JPH11515004A - 改良された性能を有する1,2化学発光性ジオキセタン類 - Google Patents

改良された性能を有する1,2化学発光性ジオキセタン類

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JPH11515004A JP9-515811A JP51581197A JPH11515004A JP H11515004 A JPH11515004 A JP H11515004A JP 51581197 A JP51581197 A JP 51581197A JP H11515004 A JPH11515004 A JP H11515004A
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Abstract

(57)【要約】 安定的なジオキセタン類の新規な一群は、多環式の安定化基と、その酸素原子が、ジオキセタンと混合される酵素的又は化学的誘発剤によって除去できる保護基を与えられているアリールオキシ部分とを有する。多環式の安定化基は、好ましくはスピロアダマンタンである。この基は、ハロゲン、特にフッ素及び塩素で部分的若しくは完全に置換される、アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ又はシクロアルキルオキシ部分を更に有する。安定化部分の電子活性基、アリール基、及びOR基の適正な選択は、様々なアッセイにおける増強された酵素動態、優れた光強度、及び卓越した検出感度を生じる。

Description

【発明の詳細な説明】 改良された性能を有する1,2化学電光性ジオキセタン類 [発明の背景] 発明の分野: 本発明は、周囲条件下で安定的であり、光の放出とともに分解する、オキシア ニオンを残す保護基の除去によって化学発光させることができる、1,2ジオキ セタン類に関する。ジオキセタン類は、スピロ結合していてもよいトリシクロア ルキル部分によって典型的には安定化され、また保護された酸素原子と電子活性 置換基とがそれに結合されるアリール基を有する。本発明のジオキセタン類は、 ハロゲン化されたオキシ置換基も2−炭素に有する。このジオキセタン類は、改 良された性能、増強された感度を示し、非常に多様なアッセイその他の検出の用 途に用いるのに適している。 従来の技術の背景: 本明細書で指名される本発明の被譲渡人であるトロピックス社(Tropix,Inc. )は、免疫アッセイ、核酸アッセイ、人工照明材料などを包含する、非常に多様 な用途に用いるための化学発光性ジオキセタン類を開拓かつ商業化している。加 えて、トロピックス社は、プロテアーゼその他の内因性酵素、及びマーカー又は 標識として広く用いられる様々な外因性酵素、例えばアルカリホスファターゼを 包含する、酵素の存在を検出するのに用い得るジオキセタン類を開発している。 そのような化合物、及び精製形態でのそれらの製造は、米国特許第4,931,569 号明細書の主題である。この種の初期の商業的化合物は、AMPPDとして一般 的に特定される3−(2′−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3″ −ホスホリルオキシ)−フェニル−1,2−ジオキセタン二ナトリウム塩であり 、トロピックス社(Bedford,Massachusetts)から入手可能である。この種の化 合物については、やはりトロピックス社に譲渡された、米国特許第4,931,223 号 明細書の多重被分析物アッセイを包含する、多様なアッセイが特定されている。 容易に検出及び/又は定量される化学発光シグナルを発生させるためにこれらの 化合物を用いることは、米国特許第4,978,614 号明細書に具体的 に扱われ、やはりここに一般的に譲渡された、米国特許第5,330,900 号明細書に 大規模に開示されたとおり、アッセイへの「エンハンサー」組成物の組込みによ って改良することができる。代表的には、これらの増強剤は、第四級オニウム塩 構造、例えばポリ(ビニルベンジルトリブチルアンモニウム=クロリド)及びポ リ(ビニルベンジルトリブチルホスホニウム=クロリド)はもとより、対応する ホスホニウム及びスルホニウム塩を有し、水性環境中に疎水性の領域又は部域を 形成して、化学ルミネセンスを増強することができる。 商業的に開発されたジオキセタン類は、構造式I: によって一般的に示すことができる。注目されるとおり、商業的に開発された「 第一世代」ジオキセタン類のうちでは、Y1、Y2及びZは、水素であり、Rは、 メチル基である。AMPPDでは、Xはリン酸基であるが、Xが、酵素によって 切断できる異なる基である、他の「第一世代」ジオキセタン類も、開発かつ開示 されている。Xに関するあり得る基は、周知であり、リン酸、酢酸、様々なガラ クトシド及びグルクロニドとともに、一般に、酵素によって切断され易いいかな る基も包含する。代表的な基は、米国特許第4,978,614 号明細書の表1に、Z群 として特定されて記載されている。上記一般式IのY1及び/又はY2のうち一つ 又はそれ以上が水素以外の基を有する、「第二世代」ジオキセタン類は、化学ル ミネセンスの強度、化学ルミネセンスの動態又は双方を改良するために開発、開 示かつ特許されている。この種の化合物は、スピロアダマンチル基が活性置換基 、すなわち、Y1又はY2の少なくとも一方が水素以外の基を有する。この「第二 世代」に特徴的な実施態様では、いずれかの橋頭炭素が、塩素の置換基を有する (CSPD)。非常に多様なその他の活性置換基が、トロピックス社に譲渡され た米国特許第5,112,960 号その他の特許明細書に記載されてい る。塩素置換基に代えて、アダマンチル環は、トロピックス社への米国特許第5, 326,882 号明細書の請求項1に詳述されたとおり、メチレン置換基を有してもよ い。酵素動態(T1/2を包含する)、光強度及び検出感度を支配する制御の重要 性が、米国特許第5,112,960 号明細書に強調されている。 米国特許第5,326,882 号明細書も、「第三世代」トリ置換フェニル化合物、す なわち上記の構造のジオキセタン類を開示かつクレームしており、ここで、Y1 及びY2は、それぞれ、水素又は活性基のいずれかであってよく、フェニル環は 、酸素原子を介してフェニルに結合された酵素切断可能基に加えて、酵素動態及 び/又は化学ルミネセンス強度に影響する電子活性置換基を有する。この電子活 性基、すなわち上式のZは、得られる化学ルミネセンスの抑制又は増進のいずれ かができる。化学ルミネセンスは、一般式Iの酵素切断可能なX基を、適切なジ オキセタンと、X部分に特異的な対応する酵素とを混合又は結合することによっ て切断した後に、生成される。これは、上記に考察したような水性サンプル中で か、又は膜その他の固体の支持体上で達成することができる。膜及び類似の固体 支持体は、トロピックス社への米国特許第5,336,596 号明細書に開示されたよう な重合体の膜を与えることによって、増大した化学発光シグナル強度及び検出感 度について最適化することができる。 上記のジオキセタン類は、酵素アッセイと結合して用いることを特定して調製 される。そのため、その除去が分解及び化学ルミネセンスを誘導するX置換基を 、ある酵素によって除去されるよう特異的に設計する。この酵素は、検査するサ ンプル中の標的被験物であっても、或いはプローブ、抗原若しくは抗体、又はあ る特異的な結合対のいかなる成員にも結合した、その特異的結合対の他方の成員 の存在を検出するためのリポーター分子であってもよい。この種のアッセイの様 式は周知であり、ジオキセタンの化学ルミネセンスは、特異的な標的の極めて効 率的、正確かつ鋭敏な検出が達成できるように、アッセイを改良することを可能 にする。 