JP3034801B2 - 熱可塑性樹脂被覆金属板の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂被覆金属板の製造方法およびその製造装置

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JP3034801B2
JP3034801B2 JP8198578A JP19857896A JP3034801B2 JP 3034801 B2 JP3034801 B2 JP 3034801B2 JP 8198578 A JP8198578 A JP 8198578A JP 19857896 A JP19857896 A JP 19857896A JP 3034801 B2 JP3034801 B2 JP 3034801B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂被覆金
属板の製造方法およびその製造装置に関する。より詳し
くは、連続的に進行する帯状の加熱された金属板の両面
に配向性を有する熱可塑性樹脂フィルムを積層し、積層
された熱可塑性樹脂フィルム(以下、樹脂フィルムと略
す)の二軸配向度をオンラインで測定し、その結果を基
に金属板の加熱温度および/または熱可塑性樹脂被覆金
属板のラミネートロールへの巻き付け角を制御すること
により、金属板のそれぞれの面に積層された樹脂フィル
ムの二軸配向度(以下、配向度と略す)を制御する熱可
塑性樹脂被覆金属板(以下、樹脂被覆金属板と略す)の
製造方法およびその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリエステル樹脂フィルムのよう
な熱可塑性樹脂フィルムを金属板の両面に積層した材料
が絞り缶、薄肉化深絞り缶などのような厳しい成形加工
が施される缶用に多量に用いられるようになった。最近
では、缶のコストダウンの見地から、深絞り加工後、ス
トレッチ加工が施され、さらにしごき加工が施される缶
が検討されている。一般に、配向性を有する樹脂フィル
ムを積層した樹脂被覆金属板に、このような厳しい成形
加工を施す場合、積層した後の樹脂フィルムの配向度を
低下させ、樹脂フィルムの加工性を向上させないと、樹
脂フィルムが剥離したり、樹脂フィルムにクラックが入
る。すなわち、金属板に加熱圧着して積層する際の加熱
により、樹脂フィルムの配向性のかなりの部分を消失さ
せる必要がある。缶外面となる面はあまり厳しい耐食
性、耐衝撃加工性は要求されないが、成形加工時に缶内
面となる面より厳しい成形加工性が要求される。一方、
缶内面となる面は、成形加工後、充填される内容物と直
接接触したり、内容物充填後、衝撃が加えられることも
あり、成形加工性のほかに、厳しい耐食性、耐衝撃加工
性が要求される。缶内面に要求される特性、缶外面に要
求される特性の両者を同時に満足させるため、缶内面と
なる面に積層された樹脂フィルムには、ある程度配向を
残存させることが必要であり、一方、缶外面となる面に
積層された樹脂フィルムには、配向をあまり残存させな
い方が好ましい。すなわち、それぞれの面に積層される
樹脂フィルムの配向度を所望の範囲に制御することが、
缶体として優れた特性を満足させるために非常に重要で
ある。
【0003】このような厳しい成形加工にも満足される
樹脂被覆金属板を従来の方法で製造する場合、金属板の
加熱温度、積層される配向性を有する樹脂フィルムの樹
脂組成、配向度、融点などの特性、樹脂フィルムの積層
速度、ラミネートロールによる加圧力など多くの製造要
因を十分コントロールした限られた製造条件で製造する
ことが可能である。図1は従来の方法による樹脂被覆金
属板の製造方法を示す。例えば、特開平4ー20123
7号公報などでも公知であるように、金属板101を加
熱炉105で加熱し、その両面に樹脂フィルム102を
重ねながら、一対のラミネートロール103、104
(ニップロールともいう)で押圧し、金属板101の熱
で金属板近傍の樹脂フィルム102の一部を溶融させな
がら、金属板101に熱融着させ、クエンチタンク10
8で常温まで冷却し、乾燥する方法によって樹脂被覆金
属板は製造される。このような樹脂被覆金属板の製造方
法においては、金属板の加熱温度、加熱炉105からラ
ミネートロール103、104までの距離、送り速度、
樹脂フィルムの組成、厚さ、配向度、融点などの特性等
を考慮し、金属板の加熱温度など樹脂フィルムの積層の
ために必要な諸条件を適切に選択することにより、樹脂
フィルム102の溶融される厚さ(メルト層の厚さ)、
配向度、金属板への密着力などをある程度調整すること
ができる。
【0004】前記の従来の方法は、例えば図2に示すよ
うに、樹脂フィルム102を加熱炉105で加熱された
金属板101に積層する場合、ラミネートロール10
3、104で加圧されると、高温の金属板101から樹
脂フィルム102を通して低温のラミネートロール10
3、104に熱が伝わる。その熱により樹脂フィルム1
02の金属板と接する面にメルト層106が形成される
とともに、金属板101と樹脂フィルム102との加圧
により両者が接合される。金属板101がラミネートロ
ール103、104を通過した後は、加圧力が負荷され
なくなるので、積層された樹脂フィルムの表面は自然冷
却される程度であり、蓄えられた金属板の熱が積層され
た樹脂フィルムの全層におよび、樹脂フィルム全体の配
向度がコントロールされる。ラミネートロール103に
より冷却されると、表層には配向層107が残る。した
がって、金属板101と樹脂フィルム102の送り速度
が速くなると、ラミネートロールによる冷却が不十分と
なるので、樹脂フィルムの配向度をコントロールするた
め、金属板の加熱温度を下げなければならず、その結
果、メルト層が十分形成されず、高速で連続的に樹脂被
覆金属板を製造することは困難であった。
【0005】他方、連続的に高速で樹脂フィルムを金属
板に積層する場合にも、優れた加工密着性を確保するた
め、積層される樹脂フィルムのメルト層をある程度厚く
することが必要であり、その方法として、金属板の加熱
温度を高くすることが考えられる。しかし、この場合、
ラミネートロールによる冷却作用が不十分となり、樹脂
フィルムのほとんど全体がメルトし、樹脂フィルムの強
度が損なわれる。また積層された樹脂フィルムの全体が
積層時に一度溶融した樹脂層として製缶後の缶の内面に
存在する場合、内容物の充填時および充填後の保存時に
外部から衝撃が加えられると、積層された樹脂層にクラ
ックが入りやすくなり、その部分より腐食が進行すると
いう問題を有している。
【0006】このように、従来の方法を用いても、用い
る樹脂フィルムの組成、厚さ、配向度、融点等を考慮
し、缶内外面用にそれぞれ異なる樹脂フィルムを選択
し、かつ金属板の加熱温度、樹脂フィルムの金属板への
積層速度、ラミネートロールによる加圧力など種々の製
