JP3034815B2 - 光酸化反応性を有する繊維強化プラスチック成形品 - Google Patents

光酸化反応性を有する繊維強化プラスチック成形品

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JP3034815B2
JP3034815B2 JP9048163A JP4816397A JP3034815B2 JP 3034815 B2 JP3034815 B2 JP 3034815B2 JP 9048163 A JP9048163 A JP 9048163A JP 4816397 A JP4816397 A JP 4816397A JP 3034815 B2 JP3034815 B2 JP 3034815B2
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frp
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金平 横濱
敦司 小川
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増田 太左衛門
敦司 小川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光酸化反応性を有
する繊維強化プラスチック成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチック(Fiber Reinforc
ed Plastics,以下FRPと略称する)は、繊維の有す
る力学的特性と合成樹脂の有する化学的性質とを併せ持
ち、高級な金属材料に代わって、航空機、自動車、鉄道
車両、船舶、建築材料、液体容器などに広く用いられて
いる。
【0003】しかしFRPは、成形加工されてから相当
期間、ごく微量ではあるが有害物質が発生し、悪臭が生
じる。またFRP成形品が不要になり、廃棄されるとき
は処理困難な廃棄物となって、環境を汚染する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有害
物質や悪臭を除去し、また廃棄処理の容易なFRP成形
品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化チタン3
〜20重量%と酸化ケイ素97〜80重量%とを含む複
合酸化物に、該複合酸化物の1万分の1〜1万分の5の
白金を担持させた光触媒作用を有する活性複合酸化物
を、繊維強化プラスチック原料100重量部に対し、3
〜10重量部混合し、成形加工することを特徴とする光
酸化反応性を有する繊維強化プラスチック成形品であ
る。
【0006】本発明に従えば、酸化チタン(TiO2
と酸化ケイ素(SiO2)とを前記割合で含む複合酸化
物に、1/10,000〜5/10,000の白金(P
t)を担持させた活性複合酸化物は、光に対する反応性
がよく、光の照射下で有機物質の酸化分解作用を有す
る。特にFRP原料に活性複合酸化物を混合して成形加
工したFRP成形品は、光の作用によって酸化性物質を
放出し、分解し難いFRPを分解する。またFRP成形
品の近傍にある悪臭物質や細菌を前記酸化物質によって
除去する。放出された酸化性物質は環境に対する影響が
少ない。活性複合酸化物のFRP原料への混合量は、F
RP成形品の用途によって異なるが、FRP原料100
重量部に対し、3重量部以下では効果がなく、10重量
部以上混合するとFRPとしての性質が劣化する。活性
複合酸化物中のTiO2,SiO2および微量のPtの作
用は、充分解明されていないが、光の照射によってTi
2内の電子が白金上に移り、白金上で還元反応が起
り、酸化チタンに残った正孔で酸化反応が起るためと考
えられる。この酸化還元反応によってFRP成形品から
発生する有害物質や悪臭成分だけでなく、FRP近くの
有害物質が分解され、さらに抗菌性を発揮する。したが
って本発明のFRP成形品で囲まれた空間、たとえば航
空機、自動車、鉄道車両、船舶内の空気が浄化され、本
発明のFRP成形品の液体容器、たとえば浄水タンク内
は無菌状態に保持され、浄化槽内の廃液が処理される。
複合酸化物中の酸化チタンと酸化ケイ素との混合割合
は、本発明者らが実験で求めたものである。酸化チタン
100%の単独酸化物でもよいが、このものは得がた
く、少しの不純物(酸化ケイ素)によってもその作用は
低下し、酸化チタン50%付近で最低となり、それ以下
の割合の酸化チタンのとき、その作用は上昇する。また
複合酸化物に担持される白金の量は、微量でよいが1万
分の1未満では、前記電子移動が起らない。また白金が
高価であるので、1万分の5以上の担持は経済的でな
い。
【0007】また本発明は、前記活性複合酸化物の粒径
が500Å〜20μmであることを特徴とする。本発明
に従えば、FRP原料に混合される活性複合酸化物の粒
径は、500Å〜20μm、好ましくは500Å〜1μ
mである。活性複合酸化物の粒径は小さい程よいが、こ
れを500Å未満とするためには粉砕に多くの動力を要
するので好ましくない。またFRP原料と均一に混合す
ることを考えて粒径の上限が決められる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態によって、本発
明をより詳細に説明する。
【0009】(1)複合酸化物の調整 原料として市販の塩化チタンTiCl4とエトキシルケ
イ素(C25O)4Siを所定の組成割合になるように
混合し、希アンモニア水で加水分解を行う。生じた沈殿
(チタンとケイ素との水酸化物)を濾過、水洗、乾燥
し、空気中で約1000℃で焼成して、表1に示すチタ
ン−ケイ素複合酸化物の粉末を得た。これを塩化白金塩
酸溶液に浸漬して、白金を複合酸化物に担持させ、活性
複合酸化物の粉末を得た。この活性複合酸化物の一定量
を一定の径のガラス管に充填し、これにプロピレンと水
蒸気とを1:1のモル比で混合したガスを流して、活性
複合酸化物のチタン原子1モル当りの酸化還元反応率
を、反応後のプロピレンとプロパンの比から求め、これ
を純酸化チタンと比較して、表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】なお、活性複合酸化物の還元性によって、
プロピレンの一部は、プロパンに還元され、またその酸
化性によってプロピレンの一部は炭酸ガスと水とにな
る。
【0012】表1から明らかなように酸化チタン単独に