酵素による除去は受け易くないが、特異的な一群の化学物質によって除去でき るように、Xを選ぶことも可能である。米国特許第4,956,477 号明細書は、Xが 、酵素切断可能基、又は化学的切断可能基、例えば水素原子、アルカノイル 若しくはアロイルエステル、アルキル若しくはアリールシリルオキシ又は類似の 基のいずれであることもできる、一般式Iの広範囲の一群のジオキセタンを調製 する様々な合成法を記載している。この種の化合物は、Schaapへの米国特許第4, 962,192 号明細書にも記載されており、ここでは、一般式Iの部分Xは、酵素に よって切断することも、化学物質によって除去することもできる。その最も単純 な形態では、Xは水素であって、その離脱は、非常に多様な「活性化剤」(その うち最も単純であるのは、水酸化ナトリウムである)によって誘発できる。切断 基Xの除去によって生じる分解反応は、ジオキセタン環のO−O結合の分解によ って光を発生して、カルボニルに基づく2種類の化合物を生成するため、活性化 基が化学物質である場合、活性化剤1分子あたり、ただ1個の光の光子が生成で きるにすぎない。これは、上記に考察した、酵素誘発可能ジオキセタンとはまさ に対照的であって、ここでは、酵素は、触媒として、基質として存在する多数の ジオキセタン分子の分解を誘発する。この触媒性の増倍効果が、酵素誘発可能ジ オキセタンの商業的な開発及び許容へと導いたのである。進歩した化学的に(非 酵素的に)誘発できるジオキセタンは、1995年10月19日に弁理士整理番号第4085 -097-27 号として提出された、米国特許願第08/545,174号の主題である。 上記により、適切な化学ルミネセンスを適切な放射動態で与え、酵素及び非酵 素性化学物質を包含する活性化剤によって誘発できるために、高い光強度、改良 された酵素動態、及び高い感度が必要条件であるアッセイに用いることができる ようなジオキセタンを得ることは、当業者の目的であり続けている。 [発明の要約] 上記の目的、及び下記に述べる考察によって明確にされるその他の目的は、保 護基の種類に応じて、酵素的誘発剤又は化学的誘発剤のいずれによって分解かつ 化学発光するよう誘発することができる、新規な一群のジオキセタンであって、 該ジオキセタンの2−炭素上のハロ置換アルコキシ部分とともに、安定化基及び アリール基上の選択された置換基により、増強された感度、酵素動態及び光強度 を示すジオキセタンによって満たされる。 該ジオキセタンは、下記の一般式IIのものである: Tは、ポリシクロアルキルジオキセタン、好ましくはアダマンチルジオキセタン 、最も好ましくはスピロアダマンタンである。Xは、フェニルその他のアリール である。このアリール部分は、基OZに加えて、現在は米国特許第5,538,847 号 である米国特許願第08/057,903号の一部継続出願である、1994年4月25日に提出 された米国特許願第08/231,673号願書に記載されたとおり、1〜3個の電子活性 基、例えば塩素又はメトキシを有する。その開示全体を、本明細書中に参考とし て援用する。これらの電子活性置換基の種類を選ぶことによって、ジオキセタン の半減期、量子収量、S/N比等々を包含する化学発光特性の特定の態様を変え ることができる。 Zは、酵素によって除去できる保護基、例えばホスファターゼによって除去さ れるリン酸基、又は化学的誘発剤によって除去し得る保護基、例えば水素のいず れか、或いは、塩基の付加によって除去できる置換シリル部分である。部分Rは 、1〜20個の炭素原子を有し、P、N、O又はSであってよい1〜2個のヘテ ロ原子をそれぞれ有してよい、基Rがハロゲン化されたアルキル、アリール、ア ラルキル又はシクロアルキルである。最も好ましくは、Rはトリハロアルキル部 分である。 Xがナフチルであるときは、OZは、好ましくは、ジオキセタン環との環の結 合点に関して、ナフチル環への任意の結合点にあり、その結果、これらの結合点 を分離する環原子の、該結合点での環原子を含む総数は、本明細書中に参考とし て援用する米国特許第4,952,707 号明細書に開示された置換パターンと同様に、 奇数の整数である。 多環式基Tは、電子供与性及び電子求引性の基を包含する電子活性基で置換で きるか、又は非置換であってもよい。好適な置換基は、ヒドロキシル、ハロ(好 ましくはF及びC1)及びアルキルである。Rについての好適な基は、フッ素化 されたアルキル、アリール、シクロアルキル又はシクロアリールであって、フッ 素又は塩素原子で炭素が部分的又は完全に置換された、ヘテロアルキルを包含す る。 この構造のジオキセタンは、本明細書中に参考として援用する米国特許第5,11 2,960 号明細書に開示された様式で免疫アッセイにか、又は本明細書中に参考と して援用する米国特許第5,326,882 号明細書に開示された様式で核酸プローブに 、単独でか、又は増強剤、例えば、やはり本明細書中に参考として援用する米国 特許第4,978,614 号明細書に開示されたそれらと結合して用いられる誘発剤、例 えば酵素又は塩基の存在を検出するのに用いることができる。 これらの増強剤は、一般に、天然及び合成の水溶性高分子であって、米国特許 第5,145,772 号明細書に更に記載されている。好適な増強剤は、水溶性重合体の 第四級オニウム塩、例えばアンモニウム塩のポリ(ビニルベンジルトリメチルア ンモニウム=クロリド)(TMQ)、ポリ(ビニルベンジルトリブチルアンモニ ウム=クロリド)(TBQ)及びポリ(ビニルベンジルジメチルベンジルアンモ ニウム=クロリド)はもとより、それらの対応するホスホニウム及びスルホニウ ムも包含する。 [発明の詳細な説明] 本発明の一般式II: を有するジオキセタン類は、選ばれる置換基の個々の種類に応じて、改良された 光強度、酵素動態及び/又は感度を示す。 置換基Tは、専ら安定化部分として選ばれる。そのような安定化部分なしの ジオキセタン類は、自発的に分解するか、又は穏やかに上昇させた熱的条件下で 分解する。多環式部分、例えばアダマンチル基は、ジオキセタン全体に安定性を 与える。好適実施態様では、Tはスピロアダマンタンである。橋頭炭素のいずれ か又は双方が、酵素動態及び光強度に影響し得る電子活性置換基を有してよい。 各橋頭炭素(アダマント−2−イリデン置換基の5及び7位)は、独立に、水素 、ヒドロキシル基、ハロゲン置換基、特にフルオロ又はクロロ、1〜6個の炭素 原子を有する非置換の直鎖又は分枝鎖低級アルキル基、ヒドロキシル、1〜3個 のハロゲン又は類似の置換基でモノ若しくはジ置換された低級アルキル基、非置 換であるか、又はハロゲン若しくは低級アルコキシ置換基で置換されたフェニル 基、シアノ基、アミド基、及び電子供与性又は電子求引性のいずれかであるその 他の置換基であることができる。 一般式IIでのXは、電子活性置換基である非常に多様な基から独立に選ばれる 、1〜3個の基Aで置換された、フェニル又はナフチルのいずれかである。フェ ニル又はナフチル部分のA置換基の基本的特性は、放射動態を変えてもよいが、 ジオキセタンの化学発光挙動は抑制しないことである。