造要因をほぼ固定することによって、厳しい成形加工で
も積層された樹脂フィルムが剥離しにくい、缶用に適用
可能な加工密着性等を有する樹脂被覆金属板の製造は可
能であるが、このような樹脂被覆金属板を高速で連続的
に製造することは極めて困難であり、さらに連続生産に
おいて樹脂フィルムの金属板への積層速度を加減速する
と、積層された樹脂フィルムの配向度にバラツキを生
じ、結果的にその相当部分は厳しい成形加工の際に、積
層された樹脂フィルムが剥離するという結果を導く。し
たがって、厳しい成形加工性、耐食性等が要求される樹
脂被覆金属板の生産歩留を低下させ、さらに連続製缶に
も支障をきたすことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の樹脂被覆金属板、および従来の方法による樹脂
被覆金属板の製造方法の問題を解消し、従来の樹脂被覆
金属板の有する加工密着性、耐食性、耐衝撃加工性など
の特性に優れた樹脂被覆金属板、およびその連続高速生
産が可能であり、かつ金属板の送り速度を変化させても
特性が変動しない樹脂被覆金属板の製造方法およびその
製造装置を提供することにあり、より詳しくは上記の諸
特性と密接な関係のあるそれぞれの面に積層される樹脂
フィルムの配向度を制御し、バラツキのない優れた特性
を有する樹脂被覆金属板を歩留まりよく安定して製造す
るための製造方法、およびその製造装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の熱可塑性樹脂被
覆金属板の製造方法は、連続的に進行する帯状の加熱し
た金属板の両面に二軸配向性を有する熱可塑性樹脂フィ
ルムを当接し、一対の温度制御可能なラミネートロール
を用いて圧着し積層する工程、前記熱可塑性樹脂フィル
ムが前記金属板の両面に積層された熱可塑性樹脂被覆金
属板を、その進行方向と垂直方向に移動可能に前記の1
対のラミネートロールの下流に配設されたデフレクター
ロールを用い、その位置を制御して前記熱可塑性樹脂被
覆金属板の進行方向を変更し、前記の1対のラミネート
ロールの片方への前記熱可塑性樹脂被覆金属板の巻き付
け角を制御する工程、X線回折装置を用いて、積層され
た熱可塑性樹脂フィルムの二軸配向度を測定する工程、
前記X線回折装置からの出力信号を二軸配向度判定演算
制御装置に入力し、積層された熱可塑性樹脂フィルムの
二軸配向度を判定演算制御する工程、前記判定演算制御
装置からの出力信号を金属板加熱温度制御装置に入力
し、金属板の加熱温度を制御する工程、および/または
前記判定演算制御装置からの出力信号をラミネートロー
ル温度制御装置に入力し、ラミネートロールの加熱温度
を制御する工程、および/または前記判定演算制御装置
からの出力信号をデフレクターロールの位置制御装置に
入力し、デフレクターロールの位置を制御してラミネー
トロールへの熱可塑性樹脂被覆金属板の巻き付け角を制
御する工程とからなる熱可塑性樹脂被覆金属板の製造工
程において、前記金属板の前記ラミネートロールに巻き
付けられる面に積層された後の熱可塑性樹脂フィルムの
目標とする二軸配向度 (mIL)、その反対面に積層さ
れた後の熱可塑性樹脂フィルムの目標とする二軸配向度
(mIR)、積層された熱可塑性樹脂フィルムの実際の
二軸配向度と、前記の積層された後の熱可塑性樹脂フィ
ルムの目標とする二軸配向度との差の許容範囲(d)、
mILとmIRの対数配向度比[mL=ln(mIR/m
L)]、熱可塑性樹脂フィルムの積層速度、ラミネート
ロールの温度、金属板の加熱温度、ラミネートロールへ
の巻き付け時間をそれぞれ設定し、熱可塑性樹脂フィル
ムを金属板に積層開始した後、オンラインで金属板のラ
ミネートロールに巻き付けられる面に積層された熱可塑
性樹脂フィルムの二軸配向度 (IL)、その反対面に積
層された熱可塑性樹脂フィルムの配向度 (IR)を測定
し、ILとIRの対数配向度比[ln(IR/IL)]、mI
RとIRとの差、およびmIRとIRとの差を演算し、mI
R−IR>dであり、かつ mIL−IL>d である場合
は、金属板の加熱温度を所定量低下させ、一方、mIR
ーIR<dであり、かつmIL−IL<dである場合は金
属板の加熱温度を所定量上昇させ、さらに、mL−ln
(IR/IL)>0である場合はデフレクターロールを移
動させて熱可塑性樹脂被覆金属板のラミネートロールへ
の巻き付け角を小とし、mL−ln(IR/IL)<0であ
る場合はデフレクターロールを移動させて熱可塑性樹脂
被覆金属板のラミネートロールへの巻き付け角を大とす
ることを繰り返し行い、金属板のそれぞれの面に積層さ
れた熱可塑性樹脂フィルムの二軸配向度を制御すること
を特徴とする。このような方法においては、連続的に進
行する帯状の金属板のそれぞれの面に、融点の異なる熱
可塑性樹脂フィルムを積層することが望ましく、また、
連続的に進行する帯状の金属板のそれぞれの面に、樹脂
フィルムを製膜する際に二軸方向に延伸配向した後それ
ぞれ異なる温度で熱固定した熱可塑性樹脂フィルムを積
層することが望ましい。また本発明の製造装置は、連続
的に進行する帯状の金属板を加熱する手段と、前記金属
板の進行方向の下流に設けられた、加熱された前記金属
板の両面に配向性を有する熱可塑性樹脂フィルムを供給
する手段と、さらにその下流に設けられた、前記熱可塑
性樹脂フィルムを前記金属板の両面に当接し、両者を左
右から挟み込んで加圧積層する温度制御可能な一対のラ
ミネートロールと、さらにその下流に金属板の進行方向
と垂直方向に移動可能で、熱可塑性樹脂被覆金属板の進
行方向を変更し前記ラミネートロールへの巻き付け角を
制御するように配設されたデフレクターロールと、積層
された熱可塑性樹脂フィルムの二軸配向度を測定するX
線回折装置と、前記X線回折装置からの出力信号を入力
し、二軸配向度を判定演算制御する二軸配向度判定演算
制御装置と、前記判定演算制御装置からの出力信号を入
力し、金属板の加熱温度を制御する金属板加熱温度制御
装置と、前記判定演算制御装置からの出力信号を入力
し、前記ラミネートロールの温度を制御するラミネート
ロール温度制御装置と、前記判定演算制御装置の出力信
号を入力し、前記デフレクターロールの移動距離を制御
して、熱可塑性樹脂被覆金属板のラミネートロールへの
巻き付け角を制御するデフレクターロール位置制御装置
と、樹脂フィルムの積層速度を制御する樹脂フィルム積
層速度制御装置と、前記熱可塑性樹脂被覆金属板を冷却
する冷却手段とからなる、上記の熱可塑性樹脂被覆金属
板の製造装置をも発明の対象とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、上記のように、連続的
に進行する帯状の加熱した金属板の両面に、配向性を有
する樹脂フィルムを当接し、前記金属板の両面を左右か
ら挟み込むように配設された温度制御可能な一対のラミ
ネートロールで前記金属板と前記樹脂フィルムを加圧接
