986)〕。しかし上述
のように、アミン触媒による分解に敏感なジオキセタン
は、アミン塩基存在下では不安定である(以下の実施例
を参照せよ。)。
【0006】低pKa媒体中におけるジオキセタンの顕著
な不安定性は、度々注意されてきた〔例えばバートレッ
ト,P.D.(Bartlett, P. D).),ケム.ソク.レビ
ューズ.(Chem. Soc. Reviews), 5, 149 (1976)を参
照せよ。〕固相(例えばシリカゲル)およびアルコール
系溶媒の低pHに因る酸性もまた、ジオキセタンを分解す
ることが知られる〔例えば、ザクリカ,K.A.(Zakl
ika, K. A.)、フォトケム.フォトバイオル.(Photoc
hem. Photobiol), 30, 35 (1979)、およびマクカプラ,
F.(McCapra, F.)等、JCS.ケム.コムン.(JC
S. Chem. Commun.), 944と946 (1977)〕。
【0007】不運にもジオキセタン手段に対する酸性ま
たはアミンの分解効果のために、液体クロマトグラフィ
ーで通常使用される最も有用な緩衝塩−アンモニウム塩
(即ち、酢酸アンモニウムまた炭酸アンモニウム)を、
この方法による水溶性ジオキセタンの精製に使用するこ
とはできない。そのような塩が使用される従来の精製ス
キームにおいては、アミンと酸成分(これらは、精製工
程が通常行われる温度でも高真空下揮発する。)とが平
衡に達するのに十分な量のそのような塩が加えられる。
これは、これらの緩衝塩を水溶性化合物の単離中簡単に
除去できるので重要である(即ち、真空下溶媒と緩衝塩
の除去)。しかしもし、ジオキセタンを精製する際に緩
衝剤としてアンモニウム塩を使用すると、蒸留中に生成
してくる酸部分によりpHが形成される。そして酸部分の
濃度が増大するに従って、今度は精製しようとする水溶
性ジオキセタンがこのpHにより分解される。
【0008】へキサンから−78℃で再結晶して精製し
たいくつかの水不溶性トリシクロデカンスピロフェノキ
シ1,2−ジオキセタンの熱的安定性の研究に、高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)(これは、高圧液体
クロマトグラフィーとしても知られる。)が使用される
〔ジェフォード,C.W.(Jefford, C.W.)等、J.
クロマト.(J. Chromat.), 347, 183〜7 (1985)〕。リ
クロソーブ Si60(LiChrosorb Si60)カラムを用
いたHPLCではジオキセタンは分解しなかったが、分
離されるジオキセタンは水不溶性であるために、HPL
Cは有機溶媒で行わねばならなかった(即ちジオキセタ
ンはo−キシレン溶液としてカラム上に充填され、イソ
オクタン−テトラヒドロフラン混合物を移動相として使
用した。)ということは重要である。そのようなシステ
ムは、水性分析システムにおいて使用されるような水溶
性化学発光性1,2−ジオキセタン誘導体を精製するこ
とに使用することはできない。
【0009】液体クロマトグラフィー用のシリカカラム
においては、ジオキセタンが安定である約7.5のpH値
では、以下に示すウォーターズ・アソーシエーツ・イン
ク.(Waters Associates, Inc.)「液体クロマトグラ
フィーのマニュアル(1988)」のデータに示される
ように、シリカのパッキングは不安定であり、溶解す
る。逆に酸性のpH値においてはシリカカラムは最も安定
であるが、ジオキセタンは不安定である(ザクリカ等、
前述)。
【0010】
【表1】
【0011】約言すれば水溶性ジオキセタンの精製は、
緩衝条件下または非緩衝条件下の低pH媒体中、従来のH
PLCまたは中圧液体クロマトグラフイー(MPLC)
システム(これらのシステムにおいてはシリカまたは架
橋ポリマーをべ一スとする逆相吸着剤が固定相として使
われ、疎水性有機溶媒または溶媒システムが移動相とし
て使われる。)、または従来の低圧液体クロマトグラフ
ィー(LPLC)システムを用いて満足に(即ち、精製
しようとするジオキセタンの分解なしに)行うことがで
きない。
【0012】しかし、今回、水溶性化学発光性1,2−
ジオキセタン誘導体を、改良したHPLC、MPLCお
よびLPLCシステムを用いて高収率で精製することが
できることを見い出した。特に、不純物の含まれた水溶
性1,2−ジオキセタン誘導体を、以下に述べる(1)
〜(5)の方法で改良した従来の液体クロマトグラフィ
ー法に適用することにより、精製水溶性化学発光性1,
2−ジオキセタン誘導体を、(精製されるべきジオキセ
タンの分解を最小に抑えて、)高収率で得ることができ
ることがわかった。なお、化学的または生物学的物質の
存在、量、または構造を同定または定量するために水溶
性化学発光性1,2−ジオキセタンが使用れるような分
析法の感度は、ジオキセタンの純度が増大する結果とし
て、純粋の水溶性化学発光性1,2−ジオキセタンを用
いた場合の方が不純のジオキセタンを用いた場合より、
大きい。;
【0013】(1)従来使用した疎水性有機溶媒または
溶媒系の代わりに水相溶性有機溶媒または溶媒系を用
い、(2)7.0以上、好ましくは8.0以上のアルカ
リ性pHにおいて精製を行い、(3)陰イオン性1,2−
ジオキセタン誘導体を、1種以上のアルカリ金属もしく
は4級アンモニウムカウンター陽イオンで中和し、
(4)不対電子を含む有機部分または無機部分(例えば
1級、2級または3級アミン基)の存在しない条件下に
操作し、あるいは実際に可能な限り、そのような「部
分」を排除し、(5)次いで移動相として純水を用いて
上述の改良した液体クロマトグラフィー法によって、こ
の精製1,2−ジオキセタンを脱塩するか、または単一
ステップで1,2−ジオキセタンを精製および脱塩す
る。