好適な電子活性置換基は 、ハロゲン、例えばクロロ又はフルオロ;アルコキシ、例えばメトキシ、o−ニ トロベンジルオキシ又はポリチレンオキシ;アリールオキシ,例えばフルオロフ ェノキシ又は4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフト−1−オキシ;トリアルキル アンモニウム、例えばトリメチルアンモニウム又はトリヘキシルアンモニウム; アルキルアミド、例えばN−メチル−アセトアミド又はN−フェニル−アセトア ミド;アリールアミド、例えばベンゾイルアミド又はN−メチルベンゾールアミ ド;アリールカルバモイル、例えばフェニルカルバモイル又はニトロフェニルカ ルバモイル;アルキルカルバモイル、例えばN−メチルベンジルカルバモイル又 はtert−ブチルカルバモイル;シアノ;ニトロ;エステル、例えばtert−ブトキ シカルボニル;アルキルスルホンアミド、例えばN−メチルメタンスルホンアミ ド;アリールスルホンアミド、例えばN−メチルトルエンスルホンアミド;トリ フルオロメチル;アリール又はヘテロアリール、例えばフェニル、ベンゾチアゾ ール−2−イル又はキナゾリン−4−オン−2−イル;アルキル、例えばメチル 、ブチル、フェネチル;トリアルキル−;トリアリール−若しくはアル キルアリールシリル−;例えばトリメチルシリル;tert−ブチルジメチルシリル 又はtert−ブチルジフェニルシリル;アルキル又はアリールアミドスルホニル、 例えばジブチルアミドスルホニル又はジフェニルアミドスルホニル;アルキル又 はアリールスルホニル、例えばメタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニ ル、又はベンゼンスルホニル;アルキル又はアリールチオエーテル、例えばメチ ルチオ、ブチルチオ又はフェニルチオを包含する。A置換基の大きさは、一般に 、溶解度の関係によってのみ限定されるにすぎない。アルキル又はR、R′等々 に関して述べると、アルキル部分は、1〜12個の炭素原子を有すべきである。 適切なアリール部分は、例示的部分として、フェニル及びナフチルを包含する。 特に好適な種は、クロロ及びアルコキシを包含する。4及び5位での置換が、特 に好ましい。 本発明の安定的なジオキセタンは、基Zの除去によるフェノキシ又はナフチル オキシ基の脱保護によって化学発光させる。Zは、塩基又は塩の付加によって除 去できる保護基、又は酵素切断可能部分のいずれであってもよい。したがって、 Zは、H又はE3Siであってよく、ここで、Eは、独立に、水素、アルキル、 アリール又はアリールアルキルであって、それぞれ、1〜12個の炭素原子を有 する。これに代えて、Zが、酵素切断可能部分であってもよい。こうして、適切 な酵素と適正に接触すると、Zは、分子から切断されて、フェニル環に結合した 酸素を、したがってフェノキシアニオンも残す。Zは、リン酸、ガラクトシド、 酢酸、1−ホスホ−2,3−ジアシルグリセリド、1−チオ−D−グルコシド、 アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸、アデノシン、 α−D−グルコシド、β−D−グルコシド、β−D−グルクロニド、α−D−マ ンノシド、β−D−マンノシド、β−D−フルクトフラノシド、β−グルコシド ウロン酸、p−トルエンスルホニル−L−アルギニンエステル、p−トルエンス ルホニル−L−アルギニンアミド、ホスホリルコリン、ホスホリルイノシトール 、ホスホリルエタノールアミン、ホスホリルセリン、ジアシルグリセロールリン 酸ジエステル、及びモノアシルグリセロールリン酸ジエステルであってよい。ホ スホリル及びリン酸エステル部分は、例えば、ホスファターゼによって切断し得 るリン酸基を生成するホスホリパーゼによって、切断してよい。Zは、酵素切 断可能基であるならば、好ましくはリン酸、ガラクトシド又はグルクロニド、最 も好ましくはリン酸である。好ましくは、フェニル環上に置換されているときは 、OZは、ジオキセタン環との結合点に関してメタである、すなわち、3位を占 める。 基Rは、1〜20個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖のアルキル、アリー ル、シクロアルキル若しくはアリールアルキルである。Rは、P、N、S又はO であってよい1〜2個のヘテロ原子を有してよい。置換基Rはハロゲン化されて いる。ハロゲン化の程度は、アダマンチル基、アリール基での置換基の選択、及 び構想される個々の用途に対して望まれる酵素動態に応じて異なることになる。 好適な基は、トリフルオロエチル、トリフルオロプロピル、ヘプタフルオロブチ リル、ヘキサフルオロ−2−プロピル、α−トリフルオロメチルベンジル、α− トリフルオロメチルエチル及びジフルオロクロロブチルの部分をはじめとする、 トリハロ低級アルキルを包含する。置換基Rの炭素原子は、ハロゲンで部分的又 は完全に置換されていてよい。Rがアリールのときは、好適な基は、1個又はそ れ以上のクロロ、フルオロ又はトリフルオロメチルの基で置換されたフェニル環 、例えば2,5−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,3,5 −トリフルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル又は3−トリフル オロメチルフェニルを包含する。フッ素及び塩素が特に好適な置換基であるが、 特殊な状況では、臭素及びヨウ素を用いてもよい。 ハロゲン原子は、特に強力な電子求引基であって、アダマンチル、アリール及 びR置換基での異なるいくつかの種類の相互作用に関与する。加えて、ポリハロ アルキル基は、周知の可溶化剤である。そのため、R基でのハロゲン化の程度及 び形式の選択は、ジオキセタンの所望の特性のみならず、アダマンチル及びアリ ールの基でのハロゲンの種類と存在とに基づいて行なうことになる。 本発明の対象範囲内での特に好適なジオキセタンは、 である。本発明の立証を目的として、類似の構造を有するその他の化合物を調製 した。これらのうちいくつかは、「Star」という呼称を有し、本発明の対象範囲 内に属する。CSPD及びTFEを包含する比較化合物を、比較を目的として調 製した。CSPDは、米国特許第5,112,960 号明細書の主題である。TFEは、 同じく所有する米国特許願第08/339,085号で扱われている。これらの化合物は、 本発明の一部を構成しないが、比較を目的として含める。 TFE−ADP−Starは、下記の合成によって製造してよい。4−クロロ−3−メトキシベンゾイルクロリド 4−クロロ−3−メトキシ安息香酸3.7gを、クロロホルム3mlで湿らせ、 アルゴン雰囲気下で塩化チオニル6mlを加えた。得られたペーストを還流に付し た。数分後、淡黄色の溶液を室温まで冷却し、更に4.0gのこの置換安息香酸 を加えた。混合物を再び1時間還流に付した。スチルヘッドをフラスコに加えて 、クロロホルム、及び過剰な塩化チオニルをできるだけ低温で留去した。そうし て、生成物を含有するスチルポットの残渣が固化した。石油エーテル5mlを加え て、僅かに加熱して固体を溶解した。室温まで冷却すると、母液を静かにピペッ トで吸い取り、残留固体を減圧下で汲み出して、4−クロロ−3−メトキシベン ゾイルクロリド7.3gを淡黄褐色の固体として得た。母液からは、更に1.0 3グラムの、より純粋でない材料を得ることができた。2,2,2−トリフルオロエチル 4−クロロ−3−メトキシベンゾアート 4−クロロ−3−メトキシベンゾイルクロリド2.3g(11.2ミリモル) を、アルゴン下で丸底フラスコに秤り入れた。3Åの分子ふるい越しに乾燥した 、塩化メチレン20mlを加え、次いでトリフルオロエタノール0.9mlを加えた 。トリエチルアミン1.7mlを滴加する間、アルゴン下、10℃の水浴中で溶液 を攪拌した。室温まで温めて、スラリーを1時間攪拌した。水20ml及び塩化 メチレン10mlをフラスコに加えた。混合物を分液漏斗に移して、反応フラスコ を塩化メチレンですすいだ。低い方の有機層を取り出した。水層を塩化メチレン 10mlで抽出した。併せた有機物を数回水洗し、綿布を通過させ、油になるまで ロータリーエバポレーターにかけると、固化して、淡黄褐色の生成物2.55g を得た。この固体のTLCは、Rf値が0.68の一つのスポットを示した(K 5F;SiO2/塩化メチレン:ヘキサン、1:1)。