着する工程と、熱可塑性樹脂フィルムが前記金属板の両
面に積層された熱可塑性樹脂被覆金属板を、その進行方
向と垂直方向に移動可能に前記の一対のラミネートロー
ルの下流に配設されたデフレクターロールを用い、その
位置を制御して前記熱可塑性樹脂被覆金属板の進行方向
を変更し、前記の一対のラミネートロールの片方への前
記熱可塑性樹脂被覆金属板の巻き付け角を制御する工程
と、X線回折装置を用いて、積層された樹脂フィルムの
二軸配向度を測定する工程と、X線回折装置からの出力
信号を二軸配向度判定演算制御装置に入力し、積層され
た樹脂フィルムの二軸配向度を判定演算制御する工程
と、前記判定演算制御装置からの出力信号を金属板加熱
温度制御装置、および/またはラミネートロール温度制
御装置、および/またはデフレクターロールの位置制御
装置に入力し、金属板の加熱温度、および/またはラミ
ネートロール温度、および/またはラミネートロールへ
の樹脂被覆金属板の巻き付け角を制御する工程を有する
樹脂被覆金属板の製造方法において、金属板のそれぞれ
の面に積層された後の樹脂フィルムの目標とする配向
度、積層された熱可塑性樹脂フィルムの実際の配向度
と、前記の積層された後の熱可塑性樹脂フィルムの目標
とする配向度との差の許容範囲、樹脂フィルムの積層速
度、ラミネートロールの温度、金属板の加熱温度、ラミ
ネートロールへの樹脂被覆金属板の巻き付け角等をそれ
ぞれ設定し、金属板に樹脂フィルムを積層開始した後、
オンラインでそれぞれの面に積層された樹脂フィルムの
配向度を測定し、その出力信号に応じ、金属板の加熱温
度、および/またはラミネートロール温度、および/ま
たはデフレクターロールの移動によるラミネートロール
への樹脂被覆金属板の巻き付け角を制御することによ
り、金属板のそれぞれの面に積層された樹脂フィルムの
配向度を容易に制御することが可能であり、安定した特
性を有する樹脂被覆金属板を製造可能であることが判明
した。
【0010】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の樹脂被覆金属板の製造方法および製造装
置について、図面を参照しながら詳細に説明する。図3
は本発明の樹脂被覆金属板の製造に用いる製造装置の1
実施例を示す概略図、図4は図1の部分拡大断面図であ
る。図3に示す本発明の樹脂被覆金属板の製造装置にお
いて、符号1は図面上の上方から下方へ連続的に進行す
る帯状の金属板2を連続的に加熱するための加熱手段で
あり、その加熱手段の下方には、加熱された金属板2に
樹脂フィルム3を当接し、両者を挟みつけて加圧して積
層させるための温度制御可能な一対のラミネートロール
4、および5が設けられている。このラミネートロール
の下方の少し離れた位置に、樹脂被覆金属板9のいずれ
かの片面に当接可能で、かつ回転自在であり、かつ樹脂
被覆金属板9の進行方向を矢印P1およびP2方向に変
更可能なデフレクターロール6が設けられている。さら
に、このデフレクターロール6の下方には、回転自在の
一対のガイドロール7が設けられている。それぞれのラ
ミネートロール4、および5、デフレクターロール6、
およびガイドロール7の回転中心は互いに平行である。
ガイドロール7の下方には樹脂被覆金属板9を常温まで
冷却する冷却手段8が設けられている。さらに、冷却し
た樹脂被覆金属板9のそれぞれの面に積層された樹脂フ
ィルムの配向度を測定するX線回折装置10および11
が設けられている。また本発明の樹脂被覆金属板の製造
装置には、X線回折装置10、および11によって測定
された配向度を基に、金属板に積層した後に目標とする
配向度を有する樹脂被覆金属板を製造するため、二軸配
向度判定演算制御装置12、デフレクターロール位置制
御装置13、金属板加熱温度制御装置14、ラミネート
ロール温度制御装置15、樹脂フィルム積層速度制御装
置16が設けられている。
【0011】前記加熱手段1としては高周波加熱炉な
ど、公知のものが用いられる。また、加熱ロール、誘導
加熱コイルなど他の加熱手段の適用も可能である。さら
に前記ラミネートロール4、および5はその間を通る金
属板2、およびその間に挿入される樹脂フィルム3を狭
圧するニップロールの働きをするもので、公知のものが
用いられる。通常、両方のラミネートロール4、および
5を同調させながら、樹脂被覆金属板を下方に送るよう
に回転駆動することが可能であり、さらにラミネートロ
ール間の隙間および回転速度も調節可能となっている。
デフレクターロール6はその両端が軸受け(図示されて
いない)により回転自在に支持されており、両方の軸受
けはエアーシリンダーなどにより同調して、矢印方向P
1、およびP2方向に移動調節可能としている。軸受け
の位置は、通常は所定のラミネート条件に応じて調節
し、その位置を固定して用いられるが、デフレクターロ
ール位置制御装置からの出力信号に応じ、運転中にP
1、またはP2方向に移動可能に制御される。なお、図
3には、一対のデフレクターロールを示しているが、常
に一方のラミネートロールに樹脂被覆金属板を巻き付け
るのであれば、デフレクターロールは1本とし、P1、
またはP2方向のいずれか一方向に移動可能となるよう
にしてもよい。
【0012】ガイドロール7はその両端が軸受け(図示
されていない)で支持され、それらの軸受けはフレーム
などに固定されている。その位置は一対のラミネートロ
ール4、および5の図4に示す共通接線Nと接する位置
に設けられている。なお、図示していないが、冷却手段
8から引き出された樹脂被覆金属板9は他のニップロー
ルにより下流側に向けて駆動されているので、樹脂被覆
金属板9には張力が負荷されており、それによりラミネ
ートロール4、および5とガイドロール7との間の樹脂
被覆金属板9にも適切な張力が付与されている。
【0013】上記のように構成された樹脂被覆金属板の
製造装置を用いて、本発明の樹脂被覆金属板は下記に示
すように製造される。まず、加熱手段1で所定の温度に
加熱された金属板2の両面に、図示されていない樹脂フ
ィルム供給手段から送り出された樹脂フィルム3をラミ
ネートロール4、および5の間で重ね合わせ両者を挟み
つけて圧接し積層する。ついで得られた樹脂被覆金属板
9を、図3におけるP1方向、またはP2方向に移動さ
せたデフレクターロール6の間に通し、さらにガイドロ
ール7に導き、もとの進行方向に戻す。デフレクターロ
ール6を移動させる量は、デフレクターロール位置制御
装置からの出力信号に応じ決定される。
【0014】ラミネートロール4、および5から出てく
る樹脂被覆金属板9は、いわば蛇行しているので、図4
に詳細を示すように、樹脂被覆金属板9が一方のラミネ
ートロール4に対して所定の巻き付け角(接触角)θで
接触することになる。この巻き付け角θは、デフレクタ
ーロール6が図3のP1方向へ移動する距離が大になる
ほど大になり、P2方向に移動すると小さくなる。ま
た、反対にデフレクターロールをP2方向へ移動させる