【0014】それ故本発明は、水溶性化学発光性1,2
−ジオキセタン誘導体の精製法を提供することを目的と
する。
【0015】また、本発明は水溶性化学発光性1,2−
ジオキセタン誘導体に対する新しい液体クロマトグラフ
ィー法を提供することを目的とする。
【0016】本発明の他の目的は、改良した液体クロマ
トグラフィー法による水溶性化学発光性1,2−ジオキ
セタン誘導体の効果的非分解的精製に適するカラムパッ
キングを提供することである。
【0017】さらに本発明の目的は、液体クロマトグラ
フィー法による水溶性化学発光性1,2−ジオキセタン
誘導体の効果的非分解的精製に適する移動相を提供する
ことである。
【0018】さらにまた本発明は、本発明の液体クロマ
トグラフィー法により得られた実質的に純粋な水溶性
1,2−ジオキセタン誘導体を脱塩するための手段を提
供することを目的とする。
【0019】また本発明は、本発明法により純粋な形で
製造した1,2−ジオキセタンの化学発光性水溶性誘導
体を提供することを目的とする。
【0020】本発明の本質、範囲および使用、ならびに
上述のおよび他の目的は、以下の記述、図面および請求
項から当業者に容易に理解できる。
【0021】前述のブロンスタインおよびブロンスタイ
ンら、エドワーズら、およびボイタらの継続中の出願に
開示されクレームされている1,2−ジオキセタン類、
特に酵素開裂性ジオキセタン類およびそれらの熱的、化
学的および電気化学的に開裂し得る同族体は一群の水溶
性化学発光性1,2−ジオキセタン化合物類を形成し、
これらは本発明の方法によって精製し得る。これらの
1,2−ジオキセタン類は一般式:
【0022】
【化2】
【0023】式中、Tは非置換または置換のシクロアル
キル、アリール、ポリアリールまたはへテロ原子、例え
ば非置換の環状炭素数6〜12のシクロアルキル基;炭
素数6〜12の環状炭素を有し炭素数1〜7のアルキル
基であってよい1以上の置換基を有する置換シクロアル
キル基、または炭素数1〜12のアルコキシ基、例えば
メトキシまたはエトキシであってよいへテロ原子を有す
る基、置換または非置換アリーロキシ基、例えばフェノ
キシまたはカルボキシフェノキシ、またはアルコキシ
基、例えばメトキシエトキシまたはポリエチレンオキ
シ、スピロ結合のジオキセタン環の3−炭素原子に結合
し、および炭素数6〜12を有するシクロアルキリデン
基、スピロ結合を介してジオキセタン環の3−炭素原子
に結合し、2以上の縮合環であってそれぞれ炭素数5〜
12を有する縮合ポリシクロアルキリデン、例えばアダ
マント−2−イリデン基を含んでいてもよい基を示す。
【0024】Xは水素またはアルキル、アリール、アラ
ルキル、アルカリール、または炭素数1〜7へテロアル
キル基であり;これらは直鎖または分岐を有する炭素数
1〜7のヒドロキシアルキル基、または−OR基(式
中、RはC1〜C2 0の直鎖または分岐の、置換または非
置換の、または飽和または不飽和のアルキル、シクロア
ルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキルまた
はアラルケニル基)、縮合環シクロアルキル基、シクロ
アルケニル、アリール、アラルキルまたはアラルケニル
基(いずれも発光部位がラクトン環を有するようYと合
していてもよい)、またはN、OまたはSへテロ原子含
有基、または酵素により開裂されてジオキセタン環に結
合する電子過剰残基を生ずる結合を含む酵素開裂性の基
を示す;好ましくはXはメトキシ基である。
【0025】Yはエネルギーを吸収して励起状態を形成
してその状態から光学的に検出し得るエネルギーを発生
し初期エネルギー状態に戻ることのできる発光性蛍光形
成基を表す。
【0026】Zは水素(この場合、ジオキセタンは酸素
−酸素結合の切断によって熱的に開裂し得る)、化学的
に開裂し得る基、例えばヒドロキシル基、アルカノイル
基もしくはアロイルエステル基、またはアルキルもしく
はシリロキシ基、または酵素によって開裂しジオキセタ
ン環に結合する電子過剰残基を生成する結合、例えば開
裂した時に酸素アニオン、硫黄アニオンまたは窒素アニ
オンおよび特にアミドアニオン、例えばスルホアミドア
ニオンを生成する結合を含む酵素開裂性基を表す。
【0027】置換基T、XおよびZの少なくとも一つは
1,2−ジオキセタンの水溶性を増強する置換基、例え
ば、カルボン酸、スルホン酸もしくはそれらの塩、また
は第四級アミン塩基および適当な逆イオンを含んでいて
もよく;XおよびZの少なくとも一つは、特にZは酵素
的に開裂し得る基、特に酵素開裂性ホスフェイトエステ
ル基、およびXおよびYは合して縮合スピロ環を介して
ジオキセタンの4−炭素原子に結合する縮合蛍光発色性
基、例えば6−ジナトリウムホスホリロキシ−2−オキ
サ−1,2,3,4−テトラヒドロフェナンスラ−1−
イリデン基を表してもよい。
【0028】酵素的開裂性の1,2−ジオキセタンを用
いる時は開裂は、例えばZ置換基、例えばホスフェイト
エステル基中の結合を開裂してYアニオンおよびジオキ
セタンを不安定にしその酸素−酸素結合を開裂する電荷
遷移状態を形成するアルカリ性ホスファターゼのごとき
酵素を用いて達成してもよい。開裂はまた酵素、例えば
酸素−酸素結合を直接に開裂するオキシド−リダクター
ゼを用いて達成してもよい;前述のブロンスタインおよ
びブロンスタインらの継続中の米国特許出願を参照され
たい。
【0029】リン酸エステル基のほかに上記式1におけ
るZは酵素開裂性アルカノイルオキシ基、例えばアセテ
ートエステル基またはオキサカルボキシレート基、1−
ホスホ−2,3−ジアシルグリセライド基、1−チオ−
D−グルコサイド基、アデノシントリホスフェイト同族
基、アデノシンジホスフェイト同族基、アデノシンモノ
ホスフェイト同族基、アデノシン同族基、α−D−ガラ