赤外スペクトルは、17 37cm-1でC=O(エステル)のストレッチを示した。2−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ−トリシクロ[3.3. 1.13.7]デカ−2−イリデンメチル)アニソール 三塩化チタン7.9g(51.3ミリモル)を、アルゴン雰囲気下でグローブ バッグ内の丸底フラスコに秤り入れた。蒸留直後のテトラヒドロフラン(LAH より)60mlを、アルゴン流下で素早く加えた。この添加は発熱性であるため、 注意しなければならない。紫色の懸濁液を激しく攪拌して、フラスコの壁に粘着 する固体を破砕した。15分後に、亜鉛末5.2gを、アルゴン下で継続的に攪 拌しつつ、一度に全部加えた。程々の発熱が、黒色の懸濁固体を含まない、赤味 を帯びた褐色の混合物を生じた。15分間の攪拌の後、トリエチルアミン11ml を、空気を排除しつつ加えた。次いで、混合物を2時間還流に付した。乾THF 30mlへの2−アダマンタノン3.0g(20ミリモル)及び2,2,2−トリ フルオロエチル−4−クロロ−3−メトキシベンゾアート2.6g(10ミリモ ル)の溶液を、還流中の褐色混合物に約65分間にわたって滴加した。還流を終 夜16時間継続した。冷却した反応混合物から、溶媒をロータリーエバポレータ ーで留去して、黒褐色のガム質を得た。このガム質を、ヘキサン100ml及び酢 酸エチル20mlで摩砕した(triturated)。黄橙色の上清を傾瀉し、摩砕操作を 反復した。10分間振盪した後、それぞれ5mlのトリエチルアミン及びメタノー ルを加えた。ガム質は、固化し始め、結果的に塊状の固体になった。この固体を 破砕し、上清を傾瀉した。最後の1回の摩砕は、20%酢酸エチル−ヘキサンで 達成した。併せた傾瀉上清を、ロータリーエバポレーターにかけて、淡黄色の半 固体のペーストを得た。混合物を熱ヘキサン50mlで処理し、熱いまま濾過して 、多少の不溶物を除去した。濾液をロータリーエバポレーターにかけた後に 得られた残渣を、少量の熱ヘキサンへのスラリーとして活性I酸化アルミニウム の2.1×20cmのカラムにかけた。カラムをヘキサンで溶離して、アダマンチ リデンアダマンタンを得た。10%ジクロロメタン−ヘキサンで溶離を継続して 2種類の主要な中間RfのUV活性成分を含有する油を得た。この油を少量の熱 ヘキサンに溶かした。無色固体、0.71gの重さの108〜112℃の融点を 有する結晶が、冷却に際して沈澱した。 I.R.(CH2Cl2): 2920,2850,1590,1572,1485,1465,1450,1400,1203,116 0,1100,1065,1035,993,965,870,828 cm-1.1 H NMR (400 MHz-CDCl3): δ 1.75-1.96(m,14H) 2.60(s,1H); 3.27(s,1H); 3 .70-3.76 (m,2H-CH 2CF3); 6.80-6.89(m,2H); 7.31-7.33(m,1H).2−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシトリシクロ[3.3.1 .13.7]デカ−2−イリデンメチル)フェノール 水素化ナトリウム(鉱油に60%)0.12gを、アルゴン雰囲気下にてヘキ サンで3回洗浄した。DMF6mlを加え、スラリーを氷浴中で0℃まで冷却した 。磁気攪拌しつつ、エタンチオール0.206mlを滴加すると、水素ガスを発生 した。次いで、混合物を15分間で室温まで温めた。2−クロロ−5−(2,2 ,2−トリフルオロエトキシトリシクロ[3.3.1.13.7]デカ−2−イリ デンメチル)アニソール0.70gを、アルゴン流下で固体として加えた。フラ スコを120℃の油浴に入れ、1時間攪拌した。次いで、冷却した混合物を酢酸 エチル:ヘキサン(1:1)20mlで希釈した。等量の1M の水性NH4Clを 、激しく渦流させつつ加えた。二重相を分液漏斗に移し、有機層を、再び0.5 M のNH4Cl溶液20mlで、次いで20mlの量の水で2回抽出した。有機層を Na2SO4上で乾燥し、減圧下で汲み出して、油状生成物を得た。TLCは、R f0.56でただ一つのUV活性を有するスポットを示した(K5F;塩化メチ レン:ヘキサン、1:1)。 IR(neat): 3540 (OH),3455 (OH),2910,2850,1600,1570,1482,1447,1410 ,1280,1100,1052,996,887,855,823,800,732 cm-1.2−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ−トリシクロ[3.3. 1.13.7]デカ−2−イリデンメチル)フェニルリン酸二ナトリウム 2−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシトリシクロ[3.3. 1.13.7]デカ−2−イリデンメチル)フェノール490mg(1.31ミリモ ル)を乾THF10mlに溶解した。トリエチルアミン238μl を、アルゴン下 で注射器を用いて滴加した。溶液を氷浴中で冷却して、2−クロロ−2−オキソ −1,3,2−ジオキサホスホラン143μl を滴加した。スラリーを室温まで 温め、3時間攪拌した。上清を、綿の先端を有する注射器を用いて、アルゴン流 下でトリエチルアミン塩酸から除去した。固体を、それぞれ乾THF5.0mlの 二つのアリコートで洗浄した。併せた濾液から溶媒をストリッピングし、淡黄色 のガム質を得た。これを乾DMF4.0mlに溶かし、アルゴン下、乾NaCN0 .077gで処理した。混合物を、室温で終夜攪拌するに任せた。溶媒を、減圧 下、50〜55℃でストリッピングした。得られた橙色のガム質を無水メタノー ル5.0mlに溶解し、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(4.3M)320 μl を滴加して処理した。室温で45分間攪拌した後、Polymer Laboratoriesの PLRS−Sポリスチレン逆相カラムでの分析HPLCのために、サンプルを取 り出した。0.1%重炭酸ナトリウムに対して流したアセトニトリルの勾配は、 12.24分で溶出する生成物を示した。反応混合物からメタノールを除去し、 残渣を水50mlに溶解した。この溶液を濾過し、大型の1インチPLRP−Sカ ラムに2回注入して、分取的に精製した。アセトニトリル/水勾配を適用して、 主生成物が、別個の2画分に捕集されるようにした。これらを併せ、凍結乾燥し て、517mgの重さのやや灰白色の綿毛状固体を得た。1 H NMR (D2O): δ 1.79-1.96 (m,14H); 2.65 (s,1H); 3.22 (s,1H); 4.01-4. 08 (m,2H); 7.02-7.04 (m,1H); 7.45-7.50 (m,2H). このデータはその構造を支持する。2−クロロ−5−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)スピロ{1,2 −ジオキセタン−3,2′−トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン}−4− イルフェニルリン酸二ナトリウム(TFE−ADP−Star) クロマトグラフィーから得た2−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエ トキシトリシクロ[3.3.1.13.7]デカ−2−イリデンメチル)フェニル リン酸二ナトリウム480mgを管に入れ、無水メタノール4mlで湿らせた。クロ ロホルム40mlを加えて、溶液を得た。次いで、クロロホルム3mlへのテトラフ ェニルポルフィン(TPP)6mgの溶液を加えて、淡紫紅色の反応混合物を得た 。