距離が大になるほど樹脂被覆金属板のラミネートロール
5への巻き付け角が大になる。さらに、デフレクターロ
ールの移動が0の場合、巻き付け角は0となり、従来の
デフレクターロールを用いない積層方法と同様に、樹脂
被覆金属板9は下方に送られる。このような樹脂被覆金
属板9を所定の巻き付け角θで一方のラミネートロール
4、または5に接触させることにより、樹脂被覆金属板
のラミネートロール4、または5と接触する面の冷却時
間が長くなる。そして冷却時間の増大に応じ、加熱され
た金属板2からラミネートロール4、または5への伝熱
量が増大し、樹脂被覆金属板9の温度低下を増大させる
ことが可能となり、金属板と接触している樹脂層フィル
ムの配向度の低下を抑制することが可能となる。またそ
の間、積層された樹脂フィルムの金属板と接触している
樹脂層において、優れた加工密着性を保持するのに十分
なメルト層を確保することが可能となり、この樹脂被覆
面を缶内面側に適用した場合、要求される加工密着性、
および耐食性などを満足させることが可能となる。
【0015】樹脂フィルムの金属板への積層速度を従来
の方法と同一とした場合、加熱された金属板2からラミ
ネートロールへの伝熱量を本発明の方法を用いて制御す
ることにより、積層された樹脂層の加工密着性と耐食性
を確保することが可能となることを説明したが、逆にい
えば、この加工密着性を従来と同程度でよいのであれ
ば、本発明の方法を用いることにより、樹脂フィルムの
積層速度を従来よりも高速にすることも可能となる。す
なわち、デフレクターロール6を図3のP1方向へ移動
させ、ラミネートロール4へ巻き付けることによって、
積層直後の樹脂被覆金属板9とラミネートロール4との
接触時間が長くなり、ラミネートロール4による冷却作
用も十分働くようになる。そのため、金属板2への樹脂
フィルム3の積層速度を増大させても、金属板2とラミ
ネートロール4との接触時間が十分確保されるため、積
層される樹脂フィルム3の全体がメルトするおそれがな
く、外側にメルトしない層、すなわち配向を有する層を
確実に残すことができる。したがって、高速で樹脂フィ
ルムを積層しても、優れた加工密着性が保持するのに十
分なメルト層を確保でき、かつ表層に優れた耐食性を保
持するにに十分な配向を有する層を確保でき、缶内面に
要求される加工密着性、および耐食性を満足させること
が可能となる。一方、ラミネートロール4に巻き付けら
れていない積層直後の樹脂被覆金属板の面においては冷
却が遅れ、その結果メルト層が増大するとともに、樹脂
層の配向度も低下し、缶外面に要求される厳しい加工性
を満足させることが可能となる。
【0016】本発明の樹脂被覆金属板は上記に示す方法
により製造されるが、金属板のそれぞれの面に積層され
る樹脂フィルムの配向度は、図5に示すフローチャート
により容易に制御される。例えば、樹脂被覆金属板9が
ラミネートロール4に巻き付けられる場合について、そ
の過程を説明する。 (1)まず、金属板のラミネートロール4に巻き付けら
れる面に積層される樹脂フィルムのラミネート後の目標
とする配向度 (mIL)、その反対面に積層される樹脂フ
ィルムのラミネート後の目標とする配向度 (mIR)、そ
れぞれの面に積層された熱可塑性樹脂フィルムの実際の
二軸配向度と、前記の熱可塑性樹脂フィルムの積層され
た後の目標とする二軸配向度との差の許容範囲脂(d)を
設定し、さらに目標とする樹脂フィルムの対数配向度比
[mL=ln(mlR/mlL)]を演算し、その結果を二
軸配向度判定演算制御装置13に入力し、記憶してお
く。 (2)つぎに、樹脂フィルムの積層速度(L)を設定
し、樹脂フィルム積層速度制御装置15に入力し、記憶
しておく。 (3)さらに、ラミネートロールの温度 (T1)を設定
し、ラミネートロール温度制御装置16に入力し、記憶
しておく。 (4)金属板の加熱温度(T2)、およびラミネートロ
ール4 と巻き付けられる樹脂被覆金属板9が接触する
長さ(l=θr、θ:ラミネートロールと樹脂被覆金属
板の接触角、r:ラミネートロールの半径)を計算し、
二軸配向度判定演算制御装置13に入力し、記憶してお
く。 (5)金属板2に樹脂フィルム3を積層開始した後、得
られた樹脂被覆金属板9においてラミネートロール4に
巻き付けられた面に積層された樹脂フィルムの配向度
(IL)、その反対面に積層された樹脂フィルムの配向
度(IR)をX線回折装置10、および11を用いてそ
れぞれ測定し、その出力信号17を二軸配向度判定演算
制御装置12に入力する。 (6)前記二軸配向度判定演算制御装置12において、
入力されたX線回折装置からの出力信号を基に、対数比
[ln(IR/IL)]を演算する。 (7)さらに、前記二軸配向度判定演算制御装置12に
おいてmIR−IR>d、かつmIL−IL>dである場合
は、その出力信号を金属板加熱温度制御装置14に入力
し、金属板の加熱温度を所定量だけ低下させる。 (8)前記二軸配向度判定演算制御装置12において、
mIR−IR<d、mIL−IL<d である場合は、その
出力信号を金属板加熱温度制御装置14に入力し、金属
板の加熱温度を所定量だけ上昇させる。 (9)前記二軸配向度判定演算制御装置12において、
mL−ln(IR/IL)<0である場合は、その出力信号
をデフレクターロール位置制御装置13に入力しデフレ
クターロール6を所定量だけP1方向に移動させ、ラミ
ネートロール4への樹脂被覆金属板9の巻き付け角を所
定量だけ大にし、ラミネートロール4と樹脂被覆金属板
9の接触時間を長くする。 (10)前記二軸配向度判定演算制御装置12において、
mL−ln(IR/IL)>0である場合は、その出力信号
をデフレクターロール位置制御装置に入力し、デフレク
ターロールをP2方向に所定量だけ移動させ、ラミネー
トロール4への樹脂被覆金属板9の巻き付け角を所定量
だけ小にし、ラミネートロール4と樹脂被覆金属板9の
接触時間を短くする。 (11)二軸配向度判定演算制御装置12において、mL
−ln(IR/IL)=0である場合は、当初設定した条件
で樹脂フィルムの積層を継続する。以上、上記の過程に
より、樹脂被覆金属板のそれぞれの面に積層された樹脂
フィルムの配向度を独立して制御することが可能であ
る。なお、二軸配向度判定演算制御装置12の出力信号
をラミネートロール温度制御装置15に入力し、ラミネ
ートロールの温度を制御し、積層される樹脂フィルムの
配向度を制御することも可能であるが、ラミネートロー
ルの表面温度が所定温度に移行するまでに一定の時間を
必要とするので、ラミネートロールの温度は樹脂フィル
ム積層開始時に固定し、金属板の加熱温度の制御、およ
びデフレクターロールの位置の制御のみでは目標とする
配向度が得られない場合にのみ、ラミネートロールの温
度を制御することが、樹脂被覆金属板の連続安定生産の
見地から好ましい。また、樹脂フィルムの積層速度を変
化させる必要が生じた場合は、樹脂フィルム積層速度制