クトサイド基、β−D−ガラクトサイド基、α−D−グ
ルコサイド基、β−D−グルコサイド基、α−D−マン
ノサイド基、β−D−マンノサイド基、β−D−フラク
トフラノサイド基、β−D−グルコサイドウロネイト
基、p−トルエンスルホニル−L−アルギニンエステル
基、またはp−トルエンスルホニル−L−アルギニンア
ミド基であってもよい。
【0030】特に好ましい1,2−ジオキセタン誘導体
として、一般式:
【0031】
【化3】
【0032】〔式中、Tは、ジオキセタン環にスピロ結
合により結合している縮合シクロアルキリデンもしくは
ポリシクロアルキリデン基または置換もしくは非置換シ
クロアルキル基;Xは、−OR基(Rは、炭素数1〜2
0のアルキルである);Yは、フェニル;Zは、リン酸
エステル基、アセテートエステル基、オキシカルボキシ
レート基、1−ホスホ−2,3−ジアシルグリセライド
基、1−チオ−D−グルコサイド基、アデノシントリホ
スフェイト同族基、アデノシンジホスフェイト同族基、
アデノシンモノホスフェイト同族基、アデノシン同族
基、α−D−ガラクトサイド基、β−D−ガラクトサイ
ド基、α−D−グルコサイド基、β−D−グルコサイド
基、α−D−マンノサイド基、β−D−マンノサイド
基、β−D−フラクトフラノサイド基、β−D−グルコ
サイドウロネイト基、p−トルエンスルホニル−L−ア
ルギニンエステル基、またはp−トルエンスルホニル−
L−アルギニンアミド基;X又はZは、水溶性を増強す
るカルボン酸基を有していてもよい〕で示されるものが
挙げられる。
【0033】バイオアッセイに使用する典型的な酵素分
解性水溶性化学発光性1,2−ジオキセタンは式:
【0034】
【化4】
【0035】3−(2′−スピロアダマンタン)−4−
メトキシ−4−(3″−ホスホリロキシ)フェニル−
1,2−ジオキセタン塩(式中、M″はアルカリ金属の
ごときカチオン、例えばナトリウムもしくはカリウム、
またはC1−C7アルキル、アラルキルまたは芳香族第四
級アンモニウムカチオン、N(R)4 +(各Rはアルキ
ル、例えばメチルもしくはエチル、アラルキル、例えば
ベンジルであってよく、あるいはへテロサイクリックリ
ング、例えばピリジニウムの一部を形成してもよい基)
および特にジナトリウム塩を表す。
【0036】本発明方法によって精製することのできる
化学的発光性水溶性1,2−ジオキセタン誘導体はイム
ノアッセイを行う際、例えば生物学的アナライト、例え
ば酵素、または特殊な結合ペア、例えば抗体抗原ペア、
あるいは全てのまたは一部の核酸に対して補償性のおよ
び結合し得るプローブとペアをなす核酸を検出するため
に採用してもよい。このようなアッセイはホルモン、例
えばβ−ヒト・コリノニックゴナドトロピン(β−HC
G)、チロイド刺激性ホルモン(TSH)、ホリクル刺
激性ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)な
どのホルモンを検出するために用いられるイムノアッセ
イ、細胞表面リセプターアッセイ、ウイルス、例えばH
IVまたはHTLV IIIおよびチトメガロウイルス、ま
たはバクテリア、例えばイー・コリを検出するために用
いられる核酸アッセイ、および組織適合性アッセイ等を
含み;典型的なアッセイ・プロトコールについては実施
例および前述のブロンスタインおよびブロンスタインら
の米国特許出願明細書を参照されたい。これらの化学発
光ジオキセタン類は化学アナライト、例えばカリウムま
たはナトリウムイオン類のアッセイあるいはアナライト
が酵素、例えばコレステロールオキンダーゼまたはグル
コースオキシダーゼを用いて分解されて過酸化水素のご
とき物質を形成するコレステロールまたはグルコースの
ごとき物質と他の試薬と併用して化学的発光性化合物を
分解させる物質用のアッセイに使用することができる。
【0037】有機化学的合成で得られた生成物を精製す
るために用いられる通常のHPLCおよびMPLCは古
典的なLPLC技術に対し操作の容易性、応答の迅速
性、少量の試料、感度、精度および柔軟性等の点で有利
である。このような従来の方法は典型的には次のような
部材:移動相、一種以上のポンプ、注入器、カラム、固
定相、検出器、記録器および/または分析用積算器およ
び調整用コレクターを必要とする。一般に精製すべき物
質のサンプルは注入器を介して系中に導入され、そこか
ら細い搬送チューブを通して移動相と呼ばれる溶剤流に
よって強制的にカラムに送られる。カラムは固定相また
はカラム充填剤またはクロマトグラフ用ベッドとして知
られる小さな粒子(5〜125μm)を含むチューブ
(2〜8mm ID)である。混合サンプルは充填粒子に
吸着性であるか、あるいは拡散性であるかによって分離
される。即ち、移動相をクロマトグラフ・ベッドを通し
て流すと試料はサンプル中の成分の様々なゾーンに分離
される。理想的には各成分は本質的に一つのゾーンとし
て移動し、これはしばしばバンドと呼ばれる。このバン
ドはベッドを通して移動しつづけカラムの外に溶出し
(エリューション)、および多数の検出器のいずれかを
通過する。検出器はある種の記録装置、例えば、ストリ
ップ・チャート・レコーダー中にインプットを供給し、
レコーダーのペンの振れによって1以上のクロマトグラ
フバンド用エリューションが示される。単一バンドのエ
リューションからの記録器のトレイシングはピークと呼
ばれている。注入サンプルから得られるピークの集積は
クラマトグラムを含みその例を図1から図10に示す。
ピークは通常それらのリテンションタイムによって同定
され、このリテンションタイムとはカラムからバンドを
溶出するに必要な時間を分で表したものである。
【0038】通常大気圧下で操作される通常のLPLC
および高圧で操作されるHPLCに加えて、中間の圧力