パスツールピペットから酸素を5分間吹き込みつつ、溶液を氷浴中で冷却した 。約0.076mm(3.0ミル)の厚さのDuPontのKapton薄膜で濾過した溶液を 、気流を継続しつつ、400ワットのナトリウム蒸気灯で照射した。40分後、 少量のサンプルを排出し、0.1%NaHCO3を含有する水に溶解した。出発 材料についての上記の条件下での分析HPLCは、12.1分で溶出する新規生 成物を示した。12.5分で溶出する出発材料は、まさに痕跡量で存在した。反 応物から溶媒をストリッピングし、汲み出して、暗赤色の泡沫を得た。0.5M のNaOH5滴を含有する水80mlにこれを溶解した。溶液を濾過して不溶物を 除去し、アセトニトリル/水の勾配を用いる1インチPLRP−Sカラム(Poly mer Laboratories)での分取クロマトグラフィーにかけた。生成物ピークを前後 で削除し、中間カットのみを捕集した。この溶出物を凍結乾燥して、生成物29 3mgを白色固体として得た。生成物が1,2−ジオキセタンに相応しいことは、 アルカリホスファターゼによって材料を酵素誘発して、光を生じることによって 、確認した。1 H NMR (400 MHz,D2O): δ 0.87-0.90 (d,1H); 1.17-1.20 (d,1H); 1.20-1.71 (m,10H); 2.17(s,1H); 2.86 (s,1H); 3.83 (br.m,2H); 7.11 (br.m,1 H); 7.38-7.40 (m,1H); 7.68(br.m,1H). このデータはその化合物の構造を支持する。 CDP−Starは、下記の合成によって製造してよい。2−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ−(5′−クロロトリシ クロ[3.3.1.13.7]デカ−2−イリデンメチル)アニソール 三塩化チタン10.1g(65.6ミリモル)を、アルゴン雰囲気下でグロー ブバッグ内の丸底フラスコに秤り入れた。蒸留直後のテトラヒドロフラン(LA Hより)70mlを、アルゴン流下で素早く加えた(この添加は発熱性であ り得るため、注意しなければならない)。紫色の懸濁液を激しく攪拌して、フラ スコの壁に粘着する固体材料を破砕した。15分後に、亜鉛末7.1gを、継続 的に攪拌しつつ、アルゴン下で一度に全部加えた。程々の発熱が、黒色の懸濁固 体を含まない、赤味を帯びた褐色の混合物を生じた。20分間の攪拌の後、混合 物を氷浴中で冷却し、数滴のトリエチルアミンを、空気を排除しつつ加えた。発 熱反応の後、N(Et)312mlを更に加えた。次いで、混合物を2時間還流に 付した。乾THF40mlへの5−クロロ−2−アダマンタノン3.7g(20ミ リモル)及び2,2,2−トリフルオロエチル 4−クロロ−3−メトキシベン ゾアート2.6g(10ミリモル)の溶液を、還流中の褐色混合物に約35分間 にわたって滴加した。還流を2.5時間継続したところ、TLCは、未反応エス テルの出発材料を示した。クロロアダマンタノン1.10gを、アルゴン流下で 固体として更に加えた。更に2.5時間の還流の後、冷却した反応混合物を、室 温で終夜攪拌した。冷却した反応混合物から溶媒をロータリーエバポレーターで 留去して、黒褐色のガム質を得た。このガム質を、ヘキサン100ml及び酢酸エ チル20mlとともに摩砕した。黄橙色の上清を傾瀉し、摩砕操作を反復した。1 0分間の振盪の後、それぞれ2mlのトリエチルアミン及びメタノールを加えた。 ガム質は固化し始め、結果的に塊状の固体になった。この固体を破砕し、上清を 傾瀉した。最後の1回の摩砕は、5%酢酸エチル−ヘキサンで達成した。併せた 傾瀉上清を、ロータリーエバポレーターにかけて、淡黄色の油を得た。濾液をロ ータリーエバポレーターにかけた後に得られた残渣を、シリカゲルの2.1×2 0cmのカラムにかけた。カラムをヘキサンへの5〜10%酢酸エチルで溶離して 、上下がともにヨウ素感受性スポットで汚染された、中間RfのUV活性スポッ トを含有する5画分を得た。これらの画分をロータリーエバポレーターにかけて 、半固体のペースト2.52gを得た。IRスペクトルは、1583及び156 7cm-1での吸光を示した。この不純生成物は、次の反応段階で直接用いられた。2−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ−(5′−クロロ)トリ シクロ[3.3.1.13.7]デカ−2−イリデンメチル)フェノール 水素化ナトリウム(60%分散、240mg;6.0ミリモル)を、アルゴン 下、ヘキサンで3回洗浄した。DMF17mlを加えた。氷冷スラリーを、注射器 からのエタンチオール(450μl ;6ミリモル)で一滴ずつ処理した。この溶 液を室温まで温めた後、水素の放出が完了した。溶液を先行反応の生成物にピペ ット(アルゴン)で加えた。混合物を、アルゴン下、120℃で1.25時間攪 拌かつ加熱した。冷却した反応混合物を、1M 塩化アンモニウム溶液70mlに対 する酢酸エチルへの40%ヘキサン70ml中で分配した。再び3回水洗した後、 有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒をストリッピングし、残渣を、50 :50の酢酸エチル/ヘキサン、次いで酢酸エチル、最後に酢酸エチルへの2% メタノールを用いて、酸化アルミニウムでのクロマトグラフィーにかけた。2画 分から低Rf生成物を、0.58gの重さのコハク色のガム質として得た。PM Rスペクトルは、不純物を示したが、望みの生成物についての主要な吸光が、下 記のとおり見出された:1 H NMR (400 MHz-CDCl3): δ 1.56-2.21 (m,13H); 2.73(s,1H); 3.45(s,1H); 3.70-3.76,(m,2H-CH 2CF3); 5.62 (br.s.,1H); 6.78-7.33(m,3H). 生成物は、下記のシアノエチルリン酸ジエステルエノールエーテルへと転換す るには充分に純粋であると判明した: 乾THF12mlへのこのフェノール1.2g(2.95ミリモル)を、トリエ チルアミン535μl で処理した。混合物をアルゴン下、0℃で攪拌し、この間 に、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(326μl 、 3.54ミリモル)を注射器で滴加した。得られた懸濁液を、室温で3時間攪拌 し、アルゴン下で濾過した。沈澱を3:1の乾THF/乾エーテル10ml×3で 洗浄した。濾液を汲み出して、コハク色の油を得て、無水DMF7mlに溶解した 。溶液を、乾NaCN60mgで処理し、室温で終夜攪拌した。DMFを減圧下、 50℃で除去して、橙色、ガム質のシアノエチルリン酸ジエステルを得て、次の 段階で直接用いた。3−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)スピロ{1,2−ジオキセタ ン−3,2′−(5′−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン}− 4−イル)フェニルリン酸二ナトリウム このリン酸ジエステルを管に入れ、無水メタノール4mlで湿らせた。クロロホ ルム40mlを加えて、澄んだ溶液を得た。次いで、クロロホルム3mlへのテトラ フェニルポルフィン(TPP)6mgの溶液を加えて、淡紫紅色の反応混合物を得 た。パスツールピペットから酸素を5分間吹き込みつつ、溶液を氷浴中で冷却し た。約0.076mm(3.0ミル)の厚さのDuPontのKapton薄膜で濾過した溶液 を、気流を継続しつつ、400ワットのナトリウム蒸気灯で照射した。1.5時 間後、少量のサンプルを排出し、NaOHを含有する水に溶解した。