白金を担持させたものは、活性度は高いが、これに少量
の酸化ケイ素が混ざると活性度が著しく低下する。酸化
チタンと酸化ケイ素が1:1の付近で活性度は最も低下
し、酸化ケイ素の比を増すとまた活性が増すことが分か
る。さらに酸化ケイ素の割合が97%を超えると、活性
度は急激に低下し、酸化ケイ素単独では活性度は零とな
る。
【0013】白金が担持されないまたは担持量が1万分
の1未満の複合酸化物も、活性度は表1と大略同じであ
るが、酸化の程度が不完全でCO2まで酸化されずアル
デヒドやケトンを生じる。環境中の有害物が分解除去さ
れる場合に、アルデヒドやケトンを生じることは好まし
くない。
【0014】前記の結果から複合酸化物中の酸化チタン
と酸化ケイ素との割合は3:97〜20:80であり、
白金が複合酸化物に対し、1万分の1〜5に担持されて
いるものが、本発明の活性複合酸化物として用いられ
る。
【0015】なお、複合酸化物の製造方法としては、前
記共沈法の他に化学混合法、混練法などがあり、これら
によって調整されるものであってもよい。また活性複合
酸化物の代わりに、光の照射下で有機物質の分解を行う
光触媒作用を行う前記半導体を用いてもよい。
【0016】(2)FRP原料の調整 FRPは、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維などの繊維
をポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂な
どの熱硬化性合成樹脂に分散させ、これを板状に積層成
形したものである。熱硬化性合成樹脂には、硬化剤、安
定剤、着色剤などの副資材が添加され、加熱によって硬
化成形される。また中空の槽類は、成形品にフランジを
設け、フランジで2つ以上の成形品を組合わせ、接着
剤、ボルトなどで固定する。
【0017】本発明のFRP原料は、前記副資材の一部
として(1)で調整した活性複合酸化物を加える。すな
わちポリエステル樹脂粉末に硬化剤(架橋剤)としてエ
チレンモノマを加えた熱硬化性合成樹脂を準備した。
(1)の方法によって酸化チタン5%と酸化ケイ素95
%との複合酸化物に、その1万分の2の白金を担持さ
せ、粉砕して粒径を500Å〜10μmの範囲の活性複
合酸化物を得た。熱硬化性合成樹脂100重量部に、活
性複合酸化物7重量部を混ぜて熱硬化性合成樹脂原料を
ガラス繊維に含浸させ、FRP原料とした。
【0018】(3)浄化槽の製作 (2)で得たFRP原料を成形し、図1に示す浄化槽上
部1と浄化槽下部2とを得、これをボルトで組立て内容
積約2m3の浄化槽3を製作した。同様の形状の浄化槽
を活性複合酸化物を混合しない従来のFRP原料で製造
した。これらの浄化槽に浄化すべき原水を入れ、一昼夜
放置したときの水の分析結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2から本発明の浄化槽は、従来の浄化槽
に比べてBOD、浮遊物質、大腸菌群数が減少している
ことが判る。特にBODを10mg/l以下にすること
ができ、この量はそのまま河川に放流しても影響の少な
いものである。
【0021】(4)浄化空間の製作 (2)で得たFRP原料を成形し、自動車内を想定した
約1m3の空間Aを製造した。また活性複合酸化物を混
合しない従来のFRP原料で同形の空間Bを製造した。
空間A内ではFRP特有の臭いもなく、また空間内でタ
バコ1本分の煙を発生させたが、このタバコ臭は1時間
後にはほとんど感じないくらいになった。これに対し空
間B内では、FRP特有の臭いが約1週間あり、また空
間内で発生したタバコの煙による臭いは、数時間保持さ
れた。
【0022】(5)その他 本発明のFRPで製造した上水タンクでは、その中に貯
留される上水中の微量の有機が分解されるので、消毒用
の塩素と有機物とが化合してできるとされている有害な
トリハロメタンなどがなく、塩素臭のない水が得られ
る。
【0023】酸化チタンは、医薬品、化粧品、食品添加
物として承認されているもので、上水タンクに用いても
問題はない。酸化ケイ素は、陶磁器として古くから用い
られており、特に問題はない。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、3〜20
重量%のTiO2と、97〜80%重量%のSiO2とを
含む複合酸化物に、該複合酸化物の1/10,000〜
5/10,000の白金を担持させた活性複合酸化物
を、FRP原料100重量部に対し、3〜10重量部混
合して成形される。これによってFRPは、光の照射下
で酸化性物質を放出して分解し、環境に悪影響を与えな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】光酸化反応性を有するFRPで製造された浄化
槽3の断面図である。
【符号の説明】
1 浄化槽上部 2 浄化槽下部 3 浄化槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−309957(JP,A) 特開 平9−195638(JP,A) 特開 平9−38191(JP,A) 特開 平9−31335(JP,A) 特開 平8−291280(JP,A) 特開 平8−208414(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 - 5/24 C08L 101/00 C08K 3/22,7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタン3〜20重量%と酸化ケイ素
    97〜80重量%とを含む複合酸化物に、該複合酸化物
    の1万分の1〜1万分の5の白金を担持させた光触媒作
    用を有する活性複合酸化物を、繊維強化プラスチック原
    料100重量部に対し、3〜10重量部混合し、成形加
    工することを特徴とする光酸化反応性を有する繊維強化
    プラスチック成形品。
  2. 【請求項2】 前記活性複合酸化物の粒径が500Å〜
    20μmであることを特徴とする請求項1記載の光酸化
    反応性を有する繊維強化プラスチック成形品。
JP9048163A 1997-03-03 1997-03-03 光酸化反応性を有する繊維強化プラスチック成形品 Expired - Lifetime JP3034815B2 (ja)

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