御装置16からの出力信号を二軸配向度判定演算制御装
置12に入力し、その出力信号を金属板加熱温度制御装
置14、および/またはデフレクターロール位置制御装
置13に入力し、目標とする積層後の樹脂フィルムの配
向度を容易に制御することができる。
【0017】上記の(5)において、X線回折装置1
0、および11を用いて、それぞれの面に積層された樹
脂フィルムの配向度を測定する。すなわち、冷却手段8
の後工程に設置されているX線回折装置10、および1
1から樹脂被覆金属板のそれぞれの面にX線を照射し
(100)面の回折強度、すなわち回折角度2θ=26
゜における(100)面の回折強度をカウンターにより
測定する。金属板に積層される前の配向した樹脂フィル
ムは積層時の加熱により、一部は非晶質化(上記のメル
ト層に相当)する。この非晶質化の程度は回折強度の増
減により知ることができる。図6はX線回折装置10、
および11により金属板(m)上に積層された樹脂フィ
ルムの配向度の測定原理を示した図である。すなわち、
X線管20より照射されたX線は樹脂フィルム(a)中
の配向層(b)で回折し、カウンター21に入射する。
一方、非晶質層(c)に到達したX線は散乱し、ほとん
どカウンターに入射しない。したがって、樹脂フィルム
の配向層の割合が大きいほどカウンター値は大きくな
る。一例として、積層された樹脂フィルムにおいて、非
晶質層の割合を変えた樹脂フィルムにX線を照射した際
の、得られたX線強度の変化を図7に示す。Aは積層さ
れる前の樹脂フィルムのX線回折強度を示す。B、およ
びCは異なる条件で金属板に積層され樹脂フィルムのX
線回折強度で示しており、積層される前の樹脂フィルム
の配向度を100%とした場合、それぞれ70%、およ
び50%の配向度を有する樹脂フィルムのX線回折強度
を示す。さらに、Dは完全に非晶質の状態の場合を示
す。この図に示される回折角度2θ=26゜におけるX
線回折強度を測定することによって、積層された樹脂フ
ィルムの配向度の減少程度を管理することが可能であ
る。
【0018】このようにして得られたX線回折強度に基
づく出力信号17を、上記の(6)に示すように二軸配
向度判定演算制御装置12に入力し、まず配向度を判定
するが、この判定にあたっては、積層前の樹脂フィルム
の配向度を測定したカウント値を100%として、予め
前記二軸配向度判定演算制御装置12に記憶させてお
き、前記X線回折装置10、および11からのカウント
値がどの程度減少しているかによって樹脂フィルムの配
向度の低下の割合を判定できる。ただし、樹脂フィルム
が積層される金属基板の種類、例えば基板が鋼板である
か、またはアルミニウム合金板であるか、金属基板上に
表面処理が施されているか否か、あるいはどんな表面処
理が施されているかなどにより、また積層される樹脂フ
ィルムの厚さによりカウント値に差異が生ずるので、カ
ウント値の補正が必要である。補正はカウンターを2台
設け、1台を樹脂フィルムの二軸配向度測定用に、他の
1台をバックグラウンド測定用に用い、これらのカウン
ト値の間で演算を行い、その結果に基づいて、二軸配向
度判定演算制御装置12からの出力信号を、金属板加熱
温度制御装置14、および/またはデフレクターロール
位置制御装置13に送り、目標とする配向度に制御す
る。
【0019】また上記の(9)、および(10)におい
て、デフレクターロールをP1方向、またはP2方向へ
移動させることにより、樹脂被覆金属板のラミネートロ
ールへの巻き付け角を変化させ、樹脂被覆金属板のラミ
ネートロールとの接触時間を変化させることを記した
が、両者の関係について示す。ラミネートロールの半径
をr、ラミネートロールと樹脂被覆金属板の接触角を
θ、樹脂フィルムの積層速度をL、ラミネートロールの
中心からデフレクターロールの中心までの長さを l
1(図4参照)、一対のラミネートロール4、および5
の共通接線Nからデフレクターロールのニップ部までの
長さを l2(図4参照)とすると、 ラミネートロールと樹脂被覆金属板が接触する長さ
(l)=θr ラミネートロールと樹脂被覆金属板が接触している時間
(t)=l/L となり、 したがって、 θ=2tanー1[(l2−l1)/(l2−2r)]1/2 t=1/L・2r・tanー1[(l2−l1)/(l2
2r)]1/2 となる。すなわち、本発明の樹脂被覆金属板の製造装置
において、ラミネートロールの半径(r)、およびラミ
ネートロールの中心からデフレクターロールの中心まで
の長さ(l1)は一定値であるので、 樹脂フィルムの積
層速度が一定であれば、ラミネートロールと樹脂被覆金
属板が接触している時間(t)は一対のラミネートロー
ル4、および5の共通接線Nからデフレクターロールの
ニップ部までの長さ(l2)、 すなわちデフレクターロ
ールをP1方向、またはP2方向へ一定量移動させるこ
とにより、容易に変化させることが可能である。
【0020】つぎに、樹脂フィルムを金属板に積層する
際に、積層後の樹脂フィルムの配向度と金属板の加熱温
度の関係、および樹脂被覆金属板とラミネートロールと
の接触している時間の関係を説明する。図8は、従来の
積層方法において、ラミネートロールの温度 (T1)が
一定である場合の、金属板のそれぞれの面に積層された
後の樹脂フィルムの配向度と金属板の加熱温度 (T2)
の関係を示す。すなわち、従来の積層方法においては、
樹脂被覆金属板はラミネートロールに巻き付けられてい
ないので、それぞれの面に積層された後の樹脂フィルム
の配向度(IL)、および(IR)は、金属板の加熱温度
(T2)の上昇とともに徐々に低下するが、ほぼ同一の
値を示す。一方、本発明の方法においては、図9に示す
ように、上記と同様に金属板の加熱温度(T2)の上昇
とともに積層された後の樹脂フィルムの配向度
(IL)、および(IR)は徐々に低下するが、金属板加
熱温度(T2)が同一であれば、金属板のラミネートロ
ールに巻き付けられた面に積層された後の樹脂フィルム
の配向度(IL)は、その反対面に積層された後の樹脂
フィルムの配向度(IR)より大きい。これは、金属板
のラミネートロールに巻き付けられない面に積層された
後の樹脂フィルム表面には、ニップから出た時の樹脂被
覆金属板の温度が影響するのに対して、金属板のラミネ
ートロールに巻き付けられた面に積層された後の樹脂フ
ィルム表面には、ラミネートロールの巻き付け部から出
た時の樹脂被覆金属板の温度が影響し、この温度差が積
層された樹脂フィルムに配向度の差を生ぜしめることに
よると考えられる。
【0021】しかしながら、本発明の樹脂被覆金属板の
製造方法において、樹脂被覆金属板をラミネートロール
4、または5に巻き付けた際に、樹脂被覆金属板9とラ
ミネートロール4、または5が接触している時間と対数
強度比 ln(IR/IL) の関係は図10に示すようにほぼ
直線で示されるので、上記の(9)に示したように、樹