この塩基性 にしたサンプルの、上記の条件下での分析HPLCは、12.6分で溶出する主 生成物を示した。このピークの捕集、pH10の水性ジエタノールアミン緩衝液へ の希釈、及び過剰なアルカリホスファターゼの添加は、3分間持続する光のバー ストを与えた。反応物から溶媒をストリッピングし、汲み出して、暗赤色のガム 質を得た。これをメタノール10mlに溶解し、メタノールへの4.37M のナト リウムメトキシド690μl で処理した。室温にて40分後、メタノールの半量 を、ロータリーエバポレーターで除去した。水60mlを加え、溶液を0.45ミ クロンのナイロンフィルター越しに濾過して、更に20mlの水ですすいだ。この 溶液を、アセトニトリル/水の勾配を用いる1インチPLRP−Sカラム(Poly mer Laboratories)での分取クロマトグラフィーにかけた。生成物ピークを前後 で削除し、中間カットのみを捕集した。この溶出物を凍結乾燥して、生成物60 5mgを白色固体として得た。1 H NMR (400 MHz-D2O): δ 0.82-2.22 (m,11H): 2.38 (br.s.,1H); 3.05 (s ,1H); 3.86 (br.m.,2H); 7.10-7.71 (m,3H)ウィッティッヒ−ホルナー−エモンズ合成の経路 本発明のフルオロアルコキシ1,2−ジオキセタン類の合成の代替的な方法は 、α−フルオロアルコキシアリールメタンホスホン酸エステルと、2−アダマン タノン、又は置換された2−アダマンタノンとのウィッティッヒ−ホルナー−エ モンズ縮合を要する。Konenigkramer 及びZimmer(J.Org.Chem.,45,3994-39 98,1980)は、1−トリメチルシロキシ−1−フェニルメタンホスホン酸ジエチ ルを与えるための、ベンズアルデヒドと亜リン酸トリエチル及びクロロメチルシ ランとの反応を記載している。Creary及びUnderiner(J.Org.Chem., 50,2165-2170,1985)は、関連するα−トリメチルシロキシ置換フェニルメタ ンホスホン酸エステルから対応するα−フルオロアルコキシホスホン酸エステル へのα−メシルオキシ又はα−トリフロキシ誘導体を経由する転換を更に詳述し ている。可能なフッ素化アルコールの一つである、トリフルオロエタノールによ るこの経路を用いて、4−クロロ−3−メトキシベンズアルデヒドは、1−(2 ,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−(4−クロロ−3−メトキシフェニル )メタンホスホン酸ジエチルを得る。次いで、これを5−クロロ−2−アダマン タノンと縮合して、エノールエーテルを得て、次いで、与えられた実施例によれ ば、酵素誘発可能なジオキセタンへと転換する。 当業者は、適切なアルコール又はフェノールのナトリウム塩を、支援する銀塩 の存在下で、このアルデヒドのハロゲン化ベンジル誘導体と反応させて、ハロア ルキル又はハロアリールアセタールを得て、次いで、ウィッティッヒ−ホルナー −エモンズ反応によって、他のホスホン酸アリールメチル及びエノールエーテル を合成するのに活用できるはずであることにも気付くと思われる。 示したホスホン酸エステルは、下記の方法によって合成する。4−クロロ−3−メトキシフェニル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ジエ チルホスホナートの合成 2,2,2−トリフルオロエトキシジエチルホスホナート(下記の化合物3) を、4−クロロ−3−メトキシベンズアルデヒドジクロロアセタール(下記の化 合物1)から得たビス(2,2,2−トリフルオロエチル)4−クロロ−3−メ トキシベンズアルデヒドアセタール(下記の化合物2)から合成した。4−クロロ−3−メトキシベンズアルデヒドジクロロアセタール(1) 4−クロロ−3−メトキシベンズアルデヒド(1.5g、8.8ミリモル)を 、アルゴン下でPCI5(2.45g、11.8ミリモル)に加え、15分間 攪拌すると、その間に、液化した混合物から熱が放出された。塩化メチレン(3 ml)を加え、溶液を室温で終夜攪袢した;TLC分析は、出発ベンズアルデヒド からのUV活性の痕跡が残留することを示した。追加のCH2Cl2(15ml)、 及び飽和NaHCO3溶液(40ml)を加え、溶液を室温で1時間攪拌して、反 応を急冷する。反応混合物をCH2Cl2と水との間に分配し、水層をCH2Cl2 で1回洗浄し、併せた有機層をNa2SO4上で乾燥した。加圧下での溶媒の蒸発 、及び高真空での乾燥するまでの汲み出しの後、生成物を回収した。4%EtO Ac/ヘキサンで溶離するシリカゲルでの油の精製によって、1.73g(87 %)のジクロロアセタール1を淡黄色の油として得た。1 H NMR (CDCl3,ppm): 3.94 (3H,s); 6.65 (1H,s); 7.03 (1H,dd,J=2 Hz,8 Hz); 7.15 (1H,d,J=2 Hz); 7.35 (1H,d,J=8 Hz)ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)4−クロロ−3−メトキシベンズアル デヒドアセタール(2) ジクロロアセタール1(835mg、3.7ミリモル)を2,2,2−トリフル オロエタノール(4ml)に溶解し、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(429 mg、油への60%、10.7ミリモル)を、低温度で少しずつ溶液に加えて、2 ,2,2−トリフルオロエタン酸ナトリウムをin situ で生成した。無水炭酸銀 (2.1g、7.6ミリモル)を加えた後、反応混合物を80℃で1時間加熱し て、アセチル化を実施した。冷却して、水及びEtOAcを攪拌しつつ加え、溶 液を、綿栓越しに濾過して、固体を取り出した。この固体をEtOAcで充分す すぎ、得られた有機溶液をEtOAcと水との間で分配した。このEtOAc溶 液をNa2SO4上で乾燥し、傾瀉かつ蒸発させて油を得て、シリカゲルカラム( 0〜1%EtOAc/ヘキサン)で精製して、1.13g(86%)のトリフル オロエチルアセタール2を油として得た。スペクトル分析のため、少量の生成物 (42mg)を、分取TLCプレートで更に精製した。 IR (CHCl3,nm-1): 2940,1590,1580,1482,1457,1405,1267,1164,1064, 1029,964,8701 H NMR (CDCl3,ppm): 3.83-3.94 (4H,m); 3.90 (3H,s); 5,82 (1H,s); 7.00 -7.02 (2H,m); 7.39 (1H,d,J=8.5Hz)4−クロロ−3−メトキシフェニル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ジエ チルホスホナート(3) ホスホン酸トリエチル(530μl 、3.1ミリモル)及びエーテル化三フッ 化ホウ素(420μl 、3.4ミリモル)をアルゴン下、0℃で、CH2Cl2( 10ml)に溶解したトリフルオロアセタール2(1.09g、3.1ミリモル) に加えた。反応混合物を、3時間にわたって攪拌しつつ室温まで温めた。この間 に、亜リン酸トリエチル(100μl 、0.6ミリモル)及びエーテル化三フッ 化ホウ素(250μl 、2.0ミリモル)を更に加えて、反応を完了した。溶液 を、CH2Cl2と希食塩水との間で分配し、水層をCH2Cl2で充分に洗浄した 。次いで、併せた有機層を飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、 傾瀉かつ蒸発させた。無色の油を、ヘキサンで洗い流して、0〜50%EtOA c/ヘキサンで溶離したシリカゲルカラムで精製して、752mg(62%)のホ スホナート3を澄んだ油として得た。