で操作されるクロマトグラフカラム、即ちMPLCもま
たこの技術分野において知られている。これら3種の一
般的タイプの液体クロマトグラフィーは全て本発明に従
って改変した時は本発明を実施する上で有用である。
【0039】液体クロマトグラフィーにより有効な分離
および精製するために通常5つの変形:即ちカラムパッ
キング組成、移動相の組成(即ち、溶剤組成)、カラム
径、移動相流速および検出器が検討される。
【0040】パッキング材料はクロマトグラフ・ベッド
として最善の機能を発揮するためにその配置を固定して
おかねばならず、その粒子はHPLCおよびMPLCに
おける移動相の強制的な流れによって生じる圧力下でこ
の配置を維持するため相対的に緻密でなければならな
い。充填剤は粒子径および構造に従って3つの広いグル
ープに分類される。HPLCおよびMPLCでは大きな
粒子、高いキャパシティー、十分に多孔性である充填剤
が優先的に用いられる。高い効率を有する粒子は分析的
な分離に用いられる。十分に多孔性であり、高い流速お
よび高い効率を有する粒子は調製および分析的分離の両
方に用いられる。
【0041】架橋−SiOH官能基を有するシリカ粒子
は正および逆相両用として市販されている。式(IV)
【0042】
【化5】
【0043】に示すごとくシリカベースの逆相粒子にお
いてもシリカは種々の炭素べースの構成成分Rを有する
シリル基でキャップされている。
【0044】シリカカラム充填剤(式(I))のアルカ
リに対する不安定性を避けるためにおよびそれらが最も
安定であるアルカリ側pH値において水溶性1,2−ジオ
キセタン誘導体の分離を可能にするためにある種のシリ
カゲルフェイス逆相樹脂または高いpH値に対して安定で
ある逆相特性を有する重合樹脂を本発明を実施する際に
用いてもよい。基R(式(IV))として炭化水素を含む
よう変性し、かつ高いpH値に対して安定なシリカを作る
ための保護膜、例えばビダックpH安定(2−10)、T
P104、C8−C1 8アルキル基(セパレイション・グ
ループ、へスペリア、CA)で被覆したシリカゲル粒子
が本発明を実施する上で特に有用である。
【0045】合成多孔性重合樹脂はまた常套の液体クロ
マトグラフィーに使用するときはそのアルカリに対する
安定性の故に有効な吸収剤であることがわかり、したが
って、本発明に使用することができる。一般に用いられ
るこの種の樹脂吸収剤としては相対的に緻密な、マクロ
ポーラスな、架橋したスチレン−ジビニルベンゼンコポ
リマー、ポリアクリレート、例えば架橋ポリアクリレー
ト、デキストラン誘導体などが例示される。このような
吸着剤および特にポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)
吸着剤は非常に広いpH領域、典型的には1−13にわた
ってカラム充填剤として使用し得、通常のアルキル基官
能化シリカゲルを損傷なしに用いることができる。加え
てこのようなコポリマー製粒子はシリカベース粒子と対
照的にそれらの表面にイオン性基を有しない。本発明に
とって直径5〜10μmのコポリマー粒子が好ましく、
最も好ましくは10μmの粒子である。このようなコポ
リマー粒子はポリマー・ラボラトリーズ・インクからア
ムハースト MA 01621(PLRP−S l00Å);ザ
・ハミルトン・カンパニーからレノ、NV(PRP−1ビ
ーズ 75Å);アルテック・コーポからウィルミント
ン、デラウェア RoGEL RP);およびウォータ
ーズ・アソシエーツ・インクからミルフォード、MA 017
57(スタイラゲル)として販売されている。
【0046】LPLC分離技術を本発明において使用す
る時は前述のHPLCおよびMPLCに類似の充填剤を
使用すればよい。これらは常套のHPLCおよびMPL
C技術において有用であるポリスチレン/ジビニルベン
ゼン吸着剤を標準の液体クロマトグラフィー用カラムに
おいて用いられるよりも大きい粒径のもの、例えばアン
バーライトXAD−2およびXAD−4、ポリ(スチレ
ン−ジビニルベンゼン)樹脂(ローム・アンド・ハース
Co.、フィラデルフィア、PA);ポリアクリレー
ト、例えばアンバーライトXAD−7、多孔性ポリアク
リレートビーズ(ローム・アンド・ハース Co.、フィ
ラデルフィア);および長鎖アルキルエーテル(炭素数
11〜18)10〜50重量%を含むヒドロキシアルコ
キシプロピルデキストラン(ファルマシア・ファイン・
ケミカルス・インク、ピスカタウェイ、N.J.)であって
よい。
【0047】水混和性溶剤または混合溶剤を本発明移動
相として用いる。溶剤または混合溶剤はそのままあるい
は該溶剤に容易に混合し得、1,2−ジオキセタン類が
最も安定である7.0以上、好ましくは8.0〜9.0
の値にpH値を維持し得る緩衝塩(好ましくは水溶液とし
て加えられる)と混合して用いてもよい。緩衝塩の水溶
液を溶剤と混合して用いるときは、優れた緩衝能力を所
望のpH値において示すのみならず、それらの除去が精製
したジオキセタン類上に分解作用を有さない対の緩衝剤
を選択することが必要である。炭酸、リン酸、またはホ
ウ酸は有用な範囲のpKa値を有し(即ち6.7以上)、
これらは本発明を実施する上で好ましい緩衝剤であり、
炭酸塩緩衝剤は最も有用である。数種類のアミン、例え
ば弱塩基トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンは上
で検討した理由により有用なpKb値を有し、pH7.0以
上の優れた緩衝能力を示すが、第一級、第二級および第
三級アミン含有緩衝剤は乾燥凍結による濃縮工程または
そのような緩衝剤の存在下で長期間にわたる貯蔵中に本
発明の1,2−ジオキセタン誘導体の分解を生じるので
使用することはできない。一工程方法による荷電ジオキ
セタンを精製および脱塩するとき精製水と混合した水混