脂被覆金属板のそれぞれの面における積層後の樹脂フィ
ルムの配向度(IL)、および(IR)より対数強度比 l
n(IR/IL)を演算し、その出力信号をデフレクター
ロール位置制御装置に入力し、その出力信号に応じ、デ
フレクターロールをP1方向、またはP2方向に移動さ
せ、樹脂被覆金属板9のラミネートロール4、または5
への巻き付け角を変化させ、樹脂被覆金属板がラミネー
トロールと接触している時間を変化させ、それぞれの面
における樹脂フィルムの配向度を制御することが可能と
なるのである。
【0022】本発明において、金属板の両面に積層され
る樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト、エチレンテレフタレート繰り返し単位を主体とする
共重合ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレー
ト、ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主体とする
ポリエステル樹脂、またはこれらのポリエステル樹脂を
少なくとも2種類ブレンドしたポリエステル樹脂、また
は上記のポリエステル樹脂を少なくとも2種類積層した
複層のポリエステル樹脂のいずれか、さらにポリカーボ
ネート樹脂、またはポリカーボネート樹脂と上記のポリ
エステル樹脂を少なくとも1種類ブレンドした樹脂、さ
らにポリカーボネート樹脂と上記のポリエステル樹脂を
少なくとも1種類積層した複層樹脂からなり、公知の押
し出し機によりフィルムに製膜後、縦横二方向に延伸
し、熱固定して製造される二軸配向ポリエステル樹脂フ
ィルムが用いられる。この樹脂フィルムの成形時に、必
要に応じて安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、滑
剤、腐食防止剤などの添加剤を加えても差し支えない。
特に缶外面となる面に積層される樹脂フィルムには、酸
化チタン系の白色顔料を添加することが、その上に施さ
れる印刷デザインの鮮明性を考慮すると好ましい。な
お、顔料を含む樹脂フィルムを金属板に積層する場合
も、X線回折強度を測定することにより、その樹脂フィ
ルムの配向度を測定できるが、事前に同一組成の顔料を
含まない樹脂フィルムのX線回折強度と配向度の関係を
求めておき、補正することが必要である。
【0023】積層される樹脂フィルムの厚さは 5〜50μ
mの範囲が好ましく、10〜30μmの範囲がより好まし
い。厚さが 5μm以下の場合、厳しい成形加工によって
積層された樹脂層が破断し、耐食性が低下するおそれが
あり、また 5μm以下の樹脂フィルムを安定した状態で
金属板に積層することは困難であるだけでなく、積層さ
れた樹脂層の面配向係数を所望の範囲に制御することも
困難である。一方、積層される樹脂フィルムの厚さが50
μm以上になると、製缶用材料に広く使用されているエ
ポキシ系樹脂塗料などと比較し、経済性の点から有利で
はなくなる。
【0024】積層される樹脂フィルムと金属板の間に、
熱硬化性樹脂系の接着剤、例えばフェノール系の硬化剤
を添加したエポキシ樹脂系のプライマーを介在さて積層
することも可能であるが、前記プライマーの塗布、乾燥
など工程が煩雑になるだけでなく、コスト、環境汚染の
観点から好ましいことではなく、より厳しい耐食性など
が要求される場合に限って適用することが好ましい。
【0025】つぎに、本発明の樹脂被覆金属板に用いら
れる金属板について説明する。金属板としては、帯状の
表面処理を施した鋼板、またはアルミニウム合金板が好
ましい。鋼板の場合、厳しい成形加工が可能であれば、
特に鋼成分を限定する必要はないが、缶用に多用されて
いる板厚0.15〜0.30mmの低炭素冷延鋼板が好ましく、積
層される樹脂フィルムとの優れた加工密着性を確保する
ために、表面にクロム水和酸化物皮膜を有する鋼板、特
に下層が金属クロム、上層がクロム水和酸化物の二層構
造の皮膜を有する鋼板、いわゆるティン・フリー・スチ
ール(TFS)が好ましく、さらに鋼板表面に錫、ニッ
ケル、アルミニウムなどの1種、または2種以上の複層
めっき、または合金めっきを施し、その上層に上記の二
層構造の皮膜を形成させた鋼板も適用可能である。ま
た、アルミニウム合金板の場合、同様に厳しい成形加工
が可能なアルミニウム合金板であれば、特に合金成分を
限定する必要はないが、コスト、および成形加工性の点
から、缶用に多用されている3000系、5000系のアルミニ
ウム合金板が好ましく、電解クロム酸処理、浸漬クロム
酸処理、アルカリ溶液、およびまたは酸溶液によるエッ
チング処理、陽極酸化処理など、公知の方法で表面処理
されたアルミニウム合金板がより好ましい。特に、鋼
板、またはアルミニウム合金板に上記の二層皮膜を形成
させる場合、積層される樹脂フィルムの加工密着性の点
からクロム水和酸化物の量はクロムとして3〜25mg/m2の
範囲が好ましく、7〜20mg/m2の範囲がより好ましい。ま
た、金属クロム量は特に限定する必要はないが、加工後
の耐食性、積層される樹脂フィルムの加工密着性の観点
から10〜200mg/m2の範囲が好ましく、30〜100mg/m2の範
囲がより好ましい。
【0026】また、本発明の樹脂被覆金属板の製造方法
を用いることにより、金属板のそれぞれの面に同一組成
の樹脂フィルムだけでなく、融点、またはフィルム製膜
時の二軸延伸後の熱固定温度の異なる異質の樹脂フィル
ムを積層する場合でも、金属板のそれぞれの面に積層さ
れる樹脂フィルムに要求される配向度に容易に制御する
ことが可能である。
【0027】以下、本発明について、実施例と比較例に
より具体的に説明する。 実施例1 金属板に積層される前の樹脂フィルムの配向度を100 %
とした場合の、金属板のラミネートロールに巻き付けら
れる面に積層された後の樹脂フィルムの目標とする配向
度 (IL)を50%、その反対面に積層された後の樹脂フ
ィルムの目標とする配向度 (IR)を20%、それぞれの
面に積層された後の樹脂フィルムの積層された後の実際
の二軸配向度と、前記の目標とする二軸配向度との差の
許容範囲(d)を5%、mILとmIRの対数強度比(m
L)を0.916、樹脂フィルムの積層速度を200m/分、ラ
ミネートロールの温度を120℃、金属板としての厚さ0.2
6mmのTFS(金属クロム量: 105mg/m2、クロム水和酸
化物量:クロムとして 15mg/m2)の加熱温度を240℃、
樹脂被覆金属板のラミネートロール4への巻き付けによ
る接触時間を 0.025秒として設定し、上記TFSの両面
に厚さ25μmの二軸配向共重合ポリエステル樹脂フィル
ム(樹脂組成:テレフタル酸88モル%、イソフタル酸12
モル%、エチレングリコール 100モル%、融点:229
℃)を、図3に示す装置を用い、図5に示した制御方法
により積層し、長さ6000mの樹脂被覆金属板を製造し
た。