この油の少量のサンプル(47mg)を、ス ペクトル分析のため、分取TLCプレートで更に精製した。 IR (CHCl3,nm-1); 2990,1590,1581,1484,1460,1410,1277,1255,1165, 1113,1051,1030,970 下記のジオキセタンについて、化学ルミネセンス半減期(t1/2)の比較を実施 した。脱リン酸されたジオキセタンの化学ルミネセンス半減期の決定 各ジオキセタン(0.004mM)の1mlのアリコートを、30℃で0.1M の ジエタノールアミン、1mMのMgCl2、pH10と平衡させた。アルカリホスフ ァターゼ(1.05×10-9M の最終濃度で)を試験管に加え、化学発光シグナ ルの動態を、Turner TD-20E ルミノメーターで10〜20分間測定した。log R LU対時間の軌跡から半減期を算出した。TFE及びTFE−ADP−Starにつ いては、Sapphire II エンハンサー(0.1M のジエタノールアミン、1mMのM gCl2、1mg/mlでの10%ポリビニルベンジルトリブチルアンモニウム=ク ロリドへの)の存在下での化学ルミネセンス半減期も決定した。結果を表Iに示 す: 脱リン酸されたジオキセタンのピーク光強度の決定 ジオキセタンの0.5mlアリコート(0.004mM)を、30℃で0.1M の ジエタノールアミン、1mMのMgCl2、pH10と平衡させた。アルカリホスフ ァターゼ(1.05×10-9M の最終濃度で)を管に加え、化学発光シグナルを 、Turner TD-20E ルミノメーターで10〜20分間測定した。ピーク光強度を記 録し、表IIに示す: ナイロン膜上のビオチニル化pBR322(35量体)の検出 ビオチニル化pBR322(35量体)の系統希釈物を、Tropilon-Plus のナイロン 膜の帯にスポットした。スポットは、210pg、70pg、23.3pg、7.7Pg 、2.6Pg、0.86pg、0.29pg、0.10pg、32.0fg、10.7fg、 3.6fg及び1.2fgのビオチニル化pBR322(35量体)に対応する。スポット した後、UV固定によって、このDNAを膜に架橋結合させ、膜を、リン酸緩衝 生理食塩水(PBS)への0.2%I−Block、5%ドデシル硫酸ナトリウム( SDS)(遮断緩衝液I)で遮断し、遮断緩衝液IへのAvidx −APの1〜5, 000倍希釈物とともに30分間温置し、PBSへの5%SDSで2回洗浄し、 アッセイ緩衝液で2回すすぎ、アッセイ緩衝液への0.25mMジオキセタンホス フェート中で5分間温置し、X線フィルムに5分間露光させた。CSPD及びT FEとともに温置した膜の帯を、0.1M のジエタノールアミン、1mMのMgC l2、pH9.5ですすぎ、CDP−Star及びTFE−ADP−Starとともに温置 したものは、pH9.0の同じ緩衝液ですすいだ。CSPD及びTFEのためのア ッセイ緩衝液は、0.1M のジエタノールアミン、1mMのMgCl2、pH9.5 であり、CDP−Star及びTFE−ADP−Starに関しては、pH9.0の同じ緩 衝液であった。5分間の露光で得られた検出感度を、表III に示す。 実験データの比較は、AMPPD(TFE)上のハロアルコキシ置換基の存在 は、緩衝溶液中での化学ルミネセンス半減期を減じる(AMPPDについてのt 1/2は2.1分であり、TFEについてのt1/2は0.9分である)が、エンハン サーの存在下では、t1/2は15分に増大することを指摘する。これらのジオキ セタン類は、溶液のエンハンサー(例えば、TBQ、TB、又はLumiPhos 430で のようなCTAB−フルオレセイン)又は表面(例えばナイロン膜)のいずれか で増強するとき、特に商業的に役立つ。しかし、フェニル環上に電子活性置換基 を保有しないTFEは、いかなる利点も与えない。その上、緩衝液中のそれ自体 でさえ、CSPDの半減期は、TFEより短い。表IIのピーク強度のデータは、 化学発光シグナルの強度、又は相対放射効率の比較を示す。結果は、TFE−A DP−Starは、より高い強度のシグナルを発生することを明確に示す。TFE− ADP−Starによって、優れた慣用の効用が提供される。 表III は、ナイロン膜上のDNAの検出のためのブロッティングの用途におけ るこれらのジオキセタン類の比較を示す。このデータは、TFE−ADP−Star の予想外の利点を示し、それは、TFEその他の化合物には存在しない。TFE −ADP−Starは、TFEよりほとんど1千倍も少ないDNAを検出する。この 特定の用途では、TFE−ADP−Starは、CDP−Starより鋭敏である。 上記に立証したとおり、本発明のジオキセタン類は、サンプル中の酵素の存在 を検出するためばかりでなく、核酸配列の存在を検出するためのリポーター分子 としても用いることができる。一般的には、ジオキセタン類を利用できる非常に 多様なアッセイ及びアッセイ様式が存在するが、それらはすべて、サンプル中の 特定の物質の存在及び/又は濃度を示すための、脱保護されたオキシアニオンの 分解の可視的な検出できる化学ルミネセンスを用いる。 例えば、本発明を用いてサンプル中の酵素を検出するときは、検出しようとす る酵素が切断できる基を有するジオキセタンに、サンプルを接触させる。酵素は 、ジオキセタンの酵素切断可能基を切断して、ジオキセタンに結合した負に荷電 した置換基(例えば酸素アニオン)を形成する。次いで、負に荷電したこの置換 基が、ジオキセタンを不安定化して、ジオキセタンを分解させて、光エネルギー を放出する蛍光発色団の基を形成する。酵素の存在の表示として検出されるのは 、この発色団の基である。ルミネセンスの強さを測定することによって、サンプ ル中の酵素の濃度を決定することもできる。 上記のジオキセタン類は、許容され得る環境での、リポーター分子に基づくい かなるアッセイにも用いることができる。そのようなアッセイの例は、抗体又は 抗原、例えばδ−又はβ−hCGを検出するための免疫アッセイ;酵素アッセイ ;例えばカリウム又はナトリウムイオンを検出するための化学的アッセイ;並び に例えばウイルス(例えば、HTLVIII 又はサイトメガロウイルス)又は細菌 (例えば大腸菌)、及び一定の細胞機能(例えば受容体結合部位)を検出するた めの核酸アッセイを包含する。 検出できる物質が抗体、抗原または核酸であるときは、ジオキセタンの酵素切 断可能基を切断できる酵素を、好ましくは、検出できる物質に対して特異的親和 性を有する物質(すなわち、検出できる物質に特異的に結合する物質)、例えば 、抗原、抗体又は核酸プローブに結合する。慣用の方法、例えばカルボジイミド カップリングは、特異的親和性物質に酵素を結合するのに用い;結合は、アミド 結合を介するのが好ましい。 一般に、アッセイは、下記のとおりに実施する。検出できる物質を含有すると 思われるサンプルを、その検出できる物質に対して特異的親和性を有する物質に 結合した酵素を含有する、緩衝化溶液に接触させる。得られる溶液を温置して、 検出できる物質を、この特異的親和性−酵素複合体の特異的親和性部分に結合さ せる。過剰な特異的親和性−酵素複合体を洗い落とし、特異的親和性−酵素複合 体の酵素部分により切断できる基を有する、ジオキセタンを加える。酵素は、こ の酵素切断可能基を切断して、ジオキセタンを二つのカルボニル化合物(例えば エステル、ケトン又はアルデヒド)へと分解させる。こうして、酵素切断可能基 が結合していた発色団が励起され、発光する。ルミネセンスを検出し(例えば、 カメラ式ルミノメーター内のキュベット若しくは感光性フィルム、又は光電池若 しくは光電子増倍管を用いて)、それの中の検出できる物質の存在の表示である ルミネセンスを検出する。