和性有機溶剤からなる移動相は、アルカリ金属または第
四級アンモニウム逆カチオンでアニオン性基を滴定する
ことにより所要のアルカリ性pHに合わせる。ジオキセタ
ン誘導体の塩は精製/脱塩結合工程中にジオキセタンを
緩衝させるために用いる。
【0048】荷電ジオキセタン(式(III))を精製す
ると逆カチオンの性質はクロマトグラフィー中の化合物
の分離性に影響を与える。例えば式(III)に示される
ジオキセタン誘導体のジナトリウム塩は、相当するナト
リウム/アンモニウム塩よりも不純物からよりよく分離
される。
【0049】本発明に有用な溶剤は通常の液体の溶剤特
性の標準的な分類を参考して選択するか(スナイダー、
エル、ジェイ、クローム 92: 223-30 (1974))、また
はザ・ジェイ・ティー・ベイカー Co.のカタログに見
られる溶剤の水混和性の表から選定すればよい。官能基
Rに結合していないシリカ粒子を固定相(式(IV))と
して使用するときは、非極性移動相を極性支持体に対し
て用いる。このとき充填剤の極性は高く、溶剤極性は媒
体に対して低く、サンプル溶出順序は最も低い極性のも
のが最初であり、高い溶剤極性のものが溶出速度を減少
させる。吸着剤として結合シリカおよびコポリマーを用
いるときは、極性移動相を非極性支持体に対して用い
る:このとき充填剤の極性は低く、溶剤の極性は中程度
ないしそれより高く、試料溶出順序は最も極性が高いも
のが早く、溶剤の極性が増加するに従って溶出時間が減
少する。
【0050】本発明を実施するに際して、カラム充填剤
としてR基−結合、pH安定化シリカ、スチレン/ジビニ
ルベンゼンコポリマー樹脂およびその誘導体、ポリアク
リレートビーズおよびそれらの誘導体またはアルキルエ
ーテルまたは第四級アンモニウムアルキルデキストラン
類、炭酸水素ナトリウム緩衝剤を含むアセトニトリル−
水混合物が移動相として特に適している。液体クロマト
グラフィー用カラムに注入するための試料溶解用に好ま
しい移動相は、5%アセトニトリルの0.1%(w/v)
水性炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH8.6)である。環
境によっては試料は注入用100%水溶液に溶解しても
よい。即ち、例えば、分析用カラムはポリマー・サイエ
ンス社製PLRP−S(ポリ(スチレンージビニルベン
ゼン)樹脂、100Å、寸法8μm、15cm×4.6mm
および調製用カラムはPLRP−S樹脂、100Å、寸
法10μm、300cm×25mm)で充填し、好ましい移
動相は0.1%(w/v)炭酸水素ナトリウム緩衝剤、pH
8.6でアセトニトリル5%〜100%を漸次加えたも
のである。上述のごとく、第一級、第二級、第三級アミ
ン塩緩衝液は本発明を実施する際には不適当であり、こ
のことを以下の実施例において示す。
【0051】アセトニトリルに類似する広範囲の水混和
性を有する他の溶剤(スナイダーおよびジェイ・ティー
・ベイカーらの出版物参照)、例えば直鎖または分岐を
有する炭素数1〜6のアルカノール額、例えばメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、へキサノールなど、炭素数3〜5
の脂肪族ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトンなど、環状エーテル、例えばテトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなど、N,N−ジアルキルホ
ルムアミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミドな
ど、N,N−ジアルキルアセトアミド、例えばN,N−
ジメチルアセトアミドなど、ジメチルスルホキサイドな
ど、およびそれらとアセトニトリルの混合物、相互の混
合物および共溶剤もまた適当である。
【0052】クロマトグラフィー用カラムの寸法、温
度、流速、本発明1,2−ジオキセタンのクロマトフラ
フ分離時間は臨界的ではなく、原則的には効率的なクロ
マトグラフィーを行うための必要性に基づいて決めれば
よい。
【0053】本発明液体クロマトグラフィーは調製また
は分析モードのいずれかで使用すればよい。調製用カラ
ムはより多量のキャパシティーが必要であり、典型的に
は25mmO.D.×300cm長さである。これに対し、
分析用カラムはより小さく典型的には4mmO.D.×1
5cm長さである。クロマトグラフィーの技術分野におけ
る当業者は不当な実験をすることなく分離しようとする
材料の量に適したクロマトグラフ・ベッドの寸法を選択
するであろう。
【0054】移動相の流速は4つの主なファクターに基
づいて決められる: (1)クロマトグラフ・ベッドの寸法;(2)所望のピ
ーク分離の程度;(3)固定相の粒子径および(4)満
足なピーク分離を達成するに必要な時間。例えば、分離
カラムはより緩やかな流速、典型的には0.1〜5ml/
分を用い、これに対し調製用カラムはより速い流速、典
型的には10〜数100ml/分を採用する。典型的には
HPLCは30分以内に完了し、LPLC分離は数時間
をかけてもよく、およびMPLCは中間の時間であって
よい。クロマトグラフィーを実施するに必要な時間は本
発明にとって臨界的なものではない。
【0055】HPLC分離用温度は典型的には20〜3
0℃、即ち室温またはそれよりやや高い温度であり、一
方MPLCおよびLPLC用に有用な温度は0℃〜室温
の範囲である。
【0056】通常、MPLCおよびLPLCの温度は0
℃〜室温であるが、HPLC分離の温度は典型的には2
0〜30℃、即ち室温またはそれより少し高い温度であ
る。
【0057】化学発光性水溶性1,2−ジオキセタン誘
導体の化学的合成からの反応混合物の濃縮において多く