【0028】実施例2 金属板に積層される前の樹脂フィルムの配向度を100 %
とした場合の、金属板のラミネートロールに巻き付けら
れる面に積層された後の樹脂フィルムの目標とする配向
度 (IL)を50%、その反対面に積層された後の樹脂フ
ィルムの目標とする配向度 (IR)を20%、それぞれの
面に積層された後の樹脂フィルムの積層された後の実際
の二軸配向度と、前記の目標とする二軸配向度との差の
許容範囲(d)を5%、mILとmIRの対数強度比(m
L)を0.916、樹脂フィルムの積層速度を200m/分、ラ
ミネートロールの温度を120℃、金属板としての実施例
1と同一のTFSの加熱温度を 280℃、樹脂被覆金属板
のラミネートロール4への巻き付けによる接触時間を
0.035秒として設定し、上記TFSのラミネートロール
に巻き付けられる片面に実施例1と同一の厚さ25μmの
二軸配向共重合ポリエステル樹脂フィルムを、他の片面
に厚さ20μmの二軸配向共重合ポリエステル樹脂フィル
ム(樹脂組成:テレフタル酸94モル%、イソフタル酸 6
モル%、エチレングリコール100モル%、融点:245℃)
を、図3に示す装置を用い、図5に示した制御方法によ
り、積層し、長さ6000mの樹脂被覆金属板を製造した。
【0029】実施例3 金属板に積層される前の樹脂フィルムの配向度を100 %
とした場合の、金属板のラミネートロールに巻き付けら
れる面に積層された後の樹脂フィルムの目標とする配向
度 (IL)を50%、その反対面に積層された後の樹脂フ
ィルムの目標とする配向度 (IR)を20%、それぞれの
面に積層された後の樹脂フィルムの積層された後の実際
の二軸配向度と、前記の目標とする二軸配向度との差の
許容範囲(d)を5%、mILとmIRの対数強度比(m
L)を0.916、樹脂フィルムの積層速度を200m/分、ラ
ミネートロールの温度を120℃、金属板としての実施例
1と同一のTFSの加熱温度を 240℃、樹脂被覆金属板
のラミネートロール4への巻き付けによる接触時間を
0.035秒として設定し、上記TFSのラミネートロール
に巻き付けられる片面に実施例1と同一組成の厚さ25μ
mの二軸配向共重合ポリエステル樹脂フィルム(フィル
ムに製膜する際に、縦横二軸方向に延伸した後、180 ℃
で熱固定)を、他の片面に実施例1と同一組成の厚さ20
μmの二軸配向共重合ポリエステル樹脂フィルム(フィ
ルムに製膜する際に、縦横二軸方向に延伸した後、190
℃で熱固定)二軸配向共重合ポリエステル樹脂フィルム
を、図3に示す装置を用い、図5に示した制御方法によ
り積層し、長さ6000mの樹脂被覆金属板を製造した。
【0030】比較例1 実施例と同じ装置を用い、実施例と同一な樹脂フィル
ム、同一なTFSの両面に積層した。ただし、実施例で
用いた配向度制御方法を用いず、積層される前の樹脂フ
ィルムの配向度を 100%とし、事前にラミネートロール
4に巻き付けられる面に積層される樹脂フィルムの配向
度 (IL)が20%、その反対面に積層される樹脂フィル
ムの配向度 (IR)が50%となる条件を調査し、その条
件、すなわち、樹脂フィルムの積層速度を200m/分、
ラミネートロールの温度を120℃、TFSの加熱温度を
240℃、樹脂被覆金属板のラミネートロール4への巻き
付けによる接触時間を0.025秒に設定し、長さ6000mの
樹脂被覆金属板を製造した。
【0031】比較例2 図1に示す従来の装置を用い、実施例と同様な樹脂フィ
ルムを同様なTFSの両面に積層した。すなわち、実施
例で用いた配向度制御方法および図1に示したデフレク
ターロールを用いず、積層される前の樹脂フィルムの配
向度を 100%とし、事前にそれぞれの面に積層される樹
脂フィルムの配向度が20%となる条件を調査し、その条
件(樹脂フィルムの積層速度 200m/分、ラミネートロ
ールの温度180℃、TFSの加熱温度270℃)で6000mの
樹脂被覆金属板を製造した。
【0032】実施例および比較例1、2で得られた樹脂
被覆金属板を 100mおきに50点採取し、樹脂被覆金属板
のそれぞれの面に積層された樹脂フィルムの配向度を、
オフラインのX線回折装置で測定し、目標配向度に対し
て±5%以内の割合を調査した。その結果を表1に示し
た。
【0033】
【表1】 表1に示した結果から、本発明の樹脂被覆金属板の製造
方法および製造装置を用いることにより、製造時に、目
標とする配向度を有する樹脂フィルムで被覆された樹脂
被覆金属板を歩留まりよく製造することが可能であるこ
とがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂被覆金属板の製造
方法、および製造装置を用いることにより、樹脂被覆金
属板のそれぞれの面に積層される樹脂フィルムの配向度
を目標とする配向度に容易に制御することが可能であ
り、さらに、金属板のそれぞれの面に、融点の異なる熱
可塑性樹脂フィルムを積層するか、または樹脂フィルム
を製膜する際に二軸方向に延伸配向した後、それぞれ異
なる温度で熱固定した熱可塑性樹脂フィルムを積層する
ことにより、樹脂フィルムの配向度を目標とする配向度
にさらに容易に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂被覆金属板の従来の方法による製造装置の
概略図である。
【図2】図1の部分拡大断面図である。
【図3】本発明の樹脂被覆金属板の製造装置の一実施例
を示す概略図である。
【図4】図3の部分拡大断面図である。
【図5】積層される樹脂フィルムの配向度を制御するフ
ローチャートを示す概略図である。
【図6】本発明に用いるX線回折装置の測定原理図を示
す概略図である。
【図7】X線回折強度の相違を示す概略図である。
【図8】従来の製造方法における金属板の加熱温度とそ
れぞれの面に積層された樹脂フィルムの配向度の関係を
示す概略図である。
【図9】本発明の製造方法における金属板の加熱温度と
それぞれの面に積層された樹脂フィルムの配向度の関係
を示す概略図である。
【図10】本発明の製造方法における樹脂被覆金属板とラ
ミネートロールの接触時間と積層された樹脂フィルムの
対数配向度比の関係を示す概略図である。
【符号の説明】
1 :金属板加熱手段 2 :金属板 3 :樹脂フィルム 4,5 :ラミネートロール 6 :デフレクターロール 6´ :P2方向へ移動したデフレクターロー
ル6 7 :ガイドロール 8 :冷却手段 9 :樹脂被覆金属板 10,11 :X線回折装置 12 :二軸配向度判定演算制御装置 13 :デフレクターロール位置制御装置 14 :金属板加熱温度制御装置 15 :ラミネートロール温度制御装置 16 :樹脂フィルム積層速度制御装置 17 :X線回折装置からの出力信号 18 :積層速度制御装置からの出力信号 19 :二軸配向度判定演算制御装置からの出