ルミネセンス強度は、物質の濃度を決定するために測 定する。 固体状態のアッセイでは、本明細書中に参考として援用する米国特許第5,336, 596 号明細書の特異的な膜を、好都合にも用いることができる。アッセイにおけ るその他の膜はもとより、その他の固相の使用も、BSA又はゼラチンのような 非特異的タンパク質での前処理により、固相基材への非特異的結合を遮断するこ とによって改良してよい。非特異的結合は、様々な重合体の第四級オニウム塩、 例えば米国特許第5,326,882 号明細書に開示されたようなそれを膜に塗布するこ とによっても遮断できる。 これに代えて、米国特許第4,978,614 号明細書、及び係属中の米国特許願第08 /031,471号明細書に充分説明されたとおり、重合体の第四級オニウム塩(ホスホ ニウム、スルホニウム及びアンモニウム)を用いてもよい。これらの増強剤は、 単独でか、又はZelec DPのような界面活性剤と結合して用いることができる。こ れらの増強剤は、水性環境中では、脱保護された疎水性のオキシアニオンを封鎖 して、分解及び化学ルミネセンスが生じる微環境から水を実質的に排除すると考 えられる。水は、化学ルミネセンスを「消光する」傾向があることから、疎水性 増強剤によるその排除は、上記の実験で立証されたとおり、化学ルミネセンス特 性を劇的に改良することができる。 本発明のジオキセタン類、並びにその適用及び調製について、一般的及び具体 的実施例の両方を説明した。実施例は、限定しようとするものではない。その他 の置換基、特性及びアッセイも、当業者には、発明能力を行使せずに想起される と思われる。そのような変更は、下記に提出されるクレームの明示された詳述に よって除外されない限り、本発明の対象範囲内に留まる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG, MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM ,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 スパークス,アリソン アメリカ合衆国、マサチューセッツ 01845、ノース・アンドーバー、ジョンソ ン・ストリート 325

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: (式中、Tは、非置換であるか、或いは、独立に、ヒドロキシル基、F、Cl、 1〜6個の炭素原子を有する非置換の直鎖又は分枝鎖アルキル基、ヒドロキシル 若しくは1〜3個のハロゲン原子でモノ−、ジ−又はトリ−置換された1〜6個 の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、シアノ基及びアミド基よりなる群 から選ばれる置換基で橋頭炭素の一方又は双方が置換された、スピロアダマンチ ルであり; Xは、1〜3個の電子活性置換基を有するフェニル又はナフチルであり、各々 の該電子活性基はそれぞれ独立に、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、ト リアルキルアンモニウム、アルキルアミド、アリールアミド、アリールカルバモ イル、アルキルカルバモイル、シアノ、ニトロ、エステル、アルキル−若しくは アリール−スルホンアミド、トリフルオロメチル、アリール、アルキル、トリア ルキル、トリアリールシリル、アルキルアリールシリル、アルキル−若しくはア リール−アミドスルホニル、アルキル−若しくはアリール−スルホニル及びアル キル−若しくはアリール−チオエーテルよりなる群から選ばれ、それぞれの場合 に、各アルキル若しくはアリール部分が1〜12個の炭素原子を含み; Zは、酵素切断可能部分、H又はE3Siであり、ここでEは、それぞれ独立 に、H、1〜12個の炭素原子を有する、アルキル、アリール又はアラルキル( アリールアルキル)であり;そして Rは、P、N、S及びOよりなる群から選ばれる1〜2個のヘテロ原子を有し ていてもよい、1〜20個の炭素原子を有する、アルキル、アリール、アラルキ ル又はシクロアルキルであり、少なくとも1個のハロゲン置換基を有する) で示される化合物。 2.Tが、非置換であり、Xが、1〜3個の塩素原子で置換されたフェニルであ り、Zが、リン酸、ガラクトシド、酢酸、1−ホスホ−2,3−ジアシルグリセ リド、1−チオ−D−グルコシド、アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、 アデノシン一リン酸、アデノシン、α−D−グルコシド、β−D−グルコシド、 β−D−グルクロニド、α−D−マンノシド、β−D−マンノシド、β−D−フ ルクトフラノシド、β−グルコシドウロン酸、p−トルエンスルホニル−L−ア ルギニンエステル、p−トルエンスルホニル−L−アルギニンアミド、ホスホリ ルコリン、ホスホリルイノシトール、ホスホリルエタノールアミン、ホスホリル セリン、ジアシルグリセロールリン酸ジエステル、モノアシルグリセロールリン 酸ジエステル、H、及びE3Siよりなる群から選ばれる酵素切断可能部分であ り、Eが、それぞれ独立に、水素、1〜12個の炭素原子を有する、アルキル、 アリール又はアラルキルであり、そしてRが、少なくとも3個のハロゲン原子を 有する、1〜20個の炭素原子を有するアルキルである、請求項1記載の化合物 。 3.Tが、橋頭炭素の一方又は双方が置換されており、Xが、1〜3個の塩素原 子で置換されたフェニルであり、Zが、リン酸、ガラクトシド、酢酸、1−ホス ホ−2,3−ジアシルグリセリド、1−チオ−D−グルコシド、アデノシン三リ ン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸、アデノシン、α−D−グルコ シド、β−D−グルコシド、β−D−グルクロニド、α−D−マンノシド、β− D−マンノシド、β−D−フルクトフラノシド、β−グルコシドウロン酸、p− トルエンスルホニル−L−アルギニンエステル、p−トルエンスルホニル−L− アルギニンアミド、ホスホリルコリン、ホスホリルイノシトール、ホスホリルエ タノールアミン、ホスホリルセリン、ジアシルグリセロールリン酸ジエステル、 モノアシルグリセロールリン酸ジエステル、H、及びE3Siよりなる群から選 ばれる酵素切断可能部分であり、Eが、それぞれ独立に、水素、1〜12個の炭 素原子を有する、アルキル、アリール又はアラルキルであり、そしてRが、少な くとも3個のハロゲン原子を有する、1〜20個の炭素原子を有するアルキルで ある、請求項1記載の化合物。 4.Tが、1〜2個のクロロで置換され、Xが、パラの位置においてクロロで置 換されたフェニルであり、Zが、リン酸基であり、Rが、1〜6個の炭素原子を 有するトリフルオロアルキルである、請求項1記載の化合物。 5.Tが、非置換であり、Xが、パラの位置において1個のクロロで置換された フェニルであり、Zが、リン酸基であり、そしてRが、1〜6個の炭素原子を有 するトリフルオロアルキルである、請求項1記載の化合物。 6.Rがトリフルオロエチルである、請求項4記載の化合物。 7.Rがトリフルオロエチルである、請求項5記載の化合物。 8.Xが、4又は5の位置に1若しくは2個の置換基を有するフェニルである、 請求項1記載の化合物。 9.請求項1記載のジオキセタンと、水性環境中で該ジオキセタンと混合したと きにZを除去する誘発剤とを含むキット。 10.Zが、酵素切断可能であり、該誘発剤が、該基Zを切断する酵素である、 請求項9記載のキット。 11.Zが非酵素化学物質によって誘発可能であり、該誘発剤が塩基である、請 求項9記載のキット。
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