の不純物が濃縮物または残留物中に存在してもよい。こ
れらの不純物は水不溶性物を含み、水性溶液から濾過、
例えば0.4μ孔径膜フィルターにより除去可能であ
る。他の不純物は未反応前駆体および分解生成物が挙げ
られる。例えば、3−(アダマンチリデンメトキシメチ
ル)フェニルホスフェー卜(PEE)から3−(2′−
スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3″−ホ
スホリロキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン(AM
PPD)の合成においては不純物として未反応PEE、
崩壊生成物、アダマンタノンおよび3−ホスホリロキシ
ベンゾエート(分離生成物)(第V図)、ならびに合成
中に使用された増感剤からの光分解副生成物、例えばロ
ーズベンガルおよびメチレンブルーが存在してもよい。
【0058】本発明により得られた実質上純粋な溶出
1,2−ジオキセタン誘導体を以下の方法により脱塩し
てもよい。ジオキセタンピークを集めて、凍結乾燥し、
次いで水に溶解し、生成段階で用いられたのと同し型の
HPLC、MPLCまたはLPLCクロマトグラフィー
カラムに注入する。また、ジオキセタンピークを集めて
純水で希釈し、凍結乾燥せずに直接クロマトグラフィー
にかけてもよい。次いでジオキセタンを純粋中の適当な
水混和性有機溶媒の勾配下に溶出する。勿論、塩緩衝液
は脱塩工程には用いない。水混和性有機溶媒の水中での
割合は0〜100%、好ましくは5〜100%である。
勾配の濃度限界は以下の2つの要因によって決定する:
(1)吸収剤から所望の生成物を溶出するのに必要な有
機溶媒の濃度;および(2)有機溶媒が完全に混和性で
あり、所望の生成物を溶出するのに必要な濃度で単一相
で存在する必要性。液体クロマトグラフィーの分野の当
業者は不必要な実験を行うことなしに有機溶媒勾配のス
ティープネスおよび濃度範囲を決定することができる。
貯蔵または使用のために収集、凍結および凍結乾燥され
る主ピークは実質上ソルトフリーである。
【0059】脱塩段階は小さな分子に好適なモレキュラ
ーシーブカラム、例えばバイオゲルP−2(カリフォル
ニア州リッチモンドのバイオラッド・コーポレイショ
ン)などを用いて行ってもよい。
【0060】1,2−ジオキセタン誘導体の合成におい
て、光分解段階の前駆体がほとんどないか全く存在しな
い(第V図参照)、即ちナウアー・バリアブル・ウェイ
ブレングス・ディテクター(マサチューセッツ州ウォバ
ーン(Woburn)のレイニンインストゥルメント社(Rain
in Instrument Co.))を用いて270nmで操作すること
により生じる分析クロマトグラムで測定して3%以下の
場合、精製および脱塩が単一のクロマトグラフィー工程
においてなされてもよい。反応生成物を濃縮し、残留物
を純水または有機溶媒−水混合物に取り出し、pH8.6
になるようにアルカリ金属または第4級アンモニウム塩
を添加し、不溶性物質を濾別し、次いで生成物を流動相
として純水中の有機溶媒の勾配を用いて、単一のカラム
クロマトグラフィーにより精製および脱塩する。
【0061】本発明を実施する際に得られる水溶性1,
2−ジオキセタンの精製度を当業者に知られている方法
によって決定してもよい。そのような方法の1つは液体
クロマトグラフィーによる1,2−ジオキセタン誘導体
を予備精製した後ディテクターで得られた分析クロマト
グラフィーを検査することを含む。不純物、即ち前駆体
および分解生成物(第V図参照)を示すピークがない
か、所望生成物により得られるピークと比べて少ない場
合は生成物が実質上純粋である。
【0062】別の方法では1,2−ジオキセタン誘導体
を化学発光アッセイ(例えば、以下の実施例2参照)に
おいて酵素の基質としてテストし、同じアッセイ中にお
いて高い純度の基質のサンプルとその行動を比較する。
基質のユニット量により得られる光度は高純度のサンプ
ルにより得られる光度と比較したときに、基質の純度に
正比例する。純粋および不純物を含む基質から得られる
光度を生物学的アナライトのモル濃度の関数としてプロ
ットするとき平行S字型曲線が得られ、これを感度プロ
ットという。不純物を含むサンプルの感度曲線は純粋な
サンプルの右側にシフトする。したがって、アッセイは
不純物を含むサンプルを使った場合、感度があまりよく
ない。不純物の度合いが大きければ大きいほど、感度曲
線がより右側にシフトする。本発明の方法による化学発
光性水溶性1,2−ジオキセタン誘導体の化学的合成の
粗反応生成物の精製はジオキセタン生成物を用いるアッ
セイの感度を少なくとも2倍、好ましくは約10倍増加
する(実施例6および図12参照)。
【0063】また別のテスト方法は化学発光アッセイに
おける1,2−ジオキセタン誘導体およびその1,2−
ジオキセタン自体(例えばAMPPD)と酵素(例えば
アルカリ性ホスファターゼ)との相互反応の競争的阻止
として分解生成物(第V図)を調製するのに用いられる
出発物質の行動に基づく。汚染物である出発物質または
分解生成物の存在および不存在下に1,2−ジオキセタ
ン濃度の関数として反応速度をプロットしたダブル相反
プロット(ラインウェーバ−バーク・プロット)はスト
レイトライン曲線群を生み出し、それは阻止の型(例え
ば競争、非競争または混在)を確認するばかりでなく、
汚染の程度をも予測する。
【0064】
【実施例】当業者が本発明を完全に理解するために以下
に実施例を示す。これら実施例は単に説明の目的のみで
提供され、添付の請求の範囲を制限するものと解しては
ならない。
【0065】実施例1 AMPPDのHPLCによる予備的単離 AMPPD(第V図)の合成の後に、粗混合物から溶媒
を除去し、残りを0.1%NaHCO3緩衝液(pH8.