力信号 20 :X線管 21 :カウンター 101 :金属板 102 :樹脂フィルム 103,104:ラミネートロール 105 :加熱炉 106,c :非晶質層(メルト層) 107 :配向層 108 :クエンチタンク a :積層された樹脂フィルム b :二軸配向層 m :金属板 A :金属板に積層される前の樹脂フィルム B :金属板に積層後配向が積層前の70%残
存した樹脂フィルム C :金属板に積層後配向が積層前の50%残
存した樹脂フィルム D :金属板に積層後完全に非結質化した樹
脂フィルム
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−92535(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 B32B 31/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に進行する帯状の加熱した金属板
    の両面に二軸配向性を有する熱可塑性樹脂フィルムを当
    接し、一対の温度制御可能なラミネートロールを用いて
    圧着し積層する工程、 前記熱可塑性樹脂フィルムが前記金属板の両面に積層さ
    れた熱可塑性樹脂被覆金属板を、その進行方向と垂直方
    向に移動可能に前記の1対のラミネートロールの下流に
    配設されたデフレクターロールを用い、その位置を制御
    して前記熱可塑性樹脂被覆金属板の進行方向を変更し、
    前記の1対のラミネートロールの片方への前記熱可塑性
    樹脂被覆金属板の巻き付け角を制御する工程、 X線回折装置を用いて、積層された熱可塑性樹脂フィル
    ムの二軸配向度を測定する工程、 前記X線回折装置からの出力信号を二軸配向度判定演算
    制御装置に入力し、積層された熱可塑性樹脂フィルムの
    二軸配向度を判定演算制御する工程、 前記判定演算制御装置からの出力信号を金属板加熱温度
    制御装置に入力し、金属板の加熱温度を制御する工程、 および/または前記判定演算制御装置からの出力信号を
    ラミネートロール温度制御装置に入力し、ラミネートロ
    ールの加熱温度を制御する工程、 および/または前記判定演算制御装置からの出力信号を
    デフレクターロールの位置制御装置に入力し、デフレク
    ターロールの位置を制御してラミネートロールへの熱可
    塑性樹脂被覆金属板の巻き付け角を制御する工程とから
    なる熱可塑性樹脂被覆金属板の製造工程において、 前記金属板の前記ラミネートロールに巻き付けられる面
    に積層された後の熱可塑性樹脂フィルムの目標とする二
    軸配向度 (mIL)、その反対面に積層された後の熱可
    塑性樹脂フィルムの目標とする二軸配向度 (mIR)、
    積層された熱可塑性樹脂フィルムの実際の二軸配向度
    と、前記の積層された後の熱可塑性樹脂フィルムの目標
    とする二軸配向度との差の許容範囲(d)、mILとm
    Rの対数配向度比[mL=ln(mIR/mIL)]、熱可
    塑性樹脂フィルムの積層速度、ラミネートロールの温
    度、金属板の加熱温度、ラミネートロールへの巻き付け
    時間をそれぞれ設定し、 熱可塑性樹脂フィルムを金属板に積層開始した後、オン
    ラインで金属板のラミネートロールに巻き付けられる面
    に積層された熱可塑性樹脂フィルムの二軸配向度
    (IL)、その反対面に積層された熱可塑性樹脂フィル
    ムの配向度 (IR)を測定し、ILとIRの対数配向度比
    [ln(IR/IL)]、mIRとIRとの差、およびmIR
    とIRとの差を演算し、mIR−IR>dであり、かつ m
    L−IL>d である場合は、金属板の加熱温度を所定
    量低下させ、 一方、mIRーIR<dであり、かつmIL−IL<dであ
    る場合は金属板の加熱温度を所定量上昇させ、 さらに、mL−ln(IR/IL)>0である場合はデフレ
    クターロールを移動させて熱可塑性樹脂被覆金属板のラ
    ミネートロールへの巻き付け角を小とし、 mL−ln(IR/IL)<0である場合はデフレクターロ
    ールを移動させて熱可塑性樹脂被覆金属板のラミネート
    ロールへの巻き付け角を大とすることを繰り返し行い、
    金属板のそれぞれの面に積層された熱可塑性樹脂フィル
    ムの二軸配向度を制御することを特徴とする熱可塑性樹
    脂被覆金属板の製造方法。
  2. 【請求項2】 連続的に進行する帯状の金属板のそれぞ
    れの面に、融点の異なる熱可塑性樹脂フィルムを積層す
    ることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂被
    覆金属板の製造方法。
  3. 【請求項3】 連続的に進行する帯状の金属板のそれぞ
    れの面に、樹脂フィルムを製膜する際に二軸方向に延伸
    配向した後それぞれ異なる温度で熱固定した熱可塑性樹
    脂フィルムを積層することを特徴とする、請求項1に記
    載の熱可塑性樹脂被覆金属板の製造方法。
  4. 【請求項4】 連続的に進行する帯状の金属板を加熱す
    る手段と、 前記金属板の進行方向の下流に設けられた、加熱された
    前記金属板の両面に配向性を有する熱可塑性樹脂フィル
    ムを供給する手段と、 さらにその下流に設けられた、前記熱可塑性樹脂フィル
    ムを前記金属板の両面に当接し、両者を左右から挟み込
    んで加圧積層する温度制御可能な一対のラミネートロー
    ルと、 さらにその下流に金属板の進行方向と垂直方向に移動可
    能で、熱可塑性樹脂被覆金属板の進行方向を変更し前記
    ラミネートロールへの巻き付け角を制御するように配設
    されたデフレクターロールと、 積層された熱可塑性樹脂フィルムの二軸配向度を測定す
    るX線回折装置と、 前記X線回折装置からの出力信号を入力し、二軸配向度
    を判定演算制御する二軸配向度判定演算制御装置と、 前記判定演算制御装置からの出力信号を入力し、金属板
    の加熱温度を制御する金属板加熱温度制御装置と、 前記判定演算制御装置からの出力信号を入力し、前記ラ
    ミネートロールの温度を制御するラミネートロール温度
    制御装置と、 前記判定演算制御装置の出力信号を入力し、前記デフレ
    クターロールの移動距離を制御して、熱可塑性樹脂被覆
    金属板のラミネートロールへの巻き付け角を制御するデ
    フレクターロール位置制御装置と、 樹脂フィルムの積層速度を制御する樹脂フィルム積層速
    度制御装置と、 前記熱可塑性樹脂被覆金属板を冷却する冷却手段とから
    なる、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂被
    覆金属板の製造装置。
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