6)中に溶解し、0.4μナイロンフィルターで濾過し
て不溶性物質を除去した。次いで、粗生成物14ml(1
40mg)を予備逆相PLRP−S(ポリマー・サイエン
ス・インコーポレイテッド)カラム、100Å、10μ
m粒径、カラムの大きさ300cm×25mm中に注入し
た。アセトニトリル勾配中の移動相、0.1%NaHC
3緩衝液、pH8.6をカラムに流量10ml/分で送っ
た。波長270nmでUVモニターにより検知した。チャ
ートスピードは1cm/分であった。クロマトグラムを図
1に示す。0.1%NaHCO3緩衝液中のアセトニト
リルの勾配を縦軸に示す。所望の生成物(実質上純粋な
AMPPDナトリウム)を9分の溶出での主ピークとし
て示される。AMPPDは3分でより速く溶出した分解
生成物からよく分離されている。AMPPD合成におけ
るホスホリル化エノールエーテル(PEE)中間体の痕
跡量はトレーリングエッジ上の小さなピーク(10〜1
1分)として示される。AMPPDの合成方法は米国特
許出願第889,823号および第140,197号に
記載されており、それらが水溶性化学発光性1,2−ジ
オキセタン誘導体への合成ルートを開示している範囲を
本明細書中に導入する。
【0066】実施例2 図1中のピークの確認 図1から分解生成物およびAMPPDを収集し、凍結乾
燥し、化学発光アッセイ中でアルカリ性ホスファターゼ
の基質として試験した。このアッセイの詳細は上記米国
特許出願第889,823号(この特許がアルカリ性ホ
スファターゼのアッセイ条件を記載する範囲においてこ
こに挿入する)に記載されている。光発生はターナー・
20E・ルミノメーター(Turner 20E Luminometer)中
で測定した。図2の上の図はアルカリ性ホスファターゼ
の発光反応を示し、9分で化合物が溶出した(図1)。
発光はAMPPDに典型的である。逆にアルカリ性ホス
ファターゼと3分ピークの化合物との反応に基づいて発
光しないことは(図2の下の図)、ピーク3の物質が化
学発光性でなく、第V図中の下に示される分解生成物で
あることが示される。AMPPDの熱崩壊の第2生成物
はアダマントンである(第V図)。この化合物はUV吸
収性を有さないので、クロマトグラム中にあらわれな
い。しかしながら、アダマントンは分解生成物と1:1
の比率で生産されるので、クロマトグラム上の分解生成
物の量は存在するアダマントンの量とほば等しい。第V
図のPEE、AMPPDおよび分解生成物はすべてモノ
塩基またはジ塩として存在する。
【0067】
【化6】
【0068】実施例3 AMPPDのHPLCの予備単離および脱塩 AMPPD、PEEおよび分解生成物(第V図)の粗混
合物の2ml(20mg)を予備スケール(300cm×25
mm)逆相PLRP−Sカラム上でクロマトグラムした。
移動相は20ml/分の流量で0.1%NaCO3、pH
8.6中でアセトニトリル勾配であった。ピークの溶出
は270nmストリップチャートスピードでモニターし
た。図3のストリップチャートに示すように、AMPP
Dピーク(17〜19分)は中間体PEEピーク(20
分)とは小さい間隔で分離されており、分解生成(4
分)とはひろく分離されている。図3からのAMPPD
ピークは凍結乾燥して生成物を濃縮して、0.1%Na
HCO3緩衝液、pH8.6中に溶解し、次いで分析スケ
ールの逆相PLRP−Sカラム(100Å、8m、15
cm×4.6mm)に注入した。前と同様に、逆相は0.1
%NaCO3緩衝液、pH8.6中のアセトニトリルの勾
配であった。図4中に示すストリップチャート図は本質
的に一つのピーク(AMPPDのピーク)が得られたこ
とを示す(構紬の16の点)。このことは結果として、
最初の予備HPLCは実質上純粋なAMPPDが得られ
たことを示す。いくつかの予備AMPPD部分を結合し
て、予備PLRP−Sカラム上でクロマトグラフィーに
よって脱塩した。サンプルサイズは140mgのAMPP
Dを含む230mlであった。逆相はアセトニトリルの水
中の5〜60%勾配であった。カラム中に注入された大
量のAMPPDは20〜30(14%〜26%水中のア
セトニトリル勾配)の間の広いピークとして溶出され
た。ここでは詳述しない他の実験において、7以上のpH
で塩緩衝液の存在がAMPPDを狭いピークとして溶出
するために必要であることが分かった。図5のストリッ
プチャート図に示されるように、AMPPDバンドはよ
り高いアセトニトリル濃度で溶出される着色汚染物から
完全に分離された。図5からのピーク部分を結合して、
凍結乾燥して、移動相として0.1%NaCO3緩衝
液、pH8.6中の勾配を用いて逆相PLRP−S分析カ
ラム上で分析HPLCによって分析した。図6に示すよ
うに、分析HPLCクロマトグラフィーは前に脱塩した
AMPPDは実質上純粋であることを示す。このことは
また脱塩したおよび脱塩されないAMPPD調製は長期
間水中で安定であることを示す。
【0069】実施例4 アンモニウム塩緩衝液中でのシリカベースの逆相HPL
CによるAMPPDの精製 PEEからのAMPPDの合成(第V図)からの生成物
である粗混合物を分析サイズのダイナマックスC−18
粒子のHPLCカラム、シリカベースの逆相パッキング
上で分離した。移動相は0.1%アンモニウムアセテー
ト緩衝液、pH7.0中のアセトニトリルの勾配であっ
た。ピークの溶出は270nmでチャートスピード5mm/
分でモニターした。図7のストリップチャート図に示す
ように、AMPPDピーク(5〜6分)は早くに溶出し
た汚染物(2〜4分)とは明確に分離されているが、ト
レイリングエッジ汚染物(6〜8分)とは十分に分離さ
れていない。図7からのAMPPD部分を収集し、凍結
乾燥し、次いで0.1%アンモニウムアセテート、pH
7.0中のアセトニトリルの勾配を移動相として用い
て、ダイナマックスC−18の分析サイズのカラム上で
分離した。図8のストリップチャート図はAMPPD
(16〜17分)を犠牲にして分解生成物(7〜8分)
の大量の生成を示す。このことはAMPPDが濃アンモ
ニウムイオンの存在下で不安定であることを示す。AM
PPDのアンモニウムアセテート緩衝液(即ち、凍結乾
燥で濃縮せずに)での短期間の貯蔵はAMPPDを分解
しなかった。0.1%アンモニウムアセテート緩衝液
(pH7.0)中の31%アセトニトリルで溶出した図7
の6分AMPPDピークを濃縮せずに1晩貯蔵し、次い
で0.1%アンモニウムアセテート緩衝液(pH7.0)
中のアセトニトリルの勾配下に分析ダイナマックスC−
18上でHPLCによりクロマトグラフした(図9)。
アンモニウムアセテートの存在下にAMPPDを1晩貯
蔵してもこのジオキセタン誘導体の実質的な分解は起ら
なかった。しかしながら、予備HPLC(図7)の6分
ピーク中のAMPPDをアンモニウムアセテートカラム
流出液の存在下に暗所4℃で長期間貯蔵した時に、ダイ
ナマックスC−18上の分析HPLCはAMPPD分解
物の増加を示した(図10)。NH4 の酸不安定1,
2−ジオキセタンへの分解について特定の機構で制限す
るつもりはないが、いくつかの機構を提案することがで
きる。凍結乾燥による濃縮または長期貯蔵中にNH4
が発生するアンモニアのエレクトロンペアが1,2−ジ
オキセタン誘導体の分解を引きおこすのかも知れない。
また、緩衝液中のNH4 カチオンがAMPPDのアル
カリ金属カチオンと交換され、次いで棟結乾燥時に不安
定なプロトン化ジオキセタンを生成するのかも知れな
い。また、NH4 の影響に加えて、アセテート含有緩
衝液が濃縮中に酸を発生し、1,2−ジオキセタン類を
分解するのかも知れない。
【0070】実施例5 HPLCによる3−(2′−スピロアダマンタン)−4
−メトキシ−4−(3″−アセトキシ)フェニル−1,
2−ジオキセタンの精製 AMAPDの合成の次に粗混合物を実施例1と同様に濾
過し、分析PLRP−S(ポリマー・サイエンス社)カ
ラム(100Å、8μm拉経、カラムサイズ6.5×1
50nm O.D.)上でカラムクロマトグラムした。移
動層(0.1%NaHCO3緩衝液、pH8.6の60〜
100%アセトニトリル勾配)をカラムに3ml/分の割
合で流した。波長270nmでUVモニターで検知した。
クロマトグラムは図11に示す。実質上純粋なAMAP
Dが約78%アセトニトリルで約6分付近に単一のピー
クとして溶出した。汚染物質は全てアセトニトリル勾配
の設定前、即ち1.40分以前に溶出した。AMAPD
の合成方法は米国特許出願第140,197に記載され
ている(この記載中のAMAPDの合成ルートに関する
記載をここに挿入する)。
【0071】実施例6 感度プロットによるAMPPDの精製度の測定 アルカリ性ホスファターゼ化学発光性アッセイを実施例
4(図8)からの比較的粗なAMPPDサンプルと実施
例3(図6)からのHPLC精製AMPPDサンプルに
適用した。化学発光性アッセイで発生する光度をアッセ
イ混合物中のアルカリ性ホスファターゼのモル濃度の関
数としてプロットした(図12)。このデータは精製A
MPPDの感度が粗AMPPDの感度よりも少なくとも
1等級高く、しかも感度の違いがアルカリ性ホスファタ
ーゼの濃度を現わしていることを示す。AMPPDと共
に、アルカリ性ホスファターゼも約10- 1 5Mの低い濃度
で検知できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、3−(2′−スピロアダマンタン)−
4一メトキシ−4−(3″−ホスホリルオキシ)フェニ
ル−1,2−ジオキセタン2ナトリウム塩(「AMPP
D」)の合成生成物を(3−アダマンチリデンメトキシ
メチル)フェニルホスフェート(「PEE」)から、固
定相としてPLRP−Sスチレン−ジビニルベンゼン共
重合体粒子を用いた本発明のプレパラティブHPLCク
ロマトグラフィーにより分離したことを示す(第(V)
図)。
【図2】図2は、この精製したAMPPD(図1)とア
ルカリ性ホスファターゼによって分解された生成物(B
P)との反応による発光を示す。
【図3】図3は、PEEからAMPPD合成生成物を単
離するためのPLRP−S樹脂を用いたプレパラティブ
HPLCクロマトグラフィーの本発明法に従った適用を
示す。
【図4】図4は、図3のAMPPDピークのPLRP−
S樹脂を用いた分析的HPLCクロマトグラフィーを示
す。
【図5】図5は、図3のAMPPDピークの、PLRP
−S樹脂を用いたプレパラティブHPLCクロマトグラ
フィーによる脱塩を示す。
【図6】図6は、図5の脱塩したAMPPDの、PLR
P−S樹脂を用いた分析的HPLCクロマトグラフィー
を示す。
【図7】図7は、AMPPD合成の粗生成物をPEE
(第(V)図)から分離するためのプレパラティブHP
LCクロマトグラフィー〔シリカをべ一スとする逆相カ
ラム(ダイナマックスC−18(Dynamax C-18))およ
びアンモニウムアセテート−アセトニトリル移動相を使
用。〕の本発明に従った適用法を示す。
【図8】図8は、NH4 イオンの存在下凍結乾燥した
後の図7のAMPPDの、ダイナマックス C−18カ
ラムを用いた分析的HPLCクロマトグラフィーを示
す。
【図9】図9は、酢酸アンモニウム緩衝液中にて終夜乾
燥した後に凍結乾燥による濃縮を行わなかった図7のA
MPPDの、グイナマックスC−18カラムを用いた分
析的HPLCクロマトグラフィーを示す。
【図10】図10は、酢酸アンモニウム緩衝液中長期間
保存後の図7のAMPPDの、グイナマックスC−18
カラムを用いた分析的HPLCクロマトグラフィーを示
す。
【図11】図11は、3−(2′−スピロアダマンタ
ン)−4−メトキシ−4−(3″−アセトキシ)フェニ
ル−1,2−ジオキセタン(AMAPD)の、PLRP
−S樹脂を用いた分析的HPLCクロマトグラフィー
の、本発明に従った適用例を示す。
【図12】図12は、HPLCで精製したAMPDおよ
び粗AMPDの存在下における化学発光分析用感度デー
タを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ボイタ、ジョン チャールズ アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01864、ノース リーディング、ウィリ アムス ロード 20番 (56)参考文献 特開 平2−131478(JP,A) 特表 平3−504801(JP,A) 特表 平2−502916(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 321/00 C07F 9/655 C09K 11/07 G01N 21/76 G01N 33/532 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: 【化1】 〔式中、Tは、ジオキセタン環にスピロ結合により結合
    している縮合シクロアルキリデンもしくはポリシクロア
    ルキリデン基または置換もしくは非置換シクロアルキル
    基;Xは、−OR基(Rは、炭素数1〜20のアルキル
    である);Yは、フェニル;Zは、リン酸エステル基、
    アセテートエステル基、オキシカルボキシレート基、1
    −ホスホ−2,3−ジアシルグリセライド基、1−チオ
    −D−グルコサイド基、アデノシントリホスフェイト同
    族基、アデノシンジホスフェイト同族基、アデノシンモ
    ノホスフェイト同族基、アデノシン同族基、α−D−ガ
    ラクトサイド基、β−D−ガラクトサイド基、α−D−
    グルコサイド基、β−D−グルコサイド基、α−D−マ
    ンノサイド基、β−D−マンノサイド基、β−D−フラ
    クトフラノサイド基、β−D−グルコサイドウロネイト
    基、p−トルエンスルホニル−L−アルギニンエステル
    基、またはp−トルエンスルホニル−L−アルギニンア
    ミド基;X又はZは、水溶性を増強するカルボン酸基を
    有していてもよい〕で示される1,2−ジオキセタン誘
    導体。
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